2015/06/02 - 2015/06/03
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ペコちゃんさん
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トレッキングを続けていると、やはり日本百名山に気持ちが動きます。
6月初めの2日間、甲州・武州・信州に跨る甲武信ヶ岳(2,475m)と埼玉県最高峰の三宝山(2,483m)に登り、十文字峠のシャクナゲを楽しんできました。
天気予報では、初日は晴れのち曇り、翌日は雨・曇りでしたが予定通り出発。
奥秩父山地は2千mを超える山がいくつもあることから、東アルプスと言われるのが甲武信ヶ岳に登るとよく分かります。
また、甲武信ヶ岳には、千曲川(信濃川上流)・荒川・笛吹川(富士川上流)の水源もあり、百名山に相応しい堂々とした山でした。
今回の山行は、美しい渓谷と深い樹林帯を辿るコースで、天気が良ければ眺望が良く、いろんな花も楽しめます。
また、今回泊まった甲武信小屋の小屋番・とくさんと、いろんな話が出来て、いい思い出になりました。
写真は甲武信ヶ岳山頂から望む富士山。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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今回の参加者は7名なので、車2台で毛木平駐車場に向かいます。
駐車場の混雑を考えて、いつもより少し早い5時45分に地元を出発し、圏央道に入りましたが、何と工事のため、あきる野ICから先は一般道を走ることになりました。
2台のうち1台はETCを取り付けていないため、この「高速道路通行止め乗継証明書」を貰いましたが、皆さん、こんな証明書を見たことがありますか? -
通常は上を走るだけの圏央道ですが、あきる野ICで降ろされたお蔭で、下から道路を見上げると、元建設会社に勤めていた仲間が ” 圏央道のコンクリートの打ち方は美しい ” と専門的にコメントしていました。
圏央道は完成してそれ程経っていないこともあるでしょうが、素人目にも橋げたが美しく見えます。
迂回路の都道169号(新滝山街道)は、中央道・八王子ICまであまり渋滞はなかったのですが、折角早く出発したのに30分のタイムロス。 -
中央道に入り、甲府市内を過ぎると、奥秩父山地の山々が見えてきます。
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7時50分に須玉ICを降り、増富温泉を通過して県道23号線を走り、鳥井坂トンネルへ・・・ヤマセミと紅葉・渓流のデザインが目を引きます。
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いくつかのトンネルを通過し、平成9年に竣工した塩川ダムへ・・・富士川水系の塩川に建設されたダムで、ダム湖の名は「みずがき湖」・・・この辺りは紅葉の名所だそうです。
湖に架かる白い大きな鹿鳴峡大橋を渡ります。 -
途中、魔宮のように聳え立つ瑞牆山(みずがきやま)が見えました。
日本百名山の瑞牆山(2,230m)は奥秩父の山域の主脈の一つ。
先ほどの湖の名前の由来が分かりました。 -
山梨県から長野県川上村に入りました。
この村は、長野県内で唯一、埼玉県(秩父地方)と境を接する自治体ですが、日本有数のレタス産地であり、ビニールシートは全てレタス畑。 -
トラクターなど機械化が進んでいます。
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村域全体が1,000mを超える高冷地にあり、八ヶ岳の広大な裾野(野辺山高原)に高原レタスが育っています。
因みに、川上村役場の標高は1,185mで、日本一高い所にある役所。 -
レタスの出荷量がダントツの長野県の中でも、No1は川上村・・・レタス農家の平均年収は2500万円で、1億円を超える農家も。
しかし、中国人などの実習生に過酷労働を課しているとして、昨年、東京入国管理局から受け入れ中止の処分が下りました。
国の外国人技能実習制度で受け入れを始めたのですが、 ” 過ぎたるは猶及ばざるが如し ” 。 -
広大なレタス畑の舗装道路を進むと、急にオフロードになりました。
ちょっと不安でしたが、2~3分走り、9時過ぎに毛木平駐車場に到着・・・須玉ICから約1時間でした。 -
圏央道のタイムロスのお蔭(?)で、60台の駐車場は既に満杯。
やむを得ずUターンして路肩に止めました。
駐車場には、きれいなトイレと自販機もあります。 -
シラカバ林の白とレンゲツツジの赤と空の青さのコントラストが見事です。
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今回は、右側の千曲川源流ルートで登り、山小屋に泊まって翌日は左側の十文字峠ルートで下山するコースです。
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毛木平駐車場(1,460m)から甲武信ヶ岳(2,475m)まで、1,000mも標高差があるのを案内板で確認し、思わず武者震い!
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でもこの案内板を見て ” 楽しもう ” と気持ちを切り替え、準備体操の後、9時15分に出発。
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駐車場を出ると、軽井沢のような爽やかなシラカバ林です。
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シロバナノヘビイチゴが地面を覆いつくしています。
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登山道の前半は、千曲川源流まで緩やかなアップダウンを進む、沢沿いの癒しのコースです。
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マイナスイオンがタップリ。
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30分歩きましたが、千曲川源流はまだ4km先。
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あまり急登ではありませんが、川沿いに石ころ道を進みます。
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これは、昭和13年9月13日の集中豪雨で、林業従事者9名が鉄砲水で亡くなった事故の慰霊碑だそうです・・・穏やかな川の流れからは想像がつきません。
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紅紫色の筋が入った可憐なコミヤマカタバミ。
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千曲川に注ぐ小さな流れ・・・倒木や石についた苔の緑が活き活きしています。
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出発してから2時間ほどで「ナメ滝」に到着・・・標高1,892mにあるナメ滝は、大きな一枚岩。
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日光の竜頭の滝に似た感じの滝です。
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スミレ科のキバナノコマノツメ・・・花が黄色で葉の形状が馬の蹄(駒の爪)に似ていることから付けられた名前です。
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沢の流れも細くなって、源流に近づいてる感じが漂います。
12時になったので、この辺りでランチタイム。 -
13時に千曲川・信濃川の水源地標に到着・・・シラビソの原生林に囲まれて立つ地漂です。
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ここが水源・・・小さな水場といった感じです。
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冷たくて美味しい水をペットボトルに入れて、山の恵みを味わいました。
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ゆるやかな登山道は水源地標までで、そこからは、稜線に駆け上がる感じで少し急登になります。
水源から30分ほど登ると、この標識のある稜線に着きました。
右は国師ヶ岳・金峰山へと続く縦走路、甲武信岳山頂はもう少しです。 -
尾根筋の途中に切れ間があり、そこから南方を見ると富士山が見えました・・・ ” おおお! 富士山だ~ ” ・・・仲間から歓喜の声が上がります。
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少し霞んでいますが、残雪もはっきりと見えます。
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甲武信ヶ岳の山頂が見えてきました。
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先日の両神山で見たイワカガミがここにも。
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山頂直前は最後の急登・・・このガレ場の上が山頂。
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14時20分に標高2,475mの山頂に到着・・・毛木平駐車場から約5時間の山行でした。
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天気が良ければ、ここからの眺めは最高ですが、少し残念。
でも、富士山や・・・ -
残雪の南アルプスや・・・
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遠くの八ヶ岳連峰も霞んで見えます。
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思ったほど広くない山頂で写真を撮って、甲武信小屋に向かいます。
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山頂から小屋までは400m・・・樹林帯の急坂を下ります。
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15時前に甲武信小屋に到着。
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この山小屋は、約150名が宿泊できます。
玄関入口の鯉のぼりが気持ちを和ませてくれます。 -
1階には食堂や売店があり、飲み物やピンバッジなどを売っています。
缶ビールは550円、水は外の水道で1リットル50円。 -
建物の奥には、8年ほど前に作った綺麗なトイレもあります。
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夕食は17時半からなので、周りを少し散策。
これが小屋の全景。 -
電気はソーラーで賄い、トイレの浄化槽も整備しています。
食料などは担いで上がりますが、プロパンのボンベはヘリコプターで運びます。 -
山小屋の下は、約30のテントが張れる平地になっています。(1人500円、山小屋は1泊2食で8,100円)
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小屋の少し上に、埼玉県知事だった畑和さんの書による「荒川水源の碑」があります・・・何しろ、甲武信ヶ岳は千曲川・荒川・笛吹川の水源の地ですから。
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そのそばにある「奥秩父遭難者慰霊碑」。
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荷物を2階において、小屋前のテーブルで反省会(?)・・・仲間の皆さん、お酒とおつまみはしっかりと持参してきました。
途中から甲武信小屋の小屋番「とくさん」も加わって盛り上がります。
昭和24年生まれのとくさんは、今年で小屋番生活32年目・・・始めた当時の事や山の話・花の名前など教えてもらい、楽しいひと時でした。 -
でも、 ” どうせなら、美人の方が ” ということで、もう1枚・・・とくさんも嬉しそうです。
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夕食会場は入口を入った右奥にあります。
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甲武信小屋の夕飯は、定番のカレー。
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山で食べるカレーは美味しい。
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19時前に外に出てみると、甲武信ヶ岳に対面する標高2,469mの木賊山(とくさやま)は、夕日に染まっています。
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今日はマアマアの天気でしたが、明日は大丈夫かな?
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今日は3人がテント張り・・・夕餉を楽しんでいます。
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20時の消灯の前に小屋のスタッフの皆さんも夕食タイム。
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寝床には掛布団と毛布があるので、寒さは問題ありません。
宿泊者は元気な中高年の女性が7~8割でしたが、翌日のために皆さん早目の就寝です。 -
二日目。
朝食は5時から・・・味噌汁・海苔・漬物・茶碗蒸し・フルーツとバラエティに富んでいます。 -
明け方から雨になりましたが、弱い雨で風もなく、山行にはあまり支障がなさそうです。
5時45分に三宝山を目指してスタート・・・雪がまだ一部残っています。 -
6時半に埼玉県の最高峰・三宝山(2,483m)に到着。
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山頂と言うよりは広場という感じで、樹林に囲まれているため展望は利かず、三角点が設置されているだけの山頂です。
やはり百名山に相応しいのは、甲武信ヶ岳の方ですね。 -
誰が作ったのか、小枝で作ったこんな可愛らしいオブジェがありました。
とくさんの話では、この辺りのシャクナゲが咲くの7月に入ってからとのこと。 -
十文字峠を目指して、しばらく緩やかな尾根を歩きます。
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昨日までは干からびていたサルオガセも、今日の雨でまた元気に。
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尻岩と呼ぶ大きな岩。
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尻岩からは足場が悪い上りになります。
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斜面にも大きな岩。
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稜線の岩場にある梯子場。
左側はなだらかな樹林ですが、右側は切れ落ちていて危険なので、慎重に通過して行きます。 -
木々の向こうに見えるのは、2,280mの「武信白岩山」の岩峰・・・名前の通り、埼玉県・長野県の県界尾根にあります。
この山は危険なため登山禁止になっています。 -
更に進むと鎖場があります。
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ようやくシャクナゲが見えてきました。
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ピンク色が美しいアズマシャクナゲ。
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花言葉は「威厳」「荘厳」ですが、これはシャクナゲの豪華で美しく咲き誇る姿に由来するといわれます。
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この稜線の最終ピーク、大山(2,225m)。
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大山頂上のシャクナゲも綺麗に咲いています。
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大山の北直下の鎖場。
ここを降りてしまえば、あとは下るのみです。 -
9時45分に十文字小屋に到着。
雨なので小屋には入らずにシャクナゲを見て早く下山することにしました。
これは、小屋の前にあるシャクナゲの説明板。 -
展望台からシャクナゲの大群生を見ましたが、十文字峠ではピークを過ぎていました・・・見頃に合わせて訪れるのは、なかなか難しいですね。
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十文字峠から毛木平駐車場までは1時間半・・・ひたすら下っていきます。
途中の一里観音菩薩・・・今回の無事山行に感謝して、合掌。 -
千曲源流挟霧橋を渡り、11時過ぎに駐車場に到着。
雨で洗われた緑が、一段と綺麗です。 -
着替えをした後は、途中で昼食をとり、安全運転で帰るだけ。
駐車場を出たら、すぐにベニバナイチヤクソウの群生地があります。 -
ベニバナイチヤクソウの可憐な花。
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川上村に入ると雲が切れて雨も上がり、雪が残る八ヶ岳がよく見えます。
やはり百名山は心が惹かれますね。
これからも元気な間は、甲信越の百名山にチャレンジしたくなりました。
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