Solitary Journey ［1599］ 極めてゆるやかなリズム、楽器で囃したてながら早乙女たちが苗を植える♪＜原田はやし田＞広島県安芸高田市

2015/05/31 - 2015/05/31

■原田はやし田（来原さんばい祭り）／広島県安芸高田市高宮町原田

　原田はやし田は、平成９年１２月１５日「安芸のはやし田」として山県郡大朝町の新庄はやし田と共に、国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。
　原田はやし田は、中国山地に残る数少ない大田植えの一つです。
　大田植えは、江戸時代末期から各村々で盛んに行われていましたが、戦時中中断し、以後多くの大田植えが姿を消していきました。
　原田地区では戦後いち早く、若い有志が「はやし田」の復活に向けて動き始めました。幸いに古老や先輩も多く、田植え唄本や用具類も集まり、１０年後にはあまり原形を損なうこともなく復活させることができました。
　そして、昭和３２（１９５７）年１月１０日「原田田楽団」を結成。胴はやし、早乙女、綱方（牛を追う人）が一団となって、依頼を受けてはあちこちの田植えに出て行きました。
　それが「原田はやし田」の実地での練習となったのです。
　もともと原田地域は、耕地の多くが厚い粘土と深い泥におおわれ、稲作には不適な土地柄でした。
　そのため、田植えの始まる時期には、太陽と土と水の神（さんばいさん）を招く神事を盛大に行うようになり、その神事田植えが「原田はやし田」の本来の姿といえます。
　また、腰まで泥に浸るような湿田での独特な田植え唄「原田節」は、その極めてゆるやかなリズムが多くの学者や研究者の目を引き、これが指定の基になったと思われます。
　平成９年（1997年）１２月、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

▼安芸のはやし田
　安芸のはやし田は、広島県山県郡北広島町（旧・大朝町大字新庄）、安芸高田市（旧・高宮町大字原田）に伝わる民俗芸能、重要無形民俗文化財です。
　田植時の休日に定められた田圃で行われます。飾り牛が一列縦隊で田圃内を踏み歩く「代掻き」、田面を平らにならす「えぶり」、早乙女や楽器奏者などの一行が田圃に行進してくる「道行き」、サンバイ棚と呼ばれる祭壇の前での「田の神降しの神事」、「苗取」、「田植」と進められます。
　行事の中心となる「田植」では、早乙女たちが後下がりしながら苗を植えて行きます。その際、早乙女たちに面して立った田の神サンバイと早乙女との間で歌が掛け合わされます。早乙女たちの後方では、大太鼓、小太鼓、鉦などの楽器の奏者がにぎやかに囃したてます。
　田植時に、声を掛けあい楽器で囃したてながら苗を植える芸能は、中世に描かれた絵画資料などにもみられ、田楽系芸能の変遷過程を知る上で重要な伝承です。

【手記】
　安芸高田市の情報では、この日だけで美土里町で４ヶ所、高宮町で２ヶ所の計６カ所で伝統のはやし田（花田植え）が行われたようです。

≪安芸高田市はやし田（花田植え）情報≫
　開催日：平成２７年５月３１日（日）
　　９：３０〜　川根はやし田　高宮町
　１０：００〜　来原さんばい祭り（原田はやし田）高宮町
　１３：００〜　本郷はやし田　美土里町
　１３：００〜　生田はやし田　美土里町
　１３：００〜　中北はやし田　美土里町
　１３：３０〜　桑田はやし田　美土里町

　花田植え見物も脳内リフレッシュには最高！です。湧永庭園でバラ観賞を終えて近くで行われている花田植え会場へ向かいました。
　この日の訪問ルートは湧永庭園でバラ鑑賞⇒原田はやし田（花田植え）見物⇒中北の大花田植見物でした。

エリア 安芸高田(広島)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　湧永庭園でバラ観賞を終えて近くで行われている花田植え会場（原田はやし田⇒中北の大花田植）へやってきました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　安芸高田市の情報では、この日だけで美土里町で４ヶ所、高宮町で２ヶ所の計６カ所で伝統のはやし田（花田植え）が行われたようです。
　すべては回れないのでその中の２カ所ほど行って参りました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　かつて原田地域は、耕地の大半が深い泥に覆われて稲が育ちにくく、田植え時期に神を招く神事が盛大に行われました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　腰まで泥に浸かるような湿田での田植え唄「原田節」は、その極めてゆるやかなリズムが研究者から注目されています。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・馬の毛の飾りがついたバチ
　話を聞いてみると最近は馬の毛が手に入りにくく、筆の産地安芸熊野町まで買いに行くそうです。高価なのでナイロン製も多いそうです。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田の神降しの神事
　田植え時期に神を招く「田の神降しの神事」が始まりました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田の神降しの神事

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田の神降しの神事
　太陽と土と水の神（さんばいさん）を招く神事

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・花牛の入場　
　原田はやし田は、平成９年１２月１５日「安芸のはやし田」として山県郡大朝町の新庄はやし田と共に、国の重要無形民俗文化財の指定を受けました。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　原田はやし田は、中国山地に残る数少ない大田植えの一つです。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　大田植えは、江戸時代末期から各村々で盛んに行われていましたが、戦時中中断し、以後多くの大田植えが姿を消していきました。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・代掻き
　原田地区では戦後いち早く、若い有志が「はやし田」の復活に向けて動き始めました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・代掻き
　幸いに古老や先輩も多く、田植え唄本や用具類も集まり、１０年後にはあまり原形を損なうこともなく復活させることができました。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・代掻き
　そして、昭和３２（１９５７）年１月１０日「原田田楽団」を結成。胴はやし、早乙女、綱方（牛を追う人）が一団となって、依頼を受けてはあちこちの田植えに出て行きました。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・代掻き
　それが「原田はやし田」の実地での練習となったのです。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き
　もともと原田地域は、耕地の多くが厚い粘土と深い泥におおわれ、稲作には不適な土地柄でした。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　そのため、田植えの始まる時期には、太陽と土と水の神（さんばいさん）を招く神事を盛大に行うようになり、その神事田植えが「原田はやし田」の本来の姿といえます。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　また、腰まで泥に浸るような湿田での独特な田植え唄「原田節」は、その極めてゆるやかなリズムが多くの学者や研究者の目を引き、これが指定の基になったと思われます。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　平成９年（1997年）１２月、国の重要無形民俗文化財に指定されました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　早乙女さんたちの行進です。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　飾り牛が一列縦隊で田圃内を踏み歩く「代掻き」、田面を平らにならす「えぶり」、早乙女や楽器奏者などの一行が田圃に行進してくる「道行き」、サンバイ棚と呼ばれる祭壇の前での「田の神降しの神事」、「苗取」、「田植」と進められます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・道行き　
　　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・苗取

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・苗取　
　安芸のはやし田は、広島県山県郡北広島町（旧・大朝町大字新庄）、安芸高田市（旧・高宮町大字原田）に伝わる民俗芸能、重要無形民俗文化財です。
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・苗取　
　田植時の休日に定められた田圃で行われます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・苗取　
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・囃し方　
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・えぶり　
　田面を平らにならします。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・役目を終えた花牛
　この牛たちは日常の農業には使われていませんが、田に入ることや人・楽の音に慣れる訓練をされているそうです。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・手打ち鉦　
　

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え　
　いよいよ早乙女さんたちによる田植えが開始されます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え
　行事の中心となる「田植」では、早乙女たちが後下がりしながら苗を植えて行きます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え　
　その際、早乙女たちに面して立った田の神サンバイと早乙女との間で歌が掛け合わされます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え
　早乙女たちの後方では、大太鼓、小太鼓、鉦などの楽器の奏者がにぎやかに囃したてます。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え
　田植時に、声を掛けあい楽器で囃したてながら苗を植える芸能は、中世に描かれた絵画資料などにもみられ、田楽系芸能の変遷過程を知る上で重要な伝承です。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・囃し方

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・囃し方
　リズミカルな太鼓の音

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・囃し方

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え
　苗を丁寧に植える早乙女さん

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
・田植え
　原田はやし田見物は別の会場へ行くためにここで終えました。

■来原さんばい祭り（原田はやし田）／広島県安芸高田市高宮町原田
　このあと近くの「中北の大花田植え」会場へ向かいました。中北の大花田植えは初訪です。

　　　ＴＨＥ　ＥＮＤ．　　つづく・・・