2014/05/10 - 2014/05/22
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Rainy☆Wongさん
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あたたかく湿った夜、濃厚なマンゴーシェイク、人懐っこい野良犬。
青い海に浮かぶ、ちいさな島での旅の記憶。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 自転車 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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サイパン空港はひっそりと静か。
南国の空港は、どこも一様に雨上がりの匂いがする。
辺りはまだ暗く、バスの窓からは何も見えない。車内はところどころ錆び付いていて、ぎしぎしと音を立てながらホテルへと向かう。 -
深夜のフライト、入国審査の長蛇の列に疲れ、ホテルに着くころには疲労感を感じていた。それでも、初めて訪れた土地の、この湿り気のあるあたたかな夜に気分は高揚した。
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もう夜明けが近かったが、なんとなく眠る気になれず、ホテル近くのドーナツ屋に。
サイパンには、コンビニエンスストアや、ファミレスはないが、ドーナツ屋は終夜営業。
プラスチックのようなカラフルな砂糖をまぶした、サイパンドーナツ。 -
ホテルのシャワーはぬるく、勢いが無い。備え付けの、食器用洗剤のようなシャンプーで全身を洗う。
しかし、この不便ささえもどこか心楽しい。
あぁ、旅に出たんだな、と実感する。 -
3時間ほどで目が覚める。
部屋の窓を開けると、もわっとした空気と、濃い植物の匂い。 -
まだ午前中にもかかわらず、すでにじりじりと暑く、嘘のような青空が広がっている。
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照りつける太陽光がストロボのように、全ての色をより鮮やかに写し出す。
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Susupe,Beach Road.
波がなく遠浅の海。透き通った水に熱帯魚が泳ぐ。
ビーチに人影はなく、とても静かだ。 -
市街地ですら、至る所に植物が生い茂る。
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サイパンにはアジア系の移民が多く、商店やレストランなどは中華系、韓国系の店が並ぶ。
看板には、漢字とハングルに、見慣れた(しかし、少しおかしな)日本語も混じり、人々は英語を話す。時々、ここがアメリカ領である事を忘れ、全く別の、たとえばどこか架空の島であるような錯覚を覚える。 -
昼間の屋外は、肌を刺すような日差しだ。腕に巻いたカメラのストラップに汗がにじむ。
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地元の人の話す英語は、どこか可愛らしく、独特の雰囲気があるように思う。グアムでも思ったが、チャモロ系の人々はすごく穏やかで笑顔が美しい。
アジア的優しさというか、何か、そういったものを感じるのだ。 -
街中をふらついていると、新橋にたどり着いた。
新宿でも渋谷でもなく、新橋なのだ。東京の新橋のイメージと、あまりにもかけ離れているので、声に出して少し笑ってしまう。 -
いかにも分かりやすい感じの、観光客向けの土産物屋。
普段はあまり覗かないのだけれど、とにかく外が暑いのだ。寒いくらいにエアーコンディショナーがよく効いている。ABCストア (ザ プラザ店) スーパー・コンビニ
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Saipan Zoo.
レンタルサイクルでサイパン動物園に。園内は狭く寂れてはいるが、うさぎや鳥、さるの他に、ちゃんとライオンもいる。
どの動物も眠た気で、動きが鈍い。サイパン動物園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園
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この動物園は、不便な場所にあるし、お世辞にもポップとはいえない。しかし、不思議な雰囲気があり、独特な味がある。
サイパン動物園 テーマパーク・動物園・水族館・植物園
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ごく簡単な日用品、飲料水、土産物などを置いた商店がいくつかある。
深夜でも早朝でも買えるので、これがコンビニエンスストアと言えばそうなるのかもしれない。
ただ、共通して言えるのは、開いているのか閉まっているのかよく分からない事だ。真夜中の店内はうすぼんやりと気怠気で、「たまたま開いている」または、「眠れないからまだ閉めてない」と言った店主の気まぐれのような雰囲気。
カウンターに置かれたロリポップ。 -
午後の遅い時間、スコールの気配。急に空気に雨の匂いが混じり始める。
騒々しいほどの雨音は、どこか楽し気だ。 -
閉店間際のローカルスーパーマーケット。
徒歩だと中心部からは少し歩くが、地元の人のためのスーパーがあるにはある。
品揃えがすごく豊富とは言えないが、こういった類いのローカルスーパーは楽しい。 -
スーパーには、いかにもアメリカンながちゃがちゃした物に混じって、簡単な中華食材、チープな韓国の菓子類など、アジア系の商品も目立つ。
薄暗い店内で目を奪われた、蛍光ピンクの春雨のパッケージ。 -
サイパンはこじんまりとしている。
都会的な利便性は、グアムにくらべると遥かに低い。ただ、とにかく夜が長い。真夜中でもこういった衣料品店が開いていたりするのだ。店の娘は大抵、外で煙草を吸ったり、おしゃべりをしたり、フルーツジュースを飲んでいたりする。 -
毎日よく晴れている。日本で見た天気予報では、連日の雨模様だったのだが、短いスコール以外の雨には遭遇していない。
どこを見渡しても、青い空と南国の花々の強烈な色が目に入る。 -
目に飛び込む鮮烈な色彩。
彩度が高く、色飽和を起こすほどだ。 -
芝生に落ちる木漏れ日が美しい。
アメリカ記念公園 ビジターセンター 博物館・美術館・ギャラリー
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温かい潮風に吹かれる国旗。
アメリカ記念館と公園には、これと言って何もないのだが、海が近く、潮風が気持ちいい。真夜中の公園は、濃い植物のにおいと、海のにおいが存分に楽しめる。アメリカ記念公園 ビジターセンター 博物館・美術館・ギャラリー
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大通り脇の、民家に続く小道。
砂埃の立つ舗装されていない道に椰子の木が茂り、いかにも南国らしい光景。
年老いた犬でも通れば絵になるのにな、と思ったが、真昼の炎天下に出歩いているのは私くらいしか見当たらない。 -
ビーチに転がっていたココナッツの実。
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小さな入り江から沖に出る小舟。
こんなにも美しい海と共に生きるのは、どんなにか素晴らしいことだろう。
いや、生活になれば、また全然違うのだろうか。 -
市街地にあるyakitori屋だと言い張る店。
シーフード、ポークやビーフなども、串に刺して焼けば、yakitoriというものになるらしい。 -
野良犬と飼い犬の区別がよく分からないのがサイパンの犬たちだが、彼は明らかにどこかの家庭の一員。賢そうで上品で、「先を急ぎますので…」と言わんばかりの歩き方だ。
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この土産物屋で売られているマンゴーシェイクは、驚くほどおいしい。
マンゴーそのもののような濃い匂いと、じゅうぶんな甘さ。
照り付ける太陽に負けないためには、これくらい甘くないといけないわけだ。 -
民家の庭で放し飼いにされていた鶏。
光線が強く、影は濃く写し出される。 -
彼女は、近くを通るたびに寄って来てくれる。
「こんな昼間に出歩くもんじゃないわ。いったいどこへ行くの?」と。
汗だくで撮影をしている私を心配してくれているようだ。 -
偶然遭遇した、始まったばかりのナイトマーケット。
市場というより、少し大規模な納涼会といった雰囲気だ。
観光客は全くおらず、人々はみな顔見知りのよう。
何かの実なのか花なのか、真っ赤な色をした地面を撮らずにはいられなかった。 -
地元の人が、地元の人の為に作った料理は美味しい。
完璧なコストパフォーマンスだし、何より飾り気が無いところが素晴らしいと思う。
ライスの上に、スモーキーで甘いソース味のポークがのった弁当とココナッツ団子。 -
ココナッツツリーのシルエット、夕焼けのオレンジ。
とろりとした気怠い夕暮れ。 -
絵の具で描いたような空の青に映える美しい十字架。
マウント カーメル教会 寺院・教会
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静かで、やさしい微笑み。
マウント カーメル教会 寺院・教会
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携帯ショップとジューススタンドと保険屋を兼ねた店舗。
種類分けできない店が多いのが、一様にして島の特徴だ。 -
大きなバックパックを背負い、海を歩いていたアジア系の男性。
旅をする意味も目的もひとそれぞれだ。彼の物語のワンシーンを覗き見たような瞬間。 -
風になびく色とりどりの旗。
祭りのあとなのだろうか、出しっぱなしの椅子やテーブル、片付けられていない出店が多く見られた。 -
遠くにマニャガハ島を望む夕暮れ。
日中の灼熱が嘘のように、やさしい潮風に吹かれる。 -
整然と刈り揃えられた芝生は、アメリカの平和な家庭のイメージだ。
そこには幸せな人生を生きる犬がいて、だからこれは完璧な幸福を写した1枚。 -
ちいさなサイパン、そのさらに沖合にある、さらにちいさなマニャガハ島。
東南アジアのような雰囲気のこの島は、不思議なのびやかさと身軽さがある。
ここのスタンドの西瓜ジュースは、夢のように美味しい。マニャガハ島 ビーチ
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マニャガハ島に渡る移動手段。
エンジン付きの小舟は4人も乗ればぎゅうぎゅうだ。心配になる程ものすごく揺れるのだが、運転手は鼻歌まじりでごきげんなので、どうやらこれがデフォルトらしい。マニャガハ島 ビーチ
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薄暗い詰所から、海を覗く海上保安員。
海と共に生きる覚悟と誇りの証のような、美しく浅黒い肌が印象的だ。マニャガハ島 ビーチ
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こじんまりとした可愛らしい桟橋。
観光客はここで、個人的に手配した小舟で乗り降りをする。マニャガハ島 ビーチ
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メインの撮影機材はホテルに置いて来た。マニャガハではすべて使い捨てのフィルムカメラで撮影をしたのだが、この写りには満足している。
写るんですだか、もぐるんですだか、少し間の抜けた可愛らしいネーミングだったが、名前も含め、この島にはよく似合う機材となった。マニャガハ島 ビーチ
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海の美しいサイパンだが、ここマニャガハの海の透明度は格別だ。
比較的水深の深い場所でも、砂底がはっきりと透けて見えるので、浅瀬となんら変わらない水の色をしている。どこまでも続く白い砂と相まって、遠近感を失う。マニャガハ島 ビーチ
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早朝のビーチ。木々の隙間から朝日が差し込む。
夜に少しだけ降った雨にぬれて、緑がいきいきとしている。 -
がらんとしたホテルのロビー。海からの弱い風が心地いい。
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このホテルのレセプションの女性はとても親切で人懐っこく、洗濯機の使い方を教えてくれたりする。
私は、旅先で行う洗濯が好きだ。その国に、その場に馴染んだ気がするから。
屋上の干し場には、客室のシーツや従業員のプライヴェートな洗濯物が広げられている。 -
なんでもない路地が好きだ。古いアメリカ車がいくつも停められ、近くの家からはラジオが天気予報を知らせている。
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散歩中にみつけたバスケット場。
17時前後、この時間帯特有のやさしいような、せつないような空気が満ちている。 -
昼間の、まだ開店していないBARやレストランの雰囲気というか佇まいが好きだ。
ギラギラとした夜の顔とは裏腹に、少し間延びした気を許した感じ。
ミラービールは薄味で、水のように飲みやすい。 -
南国の色彩は時にサイケデリックだ。自然の風景に使う言葉ではないのかもしれないが、脳裏に焼き付くこの色の組み合わせは日常ではありえない。
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Escape to Paradise!!
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この時計は動いていたのだろうか。
サイパンに来て、BlackBerryはおろか、時計すらまともに見ていない。
予定はなく、時間に追われる事が何もないので必要ないのだ。
砂埃の匂いの混じった、静かな午後。 -
小さな岬のちいさな灯台。
はげかけのペンキの赤と、空の濃い青。
観光客はもちろん、地元の人すら見当たらない。 -
のんびりとした渚のパーキング。
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沖合に浮かぶ貨物船。
早朝の海辺は穏やかで、ゆっくりと時間がながれる。 -
ミクロネシアンの伝統的なメニュー。生のシーフード、肉と生野菜、食材の組み合わせがオリエンタルというか、日本料理にも近いものを感じた。
このチャモロ料理は、とりわけ物価の安い訳ではないサイパンにおいても、特に割高。 -
基本的に食い意地が張っているので、食べる事は好きだ。その土地その土地の、食にまつわるあれこれにも、おおいに興味がある。
ただ、こだわりは無い。サイパンでタイ料理。二軒目。
ここの庭には、すごく美しい猫が棲んでいる。 -
海の町の建物には独特の憂いがある。あるいは、潔さに似た何か。
潮風に吹かれ、錆びつき、ペンキははがれ、ひょうひょうとしている。
私は、島や海辺の町をよく旅先に選ぶのだが、この景色を見たくてそうしているのかもしれない。 -
軒先に吊るされたバナナ。
サイパンはもちろん南国に間違いないのだが、フルーツの種類は少ないように思う。
屋台で見かけるのは、マンゴー、バナナ、すいか程度。 -
ただでさえ遠浅のビーチだが、干潮時には遥か彼方までも歩いて行ける。
夕暮れになり涼しくなり始めると、海を眺めるために人々が集まってくる。
きらきらひかる水面が乱反射を起こし、軽いめまいをおぼえる美しい光景。マイクロ ビーチ ビーチ
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サイパンは都会なのか田舎なのかわからない。
ハイブランドが軒を連ねる大きな免税店、高級ホテルもいくつかあるが、都会的な利便性があるのかと言えばそうでは無い。その一方で、BARや飲食店(屋台のようなものだが)は、明け方近くまで賑わっていたりする。
人々はのんびりと、良い意味で大雑把だ。夜遊びが大好きで朝は弱い。
この不思議なバランス感覚もサイパンの魅力だ。 -
風が止み、一瞬の凪。
絵はがきのなかに閉じ込められたような感覚をおぼえる。
この穏やかで陽気な島では、ふいに時間の感覚を忘れ、こころもからだも軽くなる。
体験する全ての「なんでもない」ことが心地よく、美しい。
原色の花々、こころやさしい野良犬たち、真夜中の濃密で湿った闇。
マリンスポーツやショッピングも素晴らしいのだろうけれども、私は是非、真夜中のドーナツ屋をおすすめしたい。ぺかぺかした鮮やかな色の甘いドーナツと、あたたかなサイパンの夜との相性は格別だ。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Rainy☆Wongさん 2016/05/08 00:48:33
- ありがとうございます☆
- 写真はほとんどデジタルカメラです。一部フィルムでも撮っていて、マニャガハ島だけ、フィルムの使い捨てカメラです。
あまり、お役に立てる情報は無い旅行記ですが…(笑)
コメントありがとうございました!
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- 超空さん 2016/05/02 16:25:07
- 素敵なお写真ばかり!
- 絵はがきみたいな素敵なお写真ばかりで感動しました。インスタントカメラで撮られているのですね。
絵心の無い私には、ただただ感心するしかありません。他の旅行記も、すこしずつ楽しみに読ませて頂きます。
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