2012/08/18 - 2012/08/22
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αρκαδια(アルカディア)さん
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2012年夏の終わり、「きっとこれが最後」という想いを胸に私は下地島へ向かった。
8年前に初めてこの島を訪れてから16回目になる。
「飛行機の飛ばない下地島なんて…」
半年後のことを思うと、さびしい気持ちでいっぱいだった。
宮古島から高速船で15分、隣の伊良部島へと渡り、さらにタクシーで15分、短い橋を渡って隣接する下地島に入ると下地島空港という定期便の通わない空港がある。
ここは日本で唯一の民間パイロット訓練空港で、大型ジェット旅客機の発着にも対応できる3000m級滑走路が南北に延びている。
滑走路の北半分には一般車が通行できる外周道路があり、その北端で滑走路を背に海を望むと、幅・長さ1km以上にわたって、海底の白砂が太陽光を青く美しく反射するラグーン(礁湖)が広がっている。
夏の晴れた昼間、高い太陽に照らされたラグーンが放つ「青」は圧巻で、下地島空港に通う飛行機マニア達はこの「青」のことを、敬意を込めて『下地ブルー』と呼んでいる。
そして下地島に南風が吹く時、タッチ&ゴー訓練のジェット旅客機は、超低空飛行で下地ブルーのラグーンを渡り滑走路へと進入して来る。
この時、青く輝く海に飛行機が下から照らされ、機体の胴体と翼、そして時には、翼端が引くヴェイパーまでもが青に染まる。
『下地ブルーの南風』、飛行機マニアなら一度は撮ってみたいシーンだ。
私はこの最高のシーンを求めて過去8年で15回、下地島へと足を運んだ。
しかし、今回が最終回になる…。
確かに、この時はそう思っていた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
実はこの夏の時点で2013年度以降の飛行訓練スケジュールは未定。
民間機は全面撤退するだろうということが噂されていた。
下地島に南風が吹くのは夏だから、この2012年の夏が下地ブルーの中を飛ぶ旅客機を撮影できる最後のチャンス、撮り納めになるかも知れない。
今回はどうしても、あの『青色』を撮りたくて、下地島に4泊することにした。
1日目、島の上には夕方まで大きな雨雲が横たわり、下地ブルーには逢えなかった。
-
しかし2日目、下地の空と海に、期待していた強烈なブルーがやってきた。
景色とは思えない、写真とは思えない、わざと色を塗ったんじゃないのかと思うくらい眩しい青がそこにあった。 -
それにしも下地島空港の滑走路エンドには、飛行機マニアの数が多い、いや、多すぎる。
みんな、これが最後の夏になるかも知れないと知って、日本全国から駈けつけたのだろう。 -
下地2日目の天気があまりに良かったので、4泊5日居て撮ろうと思った写真が、一日で全部撮れてしまった。
-
ここは、日本一美しい空港。
-
それにしても…
半年後にはこの海と空から旅客機が居なくなるなんて、なんて寂しいのだろう。
そう思いながら、飛行機の居ない下地の海と空をためしに撮ってみた。 -
あれれ?
今まで飛行機にばかり気を取られていたけど、「飛行機抜き」でも随分美しいじゃないか!
こんな景色、日本中どこを探してもきっと見つからない。
15回も来ておきながら、いつも飛行機だけを目当てにしていたから、下地島も伊良部島も殆ど見ていなかったことに気が付いた。 -
せっかくあと3日あるのだから、今まで見ていなかった島の表情を見て歩こうと思った。
伊良部島の北側は、断崖になっていて青い珊瑚礁を一望できる。
-
そして、素敵なのは昼間の「青」だけじゃない。
夕暮れ時、水平線の上で不思議に形を変えていく茜色の入道雲。
思わず名前を付けたくなるような雲もある。 -
それに、夜はいつも呑んで寝てしまうだけなので、島の夜空を眺めたことが一度も無かった。
この2日目の夜も、食べて呑んで、いつものように寝てしまおうと思ったのだが、何かに呼ばれたかのように、ふと思い立って…
ホテルを見渡せる橋のところまで、カメラと三脚を持って歩いた。
そして、驚嘆した。
なんということだ、集落からまだ3分も歩いていないのに、天の川がはっきり見える。
この島の道の向こうには当たり前のように宇宙が広がっている。
次の晩はお酒を飲まず、レンタカーでもっと集落から離れた場所で星空を見てみようと思った。 -
夜の島の風景は、圧巻だった。
交差点にも“てぃんがーら(天の川)”。
交差点の案内看板はまるで宇宙の道路標識のようだ。 -
下地島と伊良部島を隔てる細い内海に行くと、水面は銀河を静かに映していた。
海に映る銀河、内地に住む私には、想像することも出来ない光景だった。
考えてみれば、下地島の魅力は飛行機だけじゃない。
珊瑚礁も雲も星も、海も空も桁はずれの美しさなのだ。
この島に何度も来ていたのに知らなかった。
知ろうともしなかった。
飛行機が飛ばなくなるならこれで最後…なんて思った自分は、なんてちっぽけなんだ。
決めた!
飛行機が居ても居なくても良いじゃないか。
私は必ずまた来る。
たったいま島に教えてもらった下地の魅力、第二の下地ブルーに逢いに。
(終)
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