安房の匠の織りなす「房州うちわ」と滑河観音を訪ねる旅（千葉）

2014/12/10 - 2014/12/10

明治時代に安房の那古船形で始まった「房州うちわ」。その技の伝承展としもふさ（下総）の滑河観音を訪ねます。

房州うちわは日本三大うちわの中の一つで、丸い竹の柄が特徴です。

そして、猫バスではなく猫電車と、陸を走る船などに偶然出会います。

エリア 館山(千葉)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

房州うちわ

那古船形を街歩きしていると、建物にこのデザイン！

「房州うちわ」技の伝承展

安房の匠の織りなす風、興味をひくお誘いです。

早速、見学します。

通路の壁に、うちわのデザインが描かれています！

ここは元職業訓練校だったところです。

現在は若潮ホールとなり、館山市シルバー人材センターになっています。

では、展示場に入ります。以前は教室だったところです。

日本三大うちわ

え〜と、どこでしたっけ？

うちわの違いは形のようです。

日本三大うちわ
「房州うちわ」は、良質の竹の丸みを活かした「丸柄」と、48〜64等分に割いた骨を糸で編んで作られる半円が特徴です。

「丸亀うちわ」は、四国の金毘羅参りの土産物として始められ、竹を割って平らに削った柄が特徴です。

「京うちわ」は、朝鮮うちわが京都の貴族に伝わり、木製の柄が中骨と別に取り付けられています。

かっちんの小さい頃、3種類とも見たことがあるような･･･

房州うちわ

美しい彩りのうちわです。

房州でのうちわ生産は、明治10年に那古町に始まっています。

関東大震災を機に、日本橋のうちわ問屋が船形町に移住し、うちわ生産が拡大していきます。

漁師町のおかみさんたちの手内職として、うちわ作りが盛んになりました。

房州うちわの製作過程

すべて手作業で、21工程を熟練した職人によって作られます。

割竹〜弓削

竹を割く工程。

ボサボサ頭が完成！

貼り付ける紙

紙を貼り付ける道具

干し台と断裁

細かく割かれた竹の骨に貼り付けた紙を、円弧を描きながら外側の部分を切り取ります。

房州うちわの完成品

花の絵柄。

房州うちわ

涼しい感じがします。

房州うちわ

広重の絵。

房州うちわ

シンプルなデザインと鶴亀。

房州うちわ

藍染めのデザイン。

大型うちわ

房州うちわ

上品で落ち着いた感じ。

房州うちわ

大胆な蝶や花。

房州うちわ

紫陽花や花模様

特注デザインの房州うちわ

伝承展を見て、房州うちわの技を再認識し、自分でも作ってみたくなりました。

那古船形駅に戻ります

この駅の建物は古くて素敵です。

線路を歩く猫

これは猫バスではなく、猫電車ですね（笑）

内房線に乗ります

一旦、千葉まで戻り、総武・成田線に乗り換えます。

青春１８きっぷなので、どこでも行けます。

成田線の滑河（なめがわ）駅に到着

龍正院（りゅうしょういん）へ歩いて向かいます。

龍正院には滑河（なめかわ）観音があります。

ややっ、陸上を走る船？

この近くに銚子から太平洋に流れ込む利根川があります。

船の正体は下総利根宝船公園にある宝船で、上ると展望台があります。

青面金剛（しょうめんこんごう）をかたどる庚申塔

龍正院へ行く途中に見かけました。

龍正院仁王門

大しめ縄のかかる室町中期の茅葺きの仁王門です。

見事な大しめ縄

龍正院本堂

大きな厨子に安置されている本尊の前立十一面観世音菩薩を隙間から拝観します。

本堂と欅の紅葉

獅子の石台

境内にある石仏群

庚申塔

青面金剛像、邪鬼を踏みつけ、足元に三猿が刻まれています。

庚申塔

青面金剛像、足元に三猿。

庚申塔

三猿。

五輪塔

大きい順に並んでいます。

では、景色を見ながら駅に戻ります。

まゆみの実

まゆみの実と赤く染まる葉

カラスウリ

コナラの黄葉

滑河駅に到着

ガラス張りの待合室を通して、ホームとその先に鳥居が見えます。

風情のあるホームの待合室

夕暮れ

成田行きの電車に乗り、車窓からの眺めです。

夕陽が沈もうとしています

山に夕陽が沈みます

夕焼け

陽が沈んだ後、赤く染まってきています。

これで、那古寺、房州うちわ、滑河観音を巡る房総の旅を終わります。