2014/11/02 - 2014/11/11
136位(同エリア561件中)
ゆうさん
三年越しの願いがようやく叶い、1週間の休暇を使ってブータンを訪れました。
ヒマラヤの小さな国になぜこんなにも惹かれたのか、自分でもよくわかりません。
でも、行けてよかった。
考えることも多く、これまでの観光旅行とは全然違う、自分の宝物と言える旅となりました。
11月5日、早起きしてオグロヅルが舞う湿地へ。
心地よい静寂の中に響くツルたちの歌声に癒された一日でした。
◎旅程◎
11月2日(日)
成田国際空港 10:45 TG641
スワンナプーム国際空港 15:45
11月3日(月)
スワンナプーム国際空港 7:20 KB141
インド・グワハティ空港経由
パロ国際空港 10:45
パロ、ティンプー
11月4日(火)
ポブジカ
11月5日(水)
ポブジカ、ブムタン
11月6日(木)
ブムタン
11月7日(金)
ブムタン、トンサ
11月8日(土)
プナカ、ティンプー
11月9日(日)
パロ
11月10日(月)
パロ国際空港 11:45 KB120
スワンナプーム国際空港 16:45
スワンナプーム国際空港 22:35 TG640
成田国際空港 11/11(火)6:15
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 3.0
PR
-
11月5日。
朝4:30に目が覚める。さ、寒い…。
お母さんが用意してくれた分厚い毛布二枚の下で、パジャマ代わりの部屋着の上にフリースをきて、ホッカイロを胸元に入れて寝ていたのですが…
部屋の中なのに白い息を吐きながら、空が白んでいくのを見ていました。 -
5:45頃起きていくと、もうお湯が沸いていて、(なぜか)おトイレで洗顔。
そのあと、お母さんがミルクティを入れてくれました。
はー、あったまる。そしてやっぱりおいしい。
ミルクの味の違いかなぁ。 -
昨日来たときには気付かなかったけれど、玄関の戸の内側にマニ車が。
-
6:00、オグロヅルを見に、湿地へ向けて出発。
家の脇の急な階段を上がったところが玄関です。 -
寒い…
周囲を山に囲まれているため、農村や湿地帯まで日が差してくるまでには時間がかかります。
空だけ明るくて不思議な景色。 -
農家のお父さん(右)とガイドのレトさん(左)。
牛がいっぱいの農道を、ツルのいる湿地へ向かいます。 -
霜がおりてる。寒いわけだ。
-
湿地には、ところどころ木の板が渡してあり、そこを渡っていきます。
…いやしかし、これ危険でしょ。半分水没してるし、霜で滑るし。
嫌な予感がするわ。。。 -
湿地の片隅にあった、半分朽ちたような古い仏塔。
こういうものを美しいと思える感性を持ち続けたい。
きっと日本人とブータン人に共通した感性じゃないかな。 -
美しいのは目の前の風景だけじゃない。
足元に目をやれば、意外なほどに鮮やかな植物に、結晶化した霜が輝いている。
触ればチリンと音がしそうなほど繊細な、自然の芸術。
鳥と牛の声しかしない静寂の中、私たちも黙って歩いて、高台に到着しました。 -
ポブジカの谷に朝日が差し込み始めた頃、ひときわ高い一筋の鳥の声。
それがオグロヅルの声だとお父さんが教えてくれると同時に、レトさんがあそこ!と指をさす。
それは小さな小さな黒い点…ん?あれがオグロヅル??
一組のつがいが求愛のダンスを踊り始めてようやく、私の目にもツルの姿が見えました。(遠すぎて写真は無理)
高く鳴いて軽やかに踊る、野生のオグロヅルたち。
いつまでもこの谷が彼らの楽園でありますように。
そしてずっと、この谷の優しい人々と共にありますように。 -
泊めてもらった農家に帰る途中、ようやく谷に遅い朝が訪れました。
さっきまでの静寂が嘘のように、車の音や人の声が聞こえる。
私もさわやかな一日を、と思った途端。
行きに嫌な感じを覚えたあの木の板の上で足を滑らせ、片足を湿地に落としました…つつつ冷たい!!!
自分がどんくさいという自覚がある方は、靴を二足用意したほうがいいかも!? -
ゾンやお寺で見た4フレンズの絵を地で行きそうな、牛とカラス。
-
お母さんが用意していてくれた、美味しい朝ごはん。
学校に行くお嬢さんたちはもう食べ終わっていたようで、挨拶だけして出かけていきました。
朝ごはんにはブータニーズのソウルフード「エマダツィ(唐辛子のチーズ煮込み)」が登場。
他には唐辛子や生の玉ねぎを和えた「フレッシュ・エゼ」、パクチー入りの卵焼き、バターティー。
前夜の私の食べっぷりを見て、唐辛子を解禁してくれたようです。
本当に美味しかった―。
唐辛子を嬉々として齧り、日本人は苦手らしいバターティーをお代わりした私に、みなさん驚かれたようです。 -
お父さん、お母さんにお礼を言ってさようなら。
お二人はいつか日本に行きたいと言ってくれました。そんな日来るかなぁ。来たら絶対会いに行って、日本を案内したいな。
温かいおもてなしに心なごむ、素敵なファームステイでした。
そのおうちの近くの小学校にも立ち寄らせていただきました。 -
生徒さん総出で、木の束をまとめたほうきでお掃除中でした。
日本の小学校だとお掃除は午後のことが多いと思うけど、ブータンでは朝の日課なんだそうです。
笑顔でこっちを見てくるので、Good Morningと声をかけてみると、みんな元気にGood Morning,Ma'amと返事。
お掃除の手元はお留守になりがちだったけど、そんなところも可愛かったです。 -
朝礼が始まります。
前の子の肩に手をかけて、一列に整列。
上級生が下級生の列の横について、服を整えたり、列の乱れを直したりしてあげる風景は、日本の学校ではあまり見られないかな? -
朝礼はまず、文殊菩薩の真言を唱えるところから始まります。
結構長いのに、みんなちゃんと暗記しているのね。すごい。
写真の右のほう、列よりも少し前にいる男の子が、日本で言う「気を付け」「休め」などの号令係。いわゆる生徒会長さんかな。
目元の凛々しい、しっかりした男の子でした。 -
そして瞑想。
そのあと高らかに国歌を歌ったあと、校長先生のお話が始まります。 -
先生のお話はほとんどゾンカ(ブータンの国語)ですが、ところどころ英語が混ざるのが面白い。
-
この日はアメリカ人の先生も来られていました。
この先生の前任がここで英語を教えつつ、オグロヅルの保護に取り組んでいたようで、帰国後ツルの絵本を出版したことを報告したようです。
絵本の読み聞かせもありましたが、英語だからか、小さい子はあまりわかっていなさそうな素振り…でも絵のページを開いてみんなに見せるときは、身を乗り出すのがすごく可愛かったです。 -
初心者向けのガンテ・ネイチャー・トレイルに出発。
トレイルという名が大げさなくらい歩きやすい農道・山道を4キロ行きます。
出発地点は、昨日訪れたガンテ・ゴンパのすぐ近く。 -
まずはぐいぐい山を下ります。
ある意味ここが一番危険かも?霜が溶けたばかりの草の上は結構滑りました。 -
降りた後はほとんど平らな道。
山道に入ると、風はまだ冷たいくらい。 -
秋なので山には色がないと思っていたけど、そんなことはないね。
こちらはピントが合ってないせいで可愛らしさが半減してますが、レトさんいわく「プリムラ」。
日本で見るプリムラとはだいぶ趣が違いますが、山野草には詳しくないのでよくわかりません。 -
レトさん発見の、なんだろ、これ。ベリーではないとのこと。
同じとこ見てても、私には見つけられない。。。
ちなみにレトさんはキノコ類にも詳しいそうです。 -
生きているのか枯れているのか、ドライフラワーのように乾いた白い花の後ろに、赤い小さな実をつけた低木。
-
こちらも枯れたような白い花。
どの花もみんな小さくて可愛いね。 -
朝行った湿地が見えてきました。
-
湿地を見下ろせるところに、腰かけられる展望台があります。
眼下に湿地帯全体を見渡せます。 -
あぁぁいい景色!
目の前には、朝お父さんたちと立っていた高台も見えました。
オグログルの特徴的な高い声がよく聞こえます。 -
レトさんとツルを探しましたが、私に見えるはずもなく。
ここでもレトさんの指の先を追って追って、ようやく白い点々を発見。
朝は山の陰になって黒く見えましたが、ここからは日の光をあびて白く輝くようです。
コンデジの10倍ズームでもこれが限界。 -
ちなみに足元はこんなかんじ。
もう少し草の茂ったところでしばし腰を下ろし、空を舞うツルを見上げました。
かなり近くを飛んだので、舞い降りてきてくれることを期待したのですが、残念でした。 -
湿地をほぼ半周する形で、トレイルの終点が近づいてきました。
谷を吹きぬける風が気持ちいいです。 -
牛の親子。
子牛は最初、こちらを興味ありげに?見ていました。
人と動物がこんなに近い。最初は驚いたけど、人も牛も、同じ命ある生き物だものね。
本来はこうあるべきなのかもしれない。 -
沢を渡るところには木の板。
トラップもありますので要注意。 -
さらに悪質な(嘘です)トラップもあります。
-
トレイルの終着地点、ケワン・ラカン。
全長4キロほどの道でしたが、ゆっくり歩いてきたので1時間半ほどかかりました。(でもそれが平均みたい) -
トレイルの終着にワンチュクさんが車を持ってきてくれていて、ブムタンに向けて車移動開始。
谷のツルや、泊めてもらった農家、小学校を車窓に見ながらポブジカ谷にお別れ。
道中、3360mの峠ペレ・ラを通ります。 -
ペレ・ラの仏塔の周りはなぜか屋台に。
こういうところは日本人的感覚では理解できないなぁ。
大きな仏塔の周りに竿を立てて物販って… -
売っているのは、ヤクの毛で織った織物やその加工品、りんご、乾燥チーズ、ヤクや牛につけるカウベルなど。
乾燥チーズ、凍み豆腐に見えたよ… -
テントまで出てる。
ヤクの毛の織物はずっしりと重く、ちょっと使い勝手が悪そうでした。
敷物にはいいかもね。
売り子さんにヤク・ショールと言われたけど、重すぎてショールとしては使えないんじゃないかな。 -
ルンタがはためく様は、ここが崇められている場所の証。
…でも物販はある。 -
ワンデュ・ポダンからトンサに入ってすぐ、昔からの宿場町であるチェンデジでお昼ご飯。
こちらはレストランから見えたチェンデジ・チョルテン。18世紀の建立。 -
チェンデジ・リゾートホテルにて昼食。
-
王様の写真はもう恒例。
こちらでもヨーロッパから来たグループが楽しげに食事をされていました。 -
これまた恒例のビュッフェ形式。
-
こちらのご飯、おいしかったのですが、ご飯とお芋のカレー煮以外は全部炒め物。油っこい…
そして赤みがない…
食事に色を求めてしまうのも日本の文化・習慣かもしれませんね。 -
車窓から見えた山の重なり。
いくつもの山が左右から張り出しているのがわかりますでしょうか?
こんな風景を、ブータンでは何度も目にしました。
山々の裾のほんのわずかな土地で、ブータンの人は生活を営んでいるのです。 -
展望台からトンサ・ゾンの全景を望む。
ここからトンサ・ゾンまでは、川の流れる谷をはさんでいるのでかなり遠いようです。
が、展望台のすぐ下には小さな石段の道が見えます。これが古い街道で、伝統様式の橋や登山道が保存されているとか。トンサ・ゾンまで行けるようです。 -
ブータンでは、川に行く手を阻まれることも度々。川の向こうに行くために、橋のあるところまで遠回りしなくてはならないことがよくありました。
トンサへ向かうこの道もそうで、先ほどの展望台からしばらく行ったところにようやく橋がありました。
この橋、日本の協力によって作られたようです。
なお、この橋のたもとにも検問所あり。 -
トンサをスルーして、車は一気にブムタンへ。
17時、リンチェリン・ロッジに到着。こちらには連泊になります。 -
何棟かにわかれたつくりで、メインロッジ(フロント、レストラン)と客棟の間にはお庭がありました。
たくさん植えられているのはりんごの木。残念ながらもう落実・落葉完了。 -
お部屋に行くと、ホテルのアイドルが迎えてくれました。
このわんちゃんはお母さんで、可愛い二頭の子犬がいます。
とても人に慣れていますがマイペースなので、お客さんのあとをついてくることはほとんどありませんでした。 -
お部屋の中。
ヤクの毛で織った絨毯ですが、奥の壁にパネルヒーターがあるので、足元が寒いことはありませんでした。 -
コテージ風のつくり。
-
ストーブは使えません。ドアの外に薪もあったから使えるのかと思いましたが、パネルヒーターをご利用くださいとのこと。
-
ホテルの前庭では菊が咲いてました。
レトさんいわくブータンにもともとある花ではないそうですが、日本の国花だと言ったらとても驚いていました。 -
まだ外が明るかったので、ホテルの周りをお散歩。
ん?月がきれい…日本で見るより大きい気がする。 -
後から知ったのですが、この日は「3回目の名月」ミラクルムーンでした。
ホテルがWi-Fiが入ったので、日本で話題になっていることを知りました。
このときはそうとは知らず、暮れなずむ山々と一緒にパチリ。 -
色褪せ、ほつれてなびく旗の、どこか切ない美しさ。
-
夕食はホテルのレストランにて。
事前にレトさんから伝わっているはずの時間に行ったのに、まだ準備が整わず待たされました。
…とはいえ、すいすい動くWi-Fiが嬉しくて、夢中でネット見ていたので苦にはなりませんでしたが。 -
最初のスープ。
白湯にみえますが、具が沈んでるだけです。トウモロコシと玉ねぎが入ってました。 -
豚肉の脂身と、固いブロッコリーの茎には懲りたので、今回はセレクトせず。
米粉パスタがもっちりしておいしかったです。
じゃがいもはこのあたりの名産で、インドにも輸出されているとのこと。 -
デザートのスイカ。甘かったー。
このあと部屋でお洗濯し(朝、湿地にはまったときの靴の洗濯が一番時間かかった…)、22時すぎには就寝。
ブータンで1か月も暮らせば、早寝早起きが習慣にできそうだなー…
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