オリンピック国立公園（3/全3）： ホー温帯雨林, ソルダック温泉, 帰路

2014/07/27 - 2014/07/27

米国ワシントン州のオリンピック国立公園に行ってきました。

3日目は、午前中にホー温帯雨林に行きました。この辺りは年間降水量が3メートルを越えるので、広大な温帯雨林が形成されています。短いトレイルをハイキングするだけでも、木から苔や地衣類がぶら下がる独特な景色が楽しめました。

その後、ソルダック温泉に入り、クレッセント湖に立ち寄って、バンクーバーに戻りました。

天候にも恵まれ、また1つの公園で変化に富む風景を味わえ、大満足です。日本からのゲストにも、かなり喜んでもらえました。

■ オリンピック国立公園 2泊3日 ■
1日目） 準備編, ワシントン州フェリー, スクイム・ラベンダー畑
http://4travel.jp/travelogue/10928116
2日目） ハリケーンリッジ, 太平洋岸 ビーチ3ヶ所＆夕日
http://4travel.jp/travelogue/10930006
★3日目） ホー温帯雨林, ソルダック温泉, 帰路
http://4travel.jp/travelogue/10932096

エリア オリンピック国立公園周辺(アメリカ)

• 旅行の満足度: 5.0

朝6時起き、7時前に “オリンピック・スイーツ・イン （Olympic Suites Inn）” を出発です。
大きな2LDKの間取りでした。
短時間しか滞在できなかったのが残念です。

オリンピック スイーツ イン ホテル

ホテルの受付で教えてもらった “フォークス・コーヒーショップ （Forks Coffee Shop）” で朝食です。

フォークス コーヒーショップ カフェ

パンケーキ＆オムレツ（6.95ドル）。
かなりのボリュームで一人で食べきるのは難しいです。
昼食用にサンドイッチ、フルーツ、クッキーなどが入ったランチバッグ（11.5ドル）も購入しました。

ホー温帯雨林に向けて出発です。
オリンピック・ハイウェイ（Olympic Highway）を南下します。

途中で左折して、アッパー・ホー道路（Upper Hoh Road）に入ります。
局地的に朝霧がかかっていました。

ホー川（Hoh River）。
昨日行ったルビー・ビーチ（Ruby Beach）の近くに流れ込みます。
川の中や河原に倒れた木が何本もあり、この木が太平洋まで流れ着いて 流木としてビーチに打ち上げられるのだと思います。

国立公園を訪問したときは必ず看板で写真を撮るようにしています。
ここから先が国立公園の敷地です。

オリンピック国立公園 国立公園

ホー温帯雨林ビジターセンター（Hoh Rain Forest Visitor Center）に9時前に到着です。

ホー温帯雨林 自然･景勝地

電話ボックスの上に苔がたっぷり乗っています。

まずは、苔の殿堂トレイル（Hall of Mosses Trail）をハイキングをします。
一番手軽なハイキング・コースです。

枝から苔や地衣類がぶらさがる典型的な温帯雨林の風景です。
これらの苔や地衣類は木から栄養を取っているのではなく、日光、雨や霧からの水分、風に運ばれた養分を使って生きています。

湧き水の上にも大量の苔。

倒木の下がトレイルになっています。

ここが苔の殿堂トレイルの出発点で、ループ状のトレイルになっています。
1周 1.3キロ（0.8マイル）です。

黒いバナナ・スラッグ（Banana Slug）を道端に発見。
10センチ以上あります。
バナナ・スラッグは世界で2番目に大きなナメクジです （世界一はヨーロッパにいるLimax cinereoniger というナメクジだそうです）。

触覚の後ろには 右側だけに肺につながった穴（Pneumostome）があり、ナメクジは この穴で呼吸しています。
尻尾側からは粘液（Slime）を出しています。

“バナナ・スラッグ” とは総称で、いくつかの種類のナメクジが含まれます。
この後、黄色や緑色のバナナ・スラッグを見つけましたが、これらが同じ種なのか分かりません。

触ると、丸く縮みます。
かわいいです。

カエデ（Maple）の木に苔・地衣類がぶら下がっていて、お化けのようです。

苔のアーチ。

黄色のバナナ・スラッグ。
死んでいるのか、動きません。

バンクーバー周辺もこのような温帯雨林なので それほど驚きませんが、日本からのゲストは 「こんな風景見たことない」 と驚いていました。

ここには、緑色のバナナ・スラッグ。
兜をかぶっているようなマントル（Mantle）という部分があります。

温帯雨林の木々の下の地面には、シダ植物が多く見られます。

ここにもバナナ・スラッグ。
緑色バナナ・スラッグは、この他にも たくさん見ました。

バナナ・スラッグを観察しながら ゆっくり歩いて、1周45分ほどのトレイルでした。
まさに “苔の殿堂” でした。

もう1つトレイル（Spruce Nature Trail）を歩くか悩みましたが、そのトレイルを諦めて 温泉に行くことにしました。
その前に、ホー温帯雨林ビジターセンターに立ち寄ります。

ビジターセンターの壁には、世界遺産の標識が掲げられています。

オリンピック国立公園は、① 国立公園、② ユネスコ生物圏保護区、③ユネスコ世界遺産の3冠王です。
特に、世界遺産としては、「基準（7） ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの」 という、自然遺産での最高評価が与えられた “世界遺産のなかの世界遺産” です。

※ 日本の世界自然遺産 4ヶ所のなかで、基準（7）が登録基準に含まれているのは 屋久島のみです。

ビジターセンター内には、ホー温帯雨林の説明が展示されています。

オリンピック半島の年間降水量を示した図です。
オリンピック半島は太平洋からの湿った風がオリンピック山脈で冷やされて、オリンピック半島の西側では大量の雨が降ります。
逆に、オリンピック半島の東側は雨陰（ういん、Rain Shadow）といって、雨が少なくなります。

このホー温帯雨林の年間降水量は、3.6メートル（142インチ）です。
近くのシアトルの年間降水量が86センチ（34インチ）であることを考えると、ここだけすごい量の雨が降ることがわかります。
写真 下の図は、月別の降水量ですが、7月が最も少ないです。
なので、7月前後が旅行にはよいと思います。

ホー温帯雨林にはルーズベルト・エルク（Roosevelt Elk）の群れが住んでいますが、残念ながら 今回は出会えませんでした。

売店では、エルクやクマに混じって、“バナナ・スラッグ横断注意” のマグネット。
確かに、バナナ・スラッグはトレイルの上にいるので注意が必要です。

そして、スタンプを国立公園パスポートに押しました。
このビジターセンターにはバナナスラッグのボーナス・スタンプがありました！
ピンバッチは、ハリケーンリッジで昨日購入しました。

■ オリンピック国立公園 スタンプ ■
１） ハリケーンリッジ・ビジターセンター （Hurricane Ridge Visitor Center）
２） オリンピック国立公園ビジターセンター （Olympic National Park Visitor Center）
３） クレイロック・レンジャーステーション （Kalaloch Ranger Station）
４） ホー温帯雨林ビジターセンター （Hoh Rain Forest Visitor Center）
５） ソルダック・イーグル・レンジャーステーション （Sol Duc, Eagle Ranger Station）
６） クレッセント湖ストームキング・レンジャーステーション （Lake Crescent, Storm King Ranger Station）

オリンピック・ハイウェイ（Olympic Highway）からソルダック温泉道路（Sol Duc-Hot Springs Road）に入ってすぐのところに、国立公園のゲートがあります。
車1台15ドルで1週間有効ですが、アラスカで購入した国立公園年間パスで入ります。

ソルダック温泉（Sol Duc Hot Springs）に到着です。
硫黄臭がします。
入場料は大人11.26ドルです。

手前の丸いプールが温泉です。
奥の四角いプールはかなり冷たい冷水で、足をつけるのが精一杯でした。

これらは温泉です。
日本の温泉と違い、北米の温泉は水着で入る “温泉プール” です。
いい湯でした。

ソルダック温泉のすぐ近くには、イーグル・レンジャーステーション（Eagle Ranger Station）があります。
展示などは特にありませんでした。

フェリーの予約時間まで少しあるので、クレッセント湖に立ち寄ることにします。

クレッセント湖（Lake Crescent）に到着です。
まずは、ストームキング・レンジャーステーション （Storm King Ranger Station）で情報収集です。

クレッセント湖 滝・河川・湖

ボートを持参する人は、ここから湖に下ろせます。

湖水浴をしている人もいます。
オリンピック国立公園のビーチは波も風も強くて海水浴ができないので、水遊びをしたい場合は このような湖で湖水浴をするのがよいと思います。

湖水の透明度が高くて、驚きました。

ポート・タウンゼンド（Port Townsend）のフェリーターミナルに到着です。
フェリー料金は、乗用車13.4ドル＋大人3.25ドルでした。
前の車は、かっこいいクラシックカーです。

5時15分のフェリーを予約していて、着いたのは30分前でした。
車の行列ができています。

後ろには、予約をしていなかった車が向こうの方まで並んでいます。
往路は予約していなかったので フェリーターミナルで3時間も待ちました。
帰路は予約していたので、非常にスムーズです。

フェリーに乗り込み、出発です。
ポート・タウンゼンドの町は、ビクトリア調の街並みで有名です。
残念ながら、今回は散策する時間がありませんでした。

写真右奥には、ベイカー山（Mount Baker）がきれいに見えます。
標高3,286メートルのカスケード山脈の火山です。

■ 関連旅行記 ■
秋のベーカー山 紅葉探し＆ハイキング
http://4travel.jp/travelogue/10943918

ベーカー山 山・渓谷

対岸のキーストーン港（Keystone Harbor）に30分ほどで到着です。
奥には、ベイカー山。

イーベイ・ランディング国立歴史保存地区（Ebey’s Landing National Historical Reserve）を通ります。

そして、ディセプション・パス州立公園（Deception Pass State Park）も通り過ぎます。

ディセプション パス 建造物

カナダ国境に向かいます。

カナダ・アメリカ国境のピース・アーチ（Peace Arch）に到着です。
カナダに入る車がすごい行列で、結局45分並びました。

ピースアーチ州立公園 広場・公園

これがピースアーチ・モニュメント（Peace Arch Monument）で、ちょうど国境の上に建っています。

この石柱も、ここが国境線を示しています。

アメリカからカナダに入ると、距離表示がマイルからキロメートルに変わります。
「時速30キロ＝時速20マイル」 と書かれた標識です。

9時半にバンクーバーに到着しました。

オリンピック国立公園は実質2日間でしたが、天候にも恵まれ大満足の小旅行になりました。
各観光ポイントがバラエティに富んでいて、まったく飽きませんでした。
日本からのゲストにも、とても喜んでもらえました！