富士総合火力演習　2014　その１

2014/08/24 - 2014/08/24

今年もやってきました。
その季節が…
これが終わらないと夏は終わりません。
陸上自衛隊の最大イベントにして、実弾を使った最新鋭の戦車・火器が霊峰富士に向かって大群衆の目の前で咆哮する「富士総合火力演習」
一般公開入場券の抽選倍率は２４倍とありますが、駐車場券付き一般券の倍率はその数倍はしていると思われ、友人知人家族総動員で応募しても命中は皆無…
何とか伝手頼みで手に入れたチケットを後生大事に握りしめ行ってまいりました。
演習は大きく分けて、主要装備品の紹介を兼ねた実弾射撃の「前段演習」、島嶼部に対する攻撃を想定して対応の「後段演習」
そして「演習参加装備品展示」の３部構成ですが、
その１においては会場への入場経過から遠・中・近距離火力、ヘリ火力あたりの紹介までをご報告いたします。

エリア 御殿場(静岡)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

我輩の持っている駐車券はいつもと同じ高塚駐車場の券です。
４時前には、列に並びました。この時間でこの位置ならスタンド席は大丈夫でしょう。
ほんとは甘かったけど…
時間が時間だけにかなり近くですが駐車場入口から４００ｍぐいいです。

畑の向こうの道では御殿場からの何台ものタクシーがひっきりなしにお客を乗せてピストンしてます。

まだ５時前ですが隊員が看板を設置しだしました。

伊豆縦貫道から２４６、裾野インターの入り口を素通りしてトヨタ自動車の横を通って大野原をスイスイ
裏道を通って、３０分程度で着きました。

富士山の山小屋の灯りと登山客のライトが彼方に見えます

ヒマなんで駐車場まで行ってみて車の台数を数えてみました。
先頭からちょうど５０台です。
だいぶ明るくなってきました。

５時半には車が動き始め駐車場に入場出来ました。

会場までのシャトルバスは６時運行開始です。
千葉から来たという左の帽子のお兄ちゃんと情報交換。
連れを会場に降ろして一人駐車場に車を置きに来たそうです。
ここで驚くべき情報が電話でやり取りしている彼の口から…
既に会場は人であふれかえっておりスタンド席は無理そうだと。

会場に着きました！
彼の言うとおり、入り口付近は既に人で一杯です。
Ｅスタンドとは反対側のＢスタンド前です。
ここで「Ｅスタンド・シート席最後尾」のプラカードを掲げた隊員がおり早速並びました。
６時１０分で、この状況です。

列が折り返しているのか向こうむきの人とこちら向きの人が交互に４列も…
まさかこの人たちすべてＥスタンドを目指している人たちじゃあないよね。
と自分に言い聞かせます。

行列は下の段まで伸びてます。

何台ものシャトルバスが次々にピストンで運んできはじめたので、混雑はさらに悲惨なことに…

そのうち轟音と共に凄い衝撃波が、「ドカ〜ン！」と…
いきなり点検射が始まったようです。
これには皆さんオッたまげました。
どうやら千葉から来たお兄ちゃんの連れはスタンドに入ったそうで
彼の分も確保しようとしたら会場整備の隊員から「詰めて座って」と言われたそうで
ガックリ…
いいアイディアだと思ったけど、そりゃあそうだよね、収拾がつかなくなっちゃうもん。

大混雑の原因の一つは６時になっても会場に人がなかなか入れないためです。
幾つもの入り口がありますが、今来ている人たちはあらかたがＥチケットの人達ですので仕方ありません。

５０分かけて一番端っこで折返し…
この折り返しがもう２回必要です。
ということはあと２列半、行って返ってまた行かねばなりません。
Ｅスタンドはこの時点で左端から詰めて１／３ほど埋まってます。
福島から来たというオッチャンと「スタンドは無理そうね…」
と慰め合います。
しかも早くも疲れが…

さらに１時間２０分…
前の人数は４０人程度に
Ｅスタンド席は一番端のブロックが１／３埋まってあと座れる人数は数十人…
一列ずつ人数を数えて入場させてます。
櫓をとおして「まだ入れてる」と見ながら、福島のオッチャンと行けそう？ギリギリどうかねェ

そしてついに！
まだ少し余裕があるようでなんとか行けそうです…
１０人単位に入れてもらいます。
既に９９．９％埋め尽くされたＥスタンド
この手前の人達はどうやって会場に？

う〜ん残念
少し後ろの人達はシート席しか残ってません。
でもＥスタンド前のシート席なら一番前の方に座れます。
端っこで平地、あまりいい位置ではありませんが。

8時半
こちらはＣスタンド席
Ｅスタンド席とは雲泥の差です

天気が心配でしたが、今のところは文句つけようがありません。

スタンド席の後ろでは相変わらず、入場待ちの大行列
我輩は末席ながらスタンド席を確保したので余裕かまして散策
ここでしか買えない演習の切手を買いに行ったのですが、シワになりそうなので営業時間だけ聞いて、終わったら買うことに。
でも、結局帰りも凄い人で売店までたどりつけませんでした。

シート席もスタンド席と同じ要領で
自由に好きな場所に座るんじゃなくて
一列ずつ列を作って詰めて座ります。
だから時間がかかるんだ…
「一列縦隊まええ！」

せ、先生…
ヒゲの隊長がいました。
厚かましく撮ってしまいました。
「４トラ載せていいですか？」
「あ〜、いいですよ…」

う、美しい
日本のＦＵＪＩＹＡＭＡ
こんな美しい山めがけて砲弾を乱射するとは…
稜線に山小屋が点々と。
このまま雲は湧かないで欲しい…

マイスタンド席から見下ろします。
シート席はまだこのありさま
外は長い行列です
まだ始まるまで１時間あるから。
駐車場からの入場がこんな具合だと来年からは作戦を変更しなければなりません。

本当に端っこです。
詰めて座っているので結構きつくて身動き取れません
1時間ひたすら耐えます

お互いに望遠でお見合いしましょう…

時間まで
富士学校音楽隊が入場して、君が代行進曲を筆頭に各種演奏で盛り上げます

でも拡声器の真下で音がうるさいこと、うるさいこと…

で、ふと前面道路の草むらを見ると、遠距離火力の兄弟が今や遅しと出番を待ってます

96装輪装甲車も。
安全係の青ヘルが目立ちます

そして真打の９９式自走１５５ｍｍ榴弾砲
12.7mm重機関銃M2が目立ちます。

富士学校長や幕長が到着して準備完了の報告を行い…
５つ星車の登場です

小野寺防衛大臣が手をふりながら…

航空幕僚長、海上幕僚長、さらには岩崎統合幕僚長も入場して
大将クラスが勢ぞろい
ちょうど10時、始まります…

まずは恒例の目標地域と射撃台の説明

さあ、特科部隊の入場で幕が切って落とされます。
トッカブタイと言っても安売り部隊じゃないよ…
いつもまにか富士山は雲隠れ…

おもむろに２０りゅうと１５りゅうが登場

ＦＨ７０（155mm榴弾砲）、２０りゅう（203mm自走榴弾砲）１５りゅう（99式155mm榴弾砲）が位置について…
ＦＨ７０は慌ただしく準備。
先ず砲身を手で引っ張っりぐるっと１８０度回転、標的に向け…
駐鋤を開いて固定…
弾込め完了、射撃体制に入って命令を待ちます。

遥か彼方なのでその準備作業はよく見えません

『じそう　じゅ〜ごりゅー　セイシャヨオ〜イ！　　テー！』
先ずは同時弾着の着発射撃
遥かかなたの３段山に向けて１５５ｍｍりゅう弾砲が
２門同時に３回ほど火を噴きました。

１５りゅうだけは自動装填なので隊員は見えませんが、２０りゅうとＦＨ７０の後ろでは弾込めのために隊員が動き回ります。
なんせ、榴弾の重さは４０キロもあるというから…
午後の展示会の時に隊員が重いと嘆いてました。

『ｴﾌｴｲﾁﾅﾅﾏﾙ ﾁｭｳﾀｲｺｰﾘｮｯｶ　ｾｲｼｬﾖｵｰｲ ﾃｰ!』
FH70（155mm榴弾砲）の射撃です

『だんちゃああ〜く　いま！』

『ｴﾌｴｲﾁﾅﾅﾏﾙ ﾀﾞｲﾀｲｺｰﾘｮｯｶ　ｾｲｼｬﾖｵｰｲ ﾃｰ!』
次から次へとバカスカ撃ちだしました…

ＴＯＴ射撃です。
後方陣地も加わって、２１門の異なる射距離で同時弾着
『だんちゃああ〜く！　いま！』

『ｺﾁﾗFDC　ﾀｲTOT　ﾌｼﾞﾊﾂﾄﾞｳ！』
『ﾃｨｰｵｰﾃｨｰ　ﾆｼﾞｭｳﾋﾞｮｳﾏｴ』
『ﾀﾞﾝﾁｬｱｱｰｸ　ｲﾏ！』
曳火射撃により３段山上空に富士山の形を描きます。
残念なことに曇っており本物の富士山は見えませんでした…

射撃が終わったら、さっさと迅速かつただちに陣地変換…
地味ながら、きびきびとした行動が求められます。
というのも相手もﾚｰﾀﾞｰを使って反撃があるから。

次は
右手から２種類の迫撃砲小隊の登場です

８１ｍｍ迫撃砲が着発射撃、
１２０ｍｍ迫撃砲が曳火射撃の同時弾着一斉射撃
『ショダンハッシャ！』
第三弾まで撃って
忘れたころに
『ショダン　だんちゃあーく　いま！』

空薬きょうも飛んでゆきます…
見えないか

次は対戦車部隊による対戦車誘導弾の射撃です
中距離多目的誘導弾が左の台から発射
赤外線画像による誘導方式で３発連続射撃
早すぎて３発発射は見えません。

最後に96式多目的誘導弾も左の台から

ふと横の草むらからを見ると…

へ、変な人が…

観客の前を全力ダッシュしてゆきます。

そんな中、広場では
軽装甲機動車の車上から０１式軽対戦車誘導弾をダイブモードで射撃
『ﾏﾙﾋﾄｼｷｹｲﾀｲｾﾝｼｬﾕｳﾄﾞｳﾀﾞﾝ ｻﾝﾉﾀﾞｲｾﾝｼｬ　ﾀﾞｲﾌﾞｳﾃｰ!』

ポンと出ると、 シュパーッと発射して　１００ｍほどからグイ〜ンと上昇！
目標を上空から追尾して見事命中

次は対人狙撃銃の狙撃です
先程の人はこのモデルだったのね。
観衆の前で狙撃銃を手にしています。

広場の向こうの右側の稜線では…
隠れて狙撃のはずですが見え見えですよ…
判りやすくするためにワザとです。

通常2〜300ｍの距離で行うけど
「本日は５００ｍの距離で射撃します」と
５００ｍをゴシック体で強調…
窓の中の人に見事命中
でも、演習の中では地味です。

遠くだし、地味すぎて観客は気がつきませんが、
風や天気の影響を受けやすいんで、
狙撃手と観測手とのペアで息の合った射撃です。
ちなみにこのアメリカ製の対人狙撃銃の射程距離は公式には７００ｍですが
対物狙撃銃となると射程距離は２４００ｍ先の車両を撃ちぬくそうです。
開いた口がふさがりません…

でも、どう見てもなんか怪しいペア２組です。

お次は
小銃小隊が96式装輪装甲車４両で入場
左側２両の４０ｍｍ自動てき弾銃は地味な射撃でしたが、
右側の２両は１２機関銃をバババババッと派手に。

ＦＶ、８９式装甲戦闘車が広場に並んで
３５ｍｍ機関砲を炸裂

先程からローター音がしていると思ったらヘリコプターが進入
AH‐1S通称コブラから対戦車ミサイルＴＯＷを発射
『ｺﾁﾗ　ｺﾌﾞﾗｻﾝﾀﾞﾝﾔﾏﾆｾﾝｼｬｶｸﾆﾝﾊｯｼｬｽﾙ　はっしゃよおーい！はっしゃ！』
でも早すぎて　、写ってません…

観測ヘリコプターＯＨ−１がよこで監視します。

真打登場！
空のイージス艦
戦闘ヘリコプターＡＨ−６４Ｄアパッチです
欲張ったねえ
３０ｍｍ機関砲、対戦車ミサイル ヘルファイヤー、ロケット弾、空対空ミサイルまで積んで
武装のデパートです。

お姑さんみたいに、ここでもＯＨ−１がついて…

『ｺﾁﾗｱﾊﾟｯﾁ ﾆﾉﾀﾞｲﾆｿｳｺｳｼｬｶｸﾆﾝ ｼｬｹﾞｷｽﾙ…、はっしゃよお〜い！　はっしゃ！』

『めーちゅ〜！もくひょ〜げきは！うちかたやめ　あぱっちりだっ！　』

かとんぼのようなＯＨ−１も
あわてて離脱…

さらに７４式戦車の車体に２門の３５ｍｍ機関砲、射撃管制装置、レーダーを載せた８７式自走高射機関砲２両が射角を下げて水平射撃
圧巻です

そして戦車火力ですが
以下　続く

この旅行記へのコメント （6）

• 墨水さん 2014/08/29 22:49:25

  入場が大変ですね。

  アルデバランさん、今晩は。
  現場入場の方が、大変ですね〜っ。
  一番乗りは、何時に来てんだろ〜っ。（笑）
  最近は、見学者多数で大変だとは話に聞いてましたが、此所まで大変だとは思いませんでした。
  席に着席した時点で、一会戦終了な感じですね。（笑）
  墨水。

  アルデバランさん からの返信 2014/08/30 06:36:36

  RE: 入場が大変ですね。

  墨水様　お久しぶりです
  
  駐車場からは数台が一緒に出発で、２台目の始発バスだったので、シャトルバスではほとんど一番乗りとおなじですが、それでもギリギリ端っこのスタンド席。
  少し前の位置に並んでいる人に聞いたら、夜中の２時ごろタクシーで来たそうです。
  先頭の人達は明らかに昨夜から並んでいるんでしょうね。
  昨夜は夜間演習もあったはずなんだけど…
  ６時半頃から始まる点検射で、私の方も写真の練習したかったのですが、会場に入れたのは８時を大きく回ってました。
  会場への入場は６時半からとなってますので、やむを得ないのですが、特にＥスタンド希望者への入れ方に問題があるようです。
  入場券を手に入れることで一苦労、中に入ることで一苦労、帰りも長蛇の列で一苦労
  毎年同じような内容だし、疲れ果てますが、やめられません…
  
  

• ムロろ～んさん 2014/08/28 21:02:45

  満員御礼\(◎o◎)／！

  アルデバランさん
  
  こんばんは、ムロろ〜んです。
  富士総合火力演習の旅行記を拝見しました。
  行く前から駐車場の予約、当日の車の駐車に席の手配など本当に実際に見る前からものすごい疲れそうって思ってしまいました。
  写真にて前の方に座られていた方がぐったりされていましたが、そりぁ疲れるよなぁと思ってしまいました(-_-;)。
  
  お土産購入するにも一苦労ありそうですし、帰るときもすっごい混雑しそうな気が・・・。
  ですが、富士演習場ならではの迫力感が半端ないんだろうなぁと思いましたよ。
  実際に行ってみないことには分からない躍動感、特に隊員さん方の動きよりも射撃がすごいんだろうなぁと。
  
  そうそう、富士山登山されている方、ここからでも分かるのだなと初めて知りました。
  
  
  ムロろ〜ん(-人-)

  アルデバランさん からの返信 2014/08/30 06:13:14

  RE: 満員御礼\(◎o◎)／！

  ムロろ〜ん様 こんにちわ
  
  富士登山している人、昼間は見えませんが、夜、天気がいいと実家の裏山（箱根西麓）からでもライトの明かりが九十九折れ状態に見えますよ…
  演習の振動も８月になると畑とかで時々「ズッシーン」と聞こえてきます。
  地元では相当なもんだと思います。
  うるさいし結構怒っている人もいるのでは(^^ゞ
  でも、演習場は約9000ヘクタールもあり富士マサという黒ボク土壌で崩れやすく、萱ぐらいしか育たないですが、入会地で権利者は地代やら防災整備やらで結構潤っているとのうわさです…
  実弾演習はもう「凄い」の一言です。
  隊員のきびきびした動きや統制の取れたやり取りも見ごたえあります。
  
  

• ボビーさん 2014/08/28 09:42:14

  ５００メートル先の一点って？

  アルデバランさん　　こんにちは！
  
  火力演習行って来ましたね。行きつくまで、大変だったみたいで、お疲れ様でした。
  それにしても、席に着くまでも、一般人に一列で進めとか、やはり自衛隊ってところは、大変ですね。
  あと、射撃が地味みたいでしたが、５００メートルの、距離で、命中させるのって、結構難しいと思うんですが、違いますか？
  呼吸とか、風とか、いろんなものが、一つでも狂うと命中しないと思うんですが。今時の銃は、凄い命中率とか？ありなんですかねぇ。
  映画の受け売りですけど。
  次もあるみたいなので、楽しみにしております。
  
  いつも訪問・投票ありがとうございます。
  
  　　ボビー

  アルデバランさん からの返信 2014/08/28 19:33:30

  RE: ５００メートル先の一点って？

  ボビーさん　こんにちわ
  
  実は２１日の木曜日も仕事休んでポン友３人と行ったんです（汗；
  その時は一人じゃないのでゆっくり出かけシート席でした。
  前のオバちゃんが背伸びして見てたので写真は撮れませんでした。
  
  世の中に物好きがこんなにもいるとは本当に驚きました。
  でも、一見の価値ありです。
  テレビで見るのとは全く違います。
  ここ１０年間、ほぼ毎年行ってるのですが飽きません。
  対人狙撃銃、今回は２組とも見事に初弾命中させましたが、時々外します。
  その時は『ツヅイテウテー！、ツヅイテウテー！』と無線指示があり、不謹慎にも思わず「プッ」としてしまいます。
  
  思うことは、この銃にしても戦車やﾍﾘ等の大型火器にしても、みなハイテク技術の結晶だと思います。
  ただし、それを操作運用するのは人間ですので磨きあげた錬成度と統率のとれたきびきびとした動きが必要で
  この様なところに魅力を感じて通い続けています。
  
  あっ、それと
  我々のお金使っているんだから、ちゃんと訓練して成果上がっているのかのチェックも…
  
  ではまた
  アルデバラン