2012/12/25 - 2013/01/10
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ちゃおさん
勐腊県電視局の電波台はチョットした見晴らし台になっていて、勐腊(メンラ)市内が一望された。西に見える雲南の山並みも西日に赤くなり、漸く今日1日が終わりつつある。昨日から今日にかけての二日間、かなり忙しい毎日と相当な距離を走り抜けた。一昨日の早朝、ジャール平原の盆地の中の町、ポーンサワンから2000m級のジャールの山脈を越えてラオス国境に近い町、ウドムサイまでやってきて、そこで1泊。今朝は又そこから中国雲南省の国境を越え、午後、この町勐腊(メンラ)にやって来た。午後の半日、どことなくこの町を彷徨い、この見晴らし台に登り、今日1日を終える。充実した二日間だったとも言える。
見晴らし台を下り、ホテルのある大通りに向かって歩いていると、表通りから1本入った小道に「傣族」レストランの看板が見える。「傣味餐庁」と出ている。ああ、この町に住んでいる「傣族」が経営しているレストランだ。珍しい、どんな感じの種族でどんな食事がなのか興味がある。今、特段お腹が空いている訳ではないが、中に入って様子を見てみよう。
そうして「サワデークラップ」(สวัสดีครับ)と挨拶して中に入ると、中にいる女性達も同様に「サワデーカー」(สวัสดีค่ะ)とタイ語で挨拶してくる。更に二言三言、タイ語で話し掛けてくる。ああ、ここではタイ語が全く問題なく通じるのだ。「傣族」とは言え、「タイ人」には違いないのだ。彼女たちとタイ語で話しをしている限りでは、普通の田舎のタイの女性と変わるところはない。うーん、そうだったのか・・。「傣族」と「泰族」、文字は微妙に異なるが、学者が言うように、彼等は元々は同一民族であったに違いない。
レストランの中はかなり広く、内半分ほどを食事用のスペースに使用し、残りの半分は、何か民芸品が展示され、その前で2−3人の女性が編み物をしている。見るからにカラフルな模様で、民族調の織物を作っている。この出来上がった生地を裁断し、裁縫し、彼女達「傣族」の民族衣装が出来上がるのだろう。
以前小金井で何人かとタイ語のサークルをやっていた頃、一人織物に興味を示す女性がいて、特に民族調の草木染に感心を持っていたが、彼女がまだサークルに在籍していたら、躊躇なくお土産に買っていくところだが、そのサークルももう1年以上も前に空中分解してしまっている。今はただこの「傣族」織姫に、タイ語で「綺麗だ、美しい、素晴らしい」の褒め言葉を掛けるだけで、客として彼女達の懐を潤すことが出来ない。
この地方の、こうしたレストラン、「餐庁」では常のことなのか、店の奥のショーケースの中に、何種類もの豚肉、牛肉、魚類などが展示されていて、客は好みの食材を決めれば、後は店のコックが上手に料理してくれる。まあ、当方もお腹が空いている訳ではないが、「傣族」とタイ語を話し、織姫と軽い冗談なども話せたのだから、何か食べて行かないと都合が悪い。ショーケースから適当な肉を選び、クックしてもらった。出来上がった料理がタイ風なのか、イサーン料理なのか、ラオス流なのかは当方には区別はつかないが、いや、実際、こんな場所、中国の辺境、雲南の更にその地方の「?腊」の名も知れぬ路地裏のレストランでタイ語を話し、一応はタイ料理を食べることが出来たのは、多分、当方に取っても一生の思い出となるものだろう。
- 旅行の満足度
- 5.0
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