自然を満喫する夏の北海道16日間の旅　（１）移動編　～19時間の船旅～

2014/07/01 - 2014/07/02

　今年は訳あって、夏の海外旅行は断念。その代わり北海道の大自然を満喫しようと、道央、道東を2週間あまりをかけて回って来ました。
　美瑛・富良野の美しい丘の風景とラベンダーが主役の花々を脳裏とカメラに焼付け、大雪山旭岳に登り、星野リゾートトマムでリゾートライフ、ゴルフと早朝の雲海を楽しみ、川湯温泉で旅の途中の疲れを癒し、知床と釧路湿原では手付かずの雄大な大自然にどっぷり浸かるという、テンコ盛りの計画です。
北海道内の移動は、便数が少なく不便で不安な鉄道（あのＪＲ北海道！）は使いたくない、かといってレンタカーでは滞在日数が比較的長くレンタル料金がかさむので、北海道への移動はフェリーを使いマイカーを同行することにしました。

概略日程
７月１日～２日　フェリーさんふらわーさっぽろにて大洗港→苫小牧港
　　　　　　　　道央自動車道経由で旭川へ　ビジネスホテル１泊
７月３日～５日　半日、旭山動物園でかわいい動物達に癒され
　　　　　　　　美瑛をうろついて美しい丘の風景撮影、大雪山旭岳登山
　　　　　　　　レンタルハウス「絵織の丘」で自炊生活３泊
７月６日～７日　富良野の花々、星野リゾートトマムでゴルフと
　　　　　　　　のんびりリゾートライフ２泊
７月８日　　　　屈斜路湖、摩周湖周辺観光、川湯温泉１泊
７月９日～１１日　ウトロに滞在して知床の大自然満喫、　民宿３泊
７月１２日　　　午前中、知床五湖散策、午後、鶴居村へ移動
　　　　　　　　ホテルTAITO１泊
７月１３日～１４日　釧路湿原散策　湿原の中心部キラコタン岬へのガイドツアー
　　　　　　　　餌付けされていない夏のタンチョウの姿を観察
　　　　　　　　釧路市内ビジネスホテル２泊
７月１５日　　　苫小牧へ移動、途中池田ワイン城立寄り、船中泊
７月１６日　　　午後、大洗港着、帰宅

まずは旅の序章として、大洗港から苫小牧へのフェリーの船旅、最初の目的地である旭川までの移動の様子です。

エリア 苫小牧(北海道)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 船 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

北海道への移動は、大洗港発１８：３０の商船三井フェリーの「さんふらわあさっぽろ」号を利用。
乗船手続きは17時までだが、余裕をみて自宅を出たので1時間ほど時間が余った。フェリー乗り場の近くに「大洗リゾートアウトレット」という商業施設があり、連れ合いが行ってみたいというので、そこで時間をつぶす。

アウトレットの建物の屋上からの眺め。目の前に大洗マリンタワーが聳えている

フェリー乗り場方向に目をやると、すでに「さんふらわあさっぽろ」号が接岸している。

大洗リゾートアウトレットは2006年にオープンした商業施設だが、東日本大震災で甚大な被害をうけている。
大洗の被災状況を伝える写真などの貴重な資料が展示された復興記念ギャラリーが常設されているので、入ってみた。

津波に襲われた大洗港の様子

大洗リゾートアウトレットも津波に襲われた。
復旧は早く4ヶ月後には営業が再開された。このギャラリーも営業再開と同時に開設された。

震災当日、大津波警報を受けて、緊急避難出航する「さんふらわあ」号の写真が展示されている。

1時間ほど、アウトレットモールで時間潰しをした後、フェリー乗り場へ向かう。
午後5時前に事前にインターネットでダウンロードした乗船票と車検証を持参して乗船手続きを済ませる。

車の同乗者は車ごと乗船できない。ボーディングブリッジから直接、船室に案内される。

車は船室の下の甲板に乗り入れる。こちらは結構時間がかかりそうだ。

船は６階構造で、Ｄ〜Ｆデッキの下３階が車両甲板、Ａ〜Ｃデッキの上３階が船室や乗客のための色々な共用スペースとなっている。
車両甲板からエスカレータで上がるとＣデッキにインフォメーション、受付カウンターがあるロビーに出る。

今回、予約したのは４人用のスタンダードルーム。
７月１８日以降の夏休み繁忙期に入ると、４人部屋を２人で予約すると追加料金が必要となるが、今の時期は通常料金でＯＫ。

部屋は２段式のベッドが４つ。何やら、独身者用寄宿舎のような雰囲気だ。
２人用のデラックスルームだと、平置きのツインベッドでホテルのような部屋になるが、￥７，２００／人だけお高くなる。
さすがにオープンスペースのカジュアルルームや、大部屋に幅１ｍ弱のマットレスを敷いて寝るエコノミールームでは落ち着かないが、鍵がかかる個室であれば、これで十分！
宿泊設備に必要以上のぜいたくは求めないというのが、我が家の旅のポリシーだ。

行きの予約は、部屋の奥に座卓が置いてある和洋室タイプの部屋。
ちなみに帰りは洋室タイプを予約してある。
テレビの他にビデオプレイヤーも用意されていて、持ち込んだＤＶＤや有料でＤＶＤを借りることもできる。ただし、ダビングしたＤＶＤは再生しないようにという注意書きがされている。

共用の展望レストスペース

もうひとつのレストスペース。
主にエコノミールームの乗客のくつろぎの場となっているようだ。

定刻どおり１８：３０に大洗港を出航

日没３０分前の出航なので、船上から夕日が眺められる。
最上階のＡデッキから外部甲板に出ることができる。何人かの乗客が夕日を見に外に出てきている。

出航してしばらくは東に針路を取っているので、夕日は船尾方向に見える。

３０分ほどして日没の頃になると、船は取り舵を切り、針路を北に向ける。

日没後３０分経って、空の色が水平線上の朱色から天頂に向けて青みが増す美しいマジックアワーになった。デッキには照明が灯り、かすかに見える海岸線の町の明かりと上空の三日月が少しづつ輝きを増している。
デッキは風が強く肌寒いが、太平洋上から眺める夕暮れの風景は寒さを忘れさせてくれる。

出航して１時間。海岸に見える明かりは、茨城県と福島県の県境の町だろうか

船には、サウナ付きの風呂がついている。風呂は乗船と同時に夜１０時まで、朝は６：３０から苫小牧港到着まで利用できる。

デッキの風で冷えた体を風呂とサウナで温めたあと、レストランで夕食。

夕食（￥１，９００）、翌日の朝食（￥１，０５０）ともバイキング。
まとめてセット券を買うと￥２，４００で￥５５０のお得
料理の種類、味とも値段相応といったところ

カーフェリーなので、豪華客船のような設備というわけにはいかないが、
ゲームコーナーやら、・・

ミニシアターがあって、それなりの暇つぶしはできる。
上映は、乗船日の夜１０：００と翌朝９：００の２回
今回は、夜はおなじみの「男はつらいよ」、朝はレオナルド・デカプリオ主演の「華麗なるギャツビー」という洋画が上映されていた。

受付カウンターの横には、小さな売店があり、つまみやアルコール類、茨城と北海道のみやげ物、カップ麺などが売られている。
翌朝から少し船が揺れ、船に弱い連れ合いが船酔いになってしまったが、売店で酔い止め薬も売っていたので助かった。
うかつなことに持ち物リストに酔い止め薬を入れるのを忘れてしまったのである。

初めての長距離の船旅で、気分よくアルコールも進んで早めにベッドに入り、熟睡。
目覚ましをセットしたわけではないが、自然に目が覚めたので朝日の撮影のため、外のデッキへ。

鮮やかな朝焼けの雲の下で、小さな漁船が漁をしている。今の時期、このあたりでは何が獲れるのだろうか？
釜石〜宮古の沖合いを航行中

日の出の瞬間。　
午前４時１１分、太平洋の水平線上に太陽が顔を出す。

久しぶりに見られた日の出

朝日と船の白波

だれもいないような雰囲気だが、大勢の中国人旅行者が甲板を行ったり来たりしていて、人を避けて撮影するのは大変だった。

船室の窓ガラスに映りこんだ朝日

左舷側には、うっすらと漂う海霧のかなたに三陸海岸の山並みが見える。
少々肌寒いが気持ちのよい朝だ。

跡白波を残して船は順調に航行を続けている

朝日の撮影後、一旦部屋に戻り２時間半ほどウトウトしたあとは朝食バイキング。
なお、船上のレストランは、夕食も朝食も開店時間は１時間半しかなく、ちょっとせわしない。

船内の廊下に、こんなポスターが張ってある。
７月１日出航の便だけの特別イベントで、たかだすみれさんというピアノ弾き語りシンガーソングライターのコンサートがあるという。
昨夜は、コンサートが始まる前に寝てしまったが、今朝は聞きに行ってみよう。

営業終了後のレストランを会場にして、６曲ほど自作の曲を披露してくれた。聴衆は２０人くらい。
下船後、札幌と小樽でコンサートを開き、７月５日にはこのフェリーで大洗に戻るのだそうだ。そのあとは横浜でコンサートの予定だそうで、全国を飛び回っている。忙しいのは何より！　がんばれ！！　大ヒット曲が出るといいなあ

去年デビューしたばかりの２１歳の子で、名古屋出身。
演奏中の写真を4Travelの旅行記ブログにアップして公開してもよいか、確認したところ、「ぜひぜひアップして大勢の人に売り込んで下さい！」と逆にお願いされてしまった。

定刻どおり１３：３０に苫小牧港に入港

接岸してから車が下船するまで小1時間かかった。
乗船するときは、運転者と同乗者は別々だったが、下船のときは一緒に車に乗って降りる。
あとは、道央自動車道をひたすら走り、旭川へ。

旭川の宿はビジネスホテル「レオパレス旭川」。5時過ぎにチェックイン。
普通のビジネスホテルなので、特に写真はなし。

旭川に来たからには、やはり旭川ラーメンを食さねばなるまい。ということで、食べログで上位にランクされた梅光軒というラーメン屋へ繰り出す。

店内の壁一面に有名人のサイン色紙が飾ってある。有名店なんですな〜
もっとも、我々が入店したときは、観光客らしき客はほとんどおらず、地元の高校生のグループとかサラリーマン風の地元の人ばかりだった。

注文したのは、醤油チャーシュー麺。
スープはとんこつ、鶏がら系と煮干・昆布の魚介系スープをブレンドしたものでコクはあるがさっぱりした味。たっぷりのチャーシューと極太の大量のメンマはビールのつまみにもなる。麺は添加物を使わない自家製のちぢれ中細麺で、スープのからみがよい。
期待にたがわない、好い味のラーメンであった。

旭川は、生まれて初めて足を踏み入れた地である。市内観光をするつもりはないが、旭川駅と駅前から続く平和買物公園というショッピング街を少しだけ歩いてホテルへ戻る。
旭川の中心部は、京都のように道路が碁盤目状に整備されていて、地名は○条通り△丁目と規則正しく付けられているので分かりやすい。

自宅を出発して28時間の移動で北海道旅行の基点、旭川に到着。明日はまず、旭山動物園でかわいい動物達に癒されたあと、本命の美瑛へという予定。
以下、第2編に続く。

この旅行記へのコメント （8）

• 蔦之丞さん 2014/07/23 06:30:28

  半月間の大陸旅行

  そうですね〜
  北海道の移動手段を考量すると
  フェリー移動で自家用車って、手がありましたね！
  考えた事もありませんでした…
  効率のいい旅になりましたね
  
  また、ゆっくりと旅行記を拝見させて頂きます。
  　　　　　　　　　　蔦之丞

  玄白さん からの返信 2014/07/23 22:38:19

  RE: 半月間の大陸旅行

  蔦之丞さん、こんばんは
  
  フェリーは移動には時間がかかりますが、現地入りしたあとは機動力があるので、広い北海道を回るには便利ですね。
  さすがに温泉ではありませんが、船内には広い風呂があっていつでも利用できたり、ミニシアターがあって、それなりに船旅を楽しめます。豪華客船というわけにはいきませんが・・・
  
  玄白
  
  

• こあひるさん 2014/07/20 03:50:14

  北海道にいってらしたのですね！

  師匠、こんばんは。
  
  2週間も北海道にいかれてたのですね！やっぱり車が便利ですよね。
  
  北海道には、行って見たいと思っても、広いし、エリアによって風景も異なるので、迷ってしまいます。
  
  師匠が広範囲に旅行されたので、今後の参考にさせていただきますね。
  
  こあひる

• こあひるさん 2014/07/20 03:49:46

  北海道にいってらしたのですね！

  師匠、こんばんは。
  
  2週間も北海道にいかれてたのですね！やっぱり車が便利ですよね。
  
  北海道には、行って見たいと思っても、広いし、エリアによって風景も異なるので、迷ってしまいます。
  
  師匠が広範囲に旅行されたので、今後の参考にさせていただきますね。
  
  こあひる

• こあひるさん 2014/07/20 03:49:27

  北海道にいってらしたのですね！

  師匠、こんばんは。
  
  2週間も北海道にいかれてたのですね！やっぱり車が便利ですよね。
  
  北海道には、行って見たいと思っても、広いし、エリアによって風景も異なるので、迷ってしまいます。
  
  師匠が広範囲に旅行されたので、今後の参考にさせていただきますね。
  
  こあひる

• こあひるさん 2014/07/20 03:49:14

  北海道にいってらしたのですね！

  師匠、こんばんは。
  
  2週間も北海道にいかれてたのですね！やっぱり車が便利ですよね。
  
  北海道には、行って見たいと思っても、広いし、エリアによって風景も異なるので、迷ってしまいます。
  
  師匠が広範囲に旅行されたので、今後の参考にさせていただきますね。
  
  こあひる

• ミッキーマーチさん 2014/07/19 13:49:31

  「１６日間の旅　」楽しみです

  玄白さん、こんにちは
  
  フェリーを利用して、北海道に行かれたんですね！
  
  我が家でも十数年前になりますが、子どもが小さかったせいもあり、移動は車にしようと、行きは青森ー室蘭、帰りは苫小牧ー仙台のフェリーを利用しました。４人部屋で、２段ベッド、大きなお風呂に大喜びだったのを思い出しました。
  ラベンダーを見ようと７月上旬と時期も玄白さんと同じくらいでしたね。
  
  これから２週間の北海道の旅、そして雄大な景色の写真、とっても楽しみです！　　
  
  
  　　　　ミッキーマーチ

  玄白さん からの返信 2014/07/20 16:01:11

  RE: 「１６日間の旅　」楽しみです

  ミッキーマーチさん、こんにちは
  
  いつも訪問、投票ありがとうございます。
  北海道では、ちょっと期待はずれだったり、期待以上だったりといろいろありました。旅行記全巻完成には、少し時間がかかりそうですが気長にお待ちください。(^ ^)
  
  玄白