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今日は岐阜県揖斐川町と福井県南越前町にまたがる三周ヶ岳(さんしゅうがたけ。1292m)に登ってきました。目的は途中の夜叉が池(やしゃがいけ。標高1099m)のニッコウキスゲです。<br /> <br />今ごろはニッコウキスゲが花盛りのため登山者が多く駐車場が満杯になると思い、早朝に家を出ました。揖斐川町を走る国道303号から林道に入り、7km以上も細い林道を走ると駐車場に着きます。家を出てから約2時間半かかりました。50〜60台は停まれる駐車場にはまだ5台しか到着していませんでした。家を出るときには小雨が降っていて心配でしたが、現地は今にも降り出しそうな厚い雲に覆われていました。天気予報では、突然の強い雷雨に注意と言っていましたから、行けるところまで行って雨が降り出せば引き返すつもりで出発しました。<br /> <br />このルートは池の手前にそびえる「夜叉壁」を目指します。途中から見える夜叉壁はガス(雲)に覆われていて天候が心配です。「池の又谷」沿いのブナ林の中を進みます。いつものところにササユリが1輪だけ咲いていました。以前はもっと個体数が多かったのですが、今ではこの1輪だけが残っています。盗掘にあって数が減っています。谷沿いの道ですからオオルリやミソサザイの声が途切れません。夜叉壁に近づくにつれて突然登山道が急になります。ロープを頼りに急斜面を登ります。すると目の前にニッコウキスゲの大群落が現れます。登山者はここで歓声を上げます。すぐ稜線に到着。ガスがかかっていて、強い風が吹いていて、汗をかいた体には快適です。稜線が福井県と岐阜県の境界線になっていて、稜線のすぐ向こうは夜叉が池です。ここまでは1時間15分かかりました。ここではホトトギス、ツツドリ、ジュウイチの声が聞けました。<br /> <br />夜叉が池に寄るのは後にして、三周ヶ岳に向かって登り始めます。登山道の岐阜県側の斜面にはニッコウキスゲが咲き乱れています。三周ヶ岳までは尾根を行きますが、ピークをいくつも越えて行かなければなりません。登ったり下りたりと起伏が激しいコースで、池を越えて三周ヶ岳まで足を延ばす人はわずかです。アカモノが小さなかれんな花を咲かせてくれて、登山者を慰めてくれます。カッコウが突然鳴きだしました。これでトケン類4種がそろいました。ここはかなりの藪漕ぎを強いられます。が、先月の蕎麦粒山(そむぎやま)のひどい藪と比べたら、まだまだ楽なほうです。池から1時間10分で三周ヶ岳頂上に到着。展望が利かないうえに、ガスがかかって周囲は何も見えません。トケン類4種が競うように鳴いているのが唯一の収穫です。軽くランチを済ませて下山です。今にも雨になりそうで、雷も怖いからです。<br /> <br />夜叉が池に戻り池のそばまで近づきました。ちょうどサワフタギの花が満開で池の周りを取り囲んでいます。登山者が池に入らないようにロープで囲んだ木道があり、岐阜県側と福井県側から登って来た登山者がその上で弁当を広げています。わたしも木道の片隅に場所を確保して本格的なランチです。池の向こうには樹木の枝にモリアオガエルの卵がびっしり産み付けられています。卵が孵化すると下の池に落ちるようになっています。池ではイモリがそれを狙って捕食します。また樹上の卵をトビがやってきて食べるので、モリアオガエルには受難の連続です。今日も1羽のトビがしつこく飛んでいました。<br /> <br />さて、この池には世界中でここにしかいない「ヤシャゲンゴロウ」が生息しています。これは環境省のレッドリストで絶滅の危険度が一番高い「絶滅危惧1A]に指定されている貴重な昆虫です。登山者が池に入ったり、手を漬けたりしないように監視しているのが福井森林管理署です。<br />http://www.rinya.maff.go.jp/kinki/fukui/mori-grow/yasha/ike-patrol.html<br />ここの担当の男性とは昔からの顔なじみです。彼の話では、最近水質が悪化(富栄養化)しており、ヤシャゲンゴロウの数が激減しているそうです。原因を聞くと、登山者が食べる食物が大きく影響しているそうです。食べ物のカス(例えば、パンや菓子のくず、醤油や飲み物などの1滴でも)が大勢の人が来ることによって大量に発生し、それが雨水などで池に流れ込むからです。若い男性のグループが飲み残したコップの飲料を木道から捨てるのを見て、わたしが注意しました。監視員がひとりでは登山者全員に目が届かないし、注意すると食って掛かってくる人もいるそうで難しい問題ですと彼は言っていました。完全に登山者を閉め出すのがいいのですが、地元が観光の目玉にしているため、それも反対の意見が多く、できないそうです。環境省が保護に力を入れるべきですが、人里離れた場所なので、人のやり繰りが難しく実現しないとも言っていました。このままでは遠からず絶滅してしまうと心配させられます。<br /> <br />雨にもならず薄日が差したりしてまあまあの天気でした。登山者がどんどん池まで登ってくるので、わたしは下山を開始。1時間ちょっとで駐車場に着きました。駐車場は満杯になっていました。<br /> <br />余談:先日名古屋の居酒屋で揖斐川町の酒を知り、揖斐川町内の販売所を予め探しておきました。店に行ってみると何種類もあり驚きました。数ある地酒の中でもレア物を1本仕入れてきました。楽しみです。<br />

ニッコウキスゲ咲き乱れる、夜叉が池と三周ヶ岳登山記

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2014/06/21 - 2014/06/21

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地酒大好きさん

今日は岐阜県揖斐川町と福井県南越前町にまたがる三周ヶ岳(さんしゅうがたけ。1292m)に登ってきました。目的は途中の夜叉が池(やしゃがいけ。標高1099m)のニッコウキスゲです。

今ごろはニッコウキスゲが花盛りのため登山者が多く駐車場が満杯になると思い、早朝に家を出ました。揖斐川町を走る国道303号から林道に入り、7km以上も細い林道を走ると駐車場に着きます。家を出てから約2時間半かかりました。50〜60台は停まれる駐車場にはまだ5台しか到着していませんでした。家を出るときには小雨が降っていて心配でしたが、現地は今にも降り出しそうな厚い雲に覆われていました。天気予報では、突然の強い雷雨に注意と言っていましたから、行けるところまで行って雨が降り出せば引き返すつもりで出発しました。

このルートは池の手前にそびえる「夜叉壁」を目指します。途中から見える夜叉壁はガス(雲)に覆われていて天候が心配です。「池の又谷」沿いのブナ林の中を進みます。いつものところにササユリが1輪だけ咲いていました。以前はもっと個体数が多かったのですが、今ではこの1輪だけが残っています。盗掘にあって数が減っています。谷沿いの道ですからオオルリやミソサザイの声が途切れません。夜叉壁に近づくにつれて突然登山道が急になります。ロープを頼りに急斜面を登ります。すると目の前にニッコウキスゲの大群落が現れます。登山者はここで歓声を上げます。すぐ稜線に到着。ガスがかかっていて、強い風が吹いていて、汗をかいた体には快適です。稜線が福井県と岐阜県の境界線になっていて、稜線のすぐ向こうは夜叉が池です。ここまでは1時間15分かかりました。ここではホトトギス、ツツドリ、ジュウイチの声が聞けました。

夜叉が池に寄るのは後にして、三周ヶ岳に向かって登り始めます。登山道の岐阜県側の斜面にはニッコウキスゲが咲き乱れています。三周ヶ岳までは尾根を行きますが、ピークをいくつも越えて行かなければなりません。登ったり下りたりと起伏が激しいコースで、池を越えて三周ヶ岳まで足を延ばす人はわずかです。アカモノが小さなかれんな花を咲かせてくれて、登山者を慰めてくれます。カッコウが突然鳴きだしました。これでトケン類4種がそろいました。ここはかなりの藪漕ぎを強いられます。が、先月の蕎麦粒山(そむぎやま)のひどい藪と比べたら、まだまだ楽なほうです。池から1時間10分で三周ヶ岳頂上に到着。展望が利かないうえに、ガスがかかって周囲は何も見えません。トケン類4種が競うように鳴いているのが唯一の収穫です。軽くランチを済ませて下山です。今にも雨になりそうで、雷も怖いからです。

夜叉が池に戻り池のそばまで近づきました。ちょうどサワフタギの花が満開で池の周りを取り囲んでいます。登山者が池に入らないようにロープで囲んだ木道があり、岐阜県側と福井県側から登って来た登山者がその上で弁当を広げています。わたしも木道の片隅に場所を確保して本格的なランチです。池の向こうには樹木の枝にモリアオガエルの卵がびっしり産み付けられています。卵が孵化すると下の池に落ちるようになっています。池ではイモリがそれを狙って捕食します。また樹上の卵をトビがやってきて食べるので、モリアオガエルには受難の連続です。今日も1羽のトビがしつこく飛んでいました。

さて、この池には世界中でここにしかいない「ヤシャゲンゴロウ」が生息しています。これは環境省のレッドリストで絶滅の危険度が一番高い「絶滅危惧1A]に指定されている貴重な昆虫です。登山者が池に入ったり、手を漬けたりしないように監視しているのが福井森林管理署です。
http://www.rinya.maff.go.jp/kinki/fukui/mori-grow/yasha/ike-patrol.html
ここの担当の男性とは昔からの顔なじみです。彼の話では、最近水質が悪化(富栄養化)しており、ヤシャゲンゴロウの数が激減しているそうです。原因を聞くと、登山者が食べる食物が大きく影響しているそうです。食べ物のカス(例えば、パンや菓子のくず、醤油や飲み物などの1滴でも)が大勢の人が来ることによって大量に発生し、それが雨水などで池に流れ込むからです。若い男性のグループが飲み残したコップの飲料を木道から捨てるのを見て、わたしが注意しました。監視員がひとりでは登山者全員に目が届かないし、注意すると食って掛かってくる人もいるそうで難しい問題ですと彼は言っていました。完全に登山者を閉め出すのがいいのですが、地元が観光の目玉にしているため、それも反対の意見が多く、できないそうです。環境省が保護に力を入れるべきですが、人里離れた場所なので、人のやり繰りが難しく実現しないとも言っていました。このままでは遠からず絶滅してしまうと心配させられます。

雨にもならず薄日が差したりしてまあまあの天気でした。登山者がどんどん池まで登ってくるので、わたしは下山を開始。1時間ちょっとで駐車場に着きました。駐車場は満杯になっていました。

余談:先日名古屋の居酒屋で揖斐川町の酒を知り、揖斐川町内の販売所を予め探しておきました。店に行ってみると何種類もあり驚きました。数ある地酒の中でもレア物を1本仕入れてきました。楽しみです。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ショッピング
3.5
交通
4.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
1万円未満
交通手段
自家用車
旅行の手配内容
個別手配
  • 途中の登山道から見た夜叉壁。写真の一番高いところが夜叉壁。その向こう側に夜叉が池がある。

    途中の登山道から見た夜叉壁。写真の一番高いところが夜叉壁。その向こう側に夜叉が池がある。

  • 登山道脇に咲くササユリ<br />。

    登山道脇に咲くササユリ

  • 夜叉が池近くのニッコウキスゲと白いイブキトラノオ。大自然の中のお花畑。

    夜叉が池近くのニッコウキスゲと白いイブキトラノオ。大自然の中のお花畑。

  • 三周ヶ岳への登山道から見下ろした夜叉が池。

    三周ヶ岳への登山道から見下ろした夜叉が池。

  • 三周ヶ岳への途中から見た、これから歩く山並み。一番奥のガスが掛かったピークが三周ヶ岳。

    三周ヶ岳への途中から見た、これから歩く山並み。一番奥のガスが掛かったピークが三周ヶ岳。

  • 登山道横の急斜面に咲くニッコウキスゲ。

    登山道横の急斜面に咲くニッコウキスゲ。

  • 三周ヶ岳登山道に咲くアカモノ。小さくて、かれんで、かわいい花。登山者を和ませてくれる大きな存在。<br />

    三周ヶ岳登山道に咲くアカモノ。小さくて、かれんで、かわいい花。登山者を和ませてくれる大きな存在。

  • 夜叉が池の周囲に咲くサワフタギの白い花。

    夜叉が池の周囲に咲くサワフタギの白い花。

  • 夜叉が池の上の樹木に産み付けられたモリアオガエルの卵の白い塊。捕食しようとするトビがしつこく飛び回っていた。

    夜叉が池の上の樹木に産み付けられたモリアオガエルの卵の白い塊。捕食しようとするトビがしつこく飛び回っていた。

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