2014/06/15 - 2014/06/16
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aya-photripさん
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2014年6月、『美し国 三重』伊勢・鳥羽1泊2日旅行。
梅雨の晴れ間に恵まれた2日間、
母と妹と3人で、まわりゃんせを利用して巡ってきました。
1日目は伊勢神宮参拝とおはらい町・おかげ横丁散策。
夕方からは、一人で古市遊郭跡の『麻吉旅館』見学へ。
江戸の吉原、京都の島原と並び三大遊郭と呼ばれていた古市遊郭。
麻吉旅館は唯一現存している建造物で、現在も現役営業中です。
2日目は鳥羽水族館、二見浦の夫婦岩を見学。
飼育種類数日本一の水族館をたっぷり楽しみました。
お伊勢参りで遷宮パワーをいただき、
古市遊郭跡でお伊勢参りを取り巻く歴史を感じ、
鳥羽水族館で可愛らしい生きものたちに癒され、
多彩な魅力溢れる『美し国 三重』を満喫した2日間でした。
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◇散策リスト◇
・古市遊郭 麻吉旅館
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- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
内宮からバスで伊勢市駅まで戻り、母と妹はホテルへ。
私は一人で古市遊郭跡にある麻吉旅館の見学に行きました。
花街・遊郭文化が好きで、機会があれば遊郭・赤線跡を散策しています。
麻吉旅館の最寄り駅は五十鈴川駅。
運賃はまわりゃんせを利用しました。 -
時刻は18時過ぎ。
利用者は少なく駅周辺はとても静かです。 -
五十鈴川駅から麻吉旅館までは徒歩10分程。
地図アプリを見ながら出発。 -
緑に囲まれた五十鈴川駅。
-
駅の脇道を進んでいくとトンネルがあるのでここを通過。
最初気付かず通り過ぎてしまいました。 -
トンネルを抜けると山道のような道路。
人も車も全然通らず若干不安になりながらも進みます。 -
山道道路を抜けると閑静な住宅街があります。
住宅街沿いの伊勢自動車道を越えて。 -
五十鈴川駅から歩くこと約10分、麻吉旅館を発見!
雰囲気ありまくりの佇まいに思わず『おぉ!』と声が出ました。麻吉旅館 宿・ホテル
-
建物脇に細い階段があり、上へと道が続いています。
-
道路脇には気になる道標。
なんて書いてあるのかははっきり分からないけど、
古市参宮街道、古市遊郭という歴史ある場所だということを感じます。 -
ローアングルから。
-
上へ行ってみます。
人気はなくとても静か。
湿り気のあるどこか埃っぽい空気感と薄暗い感じがたまりません。 -
閉ざされた扉。
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笑門。
-
麻吉旅館のある『古市』という場所は外宮と内宮のほぼ中央に位置し、
伊勢神宮への参道街道として、そしてお伊勢参り後の精進落としで江戸時代から賑わっていたそう。 -
古市参道街道沿いで栄華を極めたのが古市遊郭。
江戸の吉原、京都の島原と並び三大遊郭といわれていたそうです。
妓楼約70軒、遊女は1000人を超え、さらに浄瑠璃小屋も数軒と賑わいをみせ、
中でも油屋・備前屋・杉本屋は三大妓楼として特に有名でした。
油屋で起こった殺傷事件は『伊勢音頭恋寝刃』として今でも歌舞伎で演じられています。 -
歴史の中で空襲・戦火により消失してしまった古市遊郭の建造物の中で
唯一現存しているのがこの麻吉旅館。
周辺は普通の住宅街が広がっています。
古市遊郭を偲ぶことができる、大変貴重な建物です。
2005年に登録有形文化財に指定。 -
麻吉旅館は創業200年以上。
当時の名は『花月楼 麻吉』で、多くの芸妓を抱えたお茶屋でした。
現在も旅館として現役営業中です。
今回は利用しませんでしたが、いつか宿泊してみたいなぁ。
精進落としの旅人たちと遊女たちで毎夜賑わっていたであろう
同じ場所に泊まれるなんて本当にすごい。 -
麻吉旅館は斜面に建つ木造6階建ての楼閣。
立地の高低差を利用して、階段下まで何棟も連なるように建っている複雑な造りです。
その複雑な佇まいがまた遊郭の趣を何割も増しているように思います。 -
ガラス窓一つとっても凝った造り。
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なんといってもこの渡り廊下を配した構造が印象的。
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渡り廊下と屋根の間から見える山々は200年前から同じなんだろうな、
ほろ酔いの旅人に芸妓が寄り添いながらここを渡ったのかな、とか
妄想に耽りながら一人で感激していました。 -
暖簾と提灯がかかる玄関。
ここが正面玄関かな。 -
提灯に灯りが入ったところを見たかったのですが、
この時期は日が長くなかなか暗くならない。 -
古市参宮街道の旗が風にはためいていました。
お伊勢さんを目指し、たくさんの旅人がこの地を歩いたんですね。 -
『紅い灯のつく新古市で 心惹かれた伊勢音頭』
伊勢音頭の歌詞の一部です。
伊勢音頭は“一生に一度でも参りたい”という人々の憧れの念から
その名がついたといわれています。 -
坂に沿った複雑な造りと連なる提灯、込められた意味を考えてしまう旅人への言葉。
どこか『千と千尋の神隠し』の冒頭シーンの街の雰囲気を連想します。 -
静寂の中に漂うノスタルジア。
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2005年、登録有形文化財に指定。
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坂道を吹き抜ける風に揺れる提灯。
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創業二百年と刻まれた看板。
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黄昏時。
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階段を上り切ったところに案内板がありました。
麻吉旅館の歴史について書かれています。 -
その横には道標も。
「左 あさま 二見へちか道」と書いてあるそうです。 -
坂の上から。
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ここで宿のご主人と女将さんらしき方が出てきました。
「今日の宿泊の方ですか?」と聞かれ、
宿泊者ではなく見学させてもらっている旨を伝えると
「まぁそうですか、ごゆっくりね」とにこやかに答えて下さいました。
これだけ素晴らしい遺構です、きっと私のように見学にくる人はたくさんいるのでしょう。
嫌な顔一つしない女将さんたちに感謝です、ありがとうございました。 -
階段上にある立派な棟は二階建て。
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反対側から。
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紫陽花越しに。
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二階欄干。
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私以外に人はおらず、辺りを包むのは静寂。
複雑な造りの楼閣に囲まれる中立っていると、
江戸時代にタイムスリップしたような感覚に陥ります。 -
しな垂れる緑葉と暖簾の朱が焦茶の壁によく映えます。
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暖簾のはためく音と坂道を吹き抜ける風の音が響く。
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『主人と私と二人で歩きゃ 人が羨む夫婦雛』
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屋根瓦アップ。
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巴紋。
“巴”とは水が渦を巻いている様をあらわした形。
火除けの意を込めて屋根瓦などに用いられることが多いそう。 -
巴紋の瓦。
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両脇に迫る木造の楼閣の間をすり抜けるように伸びる坂道。
こんなにも情緒が溢れる景色が残っていてくれて、
そんな場所を自分の目で見て自分の足で歩いて…気持ちの高揚が止まりません。 -
階段下、渡り廊下辺りから。
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渡り廊下をローアングルから。
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角度を変えて。
どこからどう撮っても絵になる、情緒の固まりのような佇まい。 -
鉄の板で重厚な窓。
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ローアングルからの板張り外壁。
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見上げれば屋根々々の間から青空が覗く。
-
この坂の名は『手振り坂』
この場所で毎夜営まれていた情景をまるっと表したような名前だなぁと思いました。 -
お伊勢参りを果たし晴れやかな、
はたまた宴遊に興じた夜を名残り惜しそうに帰り路につく旅人と、
それを見送る芸妓の姿を思い浮かべながら…手振り坂を見上げます。 -
夕闇をいざなうグラデーション。
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時刻は19時前。
名残惜しいですが、そろそろホテルへ帰ります。 -
麻吉旅館のすぐ近くに、大きな岩が祀られていました。
-
『浅香つづら稲荷』といい、“つづら岩”を祀っているそう。
歴史深い場所だと感じさせられました。 -
最後にアプリでまとめ。
古市遊郭のかつての面影に出会うことのできる唯一の存在、麻吉旅館。
いつまでも、その情緒の固まりたる佇まいのまま
伊勢を訪れる旅人たちを迎え入れ続けて欲しいと、切に願います。
◆美し国 伊勢・鳥羽2day〜梅雨晴間にまわりゃんせ〜【3】
完結 2日目・鳥羽水族館・夫婦岩編◆へ続く。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- 幸ちゃんさん 2014/08/15 15:11:41
- いいね ありがとう
- 私のスコットランド旅とは趣きが違うようで、でもなんか通じるようで不思議な感じ。
人の感性は風のようにふ〜と流れて感じるのでしょうか。
写真のカットすごく好みです。
団体より一人旅を好む点は同じですね。
- aya-photripさん からの返信 2014/08/15 20:40:25
- RE:
- 幸ちゃんさんこんばんは。
この度は訪問、書き込み頂きましてありがとうございます!
また私の旅行記へも投票頂きありがとうございました。
新着旅行記一覧から幸ちゃんさんのページにお邪魔しました。
スコットランドの美しい風景、堪能させて頂きました。
素敵な旅行記をありがとうございました。
これからもよろしくお願い致します。
-
- ひでちゃんさん 2014/07/08 08:43:29
- 私も泊まってみたい。
- 山形県の銀山温泉にも古い旅館があって。何ちゅうかほっぽろくさいと言うか懐かしい匂いがするんでしょうね。津軽の斜陽館もそうでした。(まだ営業していた頃20年位前)。
- aya-photripさん からの返信 2014/07/08 19:51:29
- RE:
- ひでちゃんさんこんばんは。
訪問、書き込み頂きましてありがとうございます!
新着旅行記一覧からひでちゃんさんのページにお邪魔させて頂きました。
マチュピチュ、いつの日か自分の目で望んでみたいです。
伊勢旅行記、閲覧頂きありがとうございます。
今回は宿泊できませんでしたので、
次回は宿泊して内部の様子も見学してみたいなと思っています。
素敵な旅行記をありがとうございました。
-
- TSUNEさん 2014/07/06 21:33:31
- 伊勢観光でここまで来る方は少ないですよ・・・
- ayaさん、こんばんわ。
伊勢観光でここまで観光に来る人は実際はすくないと思います。
実家が三重ということもあり、伊勢観光の名所はきかれますが、
ほとんどの人が、この辺には興味を示しません。
江戸時代に流行したお伊勢参りの歴史を知るならば、ここは外せない場所なんですよね。
ayaさんは勉強熱心ですよね。
TSUNE
- aya-photripさん からの返信 2014/07/06 22:16:27
- RE:
- TSUNEさんこんばんは。
投票、そして書き込み頂きましてありがとうございます!
麻吉旅館編、閲覧頂きありがとうございました。
好きなものには一直線に突っ走ってしまうというだけなので、
勉強熱心なんて恐縮です^^;
近くに無料で入れる資料館があったようなのですが、
時間が間に合わず…次回があればリベンジしたいと思います。
拙い旅行記にコメント頂きありがとうございました。
-
- ラムロールちゃんさん 2014/07/06 20:33:36
- こんばんは〜
- -aya-さん
いつもご訪問&ご投票、ありがとうございます☆
ところで、伊勢にこんなところが!?
先に可愛い子豚ちゃんの写真に目を奪われてそちらを見て、続いてこちらを見て、ひゃ〜っ!となりました。
岩戸屋のお多福、なつかしいな〜、小学校の遠足で、みんな生姜糖買ったな〜とか言ってる場合じゃありません。
私も、花街の風情がとても好きなので、麻吉旅館にはヤラレました・・・!
伊勢なんて、もう4回は行ってるのに・・・!
まだまだ修行が足りません。
出直してきます。
ラムロール
- aya-photripさん からの返信 2014/07/06 22:10:19
- RE:
- ラムロールさんこんばんは。
投票、そして書き込み頂きましてありがとうございます!
新着旅行記一覧からラムロールさんのページにお邪魔させて頂きました。
動物好きなので癒されました^^
アルパカの赤ちゃん…たまりません。
伊勢旅行記、閲覧頂きありがとうございました。
ラムロールさんも花街の雰囲気がお好きなのですね!
麻吉旅館は4travelで同じように花街・赤線文化好きな
トラベラーさんに教えて頂いたんです。
この一軒しか残っていないのですが、その風格溢れる佇まいは圧巻でした。
こうして同じ趣向の方と情報を共有できること、とても嬉しく思います。
拙い旅行記にコメント頂きありがとうございました。
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