ラスベガス (ネバダ州) 旅行記(ブログ) 一覧に戻る
2013/12/28、朝4時半起床。 <br />こちらに来てから毎日十分すぎる睡眠をとっていても、やはりこの時間に起きるのはちょっとキツイ。 <br />外はもちろん、まだマックラ。 <br /><br />ベガス行きの2人の荷物のために連れが準備したバッグ。 <br />最後の荷物を詰めながら、身支度を整えた。<br /><br />5時半を少し回った頃、ようやくLAのTorranceにある連れの家を出発。 <br />出発のフレッシュ感は皆無と言えるほど、真っ暗なのでなんだか夜逃げでもするかのような変な感じ。 <br /><br />途中2回ほどジャンクションを抜け、15号線をひた走る。 <br />空が赤みがかり、山並みが不自然なほどくっきりと浮き上がる。 <br />やがて空は当たり前のように見慣れた青く澄んだ色に変わった。 <br /><br />一回目のトイレ休憩は朝ごはんを兼ねてPeggy Sue&#39;sというDinerに止まる。 <br />敷地の向かいはフェンスで囲われていて、その向こうには戦車が整然と並んでいる。 <br /><br />「何これ、セール??」 <br />&quot;Yes, all half price&quot; (そう、全部半額だよ)<br /><br />私の軽口に連れが乗っかる。 <br /><br />Dinerの中はタイムスリップか映画の中に入ってしまったかと感じるほど、まったく昔のままで、マリリンモンローやエルビスプレスリーの写真やマネキン、このDinerを舞台にした映画を撮影した際に撮ったと思われる白黒の写真などが所狭しと壁に貼られている。 <br /><br />ウェイトレスのおばあさん達の褪せたエメラルドグリーン色のワンピースに白のエプロンの制服もおそらく半世紀は変わっていないに違いない、と思う程生地も縫製も古めかしさを感じさせた。 <br /><br />野菜とハムのオムレツに千切りしてカリッと焼いたジャガイモ。 <br />本当アメリカの食事って、 「どぉぉぉだっ!!」って感じ(笑) <br />これが私は結構好きなんだけど(笑)<br /><br />「食欲」っていうのを、十分に満たしてくれるから、こういうご飯を食べた後って、しばらく食べなくてもいいや〜ってなる。 <br /><br />トイレに行って、準備万端、再びベガスを目指す。 <br />そこからはずーっと砂漠。 <br />青い空と遠くに乾いた山、手前には延々と続く乾いた草を生やした地面が続く。 <br /><br />草が生えているから、これは砂漠じゃないよと言ったら、お前のイメージはアラビアンのものだと言われた。 <br />そうか、ラクダはいないのか。 <br /><br />2回目にトイレ休憩に降りたファッションアウトレットはもうベガスの近郊。 <br />ちょうどカリフォルニア州からネバダ州に入ったところにある。 <br />この辺りになると、看板はパチンコ店よろしく、だいぶ派手な装いになって、ベガスが近づいていることを感じさせた。 <br /><br />ただここに着く10分ほど前に見たXファイルにでも出てきそうな、真っ白で平べったい巨大な建物に空港の管制塔みたいなものがついている施設が妙に気になって、連れに聞いたら太陽発電所だと言われた。 <br /><br />クローンの育成や宇宙との連絡基地…なんて、思わず妄想が膨らむ。 (そんなもん公共のフリーウェイの横にあるわけないんだけど)<br />だって確かエリア51とかいうやつは、ネバダ州にあったよね? <br />(あとで調べてみたら、エリア51はベガスから200キロほど北上したところにあった) <br /><br />さて、ガイドブックに書いてあった通り、アウトレットの中にはたくさんのお店が並んでいる。 <br />こういう所に複数で来る時は、興味のあるお店は違うのだから、時間でも決めて待ち合わせするもんかな、と思ったら、連れは一店一店見るごとに、次はどのお店見てるから、と同じ方向で少しずつ動いて行くという斬新な方法に出た。 <br /><br />彼はリーマンショック前との収入の大きな相違に未だに慣れていないところがあって、ブランド物を好んで見に行く辺りとか、なんとなく経済感覚がズレたままだな、と感じることがある。 <br /><br />最後のトイレ休憩も終え、ベガスはもう間近。 <br />やがて少しずつ見えてくる大きくて煌びやかなホテルや看板はまるでディズニーランドを思い出させる。 <br />誰かが言っていたラスベガスは「大人の遊園地」だというのを思い出した。 <br /><br />何度めかのベガス来訪である連れは勝手知ったる感じで、あのホテルはどうだとか、ベガスで最初にできたホテルはどうだとか、もとはマフィアによる経営だったけど、ドウタラコウタラ。 <br /><br />一部言語の問題で良くからなくて、フンフン言ってたけど、ウィキペディア先生によると、ベガスはもともと砂漠にあるオアシスだったんだって。 <br />そこにゴールドラッシュがやってきて街ができたんだけど、やがて金が取れなってきたために、町おこしとしてカジノを始めたのがきっかけらしい。 <br /><br />今日本がお台場に誘致しようなんて取り入れようとしているくらいなんだから、何十年も前にこの発案をした人は本当にスゴイ。 <br /><br />ベガスの街は混んでいて、人も車もギュウギュウしている。 <br />でもメインのStrip streetは流石、活気で溢れていて、一気にテンションが上がってくるのを感じる。 <br /><br />今回のホテルは連れが会員に入っているというヒルトン系列で新しいElaraホテルというところ。 <br />中心地に位置するプラネットハリウッドのすぐ隣にあり、中で繋がっている便利なロケーションだった。 <br /><br />お昼前の微妙な時間に着いたものの、連れのゴールドメンバーシップカードでタダでアーリーチェックイン♪ <br />33階のホテルの部屋からは、Strip streetこそ見えないものの、通り沿いに並ぶホテルのほとんどが見え、素敵な景色だった。 <br />母におつかいを頼まれているベネティアンホテルもここから丁度、正面に見える。 <br /><br />2〜3年ほど前に両親と香港に行った際に、ノリでマカオに日帰り旅行をしたのだが、マカオで一番大きいベネティアンホテルに行き、ランチをして、シルクドソレイユを見るというパッケージをホテルの入口で勧められた。 <br /><br />このパッケージにはホテル内のお土産店で使える3人で3,000円相当のクーポン券がついてくるといったものだった。 <br />疲れ果てている両親がランチを食べている間にひとっ走り行って、券をチョコやら何やらに変えた際に、たまたま目について掴んだ猿のぬいぐるみが、思いの外両親のお気に召したのだ。 <br /><br />ホテルはイタリアのベニスをテーマにした作りだったので、猿はストライプのシャツを着て、ゴンドラを漕ぐためのスティックを握り、麦わらの帽子を被ってマッタリした声で&quot;o sole mio..&quot;と歌いながら、ゆっくりと首とスティックを動かす。 <br /><br />地元のお婆ちゃんにまで大ウケするほどの大絶賛を受けて、よくあんな短時間であの猿を選んだ!とその時は絶賛されたものだった。 <br />その上でなぜ1匹しか買ってこなかったのだと責められる始末。 <br />猿を買うためにまたマカオまで行こうかという話が出たくらいだった。 <br /><br />なので今回、ベガスに行くことを母に話したら、「猿を買ってきて!」と即座に言われたのだった。 <br /><br />ホテルで軽くマッタリしてから、バフェという飲み放題&amp;食べ放題のレストランへ。 <br />イタリアン、中華、アメリカン、メキシカンと、料理の種類は多岐に渡り、どれも本当に美味しそう! <br /><br />昨日までなんだかよくわからない薬を飲んでダイエットをしていた連れは、嬉しそうに、デザート以外では、俺はこのお皿を最後にする!とか言いながら、またいそいそと料理を取りに行っていた。 <br /><br />2人とも満腹になって、少し歩いた方がいいし、まずおつかいを済ませたいと、ベネティアンホテルまで付き合ってもらった。 <br /><br />が、歩き出して間も無く、昨日ヒールで歩き過ぎたせいか、足にできたタコがどうにも痛くてしょうがない。 <br />最初はホテルに行く途中で靴を買えばいいよ、と言っていたけれど、あまりにも辛そうに歩く私に、道中のカジノに入って一杯飲めば大丈夫。3杯飲んだら、もう痛くない、と提案された。 <br /><br />3杯飲んで痛みがどうにかなるとは思えなかったけど、人混みはすごいし、近くに見えるホテルも歩道橋を渡ったりしなきゃいけないなど思っているより遠い。 <br /><br />手近のカジノに入って、そのままバー目指す。<br />ポーカーゲームのスクリーンがコの字型にバーテンダーを囲む席に2人で並んで座った。 <br />私がウォッカトニックを1杯飲み終えるまでに、連れはポーカーで100ドル勝ち、隅にいた家族が泥酔して何度か奇声をあげ、隣のアメリカンサイズに太った女性を巻き込んで何度かショットを煽った。 <br /><br />アメリカの他の州では公共の道路をアルコールを飲みながら(もしくは口の空いた状態のアルコールを持ち運ぶ)ことが禁止になっている。だけどベガスはアルコールを持って歩いてok、昼間から飲むのは当たり前、「だってベガスだもの!」という感覚らしい。 <br /><br />家族であんなに酔っ払って盛り上がれるのってスゴイなぁ、とうるさかったけど、ちょっぴり羨ましくもあった。 <br /><br />少し楽になった足の痛みはちょっと歩くとすぐに戻り、酒が足りないだのなんだのと言われたが、結局やっとのことで着いたベネティアンホテルのアーケード入口付近にあった「緊急用の靴」という自販機を連れが見つけ、20ドルで速買い。 <br /><br />この靴というのがとっても軽いんだけど、裏がまるでゴミ袋のように薄い。 <br />床のタイルの継ぎ目なんかを踏むたびに、タコさんが刺激されて飛び上がるほどの痛みが走りぬける。 <br />それでも少しずつ足裏タコさんも落ち着いてきて、ホテルの広いアーケードを歩き回った結果、マカオの猿は見つけられなかったものの、同じシリーズの犬を見つけることができた。<br />でもそれだけでは母に渡した時にまだ何か文句を言われると思い、マラカスを持って歌うチワワとオットリとした声で歌うスコティッシュテリアの計3匹を購入した。 <br /><br />それから靴底に敷くジェルを買いに、宿泊しているホテルのそばにあるWalgreensに行き、やっと一息。 <br />そして、一度部屋に戻ってビールを片手にお昼寝タイム。<br />朝4時起きで、5時間ほど車を運転している連れはお疲れ気味で、「ベガスは暗くなってからがいいのだ」と言う連れの横で、私もしばらくまどろんだ。 <br /><br />夜8時頃、目が覚めた。 <br />外はもう真っ暗。昼間の景色と打って変わって、オレンジ色の光が溢れていた。 <br />おぉ…キレイ…。 <br />窓辺でウットリ。夜景なんて見慣れているはずなのに、これもベガスの魔法? <br /><br />連れを起こすものの、だいぶ疲れているらしく、反応が鈍い。 <br />シャワーを浴びて、出かける準備。 <br />久々につけまつげなんかも付けちゃって。張り切り過ぎか? <br /><br />そうこうしているうちに、さすがに連れも起きだして、恐らく彼の一張羅らしき白いシャツを着た。 <br /><br />ホテルの1階のロビーまで降りると、そこにはスタバがあって、なんと24時間営業なのだそう。 <br />さすがベガス。 <br /><br />ロビーの奥は地下街と繋がっていて、延々と続くモールを歩くと、ブリトニースピアーズのシアターがある。<br />ちょうど開演間近で長い行列ができていた。 <br />そこを反対側に曲がると、プラネットハリウッドのカジノに続いている。 <br /><br />カジノの向こうにはまた別のショッピングモールが続いていて、連れがいなかったら確実に迷っていたと言えるほど、規模がデカイ。 <br />それでも一度通った道は忘れないので、後半は私がナビ☆ <br /><br />途中カジノを通り抜ける時に、男が今夜のKOI(レストランの名前)のパーティにこないかと声をかけてきた。 <br />連れが詳細を聞いて合意すると、クラブの入口でつけてもらうみたいな紙を手首にグルリと巻かれた。 <br /><br />カジノを出てすぐのところにあるCABO WABOというメキシカンのお店で今日は晩ご飯。 <br />ここでもなぜか入場料がかかって、先ほどと同じように入場許可を示す紙を手首に巻かれた。 <br /><br />中に入るとちょうどUFCの試合が始まるところのようで、お店の中は軽い熱気に包まれていた。 <br />テーブルについてから、今日のこの試合は近くのMGMホテルで行われていて、そのチケットは多分ものすごく高いだろう、と連れが教えてくれた。 <br /><br />試合は4秒で終わることもあるんだよ、と連れが言ったそばからお会計を持ったウェイターがやってきて、でもその瞬間始まった試合に、彼は試合中は絶対にお会計はしないの、その瞬間に試合が終わっちゃうかもしれないでしょ、そうすると見そびれたと言って怒る人もいるから、店員さんは絶対に待っていてくれるの、と説明した。 <br /><br />機嫌のいい時の連れって、こういうウンチクを一生懸命話してくれるんだなー。 <br /><br />試合は4秒こそなかったけれど、かなり早い段階で決着がついて、その瞬間お店中から歓声とも怒声ともわからないような大声が上がった。 <br /><br />カードと一緒においておいたレシートを受け取りにガタイのいいウェイターが来て「さっきの試合すごかったね!」と興奮気味で言った。<br />こういう絡みの英語が苦手なので、ここは連れに任せようとチラリと見ると、彼は興味なさそうにアッサリ無視。 <br />気まずさを振り払うように、ウェイターは会計に行ってしまった。 <br /><br />試合が終わると間も無く、先ほどの騒々しさが信じられないほど、店内は閑散として、客もほとんどいなくなってしまった。 <br />戻ってきたウェイターからレシートを受け取ってサインをし、外に出る。 <br />流石に今度はウェイターも話しかけてはこなかった。 <br /><br />さて、ここでせっかくベガスに来たのだからと、少しだけギャンブルをして見ることに。 <br />過去の経験から、そして自分の運具合(?)からしても、ギャンブルはなるべく避けたくて、必要に迫られると「親の遺言で」とか「宗教上の理由で」と茶化してきたが、ベガスにきてそんなことを言うのも味気なさ過ぎる。 <br /><br />昼間から連れがトライしていたスクリーン上でプレイをするポーカーをやってみることに。 <br />が、実はポーカーのルールなんてよく知らない。 <br />以前何かの折に誰かに教えてもらったのだけど、フワリとしたものだったので、もはや頼るは感覚のみ! <br /><br />それに連れのプレイを見ているし、まぁちょっとくらい金を落とすことになってもいいだろうと、さっそくトライ。 <br />隣でプレイをしながら、心配そうに私のスクリーンを見る連れがたまに口を出す。 <br /><br />基本ギャンブルに向いていない性格なのは知っているんだけど、どうも掛け方や持って行き方に勢いをつけられない。 <br />そんな私を見て、横から一言&quot;Conservative (保守的だな)&quot;。 <br /><br />いいのよ、放っておいて頂戴な。 <br />けど、コレってなんだか…<br />トランプを選ぶ作業が、単調な仕事をしているみたいな感じになってきて、つくづく自分はギャンブルに向いていないな、と思った。 <br /><br />10時を少し過ぎて、義務感に耐えられなくなった私が、40ドルを消費したところでポーカーゲームをやっと終わらせることに成功し、隣でとっくに終わっている連れと一緒に、先ほどフリーエントランス券をくれた&quot;KOI&quot;に行って見ることにした。 <br /><br />ベガスに行ったら、ショットをたくさん飲もう!と言っていた割に、全然飲みのペースは上がっておらず、お互いまだ全然酔っていなかった。 <br /><br />これって連れは楽しめているのかな、とちょっぴり不安になったけど、KOIのエントランスに入る頃には久々のクラブソングにちょっぴりワクワク♪ <br />中に入ってみると、映画のTORONに出てきたような感じの作りで、バーカウンターの上にDJブースがあって、その向かいにソファが並ぶメインフロアがあった。 <br /><br />エントランスで結局払わせられたお金は飲み放題のスタンプに変わったので、早速2人でドリンクを頂きにカウンターへ。 <br />よく見ると、バーカウンターの後ろには日本料理店のカウンターがあって、中には白い板前服をきた男性が3人ほど客に料理を振舞っていた。 <br /><br />メインフロアでは2組がソファを囲んで飲んでいただけで、真ん中には恐らくは旅行できている女子3人組、1人はスラリとした可愛い子で、他の2人は黒縁メガネに太めの体で場慣れしていないのか、その場の雰囲気を一生懸命楽しもうと体を揺らしていた。 <br />そのうち、細身の可愛いが何処かに行ってしまい、2人はますます不安げになった様子。 <br /><br />そんな情景をボーッと眺めてしまう程、盛り上がりにかける微妙な空気だったのだが、ソファ席は有料だから、と言われるので、その縁に腰掛ける。その隣に連れはピタリと立っていた。 <br /><br />薄着で来てしまった私はトトロにしがみつく子供みたいに、暖を取ろうと時折連れにくっついた。 <br /><br />やがて先ほどの少女たちは限界を感じたのか、出口の方に姿を消し、私たちも11時をまわっても変わらないお店の雰囲気に、出ることにした。 <br /><br />微妙な雰囲気を持っていたくなかったので、せめて何かポジティブなことを言おうと、またベガスに来たいということと、次回はもっとあったかい、夏とかの方がきっと楽しくていいな、と言ってみた。 <br />連れは一言、うん、と言い、部屋に戻った。 <br />

ラスベガスでデート!!

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2013/12/28 - 2013/12/29

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43

satki

satkiさん

2013/12/28、朝4時半起床。
こちらに来てから毎日十分すぎる睡眠をとっていても、やはりこの時間に起きるのはちょっとキツイ。
外はもちろん、まだマックラ。

ベガス行きの2人の荷物のために連れが準備したバッグ。
最後の荷物を詰めながら、身支度を整えた。

5時半を少し回った頃、ようやくLAのTorranceにある連れの家を出発。
出発のフレッシュ感は皆無と言えるほど、真っ暗なのでなんだか夜逃げでもするかのような変な感じ。

途中2回ほどジャンクションを抜け、15号線をひた走る。
空が赤みがかり、山並みが不自然なほどくっきりと浮き上がる。
やがて空は当たり前のように見慣れた青く澄んだ色に変わった。

一回目のトイレ休憩は朝ごはんを兼ねてPeggy Sue'sというDinerに止まる。
敷地の向かいはフェンスで囲われていて、その向こうには戦車が整然と並んでいる。

「何これ、セール??」
"Yes, all half price" (そう、全部半額だよ)

私の軽口に連れが乗っかる。

Dinerの中はタイムスリップか映画の中に入ってしまったかと感じるほど、まったく昔のままで、マリリンモンローやエルビスプレスリーの写真やマネキン、このDinerを舞台にした映画を撮影した際に撮ったと思われる白黒の写真などが所狭しと壁に貼られている。

ウェイトレスのおばあさん達の褪せたエメラルドグリーン色のワンピースに白のエプロンの制服もおそらく半世紀は変わっていないに違いない、と思う程生地も縫製も古めかしさを感じさせた。

野菜とハムのオムレツに千切りしてカリッと焼いたジャガイモ。
本当アメリカの食事って、 「どぉぉぉだっ!!」って感じ(笑)
これが私は結構好きなんだけど(笑)

「食欲」っていうのを、十分に満たしてくれるから、こういうご飯を食べた後って、しばらく食べなくてもいいや〜ってなる。

トイレに行って、準備万端、再びベガスを目指す。
そこからはずーっと砂漠。
青い空と遠くに乾いた山、手前には延々と続く乾いた草を生やした地面が続く。

草が生えているから、これは砂漠じゃないよと言ったら、お前のイメージはアラビアンのものだと言われた。
そうか、ラクダはいないのか。

2回目にトイレ休憩に降りたファッションアウトレットはもうベガスの近郊。
ちょうどカリフォルニア州からネバダ州に入ったところにある。
この辺りになると、看板はパチンコ店よろしく、だいぶ派手な装いになって、ベガスが近づいていることを感じさせた。

ただここに着く10分ほど前に見たXファイルにでも出てきそうな、真っ白で平べったい巨大な建物に空港の管制塔みたいなものがついている施設が妙に気になって、連れに聞いたら太陽発電所だと言われた。

クローンの育成や宇宙との連絡基地…なんて、思わず妄想が膨らむ。 (そんなもん公共のフリーウェイの横にあるわけないんだけど)
だって確かエリア51とかいうやつは、ネバダ州にあったよね?
(あとで調べてみたら、エリア51はベガスから200キロほど北上したところにあった)

さて、ガイドブックに書いてあった通り、アウトレットの中にはたくさんのお店が並んでいる。
こういう所に複数で来る時は、興味のあるお店は違うのだから、時間でも決めて待ち合わせするもんかな、と思ったら、連れは一店一店見るごとに、次はどのお店見てるから、と同じ方向で少しずつ動いて行くという斬新な方法に出た。

彼はリーマンショック前との収入の大きな相違に未だに慣れていないところがあって、ブランド物を好んで見に行く辺りとか、なんとなく経済感覚がズレたままだな、と感じることがある。

最後のトイレ休憩も終え、ベガスはもう間近。
やがて少しずつ見えてくる大きくて煌びやかなホテルや看板はまるでディズニーランドを思い出させる。
誰かが言っていたラスベガスは「大人の遊園地」だというのを思い出した。

何度めかのベガス来訪である連れは勝手知ったる感じで、あのホテルはどうだとか、ベガスで最初にできたホテルはどうだとか、もとはマフィアによる経営だったけど、ドウタラコウタラ。

一部言語の問題で良くからなくて、フンフン言ってたけど、ウィキペディア先生によると、ベガスはもともと砂漠にあるオアシスだったんだって。
そこにゴールドラッシュがやってきて街ができたんだけど、やがて金が取れなってきたために、町おこしとしてカジノを始めたのがきっかけらしい。

今日本がお台場に誘致しようなんて取り入れようとしているくらいなんだから、何十年も前にこの発案をした人は本当にスゴイ。

ベガスの街は混んでいて、人も車もギュウギュウしている。
でもメインのStrip streetは流石、活気で溢れていて、一気にテンションが上がってくるのを感じる。

今回のホテルは連れが会員に入っているというヒルトン系列で新しいElaraホテルというところ。
中心地に位置するプラネットハリウッドのすぐ隣にあり、中で繋がっている便利なロケーションだった。

お昼前の微妙な時間に着いたものの、連れのゴールドメンバーシップカードでタダでアーリーチェックイン♪
33階のホテルの部屋からは、Strip streetこそ見えないものの、通り沿いに並ぶホテルのほとんどが見え、素敵な景色だった。
母におつかいを頼まれているベネティアンホテルもここから丁度、正面に見える。

2〜3年ほど前に両親と香港に行った際に、ノリでマカオに日帰り旅行をしたのだが、マカオで一番大きいベネティアンホテルに行き、ランチをして、シルクドソレイユを見るというパッケージをホテルの入口で勧められた。

このパッケージにはホテル内のお土産店で使える3人で3,000円相当のクーポン券がついてくるといったものだった。
疲れ果てている両親がランチを食べている間にひとっ走り行って、券をチョコやら何やらに変えた際に、たまたま目について掴んだ猿のぬいぐるみが、思いの外両親のお気に召したのだ。

ホテルはイタリアのベニスをテーマにした作りだったので、猿はストライプのシャツを着て、ゴンドラを漕ぐためのスティックを握り、麦わらの帽子を被ってマッタリした声で"o sole mio.."と歌いながら、ゆっくりと首とスティックを動かす。

地元のお婆ちゃんにまで大ウケするほどの大絶賛を受けて、よくあんな短時間であの猿を選んだ!とその時は絶賛されたものだった。
その上でなぜ1匹しか買ってこなかったのだと責められる始末。
猿を買うためにまたマカオまで行こうかという話が出たくらいだった。

なので今回、ベガスに行くことを母に話したら、「猿を買ってきて!」と即座に言われたのだった。

ホテルで軽くマッタリしてから、バフェという飲み放題&食べ放題のレストランへ。
イタリアン、中華、アメリカン、メキシカンと、料理の種類は多岐に渡り、どれも本当に美味しそう!

昨日までなんだかよくわからない薬を飲んでダイエットをしていた連れは、嬉しそうに、デザート以外では、俺はこのお皿を最後にする!とか言いながら、またいそいそと料理を取りに行っていた。

2人とも満腹になって、少し歩いた方がいいし、まずおつかいを済ませたいと、ベネティアンホテルまで付き合ってもらった。

が、歩き出して間も無く、昨日ヒールで歩き過ぎたせいか、足にできたタコがどうにも痛くてしょうがない。
最初はホテルに行く途中で靴を買えばいいよ、と言っていたけれど、あまりにも辛そうに歩く私に、道中のカジノに入って一杯飲めば大丈夫。3杯飲んだら、もう痛くない、と提案された。

3杯飲んで痛みがどうにかなるとは思えなかったけど、人混みはすごいし、近くに見えるホテルも歩道橋を渡ったりしなきゃいけないなど思っているより遠い。

手近のカジノに入って、そのままバー目指す。
ポーカーゲームのスクリーンがコの字型にバーテンダーを囲む席に2人で並んで座った。
私がウォッカトニックを1杯飲み終えるまでに、連れはポーカーで100ドル勝ち、隅にいた家族が泥酔して何度か奇声をあげ、隣のアメリカンサイズに太った女性を巻き込んで何度かショットを煽った。

アメリカの他の州では公共の道路をアルコールを飲みながら(もしくは口の空いた状態のアルコールを持ち運ぶ)ことが禁止になっている。だけどベガスはアルコールを持って歩いてok、昼間から飲むのは当たり前、「だってベガスだもの!」という感覚らしい。

家族であんなに酔っ払って盛り上がれるのってスゴイなぁ、とうるさかったけど、ちょっぴり羨ましくもあった。

少し楽になった足の痛みはちょっと歩くとすぐに戻り、酒が足りないだのなんだのと言われたが、結局やっとのことで着いたベネティアンホテルのアーケード入口付近にあった「緊急用の靴」という自販機を連れが見つけ、20ドルで速買い。

この靴というのがとっても軽いんだけど、裏がまるでゴミ袋のように薄い。
床のタイルの継ぎ目なんかを踏むたびに、タコさんが刺激されて飛び上がるほどの痛みが走りぬける。
それでも少しずつ足裏タコさんも落ち着いてきて、ホテルの広いアーケードを歩き回った結果、マカオの猿は見つけられなかったものの、同じシリーズの犬を見つけることができた。
でもそれだけでは母に渡した時にまだ何か文句を言われると思い、マラカスを持って歌うチワワとオットリとした声で歌うスコティッシュテリアの計3匹を購入した。

それから靴底に敷くジェルを買いに、宿泊しているホテルのそばにあるWalgreensに行き、やっと一息。
そして、一度部屋に戻ってビールを片手にお昼寝タイム。
朝4時起きで、5時間ほど車を運転している連れはお疲れ気味で、「ベガスは暗くなってからがいいのだ」と言う連れの横で、私もしばらくまどろんだ。

夜8時頃、目が覚めた。
外はもう真っ暗。昼間の景色と打って変わって、オレンジ色の光が溢れていた。
おぉ…キレイ…。
窓辺でウットリ。夜景なんて見慣れているはずなのに、これもベガスの魔法?

連れを起こすものの、だいぶ疲れているらしく、反応が鈍い。
シャワーを浴びて、出かける準備。
久々につけまつげなんかも付けちゃって。張り切り過ぎか?

そうこうしているうちに、さすがに連れも起きだして、恐らく彼の一張羅らしき白いシャツを着た。

ホテルの1階のロビーまで降りると、そこにはスタバがあって、なんと24時間営業なのだそう。
さすがベガス。

ロビーの奥は地下街と繋がっていて、延々と続くモールを歩くと、ブリトニースピアーズのシアターがある。
ちょうど開演間近で長い行列ができていた。
そこを反対側に曲がると、プラネットハリウッドのカジノに続いている。

カジノの向こうにはまた別のショッピングモールが続いていて、連れがいなかったら確実に迷っていたと言えるほど、規模がデカイ。
それでも一度通った道は忘れないので、後半は私がナビ☆

途中カジノを通り抜ける時に、男が今夜のKOI(レストランの名前)のパーティにこないかと声をかけてきた。
連れが詳細を聞いて合意すると、クラブの入口でつけてもらうみたいな紙を手首にグルリと巻かれた。

カジノを出てすぐのところにあるCABO WABOというメキシカンのお店で今日は晩ご飯。
ここでもなぜか入場料がかかって、先ほどと同じように入場許可を示す紙を手首に巻かれた。

中に入るとちょうどUFCの試合が始まるところのようで、お店の中は軽い熱気に包まれていた。
テーブルについてから、今日のこの試合は近くのMGMホテルで行われていて、そのチケットは多分ものすごく高いだろう、と連れが教えてくれた。

試合は4秒で終わることもあるんだよ、と連れが言ったそばからお会計を持ったウェイターがやってきて、でもその瞬間始まった試合に、彼は試合中は絶対にお会計はしないの、その瞬間に試合が終わっちゃうかもしれないでしょ、そうすると見そびれたと言って怒る人もいるから、店員さんは絶対に待っていてくれるの、と説明した。

機嫌のいい時の連れって、こういうウンチクを一生懸命話してくれるんだなー。

試合は4秒こそなかったけれど、かなり早い段階で決着がついて、その瞬間お店中から歓声とも怒声ともわからないような大声が上がった。

カードと一緒においておいたレシートを受け取りにガタイのいいウェイターが来て「さっきの試合すごかったね!」と興奮気味で言った。
こういう絡みの英語が苦手なので、ここは連れに任せようとチラリと見ると、彼は興味なさそうにアッサリ無視。
気まずさを振り払うように、ウェイターは会計に行ってしまった。

試合が終わると間も無く、先ほどの騒々しさが信じられないほど、店内は閑散として、客もほとんどいなくなってしまった。
戻ってきたウェイターからレシートを受け取ってサインをし、外に出る。
流石に今度はウェイターも話しかけてはこなかった。

さて、ここでせっかくベガスに来たのだからと、少しだけギャンブルをして見ることに。
過去の経験から、そして自分の運具合(?)からしても、ギャンブルはなるべく避けたくて、必要に迫られると「親の遺言で」とか「宗教上の理由で」と茶化してきたが、ベガスにきてそんなことを言うのも味気なさ過ぎる。

昼間から連れがトライしていたスクリーン上でプレイをするポーカーをやってみることに。
が、実はポーカーのルールなんてよく知らない。
以前何かの折に誰かに教えてもらったのだけど、フワリとしたものだったので、もはや頼るは感覚のみ!

それに連れのプレイを見ているし、まぁちょっとくらい金を落とすことになってもいいだろうと、さっそくトライ。
隣でプレイをしながら、心配そうに私のスクリーンを見る連れがたまに口を出す。

基本ギャンブルに向いていない性格なのは知っているんだけど、どうも掛け方や持って行き方に勢いをつけられない。
そんな私を見て、横から一言"Conservative (保守的だな)"。

いいのよ、放っておいて頂戴な。
けど、コレってなんだか…
トランプを選ぶ作業が、単調な仕事をしているみたいな感じになってきて、つくづく自分はギャンブルに向いていないな、と思った。

10時を少し過ぎて、義務感に耐えられなくなった私が、40ドルを消費したところでポーカーゲームをやっと終わらせることに成功し、隣でとっくに終わっている連れと一緒に、先ほどフリーエントランス券をくれた"KOI"に行って見ることにした。

ベガスに行ったら、ショットをたくさん飲もう!と言っていた割に、全然飲みのペースは上がっておらず、お互いまだ全然酔っていなかった。

これって連れは楽しめているのかな、とちょっぴり不安になったけど、KOIのエントランスに入る頃には久々のクラブソングにちょっぴりワクワク♪
中に入ってみると、映画のTORONに出てきたような感じの作りで、バーカウンターの上にDJブースがあって、その向かいにソファが並ぶメインフロアがあった。

エントランスで結局払わせられたお金は飲み放題のスタンプに変わったので、早速2人でドリンクを頂きにカウンターへ。
よく見ると、バーカウンターの後ろには日本料理店のカウンターがあって、中には白い板前服をきた男性が3人ほど客に料理を振舞っていた。

メインフロアでは2組がソファを囲んで飲んでいただけで、真ん中には恐らくは旅行できている女子3人組、1人はスラリとした可愛い子で、他の2人は黒縁メガネに太めの体で場慣れしていないのか、その場の雰囲気を一生懸命楽しもうと体を揺らしていた。
そのうち、細身の可愛いが何処かに行ってしまい、2人はますます不安げになった様子。

そんな情景をボーッと眺めてしまう程、盛り上がりにかける微妙な空気だったのだが、ソファ席は有料だから、と言われるので、その縁に腰掛ける。その隣に連れはピタリと立っていた。

薄着で来てしまった私はトトロにしがみつく子供みたいに、暖を取ろうと時折連れにくっついた。

やがて先ほどの少女たちは限界を感じたのか、出口の方に姿を消し、私たちも11時をまわっても変わらないお店の雰囲気に、出ることにした。

微妙な雰囲気を持っていたくなかったので、せめて何かポジティブなことを言おうと、またベガスに来たいということと、次回はもっとあったかい、夏とかの方がきっと楽しくていいな、と言ってみた。
連れは一言、うん、と言い、部屋に戻った。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
4.5
グルメ
4.5
ショッピング
3.5
交通
3.5
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
1万円 - 3万円
交通手段
徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • LA出発後の朝焼け。

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  • 遠くにずらりと並ぶ戦車。

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  • Peggy Sue&#39;s

    Peggy Sue's

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  • Fashion outlet

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  • ホテルの部屋からの景色@Elara, Hilton Grand Vacations Hotel

    ホテルの部屋からの景色@Elara, Hilton Grand Vacations Hotel

  • ホテルの部屋からの景色@Elara, Hilton Grand Vacations Hotel

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  • ホテルの部屋からの景色@Elara, Hilton Grand Vacations Hotel

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  • ホテルの部屋からの景色@Elara, Hilton Grand Vacations Hotel

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  • プラネットハリウッド地下のバッフェ

    プラネットハリウッド地下のバッフェ

  • プラネットハリウッド地下のバッフェ

    プラネットハリウッド地下のバッフェ

  • プラネットハリウッド地下のバッフェ

    プラネットハリウッド地下のバッフェ

  • プラネットハリウッド地下のバッフェ

    プラネットハリウッド地下のバッフェ

  • プラネットハリウッド地下のバッフェ・デザート

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  • カジノ

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  • プラネットハリウッド

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  • Emergency Shoesの自販機。

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