2014/02/01 - 2014/02/02
28位(同エリア208件中)
ハンクさん
サンクトペテルブルクから帰国の途中、乗り継ぎ地のミュンヘンから、中央ヨーロッパで唯一訪れていなかった小国、リヒテンシュタインに立ち寄った。
ミュンヘン中央駅からはディーゼル機関車が牽引するチューリッヒ行きEC(ユーロシティエクスプレス)で非電化区間を走り、ボーデン湖に面する国境の街リンダウを経由、スイス国鉄の電気機関車に繋ぎ替えオーストリアのブレゲンツに入る。すぐにスイスに入国して最初の停車駅ザンクト・マルグレーテンで乗り換え、ブックスまでローカル電車で約20分、そこからバスで国境のライン川を越えてやっとリヒテンシュタインに入国しシャーンという町に到着、鉄道の駅であるが本数は少なく、バスが交通の主役だ。さらに首都のファドゥーツまでは別のバスに乗り換えて約10分で到着する。わずか1時間の間にドイツからオーストリア、スイス、リヒテンシュタインの4ヶ国に入国したわけである。もちろん国境は看板だけであり何のチェックもないし、いずれの国も表記はドイツ語で、風景にも何の変化もない。
このリヒテンシュタイン公国は恐らく世界第4位の小国で、面積わずか160km2(国連加盟国ではヴァチカン、モナコ 、サンマリノに次ぐ)であり小豆島とほぼ同面積、人口は約35,000人、スイスとオーストリアに挟まれた立憲君主制国家だ。言語はドイツ語、と書いてあるが、実際にこの町で多くの人々と話をしてみるとスイス方言に近い。それもそのはず、首都ファドゥーツからはシャーンを経由して、スイスのブックスへ渡る橋がほとんど唯一の「外国」との接点である。この国の通貨はスイス・フランであり、ユーロも紙幣は使うことができるが釣り銭はスイス・フランになる。小生はドイツ語が得意ではないが、この国の国民は小生が話す拙い標準ドイツ語?を聞き取ってくれるし、小生が理解できるドイツ語で話してくれる。しかし彼ら同士の会話を聞き取ることは至難の技である。
この国は「ヨーロッパ最後の絶対君主国」と言われるほど、君主が大きな権限を有している。元首は国家の君主であるリヒテンシュタイン家の当主による男子世襲制で、欧州他国の君主が象徴・儀礼的存在であるのに比較し、いまだ強大な政治的権限を有している。しかし国民からは敬愛されているようで、国民の市民的自由は保障されているという。リヒテンシュタインは独自の軍事力を持たず、100名ほどの警察のみを保有している。1919年のスイスとの合意に拠り、欧州評議会以外においてはスイスがリヒテンシュタイン利益代表を務め、スイスがリヒテンシュタインの防衛を担当している。
この国の歴史は複雑で、ドイツ、オーストリア、スイスに付かず離れず、巧みに独立を維持してきた。1699年に当家がこの地を購入し、1719年に神聖ローマ皇帝カール6世はリヒテンシュタイン公領とすることを認可した。その後神聖ローマ帝国の崩壊によって独立国となるが、一時ドイツ連邦に加わり、再び独立し1867年には永世中立国となりスイスとの関係を深める。幸いなことに2度の世界大戦の戦火を免れ、1990年に国連加盟、翌1991年にEFTAに加盟している。
さて斯様に手間をかけて到着したが、このファドゥーツという街には観光名所というものは少ない。まず訪れたのはツーリストインフォメーション、ここでは2.5ユーロを払うとパスポートに入国スタンプを押してくれる。この両隣には切手博物館と国立博物館が並んでいる。その裏手にある絶壁の上にはリヒテンシュタイン城が聳えるが、君主一家が生活する住居であり一般公開はされていない。ミュンヘン空港から約5時間かけて入国、リヒテンシュタインには約3時間滞在、再び5時間かけてミュンヘン空港に帰着して成田行きの全日空機に飛び乗った。料金はDBバーンカードの25%引きで99ユーロ、高いのか安いのか、、、、。途中港町リンダウと音楽祭で名高いブレゲンツを車窓から眺めることができたのは収穫であったが。
この国を訪れて、もう一つ発見があった。ドイツの父なる川 ライン川の源流はボーデン湖ではなく、ボーデン湖に流れ込む川の一つがアルペンラインと呼ばれるライン川の源流であり、リヒテンシュタイン、オーストリア、スイスの国境となっている。アルプス山脈の雪解け水を集めてボーデン湖で一旦休息し、再びドイツ、フランス、オランダを経て北海に流れ込む。ラインの清流を守って欲しいものだ。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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ミュンヘン空港に停車するSバーン
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ディーゼル機関車が牽引するEC、リンダウまでほとんど非電化区間だ
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ガラガラのEC内部、スイス国鉄の客車だ
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ミュンヘン発チューリッヒ行きの表示
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途中の車窓で見ることができる雄大なアルプスの眺め
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ボーデン湖に到着
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列車はボーデン湖の堤防の上を走りリンダウに到着
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リンダウ駅の構内
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リンダウ中央駅のファサード
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リンダウ港の風景
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リンダウで多くの学生が乗り込んできた
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ブレゲンツ駅の構内、ブレゲンツ音楽祭にはカラヤンがしばしば訪れた
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スイス、オーストリア、リヒテンシュタイン周辺の地図
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スイス国鉄の電気機関車に繋ぎ替える、スイス国内は電化されている
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ザンクトマルグレーテン駅のファサード
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ユーモラスな顔のローカル電車でブックスへ
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2階建て列車の階段部分
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霧の合間にスイスらしい風景が見える
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ブックス駅の建物
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リヒテンシュタインに入国、シャーン駅のファサード
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シャーン駅のバスターミナル、ファドゥーツに向かう
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カーニバルに出掛けるという市民
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シャーン、ファドゥーツを結ぶ街道
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ファドゥーツの教会
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リヒテンシュタイン政府庁舎
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リヒテンシュタイン議会新庁舎
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ファドゥーツのツーリストインフォメーション
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ファドゥーツのツーリストインフォメーション近景
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ファドゥーツのツーリストインフォメーションのデスク、ここで入国スタンプを押してくれる
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2.5ユーロ払って押してもらったスタンプ
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郵便切手博物館
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リヒテンシュタイン国立博物館
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博物館の土産物の国旗と写真集
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君主一家の切手、なかなかの美男美女である
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ファドゥーツ市内の風景
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ファドゥーツ市内の風景
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イチオシ
丘の上にリヒテンシュタイン城が見える、公開されていない
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ファドゥーツ市内の教会
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再びシャーン駅へ
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シャーン駅のバスターミナル
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国境のライン川を超える
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国境のライン川
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雄大なアルプス山脈が見える
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岩盤の絶壁
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食堂車で頼んだ豆腐を使ったヴェジタリアンのパエリア
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再びボーデン湖を眺めてミュンヘンに戻る
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この旅行記へのコメント (2)
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- tadさん 2014/02/09 18:00:35
- リヒテンシュタインは道路から見ただけです。。
- ここに入国されたのですね。私は数年前にバスツアーで、フュッセンからインターラーケンに移動した際、ブレゲンツ郊外とボーデン湖を過ぎた後、道路の左手にリヒテンシュタインの一部を眺めながら通過したのを覚えています。ブレゲンツの音楽祭も行ってみたいところのひとつですが。。。
- ハンクさん からの返信 2014/02/15 09:57:20
- RE: リヒテンシュタインは道路から見ただけです。。
- tadさん、こんにちは。
リヒテンシュタインにはこれと言って見所があるわけではありませんが、その国の市民とお話がしてみたいという好奇心で効率の悪い旅をしてきました。小生もいつかブレゲンツやリンダウでゆっくり音楽祭を楽しんでみたいと思っています。それではまた、tadさんの東欧の旅行記を読ませていただきます。。。
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