2011/05/22 - 2011/05/22
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4nobuさん
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2011年春の欧州旅行は
1.ドイツ ニュールンベルクから始まってベルリンまで、行きそびれていた旧東独の歴史的町を巡ります。
2.英国でもイングランドとは異なる文化の地域スコットランドをゆっくりと巡る。しかし私の興味の中心が城と庭園なので偏りの多い旅です。
ベルリンからスコットランドへの中継地ロンドンに滞在中の娘の好意でイングランドの城と庭めぐりが実現しました。イングランドはずいぶん巡ったつもりでも庭園の見本市といわれるイングランド東部だけにまだ行きそびれていたところが多く、これからもたびたびロンドンに寄ることでしょう。
ここで報告するのはシャガールのステンドグラスで評判の小さな教会の訪問記です。
今日の予定のスコットニー城に向かう途中でシャガールのステンドグラスの教会があると友人に教わったのでいい機会だから寄りたいとガイド兼運転手を務めてくれた娘の提案です。そういえば彼女の居間には良質なコピーのシャガールの額がある。
絵画の鑑賞は私も好きですから即決で寄ることにしました。
シャガールのステンドグラスのある教会では仏のサンテティエンヌ大聖堂とランス大聖堂、ライン河畔のマインツの聖シュテファン教会、チューリッヒの聖母教会が行き易くて有名ですが、数多く揃っているのはイスラエルの病院のシナゴーク(ユダヤ今日の礼拝堂)、サンテティエンヌとここ。
なお教会以外ではニースの(遺贈で創られた)国立シャガール美術館に多くの作品があり、またパリのオペラ座も有名です。
ケント州の小さな村Tudeleyタドリーの小さく古い教会のすべての窓がなぜシャガールで埋まっているのか。その理由は次の通りです。
このAll Saints Charchは13世紀に建てられた教会ですが、近くに住むSir Henry d'Avigdor-Goldsmid準男爵の娘Sarahが1963年に近くのライ港沖で21才で水難にあって亡くなったのを弔うためにこの教会にシャガールのステンドグラスを寄付したのが始まりです。
シャガールはその作品の据え付けに立ち会ってこの地を訪れ、この教会が大変気に入り15年間この教会向けの作品を創り続け、結局この教会の12の窓がステンドグラスで埋まりました。作品の代価はシャガールの奉仕か男爵のいずれかはわかりませんが銀行の頭取だった父が支払ったのでしょう。
古いステンドグラスの行方も気になりましたがこの教会が保管しているそうです。
訪問した日は特別の日だったらしく多くの人が列席し、それに先を急ぐのでゆっくりと観賞できませんでした。
追記:Sir Henry d'Avigdor-Goldsmid準男爵はアングロ・イスラエル銀行の頭取やパーガモンプレス社の社長など経済界だけでなく政界の要職でもありました。
娘のSarahは現代美術の興味が深く母とともに前述のイスラエルのシナゴーク向けの作品も発送前のルーブルでの展示で見ており、またシャガールの絵も購入するぐらい興味があったらしい。これが両親がシャガールの作品を寄贈した由縁と思われます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
教会の前が混んでいましたが中に入ったらもっと多くの人がいてなにかの行事が始まっていました。
歩きまわるわけには行かないので遠くからそっと撮りました。
すべての窓がシャガールのステンドグラスです。右のドアの左の3連ステンドグラスの色は珍しくゴールドが基調です。これはキリスト復活の絵に合わせたのだそうです。説教する司祭の左が祭壇でバックの東窓が寄贈した作品です。
ずっと左に移って3連の窓にはシャガール自身と彼が好きだった、ろば、エンジェル、月が描かれています。 -
主祭壇とその背後の通称東窓。
シャガールのステンドグラスは仏7、英2、独1、米3、イスラエル1の場所にありますが、ほとんどが教会にあります。最も沢山所有するのは仏サンテエティエンヌ大聖堂の19で、こことエルサレムのシナゴークが12所有します。 -
このステンドグラスの構図では、おそらく寄贈者の意を聞いていたのでしょう、左下には水に浮かぶ女性が、右下には嘆き悲しむ年配の女性が描かれています。
シャガールはこのステンドグラスの設置に立ち会い、この作品と教会の調和がすごく気に入り次の作品を創り始めたといわれています。
その前に納めたイスラエルのシナゴークではバックの光線が人口光源によったことに不満を抱いたからともいわれています。
ところがここの北側の窓のいくつかは後に人口光源に替えられたそうです。 -
主祭壇の前の幼児と母(または司祭?)。衣装から洗礼式ではないかと思います。それでこの日は大勢の人が参列したのではないでしょうか。
式を妨げてはいけないので教会内を見回ることができませんでした。 -
裏側つまり主祭壇側からの教会全景
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東窓を外側から見る。手前には長いタイプの墓石。
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教会と墓地
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古い墓碑が並んでいます。
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墓地には雛菊のような花が手入れ良く咲いていました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- ゆきななさん 2015/05/27 14:54:17
- シャガール!
- シャガールのステンドグラス、これを見るために訪れたくなりました。
ニースのシャガール美術館で展示されているステンドグラスを見ましたが
こちらの絵は、見る者の心を打ちますね・・・。
- 4nobuさん からの返信 2015/05/27 23:32:00
- RE: シャガール!
- ゆっくりと観賞してなくて大きな口をたたけませんが。
小さな教会のステンドグラスだからでしょうか、静けさと愛情の表現では素晴らしいと思います。
チューリッヒなどの大きな教会のとも違った良さがありました。
しかし、純粋に美術としてはニースの方がいい作品が多かったようにおもいます。
イスラエルのも見たいですね。
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- フルリーナさん 2014/02/01 08:56:23
- すてきですね
- 私、聖公会(イギリス国教会系)でありながら、まだイギリス行ってないのですが、すてきな教会ですね。
今年は、スイス4回目にして初めてチューリッヒの町に降り立ちます。
シャガールのステンドクラス楽しみです。
イギリスにもシャガールのステンドグラスの教会があるって知りませんでした。
光がさして来たら、どんなに美しいでしょう!
- 4nobuさん からの返信 2014/02/02 00:34:38
- RE: すてきですね
- > 私、聖公会(イギリス国教会系)でありながら、まだイギリス行ってないのですが、すてきな教会ですね。
>
> 今年は、スイス4回目にして初めてチューリッヒの町に降り立ちます。
> シャガールのステンドクラス楽しみです。
> イギリスにもシャガールのステンドグラスの教会があるって知りませんでした。
> 光がさして来たら、どんなに美しいでしょう!
早速ご覧頂き、その上沢山の投票ありがとうございます。
この所書き込む意欲がなかったのですがようやく再開できました。これはなんと一昨年の旅なんです。
老齢故の体力減退が一因でしょうか昨年は4回入院し、手術を大小合わせると5回受けるという始末でした。
英国国教会系とは知りませんでした。キリスト教の各派について全くの無知です。勉強しなければ。
昨年病気でキャンセルした旅(それには春の英国と秋のドロミテですが)のマイルを使って今夏の英国に再チャレンジします。
チューリッヒの聖母教会のすぐそば、川向うに市美術館(Kunsthaus)
にもシャガールの絵が沢山あります。それより私のお薦めはスイスの代表的な画家の逸品がそろっていることです。ホドラー、アンカー、ジャコメッティーなど。
上記の聖母教会にはシャガールだけでなくジャコメッティーのステンドグラスが対峙しています。ぜひどうぞ。
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