二年連続となる福岡・山口方面への出張で、予定の間にせっかくだしと無理からねじ込んだ弾丸トラベル。秋月・八女福島・筑後吉井・有田町と悩んで結局行ったのは、アクセスが博多駅から比較的良好な肥前浜です。静かな町・肥前浜をどうぞ。<br /><br />～むかし町をあるく～<br />信濃：妻籠・馬籠<br />越中：高岡<br />加賀：金沢・加賀東谷<br />越前：大野<br />若狭：熊川宿<br />飛騨：白川郷・飛騨高山・飛騨古川　<br />美濃：岩村・郡上八幡<br />三河：足助<br />尾張：常滑・有松<br />伊勢：関<br />近江：長浜・近江八幡・坂本・菅浦・信楽・国友<br />山城：伏見<br />丹波：美山・篠山<br />丹後：伊根<br />大和：今井町<br />紀伊：湯浅<br />伯耆：倉吉<br />備中：倉敷<br />安芸：西条<br />長門：長府<br />肥前：肥前浜<br />日向：美々津

出張ついでに行く、静かに時を刻む多良往還の在郷町・肥前浜～肥前のむかし町をあるく～

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2013/11/30 - 2013/11/30

20位(同エリア202件中)

#街歩き

エリア

太良・鹿島(佐賀)

同行者: 一人旅

交通手段: JR特急 JRローカル徒歩

朝早くに起床して歩いて向かった博多駅筑紫口には、7時前にも関わらず多くの人・ひと・ヒト(＠＠)
都会だなあ〜
飛び乗ったのは885系かもめ。鉄分は全くない私でも、美しいなあと思えるフォルムです。ＪＲ九州の車両デザインを担っている水戸岡鋭治さん、ほんといい仕事してますね〜
本革張りのシートは弾丸トラベルでも気分を高揚させてくれるものの、ゆったりと倒して眺める車窓は曇天…
肥前鹿島駅で各駅停車に乗り換えて、目的地の肥前浜を目指しました。降り立った肥前浜駅は昭和を感じる木造の無人駅舎で、旧字の駅が旅情を増してくれました。何もない駅前通をまっすぐを歩いて5分程度の目的地へと向かいました。
肥前浜は浜川の河口につくられた港町・在郷町で、江戸時代には佐賀鍋島藩の三支藩の一つの鹿島藩に属して、長崎街道の脇街道である多良海道(多良往還)の宿場町として栄えました。多良岳山系の良質な水と佐賀平野の米から、醸造町としても発展しました。肥前浜は土蔵造りの酒蔵通りのある浜中町八本木宿と、茅葺きと桟瓦葺きの町家が残る浜庄津町浜金屋町に大きく分けられます。両者は個々に平成18(2006)年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
ココに来て非常に残念だったのが、メインの酒蔵通りに修復中の建物があったことです。以前に本で見た漆喰の剥がれた土蔵は味があって好きだったのだが、歴史ある建物を保存するためには止むなしですよね。
湿っぽい曇天にむかし町は馴染むといえば馴染むが、どこか青色が欲しくもなる。この天気ならこれが表紙になるmaxの構図かなあとこの時は思っていました。
代表銘柄は“金波”の光武酒造場さん、“魔界への誘い”ってコワイですよ(((((；ﾟДﾟ)))))
浜庄津町浜金屋町への途中にあったむつごろうの蒲焼の文字に、ウシャッシャッと思いを馳せてみた(＾＾)
勝手に入っちゃイケナイような生活感溢れる小道の先に、重伝建に指定されている地区があります。ここに住んでいる人にとって、こういう来訪者ってどんなんなんでしょうね？

浜庄津町浜金屋町の中の南船津には、浜川の河港の在郷町として茅葺き屋根の町家が立ち並ぶ地域がありました。以前に本で見たのとは見違えるように修復されていましたが、言ってはいけないのだがやっぱ逆に悲しかった。
引いて写真を撮ると実際はこんな場所で、コレだけ目的に来たら凄くガッカリしそうですね(￣＿￣；A
普通に天神やキャナルシティにしときゃよかったかなと、流石に渋すぎるチョイスにこの時点では軽く後悔してしまった。
浜庄津町は商人や船乗りが住む港町、浜金屋町は鍛冶屋や大工などが住む職人町で、陸と海の交通拠点でもありました。色褪せた茅葺きの町家が、寂しげな冬の空に合っていました。
浜庄津町浜金屋町の町並み。
酒蔵通りに戻ってみたら、雲の隙間から僅かに青が見えたのに期待しつつ酒蔵見学の看板に誘われました。
結構親切に見て下さいねと言われ、甘えてお酒は舐める程度いただいてからウロウロ...((((o*￣-)o
峰松酒造場の代表銘柄の“王将”の酒樽を見て餃子を思い出してしまうのは関西人ゆえか？
酒蔵から出ると青空ｷﾀ━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━!!!
代表銘柄は“呉竹”の呉竹酒造の主屋も修理中だけど気にしなーい。さっきの後悔も忘れたことにできる！
蔵の向こうに黄金色に染まるイチョウは絵にはなるのだが、たかるカラスが不気味なのです(´・ω・`)
修復中の緑のネットがなければ表紙候補なのじゃが…
緑のネットに隠されているのは、国の登録有形文化財の旧中島政次家住宅です。

光武酒造新宅。
浜宿いきいき館は中島酒造場の倉庫蔵を活用した観光直売所で、地元産の食品・農産物・海産物が並んでいたり、ギャラリーとしても利用されているとのことです。

島田洋七の佐賀のがばいばあちゃんってあったな〜
酒蔵通りの町並み。

同じ構図でも、青空だとそれだけでもテンション上がるわ。
鹿島市を知ったのは、Jリーグ創設の際に茨城県でなくて佐賀県に鹿島があるなっていう微妙な知り方だったなあ(＾＿＾ゞ
正直知名度は圧倒的に鹿嶋市に押されまくっていますが、頑張ってほしいものです。
継場は宿場での人馬の継立てなどの業務が行われていた江戸時代の建物で、国の登録有形文化財になっています。現在は修復されて肥前浜宿の観光案内所として活用されています。奥に人はいましたけど、気付かれてもいないようでした。

ｺｺｶﾝｺｳｱﾝﾅｲｼﾞｮﾃﾞｽﾖﾈ?
落ち着いた色合いの菊は古い町並みにやはり合うわ。
山口家住宅(山口醤油屋)は長崎街道・多良往還で最も古い民家で、元武士の屋敷らしく格式の高い造りです。白壁が修復したてのためか美しいです。
山口家住宅(山口醤油屋)のプランターにも癒されるわあ。
酒蔵通りの町並み。

左の“君恩”は中島酒造場の代表銘柄。修復している建物を切って、写真をパチリ(-_[◎]o
土曜日の朝なのに人がいないのは紅葉シーズンということもあるんでしょうが、まだまだ肥前浜がコアなために違いありません。独り占めできているような贅沢というか、眺めている間にただただ時が刻まれていっているような気がする。

代表銘柄は“乾杯”の飯盛酒造。
旧乗田家住宅は19世紀初期に建築されたと推定される佐賀県に特徴的な“クド造り”の茅葺き民家で、鹿島藩に仕えた旧武士の住まいでした。
平成16年にこの町を訪れた東京在住の方の5500万円の寄付で町づくりのシンボルとして整備されました。

寄付がハンパないっす(￣□￣；)
茅葺の屋根に熟した柿の実は日本ですね。
肥前浜の町の中には、多良岳山系の浜川からの水によって縦横に水路が巡っています。かつては醸造業・水産加工・農業・鍛冶などの生活に利用されてきたのでしょうね。

そろそろ戻ろうかな〜
代表銘柄は“鍋島”の富久千代酒造。
折角だし日本三大稲荷の一つの祐徳稲荷神社にも行ってみたかったなあ。
結局観光客らしい人には2人くらいしか会わなかったなって思う一方、秋月は混んでたんだろうなーって思いながら、肥前浜駅へと向かいました。柑橘系の実が熟してきているのを見ると、冬が近づいてくるのを感じますねえ。
本来は博多駅に戻ってご飯を食べてから仕事に備えるべきなのだが、今回は佐賀県のコアな場所を攻めたいのもあり、九州の鉄道の要衝・鳥栖駅に降り立ちました。昭和30年くらいにできた九州で初めてのホームの立ち食いうどん屋があり、同じ中央軒というお店がやっているのだが5・6番ホームが一番美味いという都市伝説がある模様。B級グルメ担当班・専門は麺類中心としては見逃せない。

降りた1・2番ホームは2人だったが、そんな噂につられて5・6番ホームに行ったら長蛇の列(＠＠)
ちょうど横のスタジアムでサガン鳥栖-浦和レッズ戦の前だったのも一因なのかな？
ココの名物はかしわうどんという、甘辛く炊いた鶏肉のほぐした身が乗ったうどんです。私はかしわうどん(320円)+肉増し(60円)を頼みました。コシがあるとか麺の風味とかこの出汁はとか絶対に言わないで、電車待ちの間に立ち食いで食べる甘じょっぱいゆるゆるのうどんは初めてだけど何故か懐かしいもんでした。ぬるかったのは肉増しのためかな？それだけが残念でした。

かしわめし買って帰りたいけど、出張先のことを考え後ろ髪を引かれながら博多駅へと戻ったのでした。

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#街歩き

この旅行記へのコメント（6）

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ころっつさん 2014/01/04 00:27:13

相変わらず…

ぺでぃまるさん、御無沙汰です。
そして、あけましておめでとうございます。

いや〜、肥前浜とはまた素晴らしくいい選択ですね〜。
私も４トラをはじめる随分前に訪れたことがあるのですが、とんがり屋根型の茅葺き住宅は、当時は老朽化がかなり進んでいましたが、見違えるようにきれいに修復されていますね。

ぺでぃまるさんが言われるように、生活している人は見学の訪問客をどのように思っているのか…という点は、私も常に気になる点です。観光地化されていないので、生活空間をできるだけ邪魔しないように、そっと見学させてもらうしかないのかな…と思います。

今年も素敵なまちなみ紹介をお願いいたします！

ころっつ

ぺでぃまるさんからの返信 2014/01/04 00:59:55

これも渋いかも

ころっつさん、あけましておめでとうございます。
連休のない年末年始にやさぐれていましたが、気分がほぐれました(＾＾)

> いや〜、肥前浜とはまた素晴らしくいい選択ですね〜。
> 私も４トラをはじめる随分前に訪れたことがあるのですが、とんがり屋根型の茅葺き住宅は、当時は老朽化がかなり進んでいましたが、見違えるようにきれいに修復されていますね。

肥前浜の茅葺屋根は前情報で見ていたのはかなりヤバかったですが、行ったら外壁と合わせてかなり綺麗になってました。
いいことなんでしょうけど、何かもったいないような気もしました。

> ぺでぃまるさんが言われるように、生活している人は見学の訪問客をどのように思っているのか…という点は、私も常に気になる点です。観光地化されていないので、生活空間をできるだけ邪魔しないように、そっと見学させてもらうしかないのかな…と思います。

ここに関してはかなり渋くて、本当に生活の場が近いので悩みました。でも宣伝もしているので、そっと楽しんでいたらいいのかなとも思っています。

> 今年も素敵なまちなみ紹介をお願いいたします！

今年もお出かけしていきます！
12月の連休で姫路セントラルパークついでに坂越・室津を訪問しました。ころっつさんの旅行記参考にさせてもらいました。

　ぺでぃまる

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みかりさん 2013/12/07 02:39:22

今回も素敵な所ですね！

ぺでぃまるさん、こんばんは〜。

今回は出張で九州＆山口方面でしたか。お疲れ様でした･･･
そんな出張の時でも、むかし町巡り楽しまれたんですね。

ＪＲ九州のかもめも素敵だけど(今一番したい旅が九州の鉄道旅で･･･)
むかし町も風情たっぷりで素敵ですね。佐賀の観光地っていまいち
ピーンと来ないのですが、ここの町並みはまさしくむかし町で風情が良いです。

王将を見て餃子を思い出すのは･･･関東人の私でも一緒です。(笑)
酒蔵が続く通りは、写真を撮りながらのんびり歩きたくなります。
最後の「かしわうどん」４トラでも何度か見ましたが、美味しそう〜。
でも、私はうどんよりご飯の方が好きだけど･･･

私も今月中旬から、今年最後のひとり旅。今回はちょっぴり長めの旅で･･･
昨年の瀬戸内旅のリベンジもしてくる予定です♪
優柔不断なので宿選びに悩みすぎ･･･先ほどやっと全部の宿の予約が終了したので
べでぃまるさんの旅行記を見て、少し旅気分が高まって来ました！
私も素敵な町歩きが出来るように、１週間プランに思いっきり悩もうと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みかり

ぺでぃまるさんからの返信 2013/12/09 23:49:12

渋いっしょ！

みかりさん、こんばんは〜。

> 今回は出張で九州＆山口方面でしたか。お疲れ様でした･･･
> そんな出張の時でも、むかし町巡り楽しまれたんですね。

仕事メインで頑張りましたよ〜(＾ー＾)
その代わり、かなり朝早くから動きはじめましたけどね♪

> ＪＲ九州のかもめも素敵だけど(今一番したい旅が九州の鉄道旅で･･･)
> むかし町も風情たっぷりで素敵ですね。佐賀の観光地っていまいち
> ピーンと来ないのですが、ここの町並みはまさしくむかし町で風情が良いです。

鉄分少の私でさえ、ななつ星なんて憧れますもんね。湯布院や長崎なんて行ってみたいなー
佐賀の観光地は総じて地味ですが、ここも地味…
でも独り占め時間はプライスレスです♪

> 王将を見て餃子を思い出すのは･･･関東人の私でも一緒です。(笑)

でしょ〜(＾＾)

> 酒蔵が続く通りは、写真を撮りながらのんびり歩きたくなります。
> 最後の「かしわうどん」４トラでも何度か見ましたが、美味しそう〜。
> でも、私はうどんよりご飯の方が好きだけど･･･

私も正直かしわめしの方がピンと来たけど、それは九州物産展でお目にかかる機会もあるかと思って。
かしわうどんはココを逃すと、無理かなって思っちゃって選んだ次第です。

> 私も今月中旬から、今年最後のひとり旅。今回はちょっぴり長めの旅で･･･
> 昨年の瀬戸内旅のリベンジもしてくる予定です♪
> 優柔不断なので宿選びに悩みすぎ･･･先ほどやっと全部の宿の予約が終了したので
> べでぃまるさんの旅行記を見て、少し旅気分が高まって来ました！
> 私も素敵な町歩きが出来るように、１週間プランに思いっきり悩もうと思います。

1週間の瀬戸内イイなあ〜♪
四国もゆっくり攻めてみたい、特に愛媛。道後温泉・内子・大洲行きたいな〜

　ぺでぃまる

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４人目のふーさん 2013/12/06 11:11:37

佐賀県！

ぺでぃまるさん、こんにちは！

以前４日間で佐賀県をぐるりと観光したことがあるのですが。。。
こちらの観光地は全然知りませんでした。
初めての佐賀ということでメジャーな場所ばかり行ったのですが、
こんな雰囲気のいい町並みがあったんですね。

博多駅からのかもめ、かっこいいですね。
車内もいい感じ。
乗ってみたいです。
ＪＲ九州の車両ってかっこいいのが多いですよね。

酒造場の「魔界への誘い」も気になりますが、
むつごろうの蒲焼がもっと気になります。
食べてみたいなぁ〜

青い空と白壁は本当に合いますね。
美しいです！

ぺでぃまるさんからの返信 2013/12/09 23:37:46

RE: 佐賀県！

ふーさん、こんばんは〜
関西帰還ですか！懐かしいです？

> 以前４日間で佐賀県をぐるりと観光したことがあるのですが。。。
> こちらの観光地は全然知りませんでした。
> 初めての佐賀ということでメジャーな場所ばかり行ったのですが、
> こんな雰囲気のいい町並みがあったんですね。

ここ攻めるなんて、はっきし言ってレアケース。
普通は唐津行って、有田行って、吉野ケ里行ってってのがメジャーでしょ(＾＾)
あ、メジャーと言えば呼子のイカは旨すぎました。あの感動を越えるものはなかなかなかった記憶があります。
ここの雰囲気イイというより、渋いなーっていうのが正直な感想っす。

> 博多駅からのかもめ、かっこいいですね。
> 車内もいい感じ。
> 乗ってみたいです。
> ＪＲ九州の車両ってかっこいいのが多いですよね。

そう、JR九州カッコよすぎます。他の地域の電車が霞むくらい。
我がおきゃーまの路面電車がグレードアップしているのは、何故か違和感ありますけどね(＾ｍ＾)

> 酒造場の「魔界への誘い」も気になりますが、
> むつごろうの蒲焼がもっと気になります。
> 食べてみたいなぁ〜

私もめっちゃ気になったんですが、食べられなかったんです…
どんなんだったんでしょうね。

> 青い空と白壁は本当に合いますね。
> 美しいです！

青い空が出てからテンション↑
結果オーライです♪

　ぺでぃまる

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