2013/09/06 - 2013/09/07
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ANZdrifterさん
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五来重の「山の宗教―修験道案内―」を読んでいて常陸国風土記に「天地が創造されるころ、草木がことばを話すことができたとき、天より降ったフツノオオカミはアシハラノナカツクニを巡り歩いて、山や川の荒ぶる神を和らげた」とあるのを知りました。古代の日本人は草木にも霊魂があると信じ、草木と通じうる心を持っていたらしい。
それとは別に、山頭火の自選句集「草木塔」を探していたら、山形大学出版会の「草木塔写真集」という本に行き当たりました(http://somokuto.com)。こうして、偶然にも草木塔(そうもくとう)と呼ばれる石碑があることを知り、興味を惹かれて特大版の「草木塔写真集」を入手しました。以下の内容はほぼ引用です。
なお、米沢市のHPの「城下町ふらり歴史探訪」にも草木塔の特集があって“自然に感謝する心をあらわす”とサブタイトルされていました。
碑文は、草木塔、草木供養塔がほとんどですが、山神惣木供養塔とか、一佛成道観見法界草木国土悉皆成仏と刻んだのもあるそうです。
知られている最古の草木塔は1780年(安永9年)ですが、その数年前の1773年に米沢藩の江戸屋敷が焼失して、置賜地区から巨木を含めて山が裸になるほど大量の用材を切り出したそうです。
巨木や巨石は崇敬の対象になりがちなことから、江戸屋敷の火事と自然に感謝する草木塔の発生との間に、なんらかの関係があると考えられます。
草木塔は全国で168基が知られていますが、146基が山形県内にあり、山形県内では置賜地方(米沢地方)にほぼ7割の99基があります。
時代別には、江戸期から明治・大正期までの草木塔は55基で、山形県内に53基があるほかは岩手県と福島県に江戸期の草木塔が各1基あるだけだそうです。昭和・平成期の新しい草木塔は山形県内に93基、県外に20基で、県外では京都の三千院や、奈良の明日香にもありますが、8基ある東京都が最多だそうです。
大雑把にいうと全国170基のうち150基が山形県内で、100基が米沢地区にあり、県外には昭和・平成期の20基しかないということになります。
その写真集にある都内の8基は次のとおりです。
1世田谷区桜上水2−24、密蔵院(都内最古)
2世田谷区等々力1−22−47 等々力不動尊 東急等々力駅南500m
3世田谷区用賀4−20 無量寺 東急田園都市線・用賀駅北西300m
4目黒区八雲1−2−10 常円寺 東急東横線・都立大学駅北300m
5狛江市元和泉1−6−1 泉竜寺 小田急線・狛江駅北西すぐ
6葛飾区柴又7−10−3 柴又帝釈天 京成本線高砂駅乗換え柴又駅
7大田区南馬込5−2−10 長遠寺 都営浅草線馬込駅、馬込小近く
8大田区久が原4−4−10 安祥寺 東急池上線久が原駅東1km
このうちまず、京王・東急・小田急の各線を利用してほぼ一筆書きで回れる都内西部の5基の草木塔(下記*印)をたずねました。全部を駅から歩いたので約2万歩になりました。
新宿から京王線桜上水駅*>明大前から井の頭線で渋谷・東急東横線で都立大学駅*>自由が丘乗換え等々力駅*>二子多摩川乗換え用賀*>バスで成城学園 >小田急線で狛江*> 小田急線で新宿。
第2次として、柴又の帝釈天と、私鉄の相互乗り入れで便利になった大田区の都営浅草線の終点の西馬込駅から長遠寺を訪ねました。
新宿>都営新宿線で馬喰横山・都営浅草線に乗り換えて東日本橋から京成高砂駅>金町線に乗り換えて柴又*::柴又から高砂>羽田空港行き特急で羽田空港(昼食)>泉岳寺まで戻って>浅草線終点の西馬込*::西馬込>五反田から山手線で新宿。
今のところ、上記リストの8番目、安祥寺だけが残っています。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
世田谷区桜上水2−24 密蔵院。
京王線の桜上水駅から水道道路を南西に600m、桜上水交番の交差点から斜めに、この看板の塀沿いに約100mも歩いて左折すると山門がある。 -
故事来歴です。
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東京庭職組合が昭和40年(1965年)に建立した都内最古、最大の草木塔で、高さは2mをこえています。表紙写真もこれです。
当時の庭師の組合長が東北(山形?)出身で、音頭をとってこの碑を建立したそうです。碑は自然石、台石は美しい三波石です。
いまも4月8日、花祭りの日に法要が営まれ、数十人が参集するそうです。 -
山門まえの石仏。左側の仏の下には三猿がいる。
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目黒区八雲1−2−10 常円寺
東急東横線・都立大学駅北から柿の木坂通りを300m。セブンイレブンの交差点を左折すぐ。 -
山門の扉はケヤキの一枚板で、見たこともない立派な扉でした。
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この寺では公孫樹が有名らしい。
たくさんの銀杏がなっていました。 -
本堂は立派でした。
寺の若い方に質問をしたら草木塔についてはご存知なかったので、「草木を供養する石碑」の位置をたずねたら途中まで案内して指差してくれました。
しかし、どういう因縁でこの寺に建てられたのか、知りませんでした。 -
やや小ぶりの碑ですが美しい文字で「草木国土悉皆成仏」と書かれていました。
山門裏の片隅なので後ろが狭く、蚊に食われながら碑の後ろをのぞいたら、碑文谷造園組合50周年記念と刻んであり、歴代の組合長の名が刻まれていました。 -
イチオシ
台石はありませんが、このように見事な美しい石碑なので、余計に哀れを感じました。
平成10年(1998年)の建立です。 -
東京都区内で唯一の渓谷「等々力渓谷」です。読みはトドロキです。
東急大井町線の等々力駅から南に500m進み、環状8号線をこえた先の等々力不動を訪ねます。 -
世田谷区等々力1−22−47 等々力不動
滝の音が轟いたことから、この山号ができたそうです。 -
山内から山門を見たところ。
右端の石碑が草木塔です。 -
玉川造園組合が昭和47年(1972年)に建立した角柱形の供養塔。
法要が営まれているかどうかなど、聞き漏らしました。 -
世田谷区用賀4−20 無量寺
東急田園都市線の用賀駅から北口の美術館通を進んで左折すぐ。約300mです。 -
無量寺。
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本堂に向かって左斜め後ろを見ると、突き当たりに草木塔があります。
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近寄ります。
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かなり大きな石碑で、碑文は「草木供養之碑」です。
建立者は東京緑化倶楽部で、平成11年(1999年)の建立です。
毎年4月4日に30人ほどが集まって法要をしているそうです。 -
卒塔婆に、東京緑化倶楽部の名がありました。
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狛江市元和泉1−6−1 泉竜寺
小田急線狛江駅の北口左、森を左において森沿いに歩き、弁天池が見えるころに山門がある。 -
禅寺です。
本尊は釈迦三尊だそうですが、元来は観音堂だったらしい。 -
見事な山門です。
写真の左端の石碑が草木塔です。 -
昭和61年(1986年)に狛江造園組合が建立しました。
毎年4月8日ころ、30人くらいで法要を営むそうです。議員さんも挨拶に訪れるほど大事な法事だそうです。 -
門前には「大山街道」の新しい道標がありました。
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東京都葛飾区の柴又駅です
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おなじみの「寅さん」の銅像です。
グアテマラ在勤からの帰途、ロスアンジェルスのホテルでベルボーイの年寄りが「俳優のキヨシアツミのフアンです」と挨拶したことを思い出しました。 -
帝釈天の参道商店街は人ごみであふれていました。
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立派な山門です。
草木塔は山門を入ってすぐ右にありました。 -
全体はこんな形で高さは 173cmです。
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揮毫は石原慎太郎都知事(当時)で、柔らかな優しい字を書いていました。
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由緒書きです。
東京造園業組合の60周年記念だそうで、2004年の建立です(都内最新)。
毎年6月18日に法要が営まれ、10数名から20名ほどが集まると、山形県の庄内地方出身の若いお坊さん(修行僧?)が教えてくれました。 -
念のため、これが柴又の帝釈天の本堂です。
樹木の手入れが行き届いています。 -
大田区南馬込5−2−10長遠寺です。
都営地下鉄浅草線の終点、西馬込駅の東口を出て、第2京浜を品川方向に戻り、歩道橋の先の坂道を右ななめに登りきると寺の屋根がみえてくる。600m。
横から入ったので、山号などの写真は撮れませんでした。 -
判りやすいところに小ぶりの石碑がありました。
1997年の大森造園組合の建立です。
毎年4月に法要が営まれていて、区会議員をふくめて30名から40名の人が集まるそうです。
訪れたときには生花が供えられていました。 -
この左奥に立派な庭があり、見事な石造層塔がありましたが写真を撮りそこない、この写真も頭が切れました。
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隣には、禽獣類供養碑がありました。
いかにも日本です。
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