2009/07/01 - 2009/07/03
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はくさんちどりさん
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糸魚川地域は、ヒスイで有名なだけでなく、地質学を学ぶ者にとって、一度は足を運んでみたい場所の1つです。この旅の1ヶ月後には、日本で初めて世界ジオパーク地域に認定され、貴重な地質・大地とそれによる優れた景観が、地域全体として世界的に評価されました。
地球表面がプレートと呼ばれる20余の岩板で構成され、その下のマントルの対流などの動きに規制されて運動している、とするプレートテクトニクスについては、ご存じの方もいると思います。日本は、東西南北から4つのプレートが押し合い圧し合いしている過酷な、世界に類を見ない場所です。地下の岩盤も傷だらけで、西・北欧や北米のように古くて堅い死んだ安定岩盤が分布する地域とは違うわけです。そのおかげで、火山だけでなく構造運動による美しい山岳風景にも恵まれ、各地に温泉地も豊富に存在します。その反面、どこにでも大地震が発生し、海岸地域では大津波にも警戒しなければならないほか、火山地帯ではその噴火活動にも要注意です。
糸魚川では何と、プレートの境界が地表で観察できます!その上、糸魚川―静岡構造線という大断層が近くを走り、東方の柏崎―千葉構造線とに挟まれたフォッサマグナ(アフリカほどではないものの、大地溝帯)は陥没して、構造線の両側で時代のまったく異なる地層が見られるのです。
姫川は、その支流に時代の異なる地質が分布する地域を流域に持つため、河口や付近の海岸で、ヒスイのように宝石になる岩石から何の変哲もない岩石まで拾えるわけです。
前置きが長くなってしまいましたが、そういうわけで、厳冬期にヒスイ探しに行った友人と再び、もう少し広い意味でヒスイに関係した地域まで廻ろうと、2泊3日の旅を計画しました。途中の足は前と全く同じで、初日東北新幹線・上越新幹線・北越急行線で仙台から直江津まで行き、駅レンタカーに乗り換えて北陸自動車道経由で、道の駅親不知に直行しました。
小雨降る中、近くの翡翠(ヒスイ)ふるさと館に駆け込み、無料で青海産の巨大なヒスイ原石の展示物を見学しました。そのほかにも大小のヒスイ原石が見られ、勉強になりました。
あいにくの天気の中、この日は海岸に出るのは止めにしました。施設内でヒスイを見ることができる箇所を廻ることに変更して、まず谷村美術館近くの翡翠園に行きましたが、閉館中で中を見ることはできませんでした。
次は、糸魚川駅前のヒスイ王国会館にも原石が展示してあるとわかっていたので向かいました。近くから参考になる良いものを見せてもらいました。売店では、個人所有の地山から採取したヒスイの原石(白く表面がザラザラ)や、海岸で拾われたもの(あめ色がかって表面がツルツル)を販売していて、原石を研磨加工している様子も実演していました。結構な値段がついていたので、手が出ませんでした。
その後フォッサマグナ博物館に行きましたが、時間が遅かったのと天気のせいか空いていて、ゆっくり行きつ戻りつしながら、じっくり展示品と掲示図面などを見ることができ、満足しました。
今回の宿は民宿『ひょうざ』で、宿泊客は他にいないようでした。2泊して同じような料理が出たことを除けば、気兼ねなくしかも宿のご主人からヒスイ探しの情報も提供されたので、まあいいかです。でも、目の前が海水浴場なので、海水浴シーズンには相当混むと思います。
2日目は、朝早く起床したので、ご主人の勧めもあり、早速押上海岸へ出てしばらく波打ち際を行き来して、ヒスイを探しました。他にも数人歩いていて、恐らく近くの人が毎日散歩がてら捜し歩いているのでしょう。これでは一見の旅の者が勝てるわけはないなと思い知らされました。
それでも諦めがつかないのが旅の者、朝食後、例の宮崎ヒスイ海岸を皮切りに、親不知海岸、ラベンダービーチと探し回りましたが、どこも夏の海は冬と全く様相が異なり、渚を洗う波の音もササーササーと静かでした。新しい石が沖から寄せることはないと思われ、ヒスイが見つかるのは全然期待できませんでした。ラベンダービーチのテトラポッド背後でさえ、土砂がたんまり堆積して、転石・玉石の類はみな深く埋まっていました。ジェジェーでしたよ!!
結局、海岸は諦め、内陸で少し学術的なアプローチ(?)をしようと話し合い、フォッサマグナパークへ行きました。国道沿いの駐車場から歩いて、姫川右岸支川である根知川南岸の斜面内道路に沿って地質的なイベントを観察しながら、メインのプレート境界が出ている露頭まで行ってきました。
そこではユーラシアプレートと北アメリカプレートの境界が、幅広い破砕帯をもつ断層で接しています。前者は西から東へ、後者は北から南へ移動していると考えられています。
しかし、北アメリカプレートは日本海溝で太平洋プレートと接して、強力に下から持ち上げられるように西向きに押されていますし、ユーラシアプレートも西日本地域では南のフィリピン海プレートに潜り込まれながら北向きに圧力をかけられています。複雑怪奇ですね!
この日はさらに、ヒスイの産出地として有名な小滝川ヒスイ峡へ行きました。時間的にもかなり押していましたが、どうしても廻っておきたくて、熊でも出そうな雰囲気の中、河原まで下りて見てきました。小滝川河床の白と河岸の緑、そして背後にそびえる明星山、絶景のはずですが、山肌の途中から上はガスって見えず、でした。残念無念!!
民宿『ひょうざ』の宿泊と早朝の押上海岸歩きのお勤めは前日同様で、旅の最終日はもう一つのヒスイ峡、橋立ヒスイ峡へ直行しました。駐車できるところからかなり歩いて青海川に着きましたが、正直あまりよくわかりませんでした。大きな砂防堰堤があって、その下流からがそうらしいのですが、どれがヒスイの原石なのか、?です。収穫は、自宅庭と同じネジバナが咲いているのを見つけたこととニホンザルを見たことです(写真はピンボケ、残念!)。
もう少し下流にも歩いて行けるので、河床を離れてやや回り道をして行った場所で、飛び石を伝わって川の中央まで行けるので、そこからやはりらしい石を撮りました(採るのは両手にお縄です!)。
駐車場に戻って、車でもっと下流にも行きましたが、全体にわかりづらく思いました。自然保護の面からは、良くわからない方がいいのか、善意に解釈することにしました。
締めは、橋立ヒスイ峡からの帰途にある青海自然史博物館(きらら)にしました。今度の旅でヒスイ拾いの成果がなかったので、典型的なヒスイをしっかり眼に焼き付けて帰ることにしたのでした。この程度で諦めないのが、かつて山師を目指し者の執念で、懲りずにまたこの近辺に来るんだろうな・・・と思いつつ。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.0
- グルメ
- 3.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー 新幹線 私鉄
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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親不知の道の駅にあった石碑(ヒスイの原石っぽく見えてしまいます)
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道の駅前から親不知方面を見た海岸の様子ですが、波の荒い海岸は礫浜になっています
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翡翠ふるさと館、無料で巨大なヒスイ原石が見られ、海産物などの地場産品を売っている売店と別になっています
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翡翠ふるさと館内に展示されているヒスイの巨岩の長軸方向を見ています
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同じものの短軸方向ですが、高さを建物の天井と比べてみてください
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館内には、糸魚川産と表示された小さなヒスイ原石もケース内に展示されていました
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翡翠園は閉館中で中が見られず残念でした(庭園が美しいのとヒスイの原石も配置してあるそうです)、美術館に隣接した玉翠園も見ておきたい庭園ということです
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糸魚川駅前のヒスイ王国会館内に展示された小滝川産のヒスイ原石
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一部を磨いてコーティングしてあり、緑色の部分がきれいですね
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フォッサマグナ博物館の外観を、広い駐車場側から撮りました
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駐車場から博物館までのアプローチ脇に置かれたヒスイ原石?削岩機による削孔の丸い跡が認められます
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アンモナイトの大きな化石で、こんなに大きなものは初めて見ました(直径10?程度のヒマラヤ産のは我が家にもありますが・・・)
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草食恐竜のウンコの化石だそうで、こんな大きさにも、それが残って石になっているのもビックリです
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飯豊地域産の球状花崗閃緑岩(宮城県白石市では菊面石が国の天然記念物になっています)
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日本でヒスイが取れる地域を示した図です(中でも糸魚川のが一番きれいだと自慢しています)、世界中ではミャンマーが産地として有名で、国内産といっているものの輸入物がかなりあるそうです
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フォッサマグナを示した模式図で、緑がかったところがそうです
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二日間お世話になった民宿「ひょうざ」の外観、押上海岸とは道路を挟んですぐです
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民宿前の押上海岸、二日間早朝歩いたものの、確たるヒスイは拾えませんでした
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冬に荒波をかぶった宮崎ヒスイ海岸、緩い階段スロープがあり、これからの海水浴シーズンは混雑するんでしょうね
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親不知海岸、西方向を見ています
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ラベンダービーチ入口のヌナカワ姫の石像が迎えてくれます
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ヌナカワ姫の拡大写真、なかなかの美形に表現されていますが、上の覆いはなんでしょうか?
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ラベンダービーチ入口の全景です
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ラベンダービーチの西方向を望む、この辺ではラベンダー色の混じったヒスイが拾えるので、このように名づけられたとか・・・。
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ラベンダービーチの東方向を見ています
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ラベンダービーチの海岸浸食を防ぐためのテトラポッド、冬には背面に荒波が押し寄せて浸食され、小さな崖ができていましたが、今は土砂が溜まっていますね!
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フォッサマグナパークの案内図ですが、駐車場からはかなり歩きます
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フォッサマグナパーク最大の見もの、プレート境界付近の全景で、階段を下りていくと見られ、右に見えるのは根知川と塩の道が通った集落方面です
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プレート境界、向かって左側が変斑糲岩からなるユーラシアプレート、右側が安山岩からなる北アメリカプレートで、境界には破砕帯を伴う断層があります
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プレート境界の上の部分で、白い線で示してあります
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プレート名を示す白い名札です
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小滝川ヒスイ峡の全景、小滝川は姫川の左岸支川です
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河床付近に見られるヒスイ原石、かつては制限されていないため、かなりのものが持ち去られてしまったそうです
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下流方向のヒスイ原石です
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晴れていれば、かの明星山が雄大な姿を眼前に現すはずでしたが、何分ガスってちょびっとしか見えませんでした
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青海川(俗に橋立)ヒスイ峡の案内図、あとから見たので、ますますどれがヒスイなのかわかりませんでした
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橋立ヒスイ峡の上流端となる砂防堰堤、向かって左側に魚道も設置されているようでした
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河床に下りる途中の転石の間に咲いていたネジバナ、我が家の庭に咲いたこともあり、とても親近感を覚えました
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砂防堰堤方向のヒスイ原石と思われるものをとりあえずパチリ!と撮りましたが、自信ありません
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砂防堰堤付近から一度河床を離れて迂回した箇所で、飛び石を伝わって真ん中付近から、それらしき白い転石を撮りました
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最初の駐車場から車でもっと下流の道に入って、真砂橋で青海川の上流方向を見たものです
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橋立ヒスイ峡から青海の街に戻る途中の絶壁、道路とは川を挟んだ対岸ですが、それでも恐怖感を覚えました
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再びの青海自然史博物館(きらら)ですが、このような施設があるのは、ジオパークのサイトとしていいですね!
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きららの前にあったヒスイ巨岩の研磨コーティングしたきれいな部分、脳裏に焼き付けて忘れないようにしたいものです
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青海地域を含む中部北陸自然歩道の案内板、岩石や鉱石に興味がある健脚の方にはいかがでしょうか
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お世話になった駅レンタカーを返した後、直江津駅前の商店街を歩いて、入口付近で街並みをを撮りました(手前左側はホテル)
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帰途に着いて、北越急行線の車窓から緑したたる田園地帯と遠方の霞む山をぼんやり眺めました
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この旅行で行ったホテル
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民宿 ひょうざ
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