2011/05/24 - 2011/06/09
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falanさん
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アテネ空港からピレウス(アテネ郊外の港町)行きのバスに乗車。
乗車口のそばでタバコをすっている運転手らしき男に、DIMOTIKOで降りるから着いたら教えてほしいと頼むと、まかせておけと陽気な南欧人らしいドンと来いの身振りで応えてくれました。
でも発車時刻になって運転席に座ったのは別人。2台が連結したオムニバスはけっこう混んでいて、さっきの男の姿は見あたりません。
ところどころに停車しながらも、かなりの速度で走り続けるはバスは、停留所のアナウンスもなければ、それらしき表示もありません。
1時間ほどでピレウス市内に入った様子なので、信号で停車したさいに運転手に話しかけると「次だよ」と教えてくれました。
降りる支度をしていると、ふいに背後から声が。
さっきの男でした。
「まだ早い、DIMOTIKOはまだまだ」というようなことを言っています。なんなのだ。どうしたものか。とにかくバスを降り、ついくる男をふりきって、やれやれ。ホテルが見えてきた。しまった! バスの中に帽子を置き忘れてしまった!
バス会社に電話してほしい頼む私をさえぎって、受付のお姉さんが言うには「出立予定だった団体が留まることになったのであなたの部屋はありません」
泊まるはずだったホテルは、予約サイトの口コミ評価が抜群で、しかも格安。 期待してたんですけど、あてになりませんね。
代わりに紹介してもらったホテルは、見かけからしてどんよりした雰囲気がただよっています。フロントにオヤジが一人座っていますが、ほかに人けはありません。とにかく「バスに置き忘れた帽子をとり戻したい」と言ってみます。
やる気があるような、ないような顔つきで私を見返すおじさん。おいおい聞き流さないでくれ。もう一度お願いすると、ようやく「トライだけね」と言ってどこかしらに電話をかけ始める。バス会社の担当部署をたらいまわしにされている様子で、3箇所に電話をしてから、首を横にふる。
「部屋で待っていてくれ。もうちょっと頑張ってみるから」
思ったより親切なオヤジではないか。旧式のエレベータで4階へ。 ドアは手動の最大2人乗り。右手が降り口で、そちらにはドアもない。建物の壁がむきだしなので、そこに手をついたまま動き出したりすると、手のひらをすりむいてしまいますよ。
そして部屋。せまいです。6畳ありません。小さなすりガラスの窓の外の50センチ先には、となりの建物の壁がせまっています。暗いので電気をつけるとさわさわが聞こえます。羽虫たちです。蚊じゃないから、よしとしましょう。換気のためでしょうけど、窓があけっぱなしですよ。
ベッドに腰かけて、しばし沈黙。ベルリンのシェーネフェルト空港からアテネに来ましたが、アイスランドの火山噴火のせいで、ブレーメン、ハンブルグの空港は今朝から閉鎖、ベルリンは午前11時から閉鎖になると、昨日のTVニュースが言っていたので、あわやの心境でしたし、EasyjetというLCCでのフライトはとにかく不快でした。今回の旅はどうもトラブル続きだな、とため息をつきます。
電話が鳴りました。
「帽子があったそうだ。取りに行くか?」
「どこでも行きまっせ」
帽子を乗せたまま終点で折り返して、バスが空港に向かっているところだ。
DIMOTIKOのバス停に到着するのが18:10だから、今から走れば追いつけるぞ。
マジっすか。バス停は、最初のホテルからもタクシーで5分ほどの距離を遠ざかってるんですけど。
「走れ! グッドラック」
「タクシーを呼んで…… いや、わかりました。走ります」
20代だったら、せめて30代だったら、どうってことはありませんけどね。もはや初老の腰痛もちであることは忘れるしかありません。
バス停まで駆け出したのはいいのですが、駐車マナーの悪いこと。歩道と歩道のあいだをふさぐようにして停めてあるので、いちいちでこぼこの車道に出て、柵のすき間を抜けないと歩道にもどって来られません。
ようやくバス停にたどり着いて、息をきらしてベンチに座り込むととなりに腰かけていたテッサ(70歳)が声をかけてきた。
きれいな英語で、なにかお役に立てるかしら?と言うので、X96バスはまだですか、とたずねると、まだのようね、という返事。
「やった!」
「どちらから?」「日本です」「もう20年もイギリスのサウスハンプトンで暮らしていてね」「どなたかお子さんと?」という会話をしているうちに、テッサのバスがやってきました。
こんなシーン映画で見たな。
フォレスト・ガンプがベンチに腰かけていると、バスを待つ人たちが入れ替わりに話しかけてくる。
私に話しかけてきたのは一人だけだけど、時間はどんどん過ぎていく。
もう18:20だぜ。
何かおかしくないか。
もうすぐ18:30。
もしかして、まずい状況じゃないですか?
話は変わります。
すっかりやられちゃいました。
蚊です。手にも顔にも5、6箇所。そのうえ一晩中物音が続いていたのですっかり寝不足。なんだったんでしょうか。鉄製のドアが開け閉めされるガチャーンという音とマージャン牌をかき混ぜる音の二重奏。
そしてカミナリ。
ここはいったいどこなんだ? 思わず笑ってしまいました。
朝食をとりに降りていくと、フロントにおばさんが一人。
あいさつをしても、ふんと顔をそむけました。
ダイニングにいるおばさんも同じくらい無愛想。
コンチネンタルの朝食なのに持ってくるのに10分。
コーヒーを待ちくたびれて席を立つ。
時間がないからと声をかけても、返事はむろん、顔さえ向けようともしない。
きのうのオヤジはいい奴でしたよ。
バス停からもどって「間に合った」と言うと、たいそう喜んでくれました。
少ないけどお礼させてほしい、と紙幣を渡そうとしても、がんとして受け取りませんでした。
ちょっとさみしい気持ちでチェックアウトをすませ、ロビーで8:30に迎えに来てくれるはずのシャトルサービスを待ちます。
ぽつねんと20分。迎えは来ません。旅とはそういうものなんでしょう。人生そのものです。歩いていくしかありません。通りを下っていけば、港はもう見えています。たいした荷物があるわけでなし、駆け出す必要もありません。ゆるゆると下って行きましょう。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 船
- 航空会社
- JAL ルフトハンザドイツ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ピレウスで宿泊したホテルの部屋です。
虫さえでなければ値段相応かな。 -
バス停で話し相手になってくれたテッサおばさん。
-
3泊4日お世話になったルイス・マジェスティ号。
いちばん手前の救命ボートの上に半分見える出窓が私の部屋です。
http://www.mercury-travel.com/louiscruise/ships/majesty.html -
船のベッドです。3泊4日、食事つき、観光つきで8.7万円。ふつうにホテルに泊まって旅をするのとそれほど変わりません。
-
別の方向からの写真です。
バスタブもついてるし、ピレウスで泊まったホテルより快適です。 -
クローゼットの鏡に向かってカメラを向けます。
日本からのツアーも4グループほど乗り込んでいました。
ツアー客用の部屋とこの部屋の価格差はたしか2万円くらい。3泊4日の船旅なんですから、こっちを選んで正解かな。 -
出港です。はじめてのクルーズに胸がときめきます。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- cacahさん 2013/06/23 11:20:25
- ありがとうございました〜
- falanさん〜こんにちは♪
はじめまして!
先日はご覧頂きたくさん投票していただき本当にありがとうございますm(((__*)m☆
falanさんの旅行記プロフィールちらっと見て、私の行きたい所ばかりです・・・フランス ギリシャ スイス トルコ とトルコの気球のお写真が素敵ですね〜〜!!!
エーゲ海クルーズの旅素敵ですね〜♪
出港前の楽しい〜ドキドキ感が伝わってきましたよ!
またお邪魔させていただきますね〜〜
MIN
- falanさん からの返信 2013/06/23 14:16:39
- RE: ありがとうございました〜
- charminさん、
はじめまして!
ご訪問、投票ありがとうございます。
charminさんもかなりよくご旅行をされていますね。
一度しか訪れたことがない北海道に、また行きたくなってしましまいた。
まだハワイに行ったことがないのですが、11月に夫婦で出かける予定なので、新婚旅行の旅行記を読ませていただいて、とても参考になりました。
ハレクラ二を予約しています。
披露宴にロシアの舞踊団を呼ばれるなんてすごいですね。
身長が高くてステキなご主人様ですね。
お二人の幸せそうなような拝見して、私たちの旧婚旅行はどうなるだろう、仲良くしなくては、とあらためて決意しました。
またときどき寄らせていただきます。
よろしくお願いいたします。
falan
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