2013/01/24 - 2013/01/28
915位(同エリア1380件中)
きっちーさん
~準備中~
沖縄北部に住んでいるという、ヤンバルクイナ。
じつは、ヤンバル部分は『山原(やんばる)』という地名でした。
クイナは知らん。←聞いてこいよ
そんなわけで、名護から沖縄本島北部。
東村高江という地域へやって来ました。
高江はちっちゃな集落で、村の周りをぐるりと山林に囲まれパイナップル農業と伝統工芸品の政策などがおこなわれている、静かな山村。
「人が少ないので、パイナップル農家をやってみたい方は、リス・・タイアされたら、ぜひ引っ越してきて下さい」
地元民Iさん。
いきなりパイナップル農家とか、無理す。
あと、リストラって言いかけましたよね?
この集落を囲むように6箇所もヘリパッド(オスプレイが配備されたのでオスプレイパッド)の建設が進められています。
住民の皆さんが独自に監視小屋を作り、2007年から座り込みと監視行動を続けています。
07年からって・・もう足掛け6年以上ってことか。
すごいな。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- レンタカー JALグループ 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
集落にのびるひと気のない道路の両側に延々と続く、緑の生い茂る山岳風景。
このヤンバルの中で米軍が軍事訓練をしているそう。
ヤンバルの米軍訓練場には、沖縄本島の生活用水の60%をまかなうダムが5つ点在しているのだが・・。
2007年、新川ダムと福地ダムから、アメリカ軍が投棄した照明弾・ペイント弾など、弾薬1万発以上が発見される。
枯葉剤散布までがおこなわれていた。
沖縄県民の水源地帯でこのようなことがおこなわれているとは、信じられない。 -
そこへ、さらにオスプレイ・パッドを6つもつくるという。
そもそも、ダムがあるような地形の場所です。
着陸しにくそうな山脈地帯に、わざわざ事故の多いので悪名高い、オスプレイの離着陸施設をつくる理由がわからない。
山火事になったら、消防車だってまず間に合わないと思うぞ。
リストラされた人大大大募集の、地元Iさんに尋ねると、
「ここは北部訓練場と呼ばれていますが、正式名称は『ジャングル戦闘訓練センター』といいます」
つまりべトナム戦争の、複雑なジャングル地帯を想定して使用されており、オスプレイ・パッドもそういった離着陸訓練のためだそう。
「だって、ベトナム戦争って(戦争被害はともかく)もう終わった戦争じゃないですか・・」
また、ベトナムと戦争をしようというのでしょうか?
それとも、違う国と? -
人を殺して、大量に殺して、物事を解決しようという考え方自体が、受け入れ難いのですが。
その『殺人準備』が、目と鼻の先で行われているというのに、眩暈がするほど息苦しくなります。
ヤンバルでは、あちこちで訓練がおこなわれているので、決して道路から離れて藪に入らないよう注意されます。 -
立ち入り禁止のゲート・フェンスはあるのですが、敷地が広すぎて囲いきれないので、部分的にゲートを作っているだけなんだそうです。
-
道の端には、横断幕があちこちに設置されています。
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高江の人たちが作ったものだけでなく、全国からこの状況に異を唱える方達が持ち寄っているよう。
辺野古の反基地運動は有名ですけど、高江の住民運動を知ったのは今回が初めてだったので、いろんな地名の横断幕に驚きました。
東京のもありましたヨ! -
英語圏の人にとっては、日本語でもアラビア語でもハングル語でも、読めない言語でひとくくりでしょうし、こうして相手に伝わるように英語表記の横断幕もありました。
イイと思います。 -
一連の流れを止めようとしているのが、小さな集落で暮らす穏やかそうな人々であることに勇気付けられるのと同時に、「自分でも何か出来るはず」という先を模索する力が湧いてきます。
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住民は手作りの監視テントのほか、ボランティアで無線機を持った人たちが道路に立ち、ヘリパッドの資材搬入をおこなっていそうな車両へ声掛けするという方法を、地道に辛抱強く続けています。
それに対して日本政府は、住民が寝ている早朝に資材を運び込んだり、ゲートからではなく道の無い道路わきの藪からこっそり入れたり、偽装車両でゲートに入ったりと、住民の目を何とか誤魔化そうとする呆れたやり方で搬入するそうです。
Iさんによると、山ひとつ越えた地域から危険な山越えをしてまで、無理矢理搬入したこともあったそうで、
「建設業者の人だって危ないよ」
と怒ってらっしゃいました。 -
この日も残念ながら、早朝に建設車両が入ってしまっており、工事が動いているとのコト。
「もっと早起きして来ればよかった」
すごくガッカリしました。
せっかく来たのだから、ちょっとくらい役に立ちたいのが人情です。
しかし、世の中にはものすごい高江サポーターがいた!
座り込みテントにいた、ひょろりと日に焼けた男性。
地元の方かと思ったら、県外から『婚前』旅行中だとか。
婚前旅行の高江で、カノジョと座り込み。
新婚旅行も、もちろん高江で座り込み予定という・・。
いいのか?
カノジョ、それを受け入れたのか??
ちょっとビックリなカップルでした。 -
オイラ、新婚旅行は中国かイタリアがいい。
まずは、相手が必要だが・・。
でも、高江にはもっかい行く。
今度は、自力で行く。
だって、いまのワタクシ免許あるだ〜♪
注:高江はバスでも行けます→1日3本。名護バスターミナル発『73番川田線』終点『高江』(共同店前)降車、県道70号線を北上すること徒歩約15分 -
搬入がされてしまったということで、特にもう動きは無いそうなんで、失礼な看板がかかるゲート写真を、軍用犬がコワいので離れた場所から撮影していたら〜。
-
誰もいなかったゲートに、監視員が出てきました。
-
なんか、どこの国だかわからんな、ホント。
日本政府は、ここで座り込みを続ける高江住民に対して、15名を『交通妨害禁止』で裁判所へ仮処分申請をおこないました。
15名には、座り込みに参加したことも無い子どもまで含まれていたため、14名になります。
こうした政府・自治体が権力を持たない比較弱者に対して、発言封じ・加罰・報復的な訴訟は、『SLAPP(スラップ)訴訟』と呼ばれ禁止している国もあります。
こんな訴訟を裁判所が受け入れたこと事態が驚きですが、現在1名が不当判決を受け、弁護団とともに福岡高裁で控訴中だそうです。 -
ヘリの離着陸場(=ヘリパッド)だという施設ですが、すでにオスプレイが!!
地元の方が撮影した写真を見せてもらいました。
低い!
目の前のゲートと比較できます。
木の高さと同じくらいでしょうか。 -
普天間基地の爆音が耳に蘇ります。
5分もしないうちに爆音がとどろく普天間基地のことを考えると、空恐ろしくなります。
まして、オスプレイは普通のヘリと違って、オスプレイは飛行中、荷物搭載口を開放するのが常態というつくり・・・つまりドアあけっぱの機体なので、落下物の危険が非常に高いとか。
それを証明するように。
2013年2月5日海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイから水の入ったボトルが落下。
『水の入った落下ボトル』の大きさや重量などについては、明らかにされていません。
普天間基地の即時返還はもとより、高江を同じような状況にさせないことが、とても重要だと思いました。
じかに住民の声を聞いていただきたいので、高江住民の方たちのブログをペタリ☆→http://takae.ti-da.net/ -
パイナップル農家やりたいリストラ・・もとい、りタイアした人募集中のIさんと別れ、続いてやってきたのは新聞報道でおなじみの、辺野古です!
昨日、ホントは仕事のコーディネーターYさんに短時間だけ見せて頂いた普天間基地の基地機能を、そっくりこちらへ移設しようという計画に、住民が大反対しているというので、お話が聞ければとやって来ました。 -
高江からは山をひとつ越えた側?
思ったより距離はないかなって感じでした。
ちょうど引き潮タイムだったようで、マリンブルーの海は遠くてよく見えない。
たぶん、キレイなんでしょう。
ここも星の砂ビーチじゃなかった・・。←まだ言うか(http://4travel.jp/traveler/need/pict/27978960/参照) -
辺野古では、基地移転の意見が割れているそうで、漁協組合は賛成。
地元住民は反対という・・。
部外者からは、よくわからない状況。 -
Yさんの話によると、この辺りは漁獲量が減っていて、漁協では漁業権を売って生活に当てたいと考えている。
いっぽう、地元のおじい・おばあ達から始まった、反基地運動。
沖縄戦のあったこの島から、人殺しに仕立てられた子ども達が、外国の戦場で人を殺したり殺されたりするのが許せないし、戦争に加担する基地の増設には我慢できない、子どもらにキレイな海を残したいと、黙って座り込んだところから運動がスタートしたんだとか。 -
反基地の方たちにうかがったので、漁協の方には漁協の方の意見があると思うのですが。
こうやって、地元を割ってしまった基地移転は、とても罪深く感じます。 -
ところで、辺野古にはジュゴンが出ると聞いたんですが!
見たい〜vジュゴン見たい〜vv -
地元の船長さんが、船で基地建設予定現場を案内してくれることに。
-
「ジュゴンはいますか?」
「ジュゴンは朝早くじゃないと来ないよー」
くっそ!
また早朝か!!
どんだけ早起きすればいいんだ、沖縄!!!! -
海に出ました。
船長さん、漁協の方にバレたら不味くないんでしょうか。
ちょっと、心配。 -
引き潮だったため、海岸からはわからなかった海水の透明度が、船が動き出した途端、一目瞭然です。
びゅーてぃふぉー!そーまっち!
こげにキレーな海は見た事が無い。
少し前まで横浜暮らしだったので、海なんか見慣れたものでしたが。
同じ海とは思えん。 -
海上基地建設予定地点につきました。
ジュゴンの好物の海草は、海面下あたり一面に茂っているそうです。
「埋め立て調査の連中が調査船を出そうとすると、ジュゴンがどこからか現れるんだよ。
そうすると連中は船を出せない。
ジュゴンは辺野古の海を、守ってくれてるみたいだよ」
船の鼻先にいる、モジャモジャな方が船長さん。
見た目、『男はつらいよ』の源公とキャラかぶってる〜。
寡黙な船長のナビで、船の舵取りは見習いの男性がしています。
ただ、着岸とか浅瀬だとか、難しい部分は船長さんが代わります。
操縦も上手い下手があって、船長さんが舵を握ってるときは船べりにいても水しぶきがかからないのですが、見習いの方がやると濡れる濡れる(汗)。 -
海岸沿いの建物が、アメリカ海兵隊の基地『キャンプ・シュワブ』です。
この基地の目の前の海を埋め立て、滑走路を作り、昨日見た馬鹿げた飛行訓練が延々とおこなわれていた普天間基地機能を、移設するというのです。
「『沖縄の負担を軽減する』といいますが、実際には基地強化をおこなおうとしています」
米軍にとっては、弾薬庫とか飛行場などがあちこち点在するよりも、一箇所にあったほうが使い勝手がいい。
さらに、移設費用は日本の税金でまかなってもらえるという、一石二鳥のチャンスです。
「米軍への思いやり予算は、年間約1900億円。365日で割ったら、1日5億円以上の日本人の税金ですよ。
東北の被災地でくらす人たちに1年間、1日5億円まわせばどれだけ助かるか知れません」
舵を握る見習い男性が、厳しい表情で基地を見つめます。 -
陸からはフェンス越しでよく見えませんが、海からだとキャンプ・シュワブは丸見えです。
建物から海岸へのびる左手スロープは、よく映画なんかに登場する上陸作戦で使われるような水陸両用戦闘車両のためのものだそう。
時々、訓練がおこなわれているそうです。 -
「へえ〜。それって海を汚しません?デカそうだし。
海岸付近の生態系にも負担ですよね。シー・シェパードとかに追っかけまわされたりしないのかなー」
海上から眺めるキャンプ・シュワブは、建物の壁面が迷彩柄になっているわけでも無し、重装備の部隊が厳つい軍曹の号令で這いずり回っているようすも見えないので、パッと見軍事施設のようには感じません。
けれど、写真を撮っているうちに、『警戒船』とペイントされた船が巡回してきて、こちらをチェックしているようです。
気持ち悪いな。 -
失礼な警戒船から視線を外せば、眼福なオーシャン・ワールドv
沖縄の海は遠浅だと聞いてましたが、海面の向こうには手が届きそうな位置に海草の揺れる地肌が光ります。
こんな浅瀬が、ジュゴンの朝ご飯地帯というのは不思議です。
ほとんどの場所が1メートルもなさそうなので、遠くからでも一発でジュゴンたちの居る場所はわかってしまうし、ワタクシが漁師だったら捕るね☆ -
↑その発想が、ありえない。
ともかく、海が本当に浅いので、辺野古海上新基地工事が始まったら、日本の土木技術があれば海を埋め立てて完成するまで、2〜3ヶ月もあれば出来ちゃうらしい。
こんなキレイな海を埋め立てて、あんなアホな離着陸をくりかえすなんて、どうかしてるとしか思えません。
安全保障なら、軍事同盟じゃなく平和条約を結ぶべき。
人の生存に関わる自然保護がこれだけ叫ばれている世界で、自然を破壊して安全を担保するなんて、それこそ嘘っぱちの『安全』だと思う。 -
モジャ船長のモジャ船は(勝手に名付けるな)、30分ほど遊泳して戻る予定だったのですが、沖縄の方はサービス精神が旺盛というか。
「灯台だ、かっこいいーっ!」
「絵になるね」
船先の小島にそびえる真っ白な灯台に、乗船客が大喜びで騒いでいたら。
「ちょっと、停泊してみる?」
そう言って、わざわざ船を寄せて下さいます。 -
「降りちゃって大丈夫なんですか?」
「いいんじゃない?」
うちなーは非常にザックリです。
私有地とか、立ち入り禁止の公共施設ではないの?? -
ここからの舵取りは、モジャ船長。
見習いうちなーが、接岸地点へナビります。
船底がこすれる音と感触に若干ビビリつつ、無事上陸! -
もー!
ナニこの海!
くりかえしますが、キレイすぎvv -
モジャ船長は、モジャ船でお留守番。
見習い船員さんが、灯台の島を案内してくれます。
丘の上にある、灯台へ続くコンクリの階段を登っている途中。 -
階段の脇に米軍の忘れ物と思われる、ブリキ箱発見!!
「記念に拾っていこうv」
「触っちゃダメだよー!置いて、置いて!」
手に取った途端、見習いさんが大慌てで止めに入ります。
「軍隊のものだ。何に使ったものかわからない。危ないから触ったり持って帰ったりしては絶対ダメだよ」
顔色を変えて、ほかの人にも注意するのに唖然とします。
そっかー。
地雷とか不発弾とか、中国に日本軍が遺棄していった毒ガスなんかで、あれほど裁判やら学習会やらで被害証言を聞いていたのに。
実際に被害を受けた人たちと自分は、それほど遠い位置に居るのではないのだと、実感してしまいました。 -
「記念にお持ち帰り」というのは冗談だったのですけど、おっちょこちょいの自分は怪しげな箱でも、真っ先に触ってたし。
慎重な忠告が間に合わず、速攻被害を受けるタイプなんじゃ・・。
あとから考えると、鳥肌が立つエピソードでしたが。
このときは、上陸した小島の美しさに圧倒され、反省の欠片もなくただただ感動することしきりです。
「ガイドブックみたいだー。想像世界のビーチリゾートだ〜!」 -
書き忘れてたんですが、この初v沖縄旅行(仕事でしょう)から、カメラ変えました!
長年愛用してきた、ペンタックスのデジカメがいよいよ本気で壊れまして。
修理の方が高くつくに至り、泣く泣く買い替えまちた。
ペンタックスはホントに使いやすくて・・つか、使い慣れててかもですけど、良いデジカメでしたー(涙)。
今度からの相棒は、RICOH『防水デジタルカメラPX』 !
色が気に入ったのと、沖縄なので防水機能タイプが良いかなーと。
いかがですか?
この画像。
トイ・カメラ機能で撮影してまーすv
被写体がいいから、すっげー良く撮れている気がする! -
JB師匠によれば、ペンタックスは現在RICOHの傘下らしいので、そのうちイイトコ取りの機種が発売されるかも?
ちょっと濡らした程度なら、防水機能付きタイプは安心は安心なのですが、落としたらふつーに壊れそうなので落とさないよう、用心深く坂道を登ります。 -
灯台へ続く道は途中で雑草に阻まれ、なんだかエライことに・・。
-
ひいいぃ〜。
ハブとかいないですよね?? -
ようやく到着!
-
灯台といっても小さなもので、3階建てくらいの小さなサイズ。
とくに管理人さんが常駐しているわけでもないようです。 -
まともに道が整備されているわけでもナシ。
「ノリで上陸しちゃって大丈夫かしら」と、心配でしたが。
灯台に備え付けの看板を読むと、いちおう上陸して灯台に近寄るのはアリのようでした。 -
丘の中央付近にある灯台ですが、以前はもっと崖のそばに建っていたそう。
-
案内していただきましたv
-
ホントに崖っぷちでした。
-
灯台の島で海風に吹かれていると、自然に恵まれたこの島が基地の危険と隣りあわせというのが、とてつもなく理不尽に思えます。
東京の地下鉄ならともかく、落ちている物に手を触れるのさえ危険などと、普通に沖縄の観光スポットを歩いたのでは想像もつかない。
基地や演習場のまわりの沖縄と、比較的基地と離れた場所にある沖縄では、数日滞在するだけだと何が違うのか、自分にはわからなかったと思う。 -
「戻るよー」
もと来た道をてくてく下り、船着場へ。 -
船着場でうたた寝していたモジャ船長に、さきほどの米軍のブリキ箱の話をすると、一緒に見に行ってくれます。
「なんですかね?触っちゃったんですけど・・・」
「これは工具箱だな」
あっさり手に取ったモジャ船長は、ブリキ箱を船に放り込みます。
「何かに使えるだろ」
ええー!
さっき「米軍遺棄物、お持ち帰り禁止」って、おたくの船員さんが言ってましたヨーっ。 -
さすが、モジャうちなー。
ひょろっこい乗船客の男の子に接岸を手伝わせ、悠々と出航するモジャ船。 -
どこの世界でも複数を引っ張る人ってのは、判断力と何事にも動じないぶっとさみたいなのがあります。
-
ただのモジャモジャに見えていたが、モジャ具合が格好良く見えてきた!
-
すっかり潮が満ち、マリンブルーが間近に輝く陸地へ戻ってきました。
「どこまで行ったんですか!」
30分の予定が1時間以上戻ってこなかったので、今回お仕事を現地コーディネートして下さっているYさんが、すっかり心配顔で駆け寄ってきます。
・・・・いい大人たちが灯台へあがって、観光気分でウフフ、アハハ、していたとは、とても言えない・・・。
モジャ船が、新しい乗船客を乗せて出航していきます。 -
ふいに―――。
午後の辺野古の安閑な住宅地の向こうから、布団を連打するような音が響きます。
「ああ、銃声ですね」
と、Yさん。
「ええっ?!」
「あそこに少し禿げた山が見えますでしょう?あそこが演習場に使われているんです」
生まれて初めて、銃声をナマで聞きました。
驚きで声も出ません。 -
うららかな金曜日の午後。
さほど混み合う事も無く点在する、ジュゴンが遊泳する美しい海辺に広がる住宅地や学校。
そこへ、断続的に銃声が響いているのです。
子どもが遊び、ごくごく見慣れた生活が営まれる町中で、絶え間なく銃声が鳴りやまないまま放置されるような場所が、この日本に存在しているなんて。
小さいころ遊び場だった新宿だって、「危ない場所」といわれてましたが、銃声が一発でも轟こうものなら、間違いなく大ニュースです。
ハリウッド映画やドキュメンタリーで、殺傷兵器の音を聴いたことはあっても、実際に耳にした事がある人など、そうそういないと思います。
それなのに、辺野古では珍しい音ではないのです。
辺野古で育つ子ども達の思い出には、毎日銃声が聞こえていた事が残るのです。
まじで、同じ日本とは思えないよ。 -
ショックを受けていると、辺野古在住のお爺さんがキャンプ・シュワブ海岸境界線のフェンスまで案内してくれました。
そこには、地元の人や辺野古へやってきた人たちが、米軍基地のフェンスに結びつけた色とりどりのメッセージが。
「生物学者や宗教家、病気を抱えた若者たち。たくさんの人が辺野古の美しさを大切に思い、海上基地反対運動に力を貸してくれています。
時々、本土のウヨクの連中がこのメッセージを取り去ってしまうけれど、それでもたくさんの人がメッセージを結びつけてくれます」 -
もともと、辺野古の海上基地反対でいっとう最初に行動を起こしたのは、沖縄戦を生き延びた、おじいとおばあ達。
何も言わずに座り込みをはじめ、それが少しずつ広がりました。
彼/彼女たちの言い分は、「あの悲惨な戦争をよその国でやって欲しくない」、「この辺野古や沖縄がふたたび戦争に加担することは我慢できない」。
いまこのときも銃声が鳴りやまない町、戦場と直接つながる軍事基地が存在する町で、すごい勇気だなあと胸が熱くなります。 -
「辺野古は、辺野古だけの自然じゃなく、世界でも数少ない貴重な美しい環境です。人殺しの訓練で壊すなんてとんでもない」
お爺さんがキャンプ・シュワブを指差して言います。
「ここへやってくる米兵は10代少年も多く、そういう子達はアメリカ中部出身だったりすると、本物の海を知らない。
海岸のヤドカリを見て大はしゃぎするんですよ。
それが、2〜3ヶ月の人殺しの訓練を終えると、顔つきが別人のようになってしまう。
かわいそうですよ」
軍隊の近くにいるからこそ、軍隊の中にいる人たちの姿が、お爺さんには見えているのかもしれません。
「ニュースでは『中国船の侵入』というが、沖縄の海では昔から中国や台湾の漁船が魚を追って、お互いに行ったり来たりで入り込んでいた。
だけど、それが問題になったことはない。
日本の漁船と、中国や台湾の狙っている魚が違うからです。
だから現場でこじれたことはない。なのに、警備艇がウロウロし始めて一気に緊張状態がつくられてしまった」
このあと、どんな魚を追うのかちょっと専門的な話になってしまい、覚え切れませんでした・・。
おじい、すまん(汗)。 -
出張の合間、ほんの短時間の滞在でしたが、高江や辺野古の運動をしているのは、いわゆるプロの活動家ではなく、そこら辺に歩いてそうなお父さんお母さんやお年寄りでした。
そんな普通の人たちの、当たり前の生活がかかった基地反対住民運動で、なにより「すごいな」と感じたのは、自分達の目先の利権や生存権だけでは見ていないこと。
くりかえし、うちなーは「こんな馬鹿な税金の使い方をしていないで、東北の被災者に使うべき」という意見を主張していました。 -
殺人者として改造されていく若い米兵や、沖縄から出て行く兵隊によって傷つけられる他国の人たち、選挙権のない子どもたちの代わって声をあげ、いまある豊かな自然をそのまま手渡す、そういった広い視野に基づいて新基地建設をストップさせ続けている。
←面白い看板を立てながら。 -
「自分達の時代に沖縄の基地が無くなるとは思っていない。でも、子ども達の時代には無くしたい。だから、続けるんです」
お爺さんの言葉に応える行動ができるのは、ひとりひとりの有権者なんじゃないかなと思いました。
「米軍基地が無いと怖い。でも自分の近所にはつくって欲しくない」
そうやって、自分が嫌なものを沖縄へ押し付けるのではなく、必要だと思うなら自宅のそばへ置けばいい。
あの騒音とともに、「軍隊が住民を守る」のかが、わかるでしょう。 -
次回!
ようやくお仕事が終了〜。
ひとり旅までカウントダウンだ!!
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