2012/12/20 - 2012/12/20
164位(同エリア398件中)
シベックさん
氷点下にさがった寒い朝、眩しく輝く朝日を浴びながら、東へと車を走らせました。豊橋からは国道259号線を西にむかい、久しぶりで渥美半島先端の伊良湖岬や恋路ヶ浜、そして日出の石門付近を散策しました。常春半島とも言われる伊良湖あたりですが、さすがに、この時期、観光客は少なく、静かな海辺でした。岬あたりの菜畑や道中に点在していた菜畑は、まだ蕾で年明け以後の開花と言った状況でした。菜花は残念でしたが、運良くハギクソウに出会えて満足な旅になりました。
表紙は、日出の石門、沖に向かってあいた洞穴
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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-
トベラとツルソバ
まずは、伊勢湾海上交通センターへの散策路を登ってみることにしました。
道端に艶のあるトベラが目に付き近寄ってみると、樹高2mほどのトベラの樹上に蔓を伸ばしたソバナのような花が咲き、紺色の種をつけている植物を発見。
後日調べると、白い花を咲かせるツルソバでした。 -
シロノセンダングサ
キク科センダングサ属の1年草。コセンダングサの変種で世界の熱帯から暖帯に広く分布している。
日本には幕末に渡来。全体の姿はコセンダングサにそっくりだが、頭花には白色の舌状花が4〜7個あり、センダングサ属だとは思えない。でも、トゲトゲの果実を見ると、まさしくセンダングサ属だ。
茎は四角。
日本全土の山野に分布し、花期は9〜11月。
ひっつき虫の一種。 -
伊勢湾海上交通センター
伊良湖岬の沖合には伊良湖水道航路があり、1日に100隻以上の大型船舶が往来しています。その航路の管制をする伊勢湾海上交通センターが灯台の上の丘に建てられています。
こちらへは、港側や恋路ヶ浜側からなだらかなスロープの散策路で連絡されていて、のんびりと散策することができます。 -
伊良湖港
散策路から見る伊勢湾フェリーターミナルと茶色壁の道の駅伊良湖クリスタルポルト。右奥には伊良湖シーパーク&スパが望める。
伊勢湾フェリーは、海を眺めながら、渋滞知らずの船旅ができ、鳥羽へは海の「潮騒街道」を航行して約55分で着岸。
鳥羽フェリーターミナルから伊勢や志摩はすぐ近くです。伊良湖港からは、知多半島の師崎や神島、鳥羽などへの連絡船もあり海上交通の要所にもなっている。 -
ハマナデシコ
浜撫子は、ナデシコ科ナデシコ属の多年草。
海岸の崖地や砂浜に生える。
茎は15〜50cmほどで、下部は木質化し堅い。
対生した葉は厚くて光沢がある。
花期は6〜11月で、
花弁は紅紫色で経1.5cmほどの花を咲かせる。 -
ハマアザミ
浜薊は、温帯の海岸に生育するキク科アザミ属の多年草。
根を食用にすることから、ハマゴボウとも呼ばれる。
草丈は30〜50cm。葉は羽状に切れ込み、
厚く光沢があり、縁には鋭いとげが生える。
花期は7〜12月。 -
伊勢湾を行く船影
海上交通センターへの散策路を港の方に下り、海岸の散策路を灯台に向かって歩きます。こちらは季節風で凍るような寒さ・・。
西の方角を見ると、名古屋港へ向かう船や、外洋に向かう船などの大型船舶を眺めることができます。
北西方向の海上に目を移すと、無いはずの建物や煙突がゆらゆらと見えていた。蜃気楼のよう・・。 -
神島
三島由紀夫の小説・潮騒で名の知られる
三重県の神島と伊良湖水道を行く船。
季節風の強い海岸の西側の散策路。 -
伊良湖岬灯台
太平洋と三河湾を望む渥美半島先端にある岬に立つ白亜の灯台。1929年(昭和4年)に建てられた。
1998年(平成10年)に「日本の灯台50選」に選ばれている。伊良湖岬灯台 名所・史跡
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伊良湖水道
伊良湖岬(いらごみさき)から見る鳥羽の方角。
伊良湖水道を航行する貨物船。
神島の左遠方は志摩半島東部。右は朝熊山や
伊勢神宮、夫婦岩のあるあたり。伊良湖岬 自然・景勝地
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アゼトウナ
崖地に咲く黄色い花。畝唐菜は、キク科アゼトウナ属の多年草。
伊豆半島から西の太平洋岸に分布する。冬場でも比較的暖かい海岸の岩場に生える。岩の隙間に根を下ろし、葉は茎の先端にロゼット状につき、倒卵形でやや肉質。側枝を出して立ち上がり、草丈は10cmほどになる。
花期は8〜12月で、直径1.5cmほどの黄色い花を枝先に沢山咲かせる。 -
日出の石門
灯台を過ぎたあたりからは岩場が続く。
灯台から太平洋に面して、日出の石門まで約1kmの湾曲する砂浜が恋路ヶ浜。岩場を過ぎると、太平洋の荒波をうけて、白く美しい砂浜がつづいている。
遠方の岬は日出の石門。その付近の小高い丘の上に立つ建物は、伊良湖ビューホテル。このホテルは鳥羽や志摩からも見える。 -
ハマゴウ群落
太平洋側の長さ1kmほどの砂浜は、恋路ヶ浜と言われ「日本の渚百選」「日本の道100選」「日本の音風景100選」「日本の白砂青松100選」に選ばれた風光明媚なところ。
小高い砂浜には、葉を落としたハマゴウが群生していた。恋路ヶ浜 自然・景勝地
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ハマゴウの黒い実
浜辺に香る低木。群落に近づくだけで、いい香りが漂ってきます。
今は葉を落とした裸木状態で、黒い果実が僅かに残るのみ。浜香と書き、よい香りがする樹木で、北のハマナスに対して南の海浜植物の代表と言われている。夏には美しい青紫色の花を多数つける。
中でも、恋路ヶ浜の群落は目を引くほどの広さです。 -
ハマユウとハマゴウ
恋路ヶ浜(こいじがはま)の二つの植物。
ハマユウは、海浜に咲く貴重な白い花。
木綿(ゆふ)を垂らしたような芳香のある
白い花を咲かせる。
かつては伊良湖周辺で多く
見られましたが、
環境の変化により絶滅してしまったそうです。
現在、地元のボランティアの方々により
復活が試みられているそうです。
日本の百選にも選ばれた
美しい砂浜の恋路ヶ浜。 -
丸文字
砂山の枯草が風になびきつつ画いた丸文字。
いろいろな方向から強い風が吹かないと描けない。
風ののいたずら・・。 -
紅葉する葉菊草
ハマゴウやハイネズ、松、オニシバ
などの低木や草類が生える砂山を散策。
その中に赤く紅葉したハギクソウが
目に飛び込んできました。
姿や紅葉する葉は
ヒメマツバタイゲキに似ています。 -
ハイネズ樹海のハギクソウ
かっては、宮崎や志摩、済州島などでも自生が確認されていたそうですが、今では渥美半島に僅かに残るのみ。絶滅が危惧されている植物の一つ。
環境庁のレッドデータブックでは、絶滅危惧IB類(EN)(近い将来に絶滅する危険性が高い)に属する貴重な植物。 -
ハギクソウ
トウダイグサ科トウダイグサ属で海岸の
砂地に生える多年草。
生育地はごく限られる貴重な植物。
茎は直立し高さ10〜30cmで葉は密につく。
枝先の輪生葉は長さ2〜3cm、
幅は約1cmで裏面は帯白色。
春に黄色の杯状花序をつける。
花の咲かなかった株や枝の葉は冬に赤く紅葉する。
紅葉した葉を菊の花に例えた名前。
伊良湖付近のハマユウのように
絶滅させないようにしたいものです。 -
日出の石門 岸の石門
恋路ヶ浜の東端にある日出の石門。
太平洋の荒波の浸食によって真ん中が洞穴となった日出の石門は、沖の石門と岸の石門の2つがあり、岸の石門には近づくことができるが、足場が悪いので注意が必要。名の如く日の出のときには美しいシルエットを見せてくれそうだ。
岸の石門には、中央と西側に洞穴が二つあいている。 -
岸の石門
太平洋の荒波の浸食によって大岩の真ん中が洞穴となった石門。
かなりの大きさ・・。
画像を眺めていたら、歩く象の後ろ姿に見えてきた?? -
岸の石門
西側の洞穴。
今にも崩れ落ちそうな石門。
長い時間をかけて削られた奇岩。 -
沖の石門
岸から少し離れた沖合に佇む沖の石門。
一つの洞穴が見える。
左には岸の石門が少し覗いている。 -
海鳥と沖の石門
石門は近くの恋路ヶ浜側から
見るのもいいらしい。
毎年10月中旬と2月中旬は、
石門の洞穴から朝日が昇る瞬間に
出合えるそうだ。
曙色に染まる海や空を背景に
綺麗な岩や石門の
シルエットが見られそう。
岩に点々と黒いのは
羽を休め日光浴の海鳥のようだ。
多分、ウミウ・・か? -
ヤシの花・・?
今頃咲くヤシの花。
カナリーヤシ(フェニックス)のようです。
常春の渥美半島だからなのでしょうか?
カナリーヤシは、カナリー諸島原産で公園や庭園に植栽される常緑高木の椰子。雌雄異株で樹高15〜20mになる。 -
ツルソバ
白い米粒大の花が咲く蔓性の植物。
伊良湖あたりでは散策路などで沢山見られた。
白い花と黒い実が印象的。 -
日出園地の歌碑
日出の石門を見下ろせる園地には、
島崎藤村作詞による国民歌謡「椰子の実」誕生を記す記念碑や大中寅二作曲の歌碑が立てられている。 -
園地に立つ歌碑
「名も知らぬ 遠き島より 流れよる
椰子の実ひとつ・・」
の碑がある。
柳田國男が1898年(明治31年)恋路ヶ浜の
砂浜に遊び、拾った椰子の実の話を、
一緒に来られなかった島崎藤村にしたところ、
藤村が想像を逞しくして創作したのが
「椰子の実」とされるなどの
物語が記されている。 -
片浜十三里
日出の石門から浜名湖まで約70km続く海岸線が片浜十三里。
昔、何度かこちらで釣りをしたこともあり、釣り人の姿が懐かしく、竿を振る釣り人としばし歓談させてもらった。なんでも今の時期、良型のメバルが釣れるとのこと・・。
日が西に傾くと、急に気温が下がってきました。
では、このあたりで帰路に・・。
〜end〜片浜十三里 自然・景勝地
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 旅猫さん 2013/01/12 10:46:26
- 海辺の植物
- シベックさん、こんにちは。
今年もよろしくお願いいたします。
伊良湖岬、懐かしいです。
去年の2月に訪れましたが、冷たい風が吹いていたのを思い出します。
http://4travel.jp/traveler/tabineko_j/album/10661313/
日出の石門は、交通手段が無く近くで見ることは出来ませんでした。
連れもいましたので。
いつか、一人旅で訪れてみたいものです。
それにしても、色々な植物があるのですね。
アゼトウナもハギクソウも、何とも言えず健気な感じ。
ハギクソウは、貴重な花なのですね。
ぜひ、大切にしたいものです。
旅猫
- シベックさん からの返信 2013/01/12 22:15:53
- RE: 海辺の植物
- 旅猫さん、こんばんは。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
伊良湖岬の菜の花散策記、見せていただきました。
2月末なのに、寒かったようで面食らわれたことでしょうね。
常春の渥美半島でも、やっぱり冬は寒いのです。
今回の渥美半島は、絶滅が危惧されている葉菊草を探しの旅でした。
いつ絶滅しても不思議ではない野草だそうで、最後かも知れないと出かけたのでした。
幸運にもハイネズ林の中で紅葉した葉菊草に出会え、ほっとしました。
アゼトウナは伊豆半島などにも自生しています。
秋にそちらへ行かれることがあったら、海岸の岩場ご覧ください。
行ったついでに、旅猫さんも歩かれた伊良湖岬の峠道や初めての日出の石門にも寄ってみました。
以前、伊良湖は田舎への帰省ルートだったのですが、
最近はとんと行くことも少なくなりました。
でも、私にとっても懐かしい伊良湖岬ですから、たまには足を運ぼうかと思っています。
シベック
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