ホーチミン観光

2010/12/24 - 2010/12/26

ノースウエストの時代にNYを往復した時のマイルがデルタになっても残っていて期限が近付いて来たので不足分を足してホーチミン経由でバンコクに旅立った。ベトナム航空がスカイマイルに加入申請中で、デルタで予約したベトナム航空のチケットの威力はすさまじく、帰りのバンコクホーチミン間はビジネスクラスに変更してくれた。だからという訳ではないが個人的にはベトナム空港の評価は良い。何となくみすぼらしいイメージの航空会社だがスタッフの質は決して悪くない。座席にモニターこそ無かったが機内は綺麗だしCAの接客はGooｄ、食事も悪くないし、飲み物はいつでもオーダー出来た。当たり前の事が当たり前に出来る事が大事なのだ。日本からホーチミンまでは4時間ほどのフライトだったが何のストレスも感じなかった。

エリア ホーチミン(ベトナム)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: ベトナム航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

タンソンニャット空港からホーチミンの街まではバスで移動、インフレの激しいベトナムでは1000ドン５円で簡単に計算できる。旅行ケース持参で乗車すると１０，０００ドン、つまり５０円だ。ベンタン市場隣のバスターミナルまで３０分、噂には聞いていたがバイクの多さは想像以上だった。 乗車中ウトウトしていたら前の席の方が旅行ケースを叩いて起こしてくれた。他の方も自分を見て何か言いたげだ。そう、降りるべき停留所に着いていたのである。旅行者は皆降りる所が一緒なんだろう。礼を言って慌てて降車した。

ホテルまでは徒歩２０分ほどの距離。バイクの波の中を歩くのに最も必要なものは度胸だ。慣れるまで大変だったが、立ち止まる事さえしなければバイク側が歩行者の動きを考えて運転する事が分かり、ホテルに着くころには何の苦もなく道路を横切る事が出来た。街に溶け込んだ気がして妙な感動があった。

ホーチミン滞在中のホテルはオスカーサイゴン。古いホテルで抜群の立地だが格安だった。只、部屋に窓が無かったり部屋備え付けの金庫のカギは「無くしちゃいました」の一言で片付けられたり、深夜エレベーターに乗っていたら突然電源が落ちて真っ暗になったり…完璧を求める人には我慢出来ないホテルだった。エレベータのトラブルの時は腕力で扉を開けたら偶然にもフロアと僅かな段差で停まっていて直ぐ跳び下りた。暫く見守っていたら何の前触れもなく電源が復活して何事も無かったように稼働し始めた。些細な事は云わないのがベトナム流だと自分に言いきかせた。不思議と腹も立たない何か穏やかな雰囲気がホテルにもあった。

ホーチミン市内の観光スポットは狭い範囲に密集していて2日あれば十分見学できる。最もインパクトのあるスポットはベトナム戦争証跡博物館だ。戦争の悲惨な現実の記憶が後世に受け継がれている。建物外には戦闘ヘリや戦車、室内は銃弾の見本や枯葉剤が原因で生まれた奇形児の標本、ピューリッツァ賞を受賞した「安全への逃避」を代表に、悲惨な現実を写した写真の数々がある。「アメリカ憎し」という訳ではないがが、沖縄本土戦の事や米軍基地の事は日本語でも表記されていた。ベトナム戦争は報道規制が無かった為目を覆う写真が大変多い。容赦ない米軍の攻撃は…誰でも疑問に思っていると思う。

その他統一会堂では終戦から時間が止まっている様な雰囲気が印象的であった。フランス領時代の建造物である郵便局のアーチ型天井はとても美しかった。ホーチミンの像や写真が街のいたる所に有った。夜はたまたま通りがかったジャズバーが気に入ってしまい、滞在中は毎日通った。オーナーがサックス奏者で、奥に長い店内では毎晩ゲスト奏者と共に繰り広げられる素晴らしいセッションを楽しむ事が出来た。ミスターマリックに似たオーナーのサックスは最高であった。

　写真はホーチミン市内のジャズバーのコースター、偶然入ったら気に入ってしまい翌日も顔を出してしまった。「地球の歩き方」にも写真が掲載されていて有名なお店の様だ。間口は決して広くないが奥に長く、ステージに並行してソファがあり、その奥にカウンターがある。カウンターからはステージを観る事が難しいが、観ることが出来ないわけではない。一人だったのでソファに座るのも申し訳ないと思って2日ともカウンターからステージの演奏を楽しんだ。
最初はゲスト奏者のみでステージが展開され、その間オーナーはカウンターでＰＣを操作している。暫くして場が盛り上がってからオーナーが演奏に加わる。オーナーには緊張感の欠片も無い印象だったけれどもこのフランクさがとても気に入ってしまった。Ｍｒ.マリックに似た彼とは2日目に店を出る時にお話をした。「連日同じ席に座った独りの客人」という事で声を掛けてくれたのだ。いろいろ話をしたかったが自分の陳腐な英語力では話したい事の半分も言う事は出来ない。この時ほど英会話能力の無さを悔やんだ時は無かった。

写真はホーチミン市内の百貨店に並んでいたソックスです。このいい加減な日本語表記のソックスが堂々と並んでいて思わず写してしまいました。勿論日本製ではないでしょう。何を表現したいのか容易に察しはつきますが日本製を装うなら嘘でも「ちゃんと表記しろよ！」と、つっこみたくなります。日本語会話はともかく、外国の方にとってひらがなやカタカナの表記は難しいモノなのでしょう。誰か気づいているのでしょうが誰も直す事まで考えない様です。アジア特有のおおらかさと言えばそれまでですが、それにしても…いい加減だなあ。

クリスマスのイルミネーションが街中に広がり皆写真を撮っていた。 夜１１時を過ぎるとバイクの大群が一気に何処かに消えて静かな街になった。タクシー運転手にバイク軍団について尋ねると「暑いから行くあても無く走っているだけ」との事、バイクをかき分けての運転は後席から見ているだけで疲れてしまった。

誰が例えたか知らないがガイドブックによるとこの街はプチパリと言われているそうだ。街路樹が並ぶドンコイ通りはシャンゼリーゼに例えられている。…例えるのは自由だが…無理がある。それにしてもホーチミンシティーは面白い街だ。