2010/12/25 - 2010/12/25
260位(同エリア288件中)
しろくまさん
ネット情報でカンボジアのイミグレポリスの悪評を読んで一度お会いしたくなった。賄賂の要求等ネットでも旅雑誌でも評判が悪い。怖いもの見たさ、という訳ではないが興味をもってバンコクからカンボジアのイミグレポリスに会いに行こうと考えた。
ネットで調べると…ある方の情報で「賭け事好きなタイ人や在タイ中国人の為にルンビニ公園から1時間おきに国境カジノに向けてバスが出ている。通称カジノバス。」と嬉しい情報があった。2階建てのサロンバスが写っていて快適そうだ。この情報に懸けた。目的が「イミグレポリスに会う!」だけなので急ぐ必要はない。朝ホテルの朝食を楽しんでから地下鉄でルンビニ公園に向かった。1時間毎にバスは来るのだ。慌てる必要はない…と思っていたのが大いなる間違いであった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
9時前に公園について、それらしいバスを探すが見当たらない。出た直後と勝手に判断してのんびり次を待つが来る気配がない。時間は過ぎる。屋台のおばちゃんに聞くが分からない様子、暫くして日本人カップルに会う。同じ情報を頼りにアンコールワットまで向かう予定なのだそう、宿の確保もしていないそうで無計画なところに好感を持つ。10時を過ぎて焦りと諦めの嫌な気持になる。ちょっと離れた別の屋台のおばちゃんに尋ねると…カジノバスは昼前に1便出発するだけ、との事。ま、ネットの情報なんてこんなものだ。後悔してもしょうがない。カップルに情報を告げるとがっかりした様子でカンボジア行は中止することに…、無計画は時に素早い決断力に変わる。さて、自分はどうしようか…今日1日そのつもりでいたからとりあえず国境を目指そう。通りを渡ってビルの中のスタバに入って時間を潰す。コーヒーを飲まない自分はスタバではティーをオーダーする。コーヒーがメインのスタバでアイスティーをオーダーするのは何か恥ずかしい。
11時を過ぎて時間つぶしにも飽きて再びルンビニ公園へ、既にバスが1台止まっている、あれだろう。豪華なサロンバスだ、金を浪費する奴らを乗せるバスだからか?。国境まで行く旨を告げてパスポートを見せる。それだけで乗車OK、いとも簡単な座席キープとなる。客は中国人が圧倒的に多い。日本人は自分だけか…。出発後水と菓子が配られた。中国人達は何故かパスポートを集められている。団体旅行の面々か?だとしたら自分は団体旅行者のバスに勝手に乗り込んだのか?いや、そんなはずはない、既にパスポートは見せているし何も言われず乗車するように促された、というか勝手にそう思った。パスポートを集めに来たオヤジに何も言わず200THBを渡す。オヤジは1度だけうなずいて何も言わず受け取った。よし!OKだ。一気に気が楽になり、窓の景色を楽しむ余裕が出来た。
バスは高速を跳ばす。高速沿いには数多くの日本を代表する企業の工場が立ち並ぶ。タイの雇用に役立っている事がよく分かるし低賃金で労働力を搾取する現実もよく分かる。日本とタイは仲良しだ。今後もそうでありたい。
3時間ほどで国境の街アランプラヤテートに到着、バスを降りた途端何かを訴える人たちに囲まれるが、訳が分からず何も反応しないと皆あっさりと別の客に声を移す。国境までの案内の申し出か何かだと思うが結局何か分からず事は過ぎる。 -
青空マーケットの様な処でバスを降りて右も左も分からず適当に歩くと通りに出た。国境のシンボルマークが目に入る。目指すところは見つかった。そんなに遠くはない。こんなに近い距離を奴らは商売にしようとしていたのか…?軽い足どりでイミグレを目指す。空港以外でのタイの出国は初めてだったが、何も不安は無い。後ろめたいものは何もないし根拠は無いがタイ国家を信じている。
何事も無く出国を完了して建物を出る。少し歩くと左右に立派な建物が目に入る、これがカジノか…。見る限り建物に人の気配は無いが、中ではアツい戦いが繰り広げられているのだろう。
暫くするとカンボジアのイミグレポリスに声を掛けられる。ビザについて尋ねられたので無い旨を伝えると近くの小屋に案内される。いよいよ始まるイミグレの悪行を期待しながらちょっと緊張して小屋に入る。ビザは日本で準備すると3500円程、郵送手続きのみで面倒だ。時間も数日かかる為事前に準備するつもりは毛頭なかった。現地で発行手続きの場合ビザ代は20米ドル又は1000THBである事は分かっていたので米ドルとTHBの財布は別にしていた。今の為替なら誰でも米ドルを選ぶ。小屋に入ると数人のポリスがいて親分の様な体格の良いポリスの前に座らされる。何故か皆にこやかだ。以下、親分ポリスとの会話…
親分:ビザ代1000THB出してね、
自分:20ドルでもいいですよね。ドル紙幣しか持っていません。
親分:1000THB必要だよ。
自分:<ドル紙幣の入った財布を開けて>これしかないんです…。
親分:分かった。それはそうと、写真は持っているかい?
自分:いえ、どこかで撮ります。
親分:じゃあ、まず写真を撮っていらっしゃい。
<外の小屋を指さして>あそこに写真屋さんがあるから…。
写真代1000THBね!
終始にこやかな顔した親分ポリスとの会話が終わり、仕方なく写真を撮りに行く。写真代をふっかけてくるとは思いつかなかった。悔しい、誰が顔写真1枚に2800円も払うというのだ…。外に出て写真屋さんを探すがとても写真を撮ってくれる様な店は無かった、と言うか、写真を撮られるのに抵抗があったので見つける気持ちも無かった。
まあいいや、何とかなるだろう。そのまま何も準備せずに道を横切って歩き続けて入国側に向かった。
-
細い溝のような川が流れている。陸路で国境を超えるのは初めてだ。島国以外では何ら不思議な事ではないのだが、何か新鮮な気持ちだ。カジノの立派な建物が幾つも在る。中では熱い戦いが繰り広げられているのだろう。これはカンボジア側の建物で、貧しい国が外貨を稼ぐ手段にもなっているようだ。大きな台車に荷物をいっぱい積んで何人かが道の真ん中を通過している…。彼らの入出国はどうなっているんだろう…素朴な疑問は眩しく光る太陽と青空に消える。
-
入国事務所に入ってパスポートを差し出すが、ビザが無いのでそのまま返されて「あそこの人に言ってビザを取得して来なさい。」と優しく諭される。やはりビザ無しの入国は無理だった。まあ、当然だが…。少し戻ってポリスの元に。
2人組の穏やかな顔をしたイミグレポリスが通りにある小さな詰所に待機していた。先程の親分ポリスよりも貫禄が無い分優しそうだ。さあ、バトル再開だ。
自分:ビザが欲しいんですけど…
おじさん:<申込書を差し出して>これを書いてね。
自分:<書きながら>20ドルでいいですよね。
おじさん:タイバーツで支払ってね。1000THBだよ。
自分:<書きながら少し考えて…>写真が無いんですが…
おじさん:写真は要らないよ。
自分:えっ、要らないんですか?
おじさん:要らないよ、なんで?
自分:…いえ、別に… 。
よし、ここで手を打とう。優しそうなおじさんポリスに悪意は全く感じられない。タイとの交易が盛んなカンボジアでは米ドルよりもタイバーツが便利なのは容易に察しがつく。これ以上の悪あがきは徒労だ。
パスポートと1000THBを差し出すと無口な方のポリスが何処かに消えていった。暫く優しそうなおじさんポリスと2人だけになって話をする。
おじさん:カンボジアには観光で?
自分:はい。<ポリスの悪行を見る為に…なんて口が裂けても言えない>
おじさん:アンコールワットに行った?
自分:いえ、まだです。今日は遅いので次の機会に…。
おじさん:国境を超えると大きなマーケットがあるよ。
安いから何でも買うといいよ。
自分:分かりました、ありがとうございます。
自分:記念に写真を撮っていいですか?
おじさん:どうぞどうぞ…
暫くして無口なポリスが帰ってきた。先程記入した書面が複写になっていて写しの用紙がシールの様に貼られていた。実は初めてビザなるものを取得した。それはパスポート1ページ分を占拠していた…ビザってこういうものなんだ…。 -
無事入国してロータリーのある広場に出る。タイ側とは明らかに異なる街並だ。カラーが無い、色が無いのだ。おじさんポリスが言っていたマーケットは何処だろう…。もっと先なのかな?暫く歩くと舗装状態が悪くなっていくのが分かる。
携帯電話のショップを見つけた。旅行者向けか? 裸足で歩く少女を写真におさめる、僅かなチップを渡す。歩いて行くことが出来る範囲にはこの先何も無いだろう。イミグレポリスの悪行は未遂だったが何となく分かった。この街に用は無い。よし、タイに帰ろう。 -
15分ほどのカンボジア・ポイペト滞在後、出国入国手続きを無事完了してアランプラヤテートのマーケットに着く。食品から日用品までいろんなものが販売されている賑やかで活気ある国境の街のマーケットだ。 何も買う気は無いが見ているだけで楽しかった。
バンコク行きのバスがここから出ている筈だが…カジノバスの方が快適そうだな…。少し歩くと偶然にも発車前のモーチット行バスを発見する。料金は200THBを少し超えた額だ。豪華なカジノバスの方が安い事に驚いてしまったが、今更カジノバスを探す気は無い。座席は全席指定で隣はゴーゴーバーで働く女性だった。彼女はカンボジア国籍でバンコクのバーで働いている。馴染みのソイカやナナではないので店の名前は聞いたが忘れてしまった。気の優しい彼女とはいろいろ話が出来た。おやつをくれたり差し上げたり…3時間ほどの帰路は退屈しなかった。日本で長距離バスに乗ってもこんな事は無いだろう。
バスは高速道?を跳ばす。道路沿いには民家が在って一般道の様だが信号が殆ど無い。それでもモーチットバスターミナルに着いた時は真っ暗だった。 バスターミナルからモーターサイで最寄りのBTS駅へ。金額交渉しようと思ったがパネルに行き先と金額が提示してあったので諦めて提示額の70THBを払う。夜のBTS車内は涼しいのを超えて寒い。
ホテル到着後ソイカに出向いて馴染みの店に出向きカンボジア日帰りを話すと随分驚いた様子だった。こんな事は二度としない、と思う…。
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