2012/08/15 - 2012/08/15
1位(同エリア9件中)
エンリケさん
ブルガリア旅行6日目。
首都ソフィアから東の黒海を目指してブルガリアを横断してきた旅も、いよいよ終盤です。
この日はバルカン山脈中の古都ヴェリコ・タルノヴォからさらに東へ約230km進み、遂に黒海に到達。
黒海沿岸の街ヴァルナはまぶしい太陽と青い空の下、地元の人々や観光客で賑わう“夏の首都”となっており、これまで見てきたソフィアをはじめとする内陸の街以上の活気。
その後に訪れた、同じく黒海沿岸の街ブルガスとあわせ、日本人にはあまりなじみのない“白人ばかりの黒海リゾート”の雰囲気を、わずかながらも感じとることができました。
<旅程表>
2012年
8月10日(金) 成田→ソウル→モスクワ→ソフィア
8月11日(土) ソフィア
8月12日(日) ソフィア→リラ→ソフィア
8月13日(月) ソフィア→プロヴディフ
8月14日(火) プロヴディフ→ヴェリコ・タルノヴォ
○8月15日(水) ヴェリコ・タルノヴォ→ヴァルナ→ブルガス
8月16日(木) ブルガス→ネセバル→ブルガス→
8月17日(金) →イスタンブール
8月18日(土) イスタンブール→
8月19日(日) →ソウル→成田
- 旅行の満足度
- 3.0
- 観光
- 3.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 2.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- アシアナ航空 アエロフロート・ロシア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
8月15日(水)
7時、ヴェリコ・タルノヴォ、ヤントラグランドホテルの朝です。
ホテルのロビーに設置された大きなガラス窓から、ツァレヴェッツの丘に昇りくる朝日を観賞。
この日も山間の古都の平穏な一日が始まっていくのかな・・・。 -
太陽が昇っていき、辺りがだんだんとオレンジ色の陽光に照らされ、明るくなってきました。
-
ヤントラ川の切り立った崖の上に建つ赤い屋根の旧市街の建物も、朝日を浴びてオレンジ色に染まっていきます。
-
日の出を観賞した後は、下に降りてツァレヴェッツの丘の見えるレストランで朝食。
・・・よく考えてみたら、ソフィア、プロヴディフとこれまでのホテルは朝食なしのところばかりだったので、この旅初めてのホテルでの朝食です。
やはりホテルでの食事は落ちつけていいですね。
朝食はアメリカンブレックファスト形式で、ヨーグルトもあったのでこれはと味試し。
しかしどこかで食べたような味で、ただの“ダノン”だったのかもしれません・・・。 -
さて、この日は黒海沿岸の街ヴァルナを経由して、トルコ・イスタンブールへの窓口、ブルガスまで行く予定なのですが、いちばん早いバスが9時45分の出発のため、それまでの間、旧市街を散策。
まずは8時にホテルを出て、前日にぶらぶらしたサモヴォドスカタ・チャルシャの北、坂を昇ったところのヴァロシュ地区にある聖ニコラ教会へ。
ブルガリアの小さな教会はこの写真のように、門など入口のところに人々の顔写真入りの白い紙が貼られていることが多いのですが、これらはこの教会区で亡くなった方々を表すものなのだそうです。
こんな追悼の方法もあるのですね・・・。 -
聖ニコラ教会はブルガリアがオスマン帝国からの独立を目指す民族復興期の1836年に完成した教会。
外観は地味でも、内部はイコノスタシスを中心に壮麗な装飾が施されており、この日も早朝から熱心な男性信者が司祭とともにお経のような祈りの言葉を捧げていました。
イコノスタシスを含む内陣部分は撮影禁止のため、建物の入口部分のフレスコ画のみ撮影しますが、このフレスコ画からでも、内陣部分の鮮やかな装飾の様子が伝わってくると思います。 -
続いては、さらに坂道を上へ昇って、聖キリル・メトディー教会へ。
キリル文字のもとになったグラゴル文字を考案した9世紀のギリシャ(東ローマ)人宣教師、キュリロスとメトディオス兄弟の名を冠した教会で、前日に見た民族復興期博物館と同様、民族復興期を代表する建築家コリュ・フィチェトの設計により1860年に建てられたものです。
さすが有名建築家の設計らしく、ファサードを縁取る曲線や入口のガラス扉の形がオシャレ。
内部では、熱心な信者と見られるおばあさんが掃除をしており、こちらが“ドーバル・デン”(こんにちは)と声をかけると、にこやかに笑ってあいさつを返してくれました。 -
2つの歴史ある教会も見たし、そろそろバス停に向かうため、荷物を取りにホテルに戻ります。
坂道を降りて行くと、先ほど訪れた聖ニコラ教会の赤い屋根と白い鐘楼が見えてきました。
ヴェリコ・タルノヴォの旧市街の建物はこんな赤い屋根で統一され、一体感をもった街並みが形成されています。 -
高台のヴァロシュ地区から見たヴェリコ・タルノヴォの街並み。
この日も静かな時が流れていきそうです。 -
ホテルに戻ってきて荷物をまとめ、9時にチェックアウト。
最後にロビーの窓から見えるツァレヴェッツの丘をパチリ。
日程が許せばこの近郊のアルバナシ村なども訪れて、もう少しバルカン山中ののんびりとした雰囲気に浸っていたかったですね。 -
さて、地図を見るとヴァルナへのバスの出ているアフトガーラ・ユク(南バスターミナル)まではホテルから1.2kmほどだったため、タクシーを使わずてくてくと歩いていきます。
メインストリートのネザヴィシモスト通りは緑の丘に囲まれたこの街らしく、ところどころ大きな木々に包まれ穏やかな感じ。 -
9時20分、途中で道を聞いたりしてアフトガーラ・ユク(右側の建物)に到着。
バスの発着所はこの建物の裏側にあり、大きな看板もないため、通りからはここが本当にバスターミナルなのか分かりづらいです。
道を聞いたおじさんは、英語は分からないと言いながらも笑顔で的確に場所を案内してくれました(笑)。 -
窓口の美人の女性係員からヴァルナへの切符(17Lv=850円)を買って9時45分、ソフィアから来たバスに乗り込みます。
今度のバスはさすがに首都ソフィアと第三の都市ヴァルナとを結んでいるだけあって大型のもので、乗客もほぼ満員の状態でした。
座席は指定席でしたが、家族連れで来ていた方々に先に座られてしまったので、いちばん後ろの空いている席に座ります。 -
バルカン山脈の東部に位置するヴェリコ・タルノヴォから黒海沿岸のヴァルナまでは約230km。
途中、ブルガリアビールの“シュメンスコ”で有名な内陸部の工業都市シューメンを経由する、約3時間半の道のりです。
バスはバルカン山脈を抜け、なだらかなブルガリアの大地を東へ、東へと進んでいきます。 -
13時30分、バスは人口約35万人のブルガリア第三の都市、ヴァルナのアフトガーラ・ザパット(西バスターミナル)に到着。
これまでの旅で歩きまわって疲れていたので、体を休めていたらあっという間という感じです。
早速街の中心部、聖キリル・メトディー広場を目指します。
さすが黒海沿岸のリゾート地らしく、これまでのどのブルガリアの都市よりも暑い日射しを避けて、大通りの街路樹の下を重い荷物を抱えながら(バスターミナルにはコインロッカーや荷物預かり所はないようでした。)20分ほど歩いて行くと・・・広場にそびえる巨大な大聖堂が見えてきました。 -
この大聖堂は正式には“生神女就寝大聖堂”(しょうしんじょしゅうしんだいせいどう)と言い、ブルガリアが露土戦争によりオスマン帝国から半ば独立した後の1886年、友邦ロシアのサンクト・ペテルブルクにある聖堂を模して建てられたものとされています。
“生神女”とは正教会における聖母マリアのことで、その死のことをカトリックのように“被昇天”と言うのではなく“就寝”と言うのだそうです。
そういえばちょうどこの日(8月15日)は生神女就寝祭(カトリックでは聖母被昇天祭)の日。
巨大な大聖堂の内部には大勢の人々が集い、聖歌合唱などの儀式が行われていました。 -
このヴァルナの生神女就寝大聖堂は、ソフィアのアレクサンダル・ネフスキー大聖堂をはじめとする、これまで見てきた多くの正教会の教会(観光用の教会を除く)と異なり、6Lv(300円)を支払えば内部を撮影することができます。
これまで正教会の教会の内部はまともな写真が撮れなかったため、ここでその鬱憤を晴らすかのように写真を撮りまくりです(もちろん儀式や人々の祈りの邪魔にならないように)。
この生神女就寝大聖堂、ソフィアのアレクサンダル・ネフスキー大聖堂に次ぎ、ブルガリアで2番目の大きさを誇る大聖堂で、その内部も青を基調とした数々の聖人のフレスコ画に彩られた壮麗なものとなっています。 -
正教会の聖堂ではあまりピンときませんが、このようなステンドグラスもあります。
-
信者たちは皆熱心に聖歌の合唱に聴き入っている様子。
・・・そういえばカトリックと違って正教会の聖堂や教会には中央にきちんと並べられたイスはなく、人々はこのように立って祈りを捧げるのが一般的のようです。 -
黒を基調とするイコノスタシスもシックでスタイリッシュな印象。
ヴァルナの生神女就寝大聖堂、日本ではあまり知られていませんが、信者たちの活気も感じられ、装飾とともにとても見応えがある大聖堂でした。 -
14時30分、続いてはこの街にも残る古代ローマ帝国時代の遺跡、浴場(テルマエ)跡を見に行きます。
途中、人々が賑わうネザヴィシモスト広場では、マクドナルドの“M”の文字を掲げているのになぜか英語教室(English Academy)となっている建物を発見。
マクドナルドがつぶれた跡、看板を付け替えずにそのまま建物を転用してしまったのでしょうかね・・・。 -
さて、広場を過ぎるとあちらこちらへ通じる細い道がたくさん出ており、このままでは迷いそうだったので、近くを急ぎ足で歩いていたマダムに声をかけ、ローマの浴場跡までの道を教えてもらおうとしました。
すると、“あなたどこから来たの?学生さん?今日はブルガリアは聖母マリアの就寝祭の祝日でわたしは教会に行かなくちゃならないんだけど、いいわ、少し先だけど連れて行ってあげる”と、急いでいるにも関わらず、道を案内してくれることになりました。
そのマダムはわたしが日本人と分かると、滑らかな英語で、“あなた日本から来たの?実はわたし、昔日本に行くチャンスがあったのよ。あれは13年前、いえ(ちょっとサバ読んじゃったかしら)14年前ね、わたしは学生で、ソフィアの楽団に所属していて歌い手を務めていたの。そのとき日本公演の話があったんだけど、わたしは事情があって行けなかったの”と日本にまつわる思い出話を聞かせてくれました。
とてもしっかりしていながら優しい面もあるマダムで、目的の場所に着いた後、“わたしの名前はエレナよ、ブルガリアの旅を楽しんでいってね”と名前を告げられたのでわたしも名を告げ、感謝の意を表して握手して別れました。 -
こんな日本人が知らないようなブルガリアの街で、日本人として現地の人とあんな会話ができるなんて、なんとも貴重な体験でした。
日本人が滅多に訪れない街だと、わたしの行動ひとつで日本のイメージが決定づけられてしまいますから、本当に気をつけないといけないですよね。
・・・さて、入場料4Lv(200円)を支払って入った古代ローマの浴場跡はまさに廃墟。
ほとんど復元もされず、今にも崩れてきそうな古代の遺跡が辺り一面に広がっていました。
【ローマの公衆浴場〜ブルガリア・オフィシャル観光サイト】
http://bulgariatravel.org/ja/object/92/Rimski_termi_Varna -
古代ローマの浴場跡はこんなふうに周りをアパートに囲まれており、住宅地の真ん中にある古代遺跡といった感じ。
・・・このヴァルナはもともと紀元前数千年紀にトラキア人の集落があったところで、紀元前580年頃になると、海からやってきた古代ギリシャ人が入植、この街はオデッソス(水の上の街)と名付けられ、黒海〜東地中海貿易の拠点として活気を呈していきます。
その後紀元1世紀には古代ローマ帝国の支配下となり、要塞や公共施設が建設され、街はさらなる発展を遂げていきました。 -
この広々とした迷路のような浴場跡は、紀元後2世紀頃に建てられたもの。
当時の広さは約7,000?で、サッカーグラウンドひとつ分に相当する巨大な施設でした。
ローマのカラカラ浴場、ディオクレティアヌス浴場、ドイツ・トリールの皇帝浴場に次ぎ、古代ローマ帝国時代の浴場としては4番目の規模を誇っていたそうです。 -
遺跡の敷地の一角にあるレンガと石でできた建物の中をのぞいてみると、円筒状の土器のようなものがたくさん転がっています。
何かの工房かと思っていたら・・・。 -
近くにあった展示パネルにはこのようなイメージ図が描かれており、円筒状の土器のようなものは、どうやら床暖房に使われた空気の送管だったようです。
この古代ローマの床暖房システムは“ハイポコースト”(hypocoast)と呼ばれ、暖かい空気を浴場のいたるところへ巡らす、現代で言うセントラルヒーティングシステムとして機能していました。
今から2000年も前に現代にも通じるこんな技術があったなんて・・・まさに“平たい顔族”もびっくりの古代ローマのテルマエ技術です(笑)。 -
“公衆浴場”と呼ぶにはあまりにも巨大な施設ですね。
まるで古代の宮殿の廃墟のよう・・・。
そういえば昔見たローマのカラカラ浴場もこんな感じだったなあ・・・。 -
端の方には下へ降りる階段があり、行ってみると真っ直ぐに伸びた通路が。
この通路は地面に埋もれていた部分で、そのためか保存状態は比較的良いようです。 -
当時の浴場の想像図。
どこまで正確に当時の建築様式を反映しているのか分かりませんが、このスポーツ施設のような曲線的なデザインは現代建築にも通じるものがありますね。
・・・古代ローマの浴場跡、見学者はわたしのほかに40代くらいの欧米系のカップル1組くらいでしたが、本家ローマの浴場跡では見当たらなかったハイポコーストも見られ、なかなか興味深かったです。 -
15時、続いては古代ローマの浴場跡を東へ。
5分ほど歩くと・・・プールの向こうに青い海が。
ついに、ソフィアを発ってからずっと目標にしていた黒海へたどりつきました! -
プールの脇には白い砂のビーチが。
みんな横一列にパラソルをかざして海水浴を楽しんでいるようです。
それにしても市の中心部のこんな近くに海水浴場があるとは。
やっぱりヴァルナはブルガリアの夏の首都、街の雰囲気や人々の表情もソフィアより明るい感じですね。 -
プールの脇の道を降りて行くと、雲ひとつない青空と青い海、そして白い砂浜・・・なんだか真面目に観光しているのが馬鹿らしくなってきました(笑)。
それにしてもこの黒海、名前に似合わず見事なくらい青い海です。
そもそも“黒海”という名の命名者は古代ギリシャ人で、エーゲ海に比べて黒っぽい色をしていたことから名付けたらしいのですが、現代ではプランクトンの大量発生により見事なまでに青くなってしまい、その名に似つかわしくない美しい姿を披露しています。
【これが黒海の今の色〜エキサイトニュース(2012年7月24日)】
http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20120724/Gizmodo_201207_post_10640.html -
しかしビーチにいるのは白人ばかりで有色人種の姿は見えず・・・結局居づらくなったので、真面目な観光を続けることにします(笑)。
ヴァルナの街はビーチに沿って緑地が整備されており、プリモルスキ公園として市民の憩いの場となっています。
公園の南端には海軍博物館があり、屋外にはこのように砲台などの各種兵器が展示されています(外から見るだけなら入場料必要なし)。
こういうのをみてきゃっきゃっと声を挙げる人はいませんが(笑)。 -
こちらにはヘリコプター。
真夏のいちばん暑い時間帯だけあって見学している人はほとんどおらず、やはりきゃっきゃっと騒ぐ子どもたちもいませんでした。 -
この時間帯は本当に暑く、歩いていると喉がからからになってきます。
そこで、街歩きの途中、ふと見つけた露店でガラにもなくアイスクリーム(3.1Lv=155円)を買ってしまいました(笑)。
アイスクリームの味は万国共通なのか甘くて懐かしくてほっとする感じ。
しばし日陰でクールダウンです。 -
15時30分、考古学博物館へ(入場料10Lv=500円)。
ヴァルナとその近郊から出土した、旧石器時代から中世までの様々な考古学資料を展示している博物館です。
(内部撮影禁止)
広々とした館内にはそこそこの観光客が入っており、皆熱心に遥か古代の出土品に目を向けています。
数ある展示品の中でも、古代トラキア文明を彷彿とさせる様々な形の黄金細工は特に素晴らしく、紀元前5世紀頃の男性の墓から見つかった黄金の装飾品や、紀元前4〜3世紀頃の、杯の底に山羊や鹿の姿をかたどり、ギリシャ神話の神々のレリーフを側面に刻んだ黄金のリュトン(角杯)など、ソフィアの国立考古学研究所付博物館以上に見ごたえのあるコレクションでした。
【考古学博物館〜ブルガリア・オフィシャル観光サイト】
http://bulgariatravel.org/ja/object/152/Regionalen_istoricheski_muzej_Varna
なお、最近、ヴァルナ近郊から欧州最古とみられる紀元前5千年紀の“町”の跡と塩の生産設備が発掘されたとのニュースがあり、古代トラキア文明の解明につながるのではないかとの期待が寄せられているようです。
【欧州最古の「町」発掘、塩の交易で繁栄か ブルガリア(2012年11月1日AFPBBNews)】
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2910148/9750299
まさに“MASTERキートン”の世界ですね(笑)。 -
16時50分、古代トラキア文明の展示品をまだまだじっくりと見ていたかったですが、この日の宿泊地、ブルガスへのバスの時間もあるので、泣く泣く博物館を後にします。
ヴァルナの考古学博物館、日本人から見ればマニアックなところかもしれませんが、ブルガリア一の本当に素晴らしい博物館でした。
さて、天高くそびえる生神女就寝大聖堂を眺めながら、元来たアフトガーラ(バスターミナル)への道をたどります。 -
通りのスーパーの壁にはスイカにかぶりつく大きな女の子の写真が飾られており、そのかわいらしさに負けて思わずパチリ。
やはりヴァルナの街はソフィアに比べて明るく楽しい感じですね。
・・・ソフィアとその周辺だけ見て帰ってしまったら、ブルガリアの街は暗くて寂しい印象しか残らなかったのではないかと思いますが、黒海沿岸に来てみて、その印象が一変しました。
リゾートが主目的の白人ばかりの黒海沿岸地域ですが、多くの日本人にも訪れてもらい、ブルガリアにもこんな面があるんだということを知ってもらいたいですね。 -
17時15分、元来たアフトガーラ・ザパット(西バスターミナル)から大通りをはさんで向かいの小路を入ったところにあるアフトガーラ・ムラドストに到着。
ブルガスへのバスはこちらの小さなバスターミナルから発着します。
18時の便までしばらく待ち、やってきたのは20人乗り程度のミニバス。
切符は運転手から購入(14Lv=700円)し、いちばん後ろの席に乗り込みます。
少しすると、隣に中年の男性が入ってきて、“ここ空いてますか”と英語で話しかけてきます。
どうぞと言うと、“あなた日本人?、ワタシ、ニホンゴ、スコシ、ハナセマ〜ス”と今度は日本語で話しかけてきました。
ミャンマー旅行での教訓もあったので、これは怪しいと思い、今後の旅のルートを聴かれてもわざと違うルートを言うなど、逃げ場のない車内ですが、その人とは会話の距離をとるようにしました。 -
そうこうしているうちに18時になり、バスは満員となって定刻通りヴァルナを出発。
窓の外を眺めると、今までの内陸のなだらかな丘陵の景色とは打って変わって、青い空、青い海の明るい黒海沿岸の風景。
ヴァルナは黒海沿岸の大観光都市としての側面のほか、経済活動の拠点としての港湾都市、工業都市の一面もあり、ところどころ港や工場も見えます。
・・・バスはこのまま約150kmの黒海沿岸の道を、2時間半をかけてブルガスまで南下していきます。 -
19時、バスは途中、バヤラの街でトイレ休憩。
ヴァルナからブルガスにかけての黒海沿岸には想像以上にリゾートの街が点在しており、通りはどこも、このようにたくさんの観光客で賑わっています。 -
19時30分、夕暮れの時間帯になってきました。
車窓から見える黒海沿岸の街も、夕日を浴びて次第にオレンジ色に染まっていきます。 -
こちらの街も、いかにもリゾートといった格好の観光客が闊歩していますね(笑)。
-
20時30分、バスは定刻通りブルガスのアフトガーラ・ユク(南バスターミナル)に到着。
隣に座っていた男性はこちらがそっけない返事をしていたら途中でおとなしくなり、降りる時も普通にさよならを言ってきただけ。
どこか怪しいホテルや店にでも誘われるんじゃないかと構えていたら、あっさり別れることになり拍子抜けです。
もしかして単純にいい人だったのかも・・・やはり人を見抜くのは難しいですね。 -
さて、アフトガーラ・ユクから5分ほど歩いたところにあるこの日の宿、ホテルブルガリアにチェックイン。
ブルガスでも最高級クラスのホテルですが、物価の低いブルガリアでは1泊5,000円程度で泊まれます。 -
部屋はあらかじめ眺望のいいところをリクエストしておいたら、12階を案内されました。
蒸し暑い黒海沿岸の街ブルガスにあってエアコンの効きもよく、なかなかきれいでいい部屋です。 -
窓から外を見ると・・・ちょうど太陽が沈んで街に灯りがともる頃。
右上の方には薄暗くなった黒海も見えます。 -
街はだんだんとライトアップされていきますが、電力不足のせいなのか、やはりブルガリアの街は灯りが少なく暗い感じです。
それでも、手前には派手な電飾のカジノが輝きを放ち、バカンスにやってきた観光客を楽しませる夜の仕掛けの役割を果たしているようでした。 -
21時、エアコンの効いた部屋でクールダウンした後、夕食を食べに街へ繰り出します。
ホテルの脇から黒海へ向かって伸びるアレコ・ボゴリディ通りは歩行者天国になっており、街灯が少なく暗い中でも、いくつもあるオープンテラスのレストランは観光客で大賑わい。
レストランに入りたいのはやまやまでしたが、まずは翌日のイスタンブールへの夜行バスのチケットを確保するため、通りから少し離れたところにあるメトロ(Metro)社のオフィスへ。
周りが真っ暗な寂しい場所にあるオフィスでしたが、中に入ると一人、女性の係員がいて、夜遅い時間にもかかわらず、テキパキとパソコンで予約の手続きをしてくれました。
メトロ社の夜行バスは23時30分発のものが1便あるだけで、1日前のこの時点で座席は50数席中残り10席もなかったため、チケットの購入は直前ではなくなるべく早めにした方がいいかもしれません。 -
イスタンブールへのチケットを確保した後、アレコ・ボゴリディ通りに戻ってレストランを探しますが、どこもバカンスにやってきたカップルやグループの白人ばかりで、一人旅のアジア人にとってはかなり入りづらい雰囲気・・・。
それでも、なんとか1人でも入れそうなところを見つけて夕食にありつけることができました。
注文したのはブルガリアビールのシュメンスコと、ピーマンのようなものにヨーグルトを詰めたkatakという野菜料理。
味の方は・・・まあそこそこ。
このほかソーセージ料理も頼み、お代はあわせて9.3Lv(465円)。
ミャンマーの外国人向けの店よりも安い印象で、観光客が数多く集まる黒海沿岸のリゾート地でありながら、この価格設定に驚き・・・ぼったくり価格の多いアジアの観光地とは違う、ブルガリアの人々の素朴な気質を表しているのでしょうか。 -
食事を終える頃には、時計はもう23時過ぎ・・・。
アレコ・ボゴリディ通りはまだまだ観光客の通りが絶えず、夜遅くまでリゾート地の賑わいが続いていくようでした。
・・・さて、ブルガリアの観光も残すところあと一日のみ。
翌日はイスタンブールに行く前に、黒海沿岸の世界遺産都市ネセバルを訪れ、ブルガリア最後の旅を楽しみます!
(ブルガリア7日目=ネセバル観光へ続く。)
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この旅行記へのコメント (8)
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- がりさん 2012/11/20 04:00:14
- 気持ち良さそうな街!
- エンリケさん、こんばんは!
ブルガリア、こんなに素敵な街がたくさんある国なんですね。
とくにヴェリコ・タルノヴォ、緑が豊かですごく気持ちが良さそうな街♪
ヨーロッパにはたくさん有名な美しい街があるけれど、ブルガリアにこんなに絵になる街があったなんて。。
優しい人々にも出会えて、素晴らしい街を見つけることができましたね〜。
それにしても、ブルガリアはバス移動がしやすい国のようですね。
僕も、バスに乗って街から街へつないでいく旅のスタイルは好きです。
バスは鉄道よりも街の風景が近くに見えるからいいですよね。
エンリケさんは、旅をしながらブルガリア経済の考察をしていたり、うむむっ!と感心させられることが多いです(笑)。
ひとつひとつの景色にも意味があるんだ、ということに気付かされますね〜。
それでは、続きの旅も楽しみにしています♪
- エンリケさん からの返信 2012/12/08 18:57:04
- いつもご訪問ありがとうございます!
- がりさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます。
ニューヨークから無事(?)帰ってらしたんですね!
ブルガリアは鉄道よりもバスの便がよく、今回の旅はソフィアからイスタンブールまですべてバスを使っての移動となりました。
確かに、バスの方が街並みや通りを歩く人々など、景色が近くに見えていいところがありますよね。
がりさんも今回のカナダ・アメリカの旅では、トロントからナイアガラ、バッファローを経てニューヨークまでバスで向かわれたご様子・・・。
車窓から見えるアメリカっぽい広々とした街並みなど、がりさんの旅も旅情たっぷりでいいですね!
旅行記、ゆっくり拝見させていただきます!
-
- liberty-libertyさん 2012/11/19 17:29:11
- いいなぁ〜(*^o^*)
- エンリケさん、こんにちは!
遅ればせながらようやく、最新旅行記拝見させて頂きました(^o^)
1枚目の写真、西洋絵画の雰囲気ですね〜♪
黒海のブルーと白の眩しさもリゾート感いっぱいでステキ(^o^)
そして、いいなぁ〜と思ったのは
エレナさんとエンリケさんの出会いです(*^o^*)
写真の風景と重なって
とても静かで温かい時間を感じることが出来ました。
最近ずっとストレスが溜まる仕事が続いていたので
かなり癒されました(^o^)
また次回作、楽しみにしていますね〜!
- エンリケさん からの返信 2012/12/08 17:57:42
- いつもご訪問ありがとうございます!
- liberty-libertyさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
最近はわたしも仕事など忙しくて旅行記の更新も遅くなっていますが、こうして懐かしい旅の思い出などを振り返りながらなんとかやっているところです。
そろそろ年末年始のお休みですね。
また素敵な旅で素敵な出会いができればいいものです。
-
- ガブリエラさん 2012/11/04 22:05:02
- こういう出会い、いいですねヽ(^o^)丿
- エンリケさん☆
こんばんは♪
ブルガリアで、日本にゆかりのあるマダムと出会えて、遺跡まで案内してもらえたなんて、素敵なエピソードですね(*^_^*)
エンリケさんが、きっととても感じのいい方なので、マダムも「これは、案内してあげなくっちゃ!!!」と、思ったんでしょうね(^_^)v
エンリケさんのおかげで、きっとマダムの中で、日本の株は上がったはず(^_-)-☆
そして、エンリケさんの旅行記のおかげで、4トラでブルガリアの株アップですねヽ(^o^)丿
欧州の教会、大好きなので、素晴らしい教会の建物、そして内部の美しい装飾、じっくりと拝見いたしました(*^_^*)
ガブ(^_^)v
- エンリケさん からの返信 2012/11/10 21:16:58
- いつもご訪問ありがとうございます!
- ガブリエラさん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
旅のエピソードを入れると旅行記が長くなって読みづらくなってしまうのですが、ガブリエラさんにはちゃんと読んでいただき嬉しい限りです。
素朴で親切な人が多いブルガリアの魅力も伝わったでしょうか。
ブルガリアの旅も残すところあと一日となりましたが、最後までがんばって書いていこうと思いますので、ぜひまた遊びに来てください!
-
- 川岸 町子さん 2012/11/04 20:59:59
- バスの旅
- エンリケさん
こんばんは☆
200km以上のバスの長旅だったのですね。
お疲れ様でした〜。
浴場跡、みごとですね!
高さのある造りだった事が伺えます。
しかもセントラルヒーティングのような設備まで。
この街が、かつてどれほど栄えていたのかわかりますよね。
そして黒海、私も名前の通り黒っぽい色をしているのかと、思っていました・・・。
それなのに明るいブルーなんですね!
以前テレビで見たことあるのですが、魚が沢山捕れるそうですねo(^▽^)o
ちょうどお祭りに出会ったり、
かつて日本へ行く予定があったマダムと出会ったり、
声をかけてくる人がいたり、
きっとエンリケさんが、ブルガリアの旅を楽しんでいる様子が伝わったからだと思いますよ〜♪
まだまだ、バスの旅が続くのですね。
Metroといえば、トルコでMetroバスに乗ったなぁー。
あまり放送されない所だからこそ、じっくり見せていただいています(*^^)v
いつもどおり、文章も読みやすくって好きですよぉ!
では、また〜
川岸 町子
- エンリケさん からの返信 2012/11/10 20:55:35
- いつもご訪問ありがとうございます!
- 川岸 町子さん
こんばんは。いつもご訪問ありがとうございます!
黒海、その重々しい名前から、これまで暗く冷たい海かと思っていましたが、今回初めて黒海沿岸地方を旅してみて、黒海が青く明るい海だということに気付くとともに、沿岸諸都市の夏のリゾート地としての賑わいに大いに驚かされました。
街やビーチではアジア人どころか黒人もまったく見かけず、まさしく白人たちのパラダイスという感じですね。
> Metroといえば、トルコでMetroバスに乗ったなぁー。
川岸さんにとってはトルコは思い出の地なのですね。
早くイスタンブール編を書きたいのですが、なかなかブルガリアを抜け出せず、こちらももどかしく思っているところです。
すでに訪問したことのある方にとっても魅力的な旅行記となるよう、工夫して書いていきたいと思いますので、ぜひまた遊びにいらしてください!
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