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12/23  首都アンタナナリボ空港の頭上にはうっすらと雲がかかるが概ね天気は良好だ。AM9:00離陸。進路は西へ。赤く波打つ荒れた山岳地帯を抜けると、平原に白い突起のようなものが見えてきた。目をこらせば頭にちょこんと葉を茂らせたバオバブとはっきり認識するまで時間はかからなかった。そしてその先には白い砂浜と風が強いのか白波がはっきりと起立する青い海がのっぺりと広がっていた。<br /><br />アンタナナリボからたった45分。短い滑走路と小さな白い体育倉庫をちょっと立派にしたような空港ビルのモロンダヴァ空港に着陸。空はこれ以上ないというくらい青く晴れ渡っている。タラップを降りる腕に南国特有の突き刺すような紫外線がチクチクと感じる。<br /><br />荷物をピックアップし、モロンダヴァの町へ。ここではタクシーが唯一の足らしい。空港内の観光案内所(?)に張り出されてる料金表によれば一律15,000Ar。声を掛けてきたドライヴァーのタクシーに乗り込むと、助手席にもう一人。その助手席君からさっそくモロンダヴァ観光の営業トークが始まる。彼らとの会話からどうやらこの二人は兄弟で助手席の兄貴イヴェスが客をつかまえ、弟のイヴォンが運転手、ときっちり役割分担されているらしい。<br /><br />モロンダヴァ近郊にはベレンティのように「キリンディー保護区」と「バオバブの並木道」が観光の目玉だが、保護区めぐりはもういいかなと思い、後者のみで50,000Arで契約が成立!<br /><br />車は、両サイドに市場やら食堂やら売店やら軒を連ねる町の中心地を抜け、半島のように細長くのびるヌシ・ケリーへ。ホテル・ル・ブーゲンビリアの100mほど先に目をつけておいたHotel Maevaにチェック・イン。一泊60,000Arとお値段はなかなかだが、目の前が白砂の浜でしかもオーシャンビュー、部屋もベッドも文句なし。オーナーのフランス人のおじさんも英語は話せないものの親切だった。<br /><br />午後5時、時間通りホテルに迎えに来てくれていた二人の車に乗り、一路バオバブ並木へ。途中、イヴェスを下し、イヴォンと二人で町から赤茶けて未舗装の埃っぽい道を走ること約30分。草原に飛行機から見たような白いバオバブがポツリポツリと現れてきた。そしてそこからさらに10分。傾きかけた陽が黄色くバオバブ達を照らしている並木道に到着。並木道はには牛車に跨り、家路へ急ぐ人やら観光客目当に掘立小屋のようなところで土産物やら飲み物を売る人やらボロボロのテーブルを道端に出して、バオバブの実を売っている家族の姿も見られる。<br /><br />しばらくバオバブの木の上で一晩過ごす欧米人カップルと雑談を交わしたり、写真を撮っているうちに黄色かった陽がだんだんとその色を濃くしていく。オレンジとも赤ともつかない色がバオバブを染めていく。時が止まったかのように静寂があたりを包む。「そうそう、これが見たくてわざわざこんな遠くまで来たんだよな~」などとぼーっと感慨にひたるうちにみるみる漆黒の闇が迫ってきた。イヴォンに促され車に乗り込む。<br /><br />だけど実はこれからが本番だったのだ。帰路の平原には夕陽の残滓がバオバブ達のシルエットをくっくりと映し出していたのだ。往路には白く照らされていたバオバブが、今度は漆黒に夕焼けに浮かびあがっている。今まで30近い国を回っていて、世界でも有名ないわゆる絶景スポットを見てきたが、これには正直圧倒された。グッと胃を何かにつかまれたようにこみ上げてくるものがあった。<br /><br />「ほんとここまで来てよかった。どうもありがとう」。バオバブたちに心の中で感謝しながら、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。普段から見慣れているのだろう。イヴォンはなんてことはないよという風に鼻歌まじりで町へ車を飛ばした。

マダガスカル③モロンダヴァへ(バオバブ編)

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2011/12/18 - 2011/12/26

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石敢當

石敢當さん

12/23  首都アンタナナリボ空港の頭上にはうっすらと雲がかかるが概ね天気は良好だ。AM9:00離陸。進路は西へ。赤く波打つ荒れた山岳地帯を抜けると、平原に白い突起のようなものが見えてきた。目をこらせば頭にちょこんと葉を茂らせたバオバブとはっきり認識するまで時間はかからなかった。そしてその先には白い砂浜と風が強いのか白波がはっきりと起立する青い海がのっぺりと広がっていた。

アンタナナリボからたった45分。短い滑走路と小さな白い体育倉庫をちょっと立派にしたような空港ビルのモロンダヴァ空港に着陸。空はこれ以上ないというくらい青く晴れ渡っている。タラップを降りる腕に南国特有の突き刺すような紫外線がチクチクと感じる。

荷物をピックアップし、モロンダヴァの町へ。ここではタクシーが唯一の足らしい。空港内の観光案内所(?)に張り出されてる料金表によれば一律15,000Ar。声を掛けてきたドライヴァーのタクシーに乗り込むと、助手席にもう一人。その助手席君からさっそくモロンダヴァ観光の営業トークが始まる。彼らとの会話からどうやらこの二人は兄弟で助手席の兄貴イヴェスが客をつかまえ、弟のイヴォンが運転手、ときっちり役割分担されているらしい。

モロンダヴァ近郊にはベレンティのように「キリンディー保護区」と「バオバブの並木道」が観光の目玉だが、保護区めぐりはもういいかなと思い、後者のみで50,000Arで契約が成立!

車は、両サイドに市場やら食堂やら売店やら軒を連ねる町の中心地を抜け、半島のように細長くのびるヌシ・ケリーへ。ホテル・ル・ブーゲンビリアの100mほど先に目をつけておいたHotel Maevaにチェック・イン。一泊60,000Arとお値段はなかなかだが、目の前が白砂の浜でしかもオーシャンビュー、部屋もベッドも文句なし。オーナーのフランス人のおじさんも英語は話せないものの親切だった。

午後5時、時間通りホテルに迎えに来てくれていた二人の車に乗り、一路バオバブ並木へ。途中、イヴェスを下し、イヴォンと二人で町から赤茶けて未舗装の埃っぽい道を走ること約30分。草原に飛行機から見たような白いバオバブがポツリポツリと現れてきた。そしてそこからさらに10分。傾きかけた陽が黄色くバオバブ達を照らしている並木道に到着。並木道はには牛車に跨り、家路へ急ぐ人やら観光客目当に掘立小屋のようなところで土産物やら飲み物を売る人やらボロボロのテーブルを道端に出して、バオバブの実を売っている家族の姿も見られる。

しばらくバオバブの木の上で一晩過ごす欧米人カップルと雑談を交わしたり、写真を撮っているうちに黄色かった陽がだんだんとその色を濃くしていく。オレンジとも赤ともつかない色がバオバブを染めていく。時が止まったかのように静寂があたりを包む。「そうそう、これが見たくてわざわざこんな遠くまで来たんだよな~」などとぼーっと感慨にひたるうちにみるみる漆黒の闇が迫ってきた。イヴォンに促され車に乗り込む。

だけど実はこれからが本番だったのだ。帰路の平原には夕陽の残滓がバオバブ達のシルエットをくっくりと映し出していたのだ。往路には白く照らされていたバオバブが、今度は漆黒に夕焼けに浮かびあがっている。今まで30近い国を回っていて、世界でも有名ないわゆる絶景スポットを見てきたが、これには正直圧倒された。グッと胃を何かにつかまれたようにこみ上げてくるものがあった。

「ほんとここまで来てよかった。どうもありがとう」。バオバブたちに心の中で感謝しながら、後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。普段から見慣れているのだろう。イヴォンはなんてことはないよという風に鼻歌まじりで町へ車を飛ばした。

  • ホテルの部屋から。

    ホテルの部屋から。

  • ちょうどクリスマスシーズンだったせいか南国でもサンタクロースの帽子をかぶっていた女の子。写っている料理は鶏肉のルマザーヴァ。塩ベースで優しい味だった。

    ちょうどクリスマスシーズンだったせいか南国でもサンタクロースの帽子をかぶっていた女の子。写っている料理は鶏肉のルマザーヴァ。塩ベースで優しい味だった。

  • バオバブの実。お腹の調子がまだいまいちだったので食べませんでしたが、身体にはいいとか・・。

    バオバブの実。お腹の調子がまだいまいちだったので食べませんでしたが、身体にはいいとか・・。

  • 並木道は普通の生活路。牛車に揺られて家路を急ぎます。

    並木道は普通の生活路。牛車に揺られて家路を急ぎます。

  • ホテルの前の海岸で。モザンビーク海峡に陽が沈みます。<br />さらばマダガスカル!

    ホテルの前の海岸で。モザンビーク海峡に陽が沈みます。
    さらばマダガスカル!

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