帰ってきた女子大学院生 東欧ひとりぼっち旅 (6)オシフィエンチム

2004/09/10 - 2004/09/10

訪問国：イギリス（ロンドン）・ポーランド（ワルシャワ・クラクフ）・ベラルーシ（ミンスク）・チェコ（プラハ）・ドイツ（ドレスデン･ベルリン）・香港

テーマ：旧共産圏の現在（チェコとポーランドはEU加盟直後）
同行者：なし
旅行日数：22日間
旅費：おそらく40万円くらい（円安！）
キャリア：ブリティッシュエアウェイズ・キャセイパシフィック航空
トランスファー：成田・ロンドン・香港

旅のプロローグは「帰ってきた女子大学院生東欧ひとりぼっち旅 (1)ロンドン-1」をご覧ください。
http://4travel.jp/traveler/naocom/album/10713062/

エリア アウシュビッツ(ポーランド)

• 旅行の満足度: 3.0
• 観光: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

Day11 アウシュヴィッツ現地ツアーに参加

夜中に胸焼けで目が覚めた。持ってきていた胃腸薬を流し込み、もう一度寝ると朝にはすっきりしていた。

今日はオシフィエンチム（アウシュヴィッツ）の強制収容所跡へのツアーに参加する日。急いで支度をし、9時前にホステルを出た。

ツアーの集合場所は観光客でいっぱい。バスに乗り込み、次の集合場所でさらに人が増え、隣にはロンドンから来たという中年男性が座った。チェコ人作家のミランクンデラに似てるなと思った。旅行専門のライターをしているのだそう。アメリカの大統領選挙の話題など、オシフィエンチムに着くまでしゃべりっぱなし。

ここでおこなわれたことはけっして許されてはいけない。そのことにはちがいないのだけど、博物館はだいたい想像した（ガイドブックで見た）とおりの感じで、とくに新しい発見もびっくりするようなものもなく、記録映画が多少生々しかったくらい。日本語のパンフレットにもそんなに詳しいことが書いてあるわけでもない。

銃殺用の壁。

アウシュヴィッツでは、東洋系の人をほとんど見なかった。一人だけ、日本人とおぼしき若い男性を見ただけ。

アウシュヴィッツにもビルケナウにも、イスラエルから来たという高校生くらいのユダヤ人の集団がいた。彼らはユダヤ帽子をかぶり、ダビデの星のついたトレーナーやマントを着ていてとても目立つ。

なんだかお腹がすいてしまって、売店でホットドッグを買い、第2アウシュヴィッツのビルケナウまでそれをかじりながら移動するという、やや不謹慎なことをしてしまった。

ビルケナウには、馬小屋のようなバラックが見渡すかぎり続いていた。

囚人たちのベッドとトイレを見学して、ビルケナウのツアーはすぐに終わった。

ここがどこかわからなければ、のどかな感じさえする。

よく映画に登場する門。「囚人」たちはここに家畜用列車で乗りつける。

帰りのバスでは何度も眠りこけながら、壮大な田園風景を眺めた。途中で見た、とてもかわいい庭のある家。

ヴァヴェル城のふもとでバスを降り、クラクフ駅に下見に行くことにした。駅だと思って最初に着いたところはバスの切符売り場で、鉄道駅はさらにその奥にあった。電光掲示板の表示がちゃんと理解できることを確認し、帰る途中ソフトクリームを買った。「ロディ　ポプロッシェン（アイスクリームください）」とまでは言えたものの、フレーバーを聞かれると返答に詰まってしまった。すると店員の男の子は、英語で「バニラ？チョコレート？ストロベリー？」などと聞いてきた。しょうがないんだけど、がんばった自分が恥ずかしくなった。

夜になると、アメリカ人の女の子二人連れが同室にやってきた。ヨーロッパ人よりテンション高めで、ホステルはさらに騒がしくなった。二人はワルシャワに行くみたいだったので、使い残した公共交通のチケットをあげた。私は明日の晩、夜行でプラハに出発する。リズとイヴォンはそれとほぼ同じ時間にブダペスト行きの列車にのることがわかり、いっしょに駅まで行くことになった。