阿鼻叫喚の地獄寺　ワット･セーンスック　＊ バンコク紀行(66) ＊

2012/06/23 - 2012/06/23

微笑みの国タイの人は不思議と痛々しい画像がお好みらしく、新聞には事故現場のむごたらしい写真がそのまま載ったり、（学術的価値ありでしょうが）死体博物館があったり…。
そんなタイには地獄絵図を再現した地獄寺なるものがいくつもあって、ふつうにお寺にデートに行くような感覚でお参りするとか。

信仰深きタイの地獄とはいかなるものか…なんて深い考えもなく、暑いからお化け屋敷に涼みに行こうかな…ぐらいに辿り着いた地獄寺。
人が考え得るありとあらゆる拷問の数々にうっぷとなりながら、こんな地獄にだけは堕ちたくないなと思わせるところは、ちゃんとお寺としての使命が果たされたのでした。

エリア パタヤ(タイ)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: タクシー

バンコクから車で1時間ちょっと


リゾート地パタヤとの中間に位置するバンセンの町にあります。
車を調達する以外に何で行けるのかわかりませんが、バンセンの町の中に入って地元の人に道を聞いてもこのお寺を知っている人が少なく、やっとのことで辿り着きました。
（住所も地図もドライバーに渡してありますが、まず地図は読まない。人に訊きながら道を知るのが基本です）


Wat Saen Suk Suthi Wararam
Saen Suk, Mueang Chon Buri, Chon Buri 20130
แสนสุข อ.เมืองชลบุรี
จ.ชลบุรี 20130 ไทย

バンセンの中心部から少し外れたお寺


大通りまで出ると、バンセンビーチのホテルやバーが並んでいました。
バンセンビーチは大リゾート地パタヤから少し離れていて寂れた感じ。江ノ島から遠い湘南の外れ、九十九里でもドライブインが1軒あるだけの端っこの漁村…といったところでしょうか。
雨期ということもあり締まっている店舗が多く見られました。

ワット･セーンスック　Wat Saen Suk Suthi Wararam


何とか入り口に到着。
ここが地獄寺？　ごく普通のお寺に見えます。

門の横には閻魔様と思いきや関帝でした

入り口には説法をする僧侶像


絵解き仏教がすでに始まるあたり、徐々に地獄絵図になっていくのかも…。

奥に長く続く境内


拝観料は取られません。他よりちょっとカラフルですが、特段変わったところもない様子。

ヤックも本堂を護っているし…

タイｰ中混合のような神様も普通に祀られています

釈迦の一生がジオラマで展示されていました

境内の奥に辿り着くと…


いきなりここは地獄の入り口。

煮えてます

地獄の釜の周りには現世で悪徳を重ねた半人半獣カタログ


エビ頭の男はドラッグに手を染めたようです。
エビというのがタイっぽい。

喰われてます

捌かれてます

女子供にも容赦なし

最初はちょっとばかりユーモラスさも感じたジオラマも、見るのがどんどん辛くなってきました…。
1回目投稿時はこの後も盛り沢山の地獄絵図をアップしていましたが、自分でも辛いものは皆さんにもきっと辛い…ということでザクッと削除いたしました。実物はどうぞ現地でお確かめ下さい。

止めどもなく繰り広げられる殺戮シーン。ここで心を入れ替えれば大成功ですが、タイの現世では見返りも仕返しも手放すことはないようです。

タイのこと何でも見てやろう！といつも意気込んできたものの、やっぱり行けばいいってもんじゃない…と軌道修正を考えた瞬間でした。

1つの責め苦に1つのタンブン箱

池の魚にもタンブン用のえさを

裏手に大きな池がありました

なまずが丸々太ってる

お清めのお昼でも…


さっさとバンセンの町を出て、20分ほど南のシラチャの町へやって来ました。
南には工業団地があり日本人学校もある大きな町ですが、観光地ではなくいわば生活する町。
うーん、バンコクを東京に喩えるなら浦和とか柏に来たという感じでしょうか。
The City Hotel Sriracha内の和食店四季に入りました。

http://www.citysriracha.com/

ホテルなのに大盛食堂


涼しくきれいなホテルレストラン。味はちゃんと和食で、大盛定食はデザートまで付いて190〜240Bとかなりお得な値段。コミック（オーナーの趣味でゴルフものとヤクザもののみ）まであるのが食堂風。

土曜のお昼でも入っていたのは私たちだけでしたが、皆さん週末はバンコクに遊びに行っているのかも。平日のお昼にサラリーマンで賑わっていそうなお店でした。

久しぶりに山を見た


バンコクから地獄寺参拝はアリかナシか…マニアックで珍しいことは間違いなしですが微妙なところです。
今日1番の清々しさは帰路に山並みを見たこと。蛭のいない山で山歩きがしたい…。