2012/04/25 - 2012/04/25
2位(同エリア8件中)
frau.himmelさん
- frau.himmelさんTOP
- 旅行記596冊
- クチコミ0件
- Q&A回答19件
- 1,070,140アクセス
- フォロワー151人
シュタイナウ。
ずっと前から行きたいと思っていた街、何度も行く機会があったのに後回しになっていた街。
旧市街は駅から少し距離があるのです。
今までは極力タクシーを使わないで、徒歩か公共機関での街歩きを試みてきました。
苦労して観光をしてこそ旅の醍醐味だ、タクシーなどを使って簡単に回るのは達成感が半減する…、なんて気負っていました。
今回はその気負いを捨てました。
齢も齢ですし一人旅でもあり、楽できるところは楽をしよう、そう考えたらすーっと気持ちが楽になりました。
シュタイナウはグリム兄弟が少年時代を過ごした街です。
感性豊かなグリム童話はこの街で培われたといっても過言ではないでしょう。
-
シュタイナウの駅に降り立ちました。
残念ながらタクシーは止まっていませんでしたが、ゲルンハウゼンで歩き疲れた足も、車窓の風景を楽しんでいたら楽になりました。
「地球の歩き方」にあるようにのどかな田舎道をのんびり歩きます。
自転車が何台も私を追い抜いていきます。 -
ひばりのさえずりを聞きながら、人影が全くないたんぽぽのお花畑をのんびり歩きます。
空気がとっても美味しく感じられます。 -
あらっ、あんなところに猫が…。
「グーテンターク!」
アジアのオバサンが珍しいのでしょうか、じーっと私を見ています。
カメラを向けても逃げません。 -
しばらく行くと、のどかな田園風景の向こうに市街地が見えてきました。
あそこがシュタイナウの旧市街でしょうか。 -
やっぱり旧市街は近いようです。
歴史的旧市街という看板とともに、ドイツ木組みの家街道の標識も。
その下にはゲルンハウゼンの駅でも見かけた「日本祭り」の案内も…。
結構大々的に宣伝しているんですね。 -
この広い道路を横断しなければなりません。
結構交通量が多くて怖いです。 -
でも大丈夫。このボタンを押すと信号が青に変わります。
-
この川はキンツィッヒ川。
駅からここまで7,800メートルくらい歩いたでしょうか。
旧市街はここから更に4,500メートル。 -
旧市街の入口に到着しました。
思ったより近かったです。
さて、左折してグリム兄弟通りに入ります。 -
これは昔の井戸でしょうか。期待に胸が高鳴ります。
-
向こうに見える塔が街中に近づいたことを知らせてくれます。
だけどここは本当にグリム兄弟が育った観光地?
全く観光客の姿が見えませんけど。 -
本当にメルヘン街道ですよね?
おっ、石畳に木組みの家。
考えようによっては、観光客がいなくて静かに観光できるってことは喜ぶべきことよね。 -
街の壁
-
更に進むと、美しい木組みの家々が多くなってきました。
やっぱり美しいー。
木組みの家街道の名前を裏切りません。 -
まず観光案内書を探して地図をゲットしたいと思います。
-
街の案内板。
ラートハウスと観光案内所はもう少し先にあるようです。 -
この看板はグリム兄弟の家。
手前の石の門が入口です。
後で伺いますー。 -
ラートハウスの向かいにある観光案内所でシュタット・プラン(地図)をゲット。
観光案内所の方は大変親切で、私にどこから来たの?って聞いて、日本語の説明書もいただきました。
ちょっとおかしな日本語もありますが、やっぱり楽ですね。 -
市庁舎。
1561年に建造。
以前は市会議所、刑務所、デパート、酒場などとして使われていました。
建物の外壁にあるブロンズ像(全部で8体ある)はかってのシュタイナウの職人(たぶんマイスターのことでしょう)だそうです。 -
カタリーネン教会。
1273年初めて記録に現れた。
街の守護聖人である聖カタリーナを奉っている教会。
聖カタリーナはシュタイナウの紋章にも描かれている。
グリム兄弟のおじいさんである牧師フリードリヒ・グリムは1730年から1777年の間この教会で説教をしていました。 -
メルヒェンの泉。
兄ヤコブ・グリムの生誕200年にちなみ、1985年に造られました。
「かえるの王子」を題材として、娘のブロンズ像とかえる、それに竜が泉のまわりを飾っている。 -
円柱の先端は「いばら姫」のお城が、
円柱の周りにはグリム童話さまざまなモチーフが浮き彫りにされています。 -
マリオネット劇場。
グリム童話を中心として数多いレパートリーの人形劇を上演しています。
かってここはお城の一部で、厩舎として使用されていました。 -
ここの人形劇は世界的にも有名で、日本にも来たことがあるそうです。
冬季はおやすみになりますので気をつけてください。 -
シュタイナウ城。
13世紀末、ハーナウ方伯の居城として建てられた。16世紀にルネッサンス様式に改築された。 -
お城を取り囲む水のない深い堀。
5つの堀で囲まれたお城は何だか北海道の五稜郭を思わせます。 -
お城の中庭。
いかにも中世のドイツのお城そのままといったガッチリとした感じです。 -
お城の中は一部が博物館として公開されており、中世の生活様式やマリオネット劇場の人形の展示、それにグリム兄弟の記念館も設けられているそうです。
入場無料。 -
お城の壁にあったグリム兄弟のレリーフ。
-
高さ35メートルのベルクフリートと呼ばれる高い塔もそのまま残っています。
中世の頃も今も、この風景は全然変わっていないのではないかと思わされます。 -
街の集会室や文化施設として使われている水色のきれいな建物Kumpen Haus。
ちなみにクンペンとはマルクト広場のことで街の中心なのだそうです。 -
その横の階段を下りて行きます。
-
大きなシンボルツリーがとても印象的な広場に出ました。
この広場も何だか由緒ありそう。古い石造りの建物が並んでいます。 -
この井戸も古そうでしょう?
日本語の案内書で確認すると「Maerzborn:3月の泉」と…。 -
あそこでお年寄りがおしゃべりの真っ最中。
歩行器を使用しているので足が悪い方のようですね。
「グーテン・ターク!」
挨拶をして、後ろの建物の写真を撮っていました。
そしたら、空いている隣の椅子を指さして「ここに座りなさい。」と。
遠慮なく座らせていただきます。 -
後ろの古い石造りの建物が気になります。
何の建物か聞きました。
一生懸命説明してくれるんですけど、なにしろお齢のせいか言葉がよく聞き取れません。もっとも私の聞き取り能力もいい加減なものですが…。
「ベッカ、ベッカ…」って、そして中を覘いてみなさいってしぐさをしたので、覘いてみました。
中は雑然としていて今は使われていないようでした。
後で調べてみたら、昔の共同パン焼き小屋だったようです。 -
ここは昔は領主直営の農家だったところで、現在は高齢者専用の住宅と介護サービス施設になっているようです。
二人のご老人はここに住んでいるのですね。 -
またここは、街の壁沿いに造られており、凄いことに中には石のトンネルがあり、車も通り抜け出来ます。
私もそっちの方に出ようとしたら、老人達が何か叫んでいます。
「そっちではないよ!こっちだよ!」って指さしているのです。 -
困りました。
老人が指さすほうはさっき私が出てきたお城。
私そこはもう見たのよ、って言えなくて…(笑)。
と言うより、せっかくこの老人たちがこっちがいいよって教えてくれているのに、むげに違う方向に行くわけには行きません。
仕方がないか、もう一度中に入ることにします。
老人達は、私がちゃんと中に入ったので安心した様子です。
「チュース!」 -
そうね、さっきはこの上の橋は渡ったけど、堀の方は通らなかったものね。
ここは「ヒルシュグラーベン:雄鹿の堀」。
昔、城内の食料用の動物をここで飼育していたのだそうです。 -
木彫りの鹿
-
またマリオネット劇場に戻ってきました。
-
まだまだシュタイナウの見所はたくさんあります。
のんびりしていられません。 -
ラートハウスの横の木組みの家。
タバスコ屋さん? いえ、音楽酒場のようです。 -
グリム兄弟通り。
この街の目抜き通りです。
美しい木組みの家々が建ち並ぶこの道路を中心として、この街は宿場町として栄えました。 -
グリムと名のつくものはまだまだあります。グリム兄弟薬局
-
Stadtborn(街の泉)横丁に入っていったら壊れかけた家がありました。
もしやこれも歴史的建造物の跡?
フォートラに投稿するようになって、古い家を見ると素通り出来なくなりました。(笑) -
グリム兄弟博物館の裏側に来ました。
入口に書いてある文字は…? -
Stadtborn(街の泉)はあちら→と…。
-
この奥にあるようです。
泉も気になりますが…。
そろそろグリム兄弟博物館を見ないと、足の方が疲れた信号を発信し始めました。 -
街の郷土博物館。
グリム兄弟博物館のチケットを買うと、ここも見ることができます。5ユーロ。
先にこちらを急いで見て…。
どこにでもある街の歴史博物館です。
写真撮影禁止ですから写真はありません。 -
さて、いよいよグリム兄弟の家へ。
ここが、メルヘンの家そのものといった感じのグリム兄弟の住んだ家。
実は昔の裁判所だったところで、兄妹の父親は裁判官でした。
裁判所兼官舎のこの家に兄妹は1791年から1796年の5年間住みました。
今はグリム兄弟関係の博物館となっています。 -
下には古い農機具やグリム童話の物語の絵などが飾られています。
-
さてそれではグリム兄弟博物館に入館いたしましょう。
階段を上がって入口に、一連のグリム童話を描いたかわいいポスターが。 -
館内はいろいろ趣向を凝らした兄弟の生い立ちや活動、作品などが展示されています。
撮影禁止なのが残念。 -
購入した小冊子で一部ご覧ください。
グリム童話はヤーコブ・グリムとヴィルヘルム・グリムによって編集された童話集。
ドイツ語ではキンダー・ウント・ハウスメルヒェン(子供と家庭の童話)と呼ばれ、物語は頭文字をとってKHM何番と言います。
モーツアルトのケッヘル何番というのと同じなのかしら…。 -
グリム童話のKHMは200番まであります。
ちなみにKHM1は「かえるの王様」、その他15番「ヘンゼルとグレーテル」、21番「灰かぶり(シンデレラ姫)」、26番「赤頭巾ちゃん」、21番「ブレーメンの音楽隊」、50番「いばら姫」、53番「白雪姫」、89番「がちょう番の娘リーゼル」など私が知っている有名な童話を並べただけでもこの通り。
メルヘン街道のこの中のいくつかの街には私も行ったことがあります。 -
その中でも一番有名な「赤頭巾ちゃん」は多くのスペースをとって展示してありました。
「ホントは怖いグリム童話」って本が一昔前出版されましたね。
最初グリム兄弟は、無教養な田舎の老婆から聞き取ったドイツの民話をそのまま童話にしました。
残酷な場面や性的描写もあり、子供にこのまま見せられないと言うことで何度も編纂を重ね、今日のグリム童話が出来たのだそうです。
それでも、赤頭巾で、狼がおばあさんを食べてしまう話や、ヘンゼルやグレーテルで、魔法使いをかまどに突き落とす場面など今読んでも残酷な場面は残っていますね。 -
この博物館ではヤーコブとヴィルヘルムの弟、ルートヴィッヒ・エミール・グリムの展示もありました。
彼は版画家で、グリム童話の挿絵も手がけています。
写真は、子供達に童話を語っているおばあさんで、エミールの銅版画です。 -
カール・オルフ。
その中にあって、なんでグリム兄弟なの?という場違いな人物の展示がありました。
カール・オルフって言ったらあの「カルミナ・ブラーナ」の作曲者の…?
25,6年前、NHKの名曲アルバムか何かで最初にあの曲を聴いたときは、感動で鳥肌がぞーっと立ったくらい好きな曲なんです。
その人が何故?
実はグリム童話を基にした童話オペラなるものを創ったのですって。 -
ゆっくり見ていたいのはヤマヤマなんですが、そろそろ出ましょうか。
入口のツタのアーチをくぐると…。 -
グリム童話の「カエルの王様」のモニュメントが。
-
そしてその先には…。
実は、シュタイナウは正式名称は、シュタイナウ・アン・デア・シュトラーセ。
(その道の上の)シュタイナウって意味です。
ローテンブルク・オプ・デア・タウバー(タウバー川の上のローテンブルク)と同じですね。 -
ゲルンハウゼンでもご紹介しましたが、(その道の上の)のその道とは、神聖ローマ皇帝が造ったフランクフルトとライプティヒを結ぶ交易路を指します。
ここには当時の交易路がそのまま残っています。 -
グリム兄弟博物館の入口。
門扉はよく見ると「長靴を履いた猫」のモチーフなんですね。 -
さすがに足が疲れました。
ちなみにこの日の歩数計のカウンターは18000歩と出ていました。
ここは無理をしないで観光案内所でタクシーを呼んでもらいます。
タクシーが来るまでの間に写真を。
ラートハウスを横側から見たところです。 -
タクシーが来ました。女性運転手です。
シュタイナウの街に別れを告げてフランクフルトに戻ります。
タクシー代は駅まで4.5ユーロ、チップ込みで5ユーロ払ったけど少なかったかな…?
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
この旅行記へのコメント (2)
-
- ももであさん 2012/06/10 11:27:28
- 足裏マッサージには最適?
- 市庁舎は、カタリーネン教会のデザインに合わせたのですね。
ヨーロッパの街並みは、こういう統一感があるから美しいですね。
日本はそれなりに個性があって、一つ一つは美しい建造物が
多いですが、なにせ統一感ゼロ 寺社の隣にでも平気で、
パチンコ屋を造りますからねぇ
日本の昔話も、元々は怖いものが多かったようですが、グリム
も全然負けてませんね。
ぼくの知ってる怖い赤ずきんでは、狼にだまされて赤ずきんが
食べた肉とワインは、おばあさんの肉と血だったとか。
まるで映画「羊たちの沈黙」のような話です。
おばあさんは、姥捨て山に捨てられていたという説も。
“その道”は、排水路まで掘られて、当時とても立派だったの
でしょうが、歩くと痛そう。
ここはやはりタクシーが正解ですね。
- frau.himmelさん からの返信 2012/06/10 20:32:37
- RE: 足裏マッサージには最適?
- ももであさん こんばんは。
いつもコメントありがとうございます。
とっても励みになります。
ところで
足裏マッサージ??? そんなこと書いたかしら?
意味がわかって 思わず吹き出してしまいました。
”その道”のことですね。
そうそう、あれはホントにいいマッサージになりますね。
足裏マッサージが苦手な私など、とても裸足では歩けません。
排水路なんですね、もしかして汚水が通るものでしょうかアレは。
私はこんな狭くて馬車はどうやって通ったんだろう?
って思っていましたから、わだちの跡かと思いました。
> 日本の昔話も、元々は怖いものが多かったようですが、グリム
> も全然負けてませんね。
>
> ぼくの知ってる怖い赤ずきんでは、狼にだまされて赤ずきんが
> 食べた肉とワインは、おばあさんの肉と血だったとか。
> まるで映画「羊たちの沈黙」のような話です。
> おばあさんは、姥捨て山に捨てられていたという説も。
そういえば、昨夜この旅行記を投稿したあと、「世界不思議発見」で
グリム童話のことをやっていました。
投稿をちょっと早まったかなーと思ったのですが、
シュタイナウのことは触れていませんでしたね。
テレビの中で、もともとドイツの民話は、森や魔女伝説に基づく
おどろおどろしいものが多いって言っていましたね。
日本の民話もそうですね。
でも、ももであさんの赤ずきんちゃん、最高に怖い。
「羊たちの沈黙」、情景が浮かんできました〜〜〜。
ありがとうございました。
himmel
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
2
67