2012/04/28 - 2012/04/28
2位(同エリア709件中)
montsaintmichelさん
- montsaintmichelさんTOP
- 旅行記367冊
- クチコミ0件
- Q&A回答0件
- 3,058,857アクセス
- フォロワー141人
季節の移り変わりは早いものです。花の香りを運ぶ春の風が、いつの間にか青葉若葉を撫でる爽やかな風にすり変わりました。木漏れ日の中で森林浴し、樹木が発する芳香物質フィトンチッドを吸収したことで心身がリフレッシュできました。また、枝葉が風にそよぐ心地良い音色に耳を貸しながら「1/fゆらぎ」に共鳴し、ストレス解消もできました。
阪神地区に住んでいながら、六甲山は近くて遠い存在の観光スポットでした。今般、阪急電車が発行する「六甲・まやエンジョイパス」なるものの存在を知り、一念発起。ゴールデンウィークを利用して一日たっぷりと遊んできました。
コース概要:阪急六甲駅(市バス)→六甲ケーブル下駅(ケーブル)→六甲山上駅(山上バス)→六甲高山植物園(徒歩)→オルゴールミュージアム(山上バス)→六甲山上駅(スカイシャトル・バス)→摩耶山天上寺(徒歩)→星の駅 掬星台(ロープウェイ)→虹の駅(ケーブル)→摩耶ケーブル駅(市バス)→阪急六甲駅
前編では、オルゴールミュージアムまでをレポートさせていただきます。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
六甲山周遊マップと「六甲・まやエンジョイパス」
今回のコース概要とエンジョイパスです。ピンクでハイライトした部分が今回の周遊コースです。
エンジョイパスは1900円。阪急電鉄の主要駅で販売しています。阪急電車だけでなく、今回利用した全ての乗り物に使えます。通常なら、六甲ケーブル:570円、摩耶ケーブル・ロープウェイ:860円と結構かります。市バスや山上バス、スカイシャトルバスを合わせると阪急電車を除いても850円もお得です。ちなみに、エンジョイパスは11月30日までの1日間有効です。紅葉の季節も楽しめそうです。 -
六甲ケーブル下駅
六甲山の表玄関口のひとつである六甲ケーブル下駅です。
ここまでは阪急六甲駅から市バス(16系統)を利用します。市バスは、阪神御影→JR六甲道→阪急六甲の順で巡回しますので阪急六甲から乗車する場合、ほぼ満員状態です。でもゴールデンウェークなど連休の間は、適宜、臨時バスが運行されますので一本やり過ごすと座って行けることもあります。 -
六甲ケーブル下駅
1932年創業の六甲摩耶鉄道のケーブルカー路線。今年、80周年を迎えました。六甲山上駅まで1.7km、標高差493.3mを約10分で結びます。ロマンチックで遊び心溢れる小洒落た車両が六甲山への小旅行を演出してくれます。三代目となる現在の車両は、当方が乗った阪神電車の1号車両をモデルにした「レトロタイプ」と赤と緑が鮮やかな欧州風「クラシックタイプ」の2編成となっています。三代目がデビューした1999年、観光客は震災後で減少傾向にあったそうです。配色が六甲山にピッタリで、神戸の街に元気を取り戻す起死回生の一手だったそうです。 -
六甲ケーブル
途中で「クラシックタイプ」の車両とすれ違います。
創業当時、このケーブルと競い合うように並行して走るロープウェイがあったそうです。この熾烈な競争を終焉させたのは、なんと戦争でした。戦時中、日本軍は鉄材を集めるためにロープウェイとケーブルの撤去を決定。1944年、最初に六甲登山ロープウェイが取り払われたそうです。次は六甲ケーブルというところまできましたが、運よく終戦を迎えて命拾いしたそうです。 -
六甲ケーブル山上駅
山上バス停付近から下界の絶景を眺めることができます。六甲ケーブル山上駅は「1000万ドルの夜景」を楽しめる展覧台とも隣接しています。とは言え、近年は摩耶ロープウェイ山上駅にある掬星台(きくせいだい)にお株を奪われているようですが…。 -
六甲高山植物園 東入口
赤と青緑のクラシカルな山上バスに揺られること10分強で高山植物園に到着。
オルゴールミュージアムへも行かれる場合は、共通チケットが1200円であります。通常、高山植物園600円、オルゴールミュージアム1000円なのでお得です。
この高山植物園は1933年の開園で、我国で最も長い歴史があります。海抜865m、年間平均気温9℃という北海道南部並の冷涼な気候を生かし、高山植物、世界の寒冷地植物、六甲山の自生植物など約1500種を栽培しています。
3月のカタクリ、5月のクリンソウ、クロユリ、6月のエーデルワイス、コマクサ、7月のニッコウキスゲ、8月のヒゴタイ、10〜11月のモミジ、ブナ、ドウダンツツジの紅葉など四季を通じてそれぞれに見ごたえがあるそうです。 -
六甲高山植物園
古くからある植物園ですので、寂れているんじゃない?なんて不埒に思っていましたが、沢山の方々がお気に入りの草花をカメラに収める光景を目の当たりにし、リピーターが多い観光スポットだと気付かされました。中部山岳の高山や北海道礼文島などでしかお目にかかれない花をこんな近場で危険に晒されずに愛でられるのは、何ともありがたい話です。
入口を過ぎるといきなり大きな桜と若葉の競演です。入口はこの東口とオルゴールミュージアムから少し登った所にある西口の二か所ありますが、オルゴールミュージアムへ寄る予定なら東口からの入場がお奨めです。オルゴールミュージアムへはなだらかな下り坂となり、ラクチンです。 -
六甲高山植物園 ユキモチソウ(雪餅草)
道なりに下っていくと左手の何の変哲もない土手にユキモチソウが3本揃って出迎えてくれました。看板も立っていないので気付かない方もおられるのではないでしょうか?少なくとも当方の先を歩いていた団体さんはその部類でした。このレポートを書く段になって入園の際いただいた園内マップを見直したら、現在咲いている花とその位置がアバウトですが記されており、ユキモチソウもありました。いただくマップは是非参考になさって下さい。
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。本州(奈良、三重、静岡)、四国にのみ分布。葉は通常二枚、三小葉または鳥足状に五小葉を付けます。花期は4〜5月。仏炎苞の質はやや厚く、外面は褐紫色、内面は黄白色、舷部は倒卵形でほぼ直立し、先は細く、内曲しています。付属体は白色、棍棒状で先端が著しく膨らむものもあります。名の由来は、この付属体の色や形に基づくそうです。漢字では雪餅草と書くそうです。雪見大福のようにも見れますが、当方の第一印象はビーナスの誕生。 -
六甲高山植物園 小便小僧広場
散策路を下って行くと温室があり、その横には可愛いらしい小便小僧が佇んでいます。ちょっと前までは沢山見られましたが、今や彫像の絶滅危惧種と言っても過言ではありません。下を覗き込む仕草や腰に手を当てたポーズ、膝の曲げ具合などが絶妙でとても愛らしいです。表示によれば、誕生は1962年、ベルギー ブリュッセルのグラン=プラス大広場(世界遺産)の小便小僧ジュリアン君と義兄弟の杯を交わした由緒あるものだそうです。木枯らしが吹きだすと風邪をひかないように特性のマントを着せてもらうのだそうです。昭和60年には植物園を経営する阪神電鉄の球団 阪神タイガースが優勝。それを記念してユニホーム仕様のマントを着せてもらったそうです。 -
六甲高山植物園 ヒメシャガ(姫射干)
アヤメ科アヤメ属の多年草。名の由来は、シャガ(よく見かける白っぽいアヤメ科の花)より小型で形が似ているからだそうです。花期は5〜6月で、直径4cmほどの淡紫色の花を花茎に2〜3個咲かせます。外花被片の中央は白色で、紫色の脈と黄色の斑紋があり、その部位に鶏冠状の突起があります。 -
六甲高山植物園 タヌキラン(狸蘭)
ラン科ではなく、カヤツリグサ科スゲ属で山地の湿った斜面の岩場に生える多年草。茎は太く、高さ30〜100cmにもなるそうです。数個の小穂を付け、最上方の小穂が雄花で下方は雌花となります。名の由来は、花穂を狸の尾に見立てたもの。 -
六甲高山植物園 チシマイワレンゲ
ベンケイソウ科イワレンゲ属。花が咲くと枯れる(一過性)の多年草で、岩の上に生えます。名の由来は、重なった多肉質の葉が蓮華(レンゲ=ハス)の花に似ていることから付けられました。小さな白い花をつけるそうです。特徴は、葉の先が茶褐色に染まっていることです。 -
六甲高山植物園 サギゴケ(鷺苔)
ゴマノハグサ科サギゴケ属の多年草。花の形態を野鳥の鷺の飛翔する姿に例えて「サギ」、匍匐(ほふく)枝を伸ばして地面を覆う姿が「苔(コケ)」を連想させる所から命名されました。花期は4〜5月。花は唇形花で、頂生の総状花序にまばらにつきます。上の唇は浅く2つに、下の唇は深く3つに裂け、下の唇の真ん中に黄色い班模様があります。この模様が昆虫を誘う蜜標となっています。 -
イチオシ
六甲高山植物園 ティアレラ・ニンジャ
北アメリカ原産のユキノシタ科ティアレラ属の耐寒性宿根草です。草丈は20〜50cmになります。花期は3〜5月で淡いピンクの花を咲かせ、ブラシのようで可愛いです。葉は比較的大きく、ベルベットのようで趣きがあります。秋には紅葉するそうです。ニンジャと言うのは、恐らく米国の方の洒落なのでしょうね!? -
六甲山高山植物園 キンバラリア
オオバコ科キンバラリア属の耐寒性多年草でヨーロッパ原産の帰化植物だそうです。名の由来は、ギリシャ語の「kymbalon(楽器のシンバル)」の形やキンバラリア属のある種の葉の形に因むそうです。 -
六甲山高山植物園 コアヤメ
アヤメ科アヤメ属の多年草。草丈が10cm弱と背の低いアヤメです。初夏の頃、分枝した茎に濃色の脈のある青または青紫紅色の花が咲きます。 -
六甲山高山植物園 ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
シソ科ラショウモンカズラ属の多年草。花期は4〜6月で、唇形の鮮やかな紫色の花を数段に着けます。長さが4〜5cmもある大きな花の形を羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕に見立てた命名です。そう言われてみるとちょっと不気味な形をしています。 -
六甲山高山植物園 ムサシアブミ(武蔵鐙)
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。葉は3出複葉で、小葉は卵形をしています。3〜5月頃、真っ直ぐに花茎を伸ばして暗紫色から緑白色の縦筋模様の付いた仏炎苞に包まれた花を咲かせます。舷部は内側に巻き込んでいます。名の由来は、仏炎苞の形を武蔵国で作られたていた馬具の鐙(あぶみ)に見立てたことから来ています。
ちょっと見は、コブラの威嚇体制のようでおっかない感じです。 -
六甲山高山植物園 神津島エビネ
ラン科エビネ属の耐寒性多年草で、神津島原産のコウヅエビネの一種です、花序は総状で直立しています。エビネは美しい花を咲かせる種も多く、観賞用の栽培も盛んです。名の由来は、地下茎の形がエビの尾に似ているからだそうです。花の形を兜率天から降臨する弥勒菩薩に見立て「弥勒花」と呼ぶ地域があるそうです。 -
六甲山高山植物園 ロードデンドロン・アルボレウム
ネパール王国の国花で、ヒマラヤ原産のシャクナゲが丁度見頃を迎えていました。シャクナゲと桜のハーモニーが楽しめました。シャクナゲは、ツツジ科ツツジ属でシャクナゲ亜属の耐寒性常緑広葉樹。漢字で書くと石楠花。名の由来は、漢字を呉音読みしたシャクナンゲが転じてシャクナゲとなったという説が有力なようです。「尺にも満たないから」とか「癪に効くから」という説もあるようですが、俗説のようです。ネパール王国の国花です。 -
六甲山高山植物園 キバナイカリソウ(黄花錨草)
メギ科イカリソウ属 の落葉多年草。林の木陰などに育ち、花期は4〜5月で葉の下側に淡黄色の4枚の花弁が距を突出し錨のような特異な形をした花を咲かせます。通常のイカリソウは淡紫色の花弁だそうです。名の由来は、花の形が船の錨に似ているので付いたそうです。また、古来から淫羊傷氈(いんようかく)という生薬として知られており、強壮剤として今でもユンケルというドリンク剤に使われているそうです。 -
六甲山高山植物園 キバナイカリソウ
メギ科植物とは?
北半球の温帯に14属約650種が分布しています。多年草と低木からなり、日本には7属14種が分布しています。ほとんどがメギ属で、黄色い花を咲かせるメギ(目木、別名コトリトマラズ)、ナンテン、ヒイラギナンテンなどが有名です。別名のコトリトマラズは、刺が鋭くて「小鳥も止まらない」という意味だそうです。
詳細は次のサイトでご確認ください。
http://nannjyamonnjya.blog68.fc2.com/blog-entry-1161.html -
イチオシ
六甲山高山植物園 トキワイカリソウ
薄紫色のトキワイカリソウもありました。清楚な感じの花で、妖精と言われる雰囲気があります。下から覗くとカザグルマのようにも見えます。花弁を透かすようなショットはデジコン様様です。撮影時は周りの草花にも配慮が必要ですのでデジイチではこうしたショットは難しいと思います。適材適所で使い分けるのが一番です。ただし、デジコンでは花が小さ過ぎてピント合わせが難しいのが難点。ピンポイント設定でもなかなか思うようにピントが合ってくれません。 -
六甲山高山植物園 リュウキンカ(立金花)
湿原に足を踏み入れます。散策路の木道は、どこか尾瀬を彷彿とさせます。
キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。花期は5〜7月。茎の先端および葉腋から長い花柄を伸ばし、径2.5〜3cmの黄色い花をつけます。花弁はなく、花弁に見えるのは萼片で、通常5枚、時に6〜7枚のものがあります。名の由来は、茎が直立し、黄金色の花をつけることから立金花と呼ばれるようになったそうです。花言葉は「必ず来る幸福」。 -
六甲山高山植物園 アセビ(馬酔木)
ツツジ科アセビ属の常緑低木草。花期は3〜5月。枝葉には「アセボチン」という有毒成分を含まれていて、馬が食べると酔って足が萎えることから「足癈(あしじひ)」と呼ばれ、次第に変化して「アシビ」そして「アセビ」となったそうです。葉を煎じたものは殺虫剤としても使われているようです。
スズランのような小さな白い花がクラスター状に鈴なりに垂れ下がっているので、すぐ分かります。古くから日本で知られた万葉植物の一つであり、花が赤みがかったものはアケボノアセビと呼ばれるそうです。 -
六甲山高山植物園 ショウジョウバカマ(猩々袴)
ユリ科ショウジョウバカマ属の多年草。花期は、低山では3〜4月ですが、高山では雪が溶けた後の6〜7月になるそうです。尚、花被は花が終わった後もそのまま残り、色が褪せるものの咲いた時の姿を残し、夏には緑の花が咲いている様な姿となるそうです。つまり、写真のものは花の盛りを過ぎたもののようです。
猩々というのは中国の伝説上の生き物で、人に似た顔で子供のような声を出すそうです。鮮やかな赤い体毛を持ち、体つきは犬や猿に似ており、その猩々が袴をはいた姿に見立てられたことからこの名があるそうです。 -
六甲山高山植物園 カタクリ
早春を彩る花ですので、小便小僧広場を下った所にあるカタクリの群落はすでにドライフラワー手前の状態で、撮影に堪えませんでした。諦めかけていた所、湿原と湿原の間の土手に一輪だけ若々しいのが楚々と咲いていました。幸い土手に咲いていたので、下から覗き込むような写真が撮れました。背丈が低い花ですので、ベストアングルで撮るのは難しいそうです。
ユリ科カタクリ属の多年草。古語では「堅香子(かたかご)」と呼ばれていたそうです。日中、花に日が当たると写真のように花被片が開き反り返えります。また、日差しがない日は、終日花が閉じたままです。開花期間は2週間程と短く、ニリンソウなど同様の植物と同様に「スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれています。 -
イチオシ
六甲山高山植物園 カタクリ
かつてはこの鱗茎から抽出したデンプンを片栗粉として調理に用いていたそうです。精製量がごくわずかであるため、近年は片栗粉にはジャガイモやサツマイモから抽出したデンプン粉が用いられています。 -
六甲山高山植物園 ノウルシ(野漆)
トウダイグサ科トウダイグサ属 の湿地を好む多年草。名の由来は 茎から漆(うるし)に似た乳液にかぶれを起こすことがあることから来ています。黄色の花弁のように見えるのは総苞葉です。茎先に5輪生し、逆傘状に枝をのばし杯状花序をつけます。環境省のレッドデータブックでは、絶滅危惧II類(VU)“絶滅の危険が増大している種”とされています。 -
六甲高山植物園 エンコウソウ(猿猴草)
キンポウゲ科リュウキンカ属の多年草。花期は4〜6月。低地〜山地の湿地や水辺に生え、茎の高さは30〜50cm。リュウキンカのように茎は直立せず、地面を這い、茎の先が斜上して直径3cm程の黄金色の花をつけます。花弁に見えるのは萼片です。葉は腎円形で艶があり、縁には粗い鋸歯があります。名の由来は、長く這う茎の様子を手長猿の手足になぞらえたものだそうです。
1981年5月、昭和天皇がこの場所からエンコウソウの群落を興味深くご覧になられたそうです。献上された30株は、皇居内の吹上苑で毎年5月に可憐な黄色い花を咲かせているようです。 -
六甲山高山植物園 サワガニ
普通は夜行性なので日中動き回るのは稀だそうです。ポカポカ陽気に誘われたのでしょうか?
エビ目(十脚目)カニ下目サワガニ科に分類されるサワガニの一種。日本固有種で、一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニです。水がきれいな渓流や小川に多いので、水質階級I(きれいな水)の指標生物ともなっています。 -
イチオシ
六甲山高山植物園 チングルマ
バラ科ダイコンソウ属の落葉小低木の高山植物です。花期は6〜8月。花茎の先に3cm程の白い花を1つ咲かせます。花弁は5枚で、多数の黄色い雌蕊と雄蕊が見られるので遠目には淡い黄色の花に見えます。和名のチングルマの由来は、この実の形が子供が遊ぶ風車(かざぐるま)に見えたことから稚児車(ちごくるま)から転じて付けられたそうです。
チングルマは代表的な雪田植物の一つです。高山帯や亜高山帯の地形的に緩やかな窪地では雪が溜まり易く、遅くまで雪が溶けずに残り、雪が消えるとその直後から植物たちは生長を開始して花を咲かせるのだそうです。 -
六甲山高山植物園 イワウメ
イワウメ科イワウメ属の常緑の小低木の高山植物。北海道から本州中部にかけての高山帯に分布し、岩礫地や岩壁に張り付くように生育します。名の由来は、岩場に咲き、花の形が梅に似ていることから来ているそうです。 -
六甲山高山植物園 ヒダカミセバヤ
ベンケイソウ科ムラサキベンケイソウ属の多年草。北海道の固有種で、日高、十勝、釧路地方の海岸岸壁やアポイ岳の上部などに分布しています。「見せばや」は「見せたい」を意味する古語で、この花の美しさを「誰に見せようか」という意味になります。環境省のレッドリストでは、”絶滅の危険が増大している種”である絶滅危惧II類(VU)に登録されています。開花時期は8〜10月で、紅紫色の小さな花が球形になって咲くそうです。 -
六甲山高山植物園 イワヤツデ
ユキノシタ科ムクデニア属の耐寒性多年草。原生地は、中国・朝鮮半島。別名タンチョウソウ(丹頂草)。花期は3〜4月。渓谷の岩場の湿った場所に生育し、葉の形がヤツデに似ていることが名前の由来です。 -
六甲山高山植物園 ニリンソウ(二輪草)
キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。春山を代表する花のひとつでスプリング・エフェメラルの仲間です。多くは1本の茎から特徴的に2輪ずつ花茎が伸び、和名の由来となっています。しかしひとつの茎につく花の数は1〜3個と幅があり、また花期にもずれがあるので花の咲き初めはひとつだけのことが多いそうです。花の径は2cm程でイチリンソウと比較すると小さいです。若葉は山菜として食用とされますが、有毒植物であるトリカブトの若葉に似ていることから注意が必要です。
-
六甲山高山植物園 マムシグサ(蝮草)
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。ユキモチソウと同じように花序は黄白色で、淡緑色または淡紫色で白い縦筋のある仏炎苞に包まれます。このまま50cm程に成長し、緑の葉が出てくるそうです。名の由来は、偽茎の模様が「マムシ」のように見えることから来ているそうです。背丈10cm程と小さいので竹の子かとも思いましたが、竹藪でもないので不自然だなと思っていました。
この後、成長した姿が気になる方は次のサイトを参照してください。
http://www.weblio.jp/content/%E8%9D%AE%E8%8D%89 -
六甲山高山植物園 キバナイカリソウ(黄花錨草)
ネームプレートが無く定かではありませんが、形から見てイカリソウだと思います。ただし、こちらはクリーム色ではなく本当の黄色で、花弁の長さもさほど発達していません。交雑種が進んでいるのでしょうか? -
六甲山高山植物園 ハシリドコロ(走野老)
ナス科ハシリドコロ属の多年草。花期は4〜5月。釣鐘状の暗紫紅色の花を咲かせますが、夏先には休眠状態に入るため枯れてしまいます。夏から冬までは見ることができない典型的な春植物だそうです。名の由来は、根茎がヤマノイモ科のトコロの根茎に似ていて間違って食べると中毒になり、走り回るからだと言われています。ナス科と言うだけあり、花の外観は茄子そのものです。 -
イチオシ
六甲高山植物園 クマガイソウ(熊谷草)
ラン科アツモリソウ属の多年草。袋状の唇弁を熊谷直実が背負った母衣(ほろ)に例えて名付けられました。別名はホロカケソウ。尚、唇弁ががっしりした方をクマガイソウ、優しげな姿の方をアツモリソウ(敦盛草)と呼び、後者は平敦盛にちなむものです。花の色がそれぞれ白、赤っぽいため源氏の白旗、平氏の赤旗に見立てて命名されたとも言われています。
余談ですが、牛に後ろ向きに乗った僧の絵画をご存知でしょうか?この僧は、源頼朝をして「日本一の剛者」と称えられた熊谷直実です。一の谷の戦い(1184年)で一人の敵に追いつき一騎打ちを挑みますが、相手が素性を明かさないため兜をはぎ取りました。それは、まだ髭も生えていない若武者 平敦盛でした。直実はこの場から立ち去るように父親のように諭しますが、敦盛は2人の名誉のために首をはねてくれるよう懇願しました。一瞬、直実の脳裏にこの日初陣を飾った我が子の姿が浮かびました。しかし、軍勢が押し寄せて来る地響きに「名もなき者に討ち取られるなら、いっそこの直実が」と白刃を振り下ろしました。この後、直実は、頭を丸めて余生を念仏行脚に明け暮れる出家者となったそうです。これは武士道精神の「仁」(慈悲の心)を諭す逸話として知られていますが、欧州騎士道の「ノブレス・オブリージュ」(高貴なる者の義務)にどこか符合するものがあります。 「仁」は万国共通の精神なのでしょう。 -
六甲山高山植物園 タンナゲンカイツツジ
目にも鮮やかな薄紫色のツツジで、園内何処からでも存在感を誇示しています。西日本以北の山地に自生するゲンカイツツジの小型種で韓国済州島産。絶滅危惧?類に指定されています。ゲンカイは「玄海」、タンナは「耽羅=朝鮮の済州島に古代から中世にかけて存在した王国で、百済、統一新羅、高麗に内属し、15世紀初頭に李氏朝鮮に完全併合された」を示します。 -
六甲山高山植物園 ナルシサス・バルボコデューム
ヒガンバナ科スイセン属の多年草。原産地は、地中海西部。花期は3〜4月。別名ペチコート水仙とも呼ばれ、草丈10〜15cm程の原種の水仙。外側の花弁を花被片(かひへん)と言い、中心にあるラッパ状の花弁は副花冠(ふくかかん)と呼ばれます。この花被片と福花冠の特徴によって、種類が分類されます。 -
六甲山高山植物園 プルサティラ・ブルガーリス
キンポウゲ科オキナグサ属の多年草で、ヨーロッパ、シベリアに分布。西洋オキナグサとも呼ばれているそうです。乾燥した岩の多い草地に生え、高さは10〜25cmになります。葉は掌状に分裂し、茎葉は線形で無柄です。花期は3〜5月。紫色の花弁が綺麗ですが、調べてみたらこれは萼片で花弁は無いそうです。 -
イチオシ
六甲山高山植物園 ハルリンドウ(春竜胆)
リンドウ科リンドウ属の二年草。普通、リンドウは秋に咲きますが、ハルリンドウはその名の通り春に咲き、ブルーが印象的な花です。ロゼット状の根生葉から抽苔し、高さは10cm程になり、茎の先端に紫色の花をつけます。花期は3〜5月。花冠は長さ2〜3cmの漏斗状です。太陽の申し子なのか、日の当たる日中に星形の花を開き、夕方には閉じてしまうそうです。また、曇りの日や雨の日には花は開かず閉じたままだそうです。 -
六甲山高山植物園 レブンソウ(礼文草)
マメ科オヤマノエンドウ属の多年草です。花期は6〜7月。礼文島固有種であり、小花はマメ科特有の蝶形をしています。太い根茎から、複数本の総状花序を成す花茎や、奇数羽状複葉を出します。葉裏や茎に多数の産毛が生えています。花後、豆果を付けます。絶滅危惧種に指定されています。一見レンゲ草のようです。 -
六甲山高山植物園 ニホントカゲの幼体
ポカポカ陽気に誘われて岩の隙間から2匹のトカゲがおでましです。
体長は5cm程で、頭と胴体には黒褐色で黒っぽいラインがあります。幼体の時だけ尻尾がコバルトブルーなんだそうです。 -
六甲山高山植物園 オオバキスミレ
スミレ科スミレ属の多年草。花期は4〜7月。寒い地方の代表的なスミレ。直径1.5cm程の黄色の花弁で紫色の線が入っている野が特徴です。 -
六甲山高山植物園 タツタソウ(龍田草)
メギ科タツタソウ属の多年草です。花期は3〜4月。原産地は朝鮮半島北部、中国東北部、アムール地方などで、日露戦争当時に軍艦龍田の乗組員がこの花を持ち帰ったことからつけられた名前だそうです。別名を糸巻草(イトマキグサ)と言い、葉の形から着けられた名前だそうです。 -
六甲山高山植物園 ヒトリシズカ(一人静)
寂しそうに咲いている花がありました。名前を見るとヒトリシズカ。納得です。
センリョウ科チャラン属の多年草。別名ヨシノシズカ(吉野静)と言い、「静」は奈良吉野山での源義経(牛若丸)との別れ際、静御前が舞った姿の喩えで、花穂が 1 本であることから一人静ということです。静御前の名を与えられた清楚な花で、日本の代表的な高山植物です。もう一つ別名があり、眉掃草(まゆはきそう)と言います。 -
六甲山高山植物園 ユキモチソウ
散策路の途中にも通路に背を向けたユキモチソウがありました。 -
六甲山高山植物園
ロックガーデンからプリンス・ブリッジ方面を写したものです。 -
六甲山高山植物園 プリンス・ブリッジ
現在の天皇陛下が1958年の皇太子時代にご訪問されたことを記念した橋です。その後、老朽化により架け替えられた2代目が現在のプリンス・ブリッジです。現在は吊り橋ではありませんが、木製の装飾により吊り橋の雰囲気を醸し出しています。
左側の黒っぽい屋根のあるところが休憩所です。 -
六甲山高山植物園 休憩所
ここでお弁当をいただきます。
休憩所の側には、天皇陛下行幸と記された小さな記念碑があります。天皇陛下とは昭和天皇を指し、1981年にご訪問されています。更には、浩宮皇太子も1971年にご訪問されています。つまり、六甲高山植物園は昭和天皇から三代に亘ってご訪問を受けている由緒ある植物園です。 -
六甲山高山植物園 ミズバショウ
池の先にある湿地帯に黄色のリュウキンカに囲まれてハーレム状態のミズバショウを発見。季節的にミズバショウは終盤であまり生き生きとしたものがなかったのですが、これは違いました。 -
六甲山高山植物園 コガネミズバショウ
サトイモ科ミズバショウ属の多年草。原産はなんとアメリカ西海岸。和名キバナミズバショウとも言い、苞が黄色いことでそう名付けられたそうです。世界でミズバショウの仲間は2種類しかないそうです。六甲高山植物園で1984年4月に日本初の開花に成功したものだそうです。
アメリカにも水芭蕉が生えていたなんて驚きです。でも、同じような花を愛でながら、どうしてこんなにお互いの文化が違ってしまったのでしょうか? -
六甲山高山植物園 トガクシショウマ(戸隠升麻)
メギ科トガクシショウマ属の多年草。一属一種の珍種。本邦特産の日本海要素を持つ植物で、1883年に長野県戸隠山で最初に発見されたためこの名前が付けられています。主に日本海側の多雪地帯で主にブナ林の下に見られる珍草で、深い雪がこの植物を太古から保護してきたものだそうです。白馬、戸隠、尾瀬に分布するそうですが、環境省のレッドデータ―ブックでは絶滅危惧?類(VU)指定種となっていて今や幻の花と言われているそうです。
余談ですが、戸隠升麻は長野師範学校の校章に使われていました。1901年大正天皇が皇太子殿下だった頃、師範学校を訪れ戸隠升麻をお持ち帰りになったことを記念したものだそうです。 -
イチオシ
六甲山高山植物園 トガクシショウマ
葉の基部に数輪の花を付けます。花は少し赤味が混じる淡紫色で、花弁に見えるのは実は萼片で、花弁は坪型で色は黄色、雄蕊を取り囲むように奥の方に付いています。花期は5〜6月頃。凛として気品に満ち溢れた花です。シラネアオイに似た花ですが小さく俯いています。
この花も小さいのでデジコンではピント合わせに苦労します。こんな時、デジイチがあればなと思います。 -
六甲オルゴールミュージアムへの木道
高山植物園を出ても暫く水辺に沿って木道が続き、尾瀬散策気分を堪能できます。途中、シダの若葉がありました。この時期の葉は柔らかくて瑞々しく、いかにも若葉という感じです。春を感じさせてくれます。 -
六甲オルゴールミュージアム手前 ミツマタ
ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。ミツマタはその枝が必ず三叉、すなわち三つに分岐する特徴があるためこの名があります。春を告げるように一足先に淡い黄色の花を一斉に咲かせるのでサキサクと万葉歌人は詠んだそうです。このミツマタはオレンジ色なので、赤花三椏(あかばなみつまた)と称する園芸種のようです。 -
六甲オルゴールミュージアム手前 ミツマタ
ズームアップです。 -
六甲オルゴールミュージアム
川辺に沿った木道に導かれて歩を進めると森の中に忽然と南ドイツ風のロッジが現れます。1994年に開設され、その2年後に自動演奏楽器を集めたミュージアムとして全国初の博物館相当施設に指定された六甲オルゴールミュージアムです。2007年には常陸宮同妃両殿下、2008年には秋篠宮同妃両殿下、眞子内親王殿下もご来館されています。
静寂感あふれる六甲の森に抱かれ、100年前のアンティークなオルゴールの音色に傾聴しながらタイムスリップ体験を味わえるのは至高の贅沢です。 -
六甲オルゴールミュージアム ダンス・オルガン
毎時00分からレギュラーコンサートが開催されます。約20分のオルゴール演奏ですが、聞き応えがあります。
正面に構えるのは、デカップ・ダンス・オルガン"Dekmpenaer"。
1938年 ベルギー デカップ社製で、高さ約4.6m、幅約7.8mの世界最大級のダンス・オルガン。ダンスホールなどで楽団の代わりとして活躍していました。その迫力ある演奏、多彩な曲目数は、聴く人を心から楽しませてくれます。合計590本の木製パイプに2台のアコーディオンと打楽器が加わって厚みのある音色です。 -
六甲オルゴールミュージアム ディスク・オルゴール
1900年ドイツ製ポリフォン54型”ミカド”
英国で販売される時に”ミカド”と命名されました。19世紀末の欧州ではジャポニズムと呼ばれる日本趣味が流行していたため、エキゾティックなインパクトを希求した結果だそうです。他にも”ゲイシャ”や”ショウグン”というオルゴールもあったそうです。
オルゴールの音色というのは、なぜか安らぎをもたらしてくれます。世界共通の琴線のようなものが存在するのかもしれません。 -
六甲オルゴールミュージアム ディスク・オルゴール
1904年頃ドイツ ロッホマン"オリジナル"社製172型(左側)
サブライム・ハーモニーとは、良い音を生み出すための工夫です。同じ音の配列を持つ2枚の櫛の調律を微妙にずらすことによって、心地よい音色を響かせます。また、フォルムの美しさも特長です。
目玉は「音の風景」をキーワードにより楽しくなったオルゴール・コンサート。演奏中は20世紀初頭に街中に溢れていた音がバックに流れ、当時の様子を想像しながら演奏を聴くことができます。ドイツのビアホールの賑わい音、暖炉の前で紅茶をカップに注ぐ音等…まるでタイムトラベルしたみたいでした。 -
六甲オルゴールミュージアム ディスク・オルゴール
実はこのコンサート、オルゴールを変えたり、演奏する曲目をコンサート毎に変えているので何度聴いても楽しめる内容になっているのです。おかげで当方は、1時間半演奏に聞き惚れました。
コンサート間の休憩中は、近くに寄って自由に写真撮影ができます。 -
イチオシ
六甲オルゴールミュージアム 自動人形エクリヴァン
1988年 スイス ミシェル・ベルトラン作
オルゴールの音色を聴きながら夜更けにピエロが手紙を書いています。ウトウトと居眠りを始めてしまう動きが愛くるしいです。しかも、ウトウトし始めるとランプの火も消えそうになります。目覚めたピエロは灯を大きくしてから再び手紙を書き始めます。 -
六甲オルゴールミュージアム
3階の観客席から俯瞰した写真。電飾が付くと賑やかさが一層増します。 -
六甲オルゴールミュージアム
毎時30分からは、特別コンサートが15分程開催されます。趣向が凝らしてあり、内容は季節毎に変わるようです。今回は自動オルガン演奏。ヨーロッパの街角で演奏された手回しオルガンのコンサートを楽しみました。希望すれば、手回しで演奏させてもらうことも可能です。
写真は、ストリート・オルガン・プレイヤーと言う作品です。背中に大太鼓、頭にベルを着けて愛嬌たっぷりに演奏します。 -
六甲オルゴールミュージアム
1998年脇田直紀作の自動オルガン演奏器”オルガネッタ?型”。
68本の手製のパイプとベル、太鼓を駆使し、耳に心地よい優しく柔らかい音色が特徴です。とても癒されます。 -
六甲オルゴールミュージアム
英国風の池のある中庭では、大道芸人が子供達を楽しませていました。その傍らには、レンギョウの花が今を盛りと咲き誇っていました。 -
六甲オルゴールミュージアム
出口付近にあったミニミニ・チューリップです。
スカイシャトル(バス)で摩耶ロープウェイ山上駅にある掬星台に向かうため、一度六甲ケーブル山上駅まで戻ります。後編は摩耶山天上寺〜掬星台ですが、お子さん連れの場合は、天上寺の代わりにスカイシャトルバスで行ける六甲山牧場をアレンジされるといいですよ。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
71