2012/04/06 - 2012/04/10
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volansさん
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旅の4日目。 宿泊地は尾鷲市賀田。
王台山地を後背に、豊かな漁場が広がる津々浦々のひとつ。
「かた? かだ?」 読み方も知らないし、宿泊地として魅力に欠けるように思い、眼中に無かった場所。
だけど縁あって宿泊する事になりました。
偶然に導かれてたどり着いた所は・・・意外にも魅力的な街。
そんな賀田1日目、夕暮れの街です。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 船 JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
リアス式海岸を貫くように伸びる線路。
内陸から伸びる山の稜線が海に伸びてやがて沈みこむ。
山の谷筋を流れる川は、海と接する所に小さな洲を作り、そこが小さな漁村になっていました。 -
旅の4日目。
宿泊先は三重県尾鷲市賀田。
「ひとり旅の客は敬遠される。」
そう言われているものの、今まで経験しませんでした。
だけど、紀伊半島はほぼ全滅。
割り増し料金、料理は出せない、その日は用事が…etc…。
お勧めの宿を聞いても「観光協会に聞いてくれ」の一点張り。(これは商売上仕方ないのかもしれませんが…。)
今まで当たり前に受けていた親切は、特別あるいは幸運だったんだと実感。
そういう経緯でたどり着いたのが賀田でした。 -
賀田駅に到着。
去り行く列車を見送ります。
旅の初め、北陸では蕾の硬かった桜。
紀伊半島では満開を過ぎ、散り始めていました。 -
そして宿。
釣り客の渡船と民宿を兼業するところでした。
「待っているんだから早く来なくちゃ。」
google map では距離があるように思っていたので、送迎をお願いしてありました。
列車をカメラに収め、改札を抜けた先に待っていた宿のおじさんの第一声。
第二声は・・・「そんなに遠くないんだよ。ここを降りて…」。
駅まで近い事を説明しているよう。明朝は歩いて欲しいらしい。
確かに、実際は近かった。
歩いて土地の雰囲気を感じる事こそ旅。
やぶさかではないけど…
少し右口角が痙攣。
宿の窓からは、薄く賀田湾が見えました。 -
静かな通りも、かつては商店が建ち並ぶメインストリート。
小さな平入りの店が建ち並んでいたようだけど、その多くは壁に直接書かれていた屋号もその跡だけが残る、閉じて久しい様子。
それでも、ポツリポツリと開く何件かの店の気配は、店の前を照らす灯りのように、かろうじて繋がり、一筋の通りとしてまだ生きているように思えました。 -
これから探索する街をひと眺め。
-
目的地、まずはあのお店。
そして、送迎の際に見つけた角の酒屋。
宿泊の際、2リットルのペットボトル飲料は必須。
翌朝、空だった500ミリペットボトルに残りを詰めると丁度なくなる。
日中、ほとんど水分を取らないせいか、普段より消費するよう。
でも、1人でも2人でも2リットルで足りるという事は…
必要量では無く、「あるから飲む」という事かな…。 -
時間は5時過ぎ。
後背の山は、裾が短く急峻。
日暮れは暦以上に早くなります。
夕食は6時30分。
約1時間、急ぎ足で町を歩きます。 -
そう言えばこの部屋、厚手のカーテンはありませんでした。
雨戸があるから代用できるけど。
それとも、磯釣りは夜明けと同時に始めるもの。
出発は夜明け前になるから、カーテンは必要ないという合理的な理由から?
ひとり旅の時は早起き。
第2の目覚まし、「朝日」の為にカーテンを引かないことが多いので、気にはなりませんでした。 -
緩やかな傾斜に広がる街。
周辺の中では大きいほう。
かつては鉄工所も2軒あり、商店も多数あったそう。
以前から漁村では無く、勤め人が多い街だそうです。 -
宿の部屋。
通りに面した部屋。
常連さんの釣り客よりも良い部屋をあてがってくれたみたい。 -
町内を通過する自動車の通行を減らすように、海岸部を埋め立てて道路を新設する事が多い。
この通りも、かつては街と街を結ぶ幹線道路として往来が多かったのかもしれない。 -
宿から数分の食料品店。
ご夫婦で忙しそうに働いていました。
外に広げた商品を片付け始めていたので慌てて入る。 -
かんきつ類が安い。
以前、紀三井寺に訪れた際、参詣道にあった専門店で購入した時は、全く割安感は無かった。
ここはまさに産地価格。
ここに来るまで、「全山みかん畑」といった風景を見てきたけど、それが地元だとこういう風に価格に反映されるんだろう。 -
実はペットボトルのお茶を購入後、引き返してみかんを購入しました。
贅沢かつ乱暴だけど、ジュース代わりに食べても良い。
この時期のかんきつ。
多少、水分が少なくてもと思っていましたが、とってもジューシーで美味しかったです。
(後日談:適当に箱に詰めて送って欲しいな… そう思いTELしましたがダメとの事。 それではと、この地域の通販店を探した所、キロ単位と言う事もありますが、通販サイトの方が割安でした。結果的に良かった?!) -
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「おさすり」
なんだろう・・・?
(「おさすり」は、あずき餡入りの米粉餅をいばらの葉で包んだもの。
「おさすり」はこの地特有の呼び名で、他地域では「いばら餅」という。
5月頃、山で取れたいばらの青葉で餅を包み、10分程度蒸すと、豊かな香りがするらしい。
この日のものは時期柄、青葉に包んで蒸し上げたものではなかったようでした。
端午の節句のちまきと同じく食べる季節の菓子だそうです。) -
「おさすり」は、あずき餡の入った米粉餅をいばらの葉で包んだもの。
5個パックで売られていたので、当初は「とちの実羊羹」等を購入。
おじさんに包んでもらいながら、中から出てきたおばさんと話していると、「1個からでもいいよ」との事!
2個、貰いました。 -
みかん大小4個にペットボトルにお菓子…。
思わぬ荷物になったので、一旦宿へ。
桜饅頭をパクついてエネルギー充填! -
昨今の関心事。
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海岸道路から賀田湾を見る。
宿泊地を選ぶ際、民宿、旅館を探すのは意外と難しい。
出来れば「じゃらん」からは卒業したい。
最近知った、季刊「全国宿泊表」。 でも、今回は参考にならず。
今回は google map で探しました。
そして street view や 衛星写真で、好みの風景を探す。
本当はこういう予習は旅を味気ないものにする。
賀田はそうした過程で、「漁港を有しない面白くない場所」として候補から外れていました。
しかし来て見ると…。
シュミレーションと実際の違いを実感、経験しました。 -
いよいよ散策開始!
適当な路地を探していざ! -
緩やかな家並みが山すそに広がるように見えましたが、
実際はかなり急。 -
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不規則に道が交錯。
漠然とした方向感覚を頼りに、気の向くまま進みます。
進んだ先にもっと面白い道、景色があればそれが正解。 -
見通せる道は少ない。
視界が開けたという事は、先には階段があるという事。 -
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苔むした石垣が美しい。
高度成長期、急傾斜地に造成された宅地群とは違う。
地形に沿い、家々を結ぶ形で伸びる小路。
小刻みに曲りくねり、小さな段差も多い。
歩いていて楽しい。
そして疲れないし飽きない。
昨今の土地区画整理で成形された街にはない面白さ、個性がある。 -
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細い通りを隔てるだけの濃密な空間。
背戸も家々を繋ぐ小路に面し、歩いているとそこに住む人の息遣いを感じる気がする。 -
牛乳配達店の跡。
こんな傾斜地にお店があったのだろうかと思う。
配達風景は絵になるだろうが大変だったろう。 -
どこが往来で、どこが私有地か一瞬迷う。
先に見える緑地は、かつて家があった空き地だろうか…。
それともこの家の裏庭? -
この日は1番上まで言ってみようと言う気持ちは起きませんでした。
目の前に展開する迷路の先を想像するだけで十分、好奇心が満たされました。
そして…「客だから大目に見てくれるだろう」とは思えない宿の主人の雰囲気に、「夕食6時30分」は厳守の時間と心に刻まれていた事もあります。 -
三陸同様、鉄道は山を貫いて浦々を繋ぐものの、浦々を繋ぐ道路は険しいものであったと想像します。
現在は国道は集落を外れ拡幅し、八鬼山トンネルのような長大トンネルで険路をショートカットし幾分便利になったようです。
しかし、雇用を生む産業に乏しく、主力である水産業もその規模は三陸程ではないように思いました。
ゆるやかに過疎化が進み、静けさを増す街。 -
周辺の小集落では閉校が進む学校も、賀田ではまだ健在。
密集する集落のところどころに空き地や空き家はあるものの、大方の家は手入れがされていて、寂しさはありませんでした。 -
これは、観光地ではない街に訪れて思うことですが、
この風景は景観保護されたものではない、時計が進み続けている風景。
街に古びた懐かしさを感じるなら、それは実用する建物としては更新の時期が迫っているという事。
経済性を考えるなら、同じ形の建物が作られるはずは無く、徐々に消え行く景色だと思うと、惜しく思える。 -
時間の経過が人工物に美を与える事に気づかされる。
そして実用の美。
気候風土に沿う事で生まれる美。
そうした魅力がこの街にはある。 -
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ちょうど、山から流れる小川のように、
地形に沿うように、行く筋か流れを増しながら、下へと延びていきます。 -
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どこからでも海が見えると言う訳ではありませんでした。
下る階段に差し掛かった時、
足もとに落ちがちな視線を上げると、
瓦屋根が連なる向こうに、距離の割には薄く広がる湾が見えました。 -
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夕暮れで人通りの少ない街。
ほぼ人に逢わず、面白そうな方へと視界の効かない小路を進むのは本当に楽しかったです。 -
まだ迷い足りないけど、そろそろ宿に目的地を定めて坂を下ります。
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鉄道、船、飛行機、灯台 etc…
港、岬、海峡、島 etc…
なんとなく魅力を感じる場所や物がある。
「坂の町」もそのひとつ。
なんで魅力に思うんだろう。 -
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かつて家があった所。
密集した中でぽっかりと明いた空間。
ホッと胸がすく思いがするのも事実。 -
今降りてきた坂を振り返るとまた違う風景。
思わず引き返したくなる。 -
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タイムオーバーで先に進めなかった道。
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この道も。
明日の電車は7時09分発。
朝食は6時頃。
江崎では5時頃から散歩したけど…コケた。
少々疲れも溜まってるから、明日の朝は無理かもしれない。 -
坂を下りながら、ちょっと生活を垣間見る。
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橋を渡ると宿はもうすぐ。
食料品店は意外とまだ営業しており、掘り出し物が無いかと除いた時計店はカーテンが引かれていました。 -
部屋の窓から見る街も薄闇に沈み始めていました。
部屋の伝統の明かりに、温もりと安心を感じる頃。
結果的に、丁度切り上げるのにいい時間でした。
これから階下で夕食です。 ②に続きます。
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