100年の時を経て祖父の足跡を辿る天津

2011/10/27 - 2011/10/27

20世紀初頭から欧米や日本の租界を中心に街が発展した天津。曽祖父が商社マンであったことで、祖父は1903年に上海で生まれ、その後天津で幼少時代を過ごした。その頃の写真の景色を手がかりに、当時祖父が立った場所を探して天津まで行ってきた。

エリア 天津(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 3.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

北京南駅から城際快速鉄路・和諧号を利用するとわずか３０分で天津に到着できるようになっているという。中国版の新幹線を試してみる。

ドイツ、シーメンス社の車両らしい。

最高速度は速度計をじっと見ていたけど286km/hより上がることはなかった。

天津駅に到着。東京から静岡くらいの距離はあるはずだけど、あっと言う間に着いてしまった。

２等車に乗った。乗り心地は良かったけど、新幹線よりもちょっと座席が狭いなと思った。南京や上海など数時間の移動ではちょっと辛い。

かつて祖父の育った街、天津に到着。日が暮れないうちに昔の写真の場所を探さないと。

天津駅の建物。

天津駅前の様子。川を挟んで正面はその昔、フランス租界だった辺り。

旧万国橋
橋の向こう側が旧フランス租界

旧万国橋から旧日本租界方面を眺める

釣りに興じるおじさんたち。
この橋を超えたら旧日本租界だ。

いよいよ日本租界のあった界隈へ。
津塔は新しい天津のシンボル。かつてはこの辺りに三井洋行(三井物産)があったはず。

海河沿いはかつて山口街と呼ばれ、日本を代表する商社や軍の施設など瀟洒な洋館が立ち並んでいたようだが、今は再開発され、その面影は全くなかった。当時の国力からして、やはり英仏のように１００年経っても使えるような立派な建物を作ることはできなかったのか、それともその後の戦争で恨みを買ってことごとく更地にされたのか･･･。

こうやって、祖父の古い写真を手に持ちながら川のカーブの角度などを頼りに場所を探った。

これが祖父(右)の写真
祖父は1903(明治３６年)生まれなので、この写真はちょうど日露戦争直後の1905〜6年くらいに撮影されたものだろう。
冬には天津の川が凍ってスケートができたという話を小さい頃に聞いていた。後ろに移っている三角屋根の洋館が何の建物かが分かる方がいらっしゃったら教えていただきたい。

そして、これが100年以上の時を経て祖父と同じ場所に立った時の写真。景色は全く変わってしまっているのに、何故か近くに祖父がいるような気がした。

しばしもの思いに耽る･･･。

川沿いの再開発されたエリアから道を一本渡ると、日本租界の名残がある街並みが広がる。

その後旧日本租界エリアを散策。

ここはかつて旭街と呼ばれ日本租界のメインストリートだった場所。今では和平路と呼ばれる。時計台は1900年代前半にはあったそうなので、祖父もこの時計を目にしたことだろう。

こちらが昔の旭街の写真。

和平路を進み旧フランス租界の方までくると街が賑わいを見せる。

旧フランス疎開の濱江道は今でも天津を代表するショッピングストリート。

濱江道と和平路の交差点にて

「狗不理」本店。特別に美味しいとは思わないけど、有名な肉まんのお店なので、一応。

こんな感じで中がジューシーな肉まんなど６種類の味がセットになっている。

日が暮れるのが早い。肉まんを食べたらもう辺りは真っ暗。

天津駅に戻る途中の夜景。
本当は旧日本租界の中にラストエンペラー溥儀の暮らしたお屋敷、洋館の並ぶ旧イギリス租界の五大道、旧イタリア租界、それに古文化街など見所が多いけど、今回は祖父と同じアングルで写真が撮れたのでこれにて北京に戻ります。

帰りの天津駅で列車に乗り込む前、切符を見せると無料でもらえる「チベット高原のミネラルウォーター」。が、特に美味しい水というわけでもなかった･･･が、ちょっと有難みを感じる。