ディオクレティアヌス宮殿でがっかり　2011年レンタカー旅行2

2011/09/23 - 2011/09/24

9月23日
朝コレニッツァを出発。クロアチアの旧セルビア人地区の山間部を南下してクニンへ。クニンはいまは静かな山間の都市ですが、クロアチア紛争時はセルビア系の首都でした。午後は緑豊かなクルカ自然公園を散策。夕方シベニクに向かい、飛び込みで宿を見つけて宿泊しました。

9月24日
午前はアドリア海沿岸を南下しながら古代ローマの遺跡の町スプリトを訪問。午後は高速道路をすっ飛ばしてさらに南へ。途中で東に向かい、ツルヴェニ・グルムで国境を越えて隣国ヘルツェゴヴィナへ。宿を予約してあるモスタルを目指しました。

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2011年9月にクロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロを
レンタカーで旅行してきました。39歳男性、1人旅です。

○21日：羽田→パリ→ザグレブ → ラストケ → プリトヴィツェ泊
○22日：プリトヴィツェ観光 → ビハチ → コレニツァ泊
●23日：→ クニン → クルカ国立公園 → シベニク泊
●24日：→ スプリット → モスタル泊
○25日：→ ブラガイの砦 → ストン → コトル泊
○26日：コトル近郊の要塞 → ショコダル湖 → ブドバ泊
○27日：ブドバ近郊の砲台 → ヘルツェグノビ泊
○28日：→ ドブロブニク →（国内航空）→ ザグレブ泊
○29日：→ パリ→羽田

エリア スプリット(クロアチア)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: レンタカー
• 旅行の手配内容: 個別手配

9月23日。
コレニツァを出発。いい天気でドライブは快適でした。

主要な国道なので分岐点毎の看板は充実しています。目指すクニン Knin は左方向だそうです。

写真はポリエの風景。ポリエは日本ではある特殊なカルスト地形を指す用語ですが、語源となったセルボ・クロアート語の地域では「平野」を指す普通名詞です。地学的な成因は関係ないようです。

ポリエ　Wikipedia　
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%88%E5%9C%B0%E5%BD%A2#.E3.83.9D.E3.83.AA.E3.82.A8

クニンは美しい静かな町でした。1995年8月の紛争で敗北した側の首都でもありこの街の住人の多くは難民となったそうですが。左写真は古城のある丘とクニン市街です。1995年の紛争では勝利した側が古城に国旗を掲げて勝利宣言したそうです。

クニンはクロアチア国鉄の要衝でもあります。が。予想していましたが駅は閑散としていました。クロアチアの鉄道はダメみたいです。

駅の正面入口。昼下がり。人の気配はなく、大時計は壊れてました。

構内に蒸気機関車が静態保存されていました。日本で言うD型機です。銘板によるとチェコ製。

午後はクルカ国立公園 Krka へ。ラストケ、プリトヴィツェと同様の石灰華の滝があります。よくある観光ルートとは逆に上流部から入りました。比高200m近い石灰岩台地から急坂を降りた所に川と湖がありました。

ラストケ、プリトヴィツェと違って海に近く温暖で植物相も豊かです。公園内に湖水浴地もあります。プリトヴィツェのような混雑がないのは魅力的です。

これは段々に連なる滝を上流側から見たもの。石灰華の立派なダム群です。

写真の中心に小さな滝があり、湖に直接流入しています。推測ですが、この写真に写っている湖岸全幅が、石灰華が成長して流水しなくなり、言わば「死んだ」滝のように見受けます。

滝の中洲にある集落。粉引き小屋。水平水車の跡が見えます。

今回写真は撮っていませんが、クルカ国立公園では滝壺で湖水浴ができます。プリトヴィツェやラストケは水が冷たいので、普通の人が湖水浴すると死にます。湖水浴するのでなければ、風景としてはプリトヴィツェの方が上なので、時間のない人はクルカ国立公園は省略してよさそうです。

この晩の宿泊地シベニク Shibenik へ。典型的なダルマチア式海岸の風景です。写真では分かりにくいですが沖合いの島々は実は少しずつ距離が異なる列になって並んでいます。

ダルマチア式海岸 Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%81%E3%82%A2%E5%BC%8F%E6%B5%B7%E5%B2%B8

シベニクでは飛込みで見つけた郊外のプチホテルに泊りました。今回の旅では一番素敵な宿でした。ホテル間の競争が厳しいようで、30ユーロと親切価格でした。

計画では旧市街の宿を、旅行案内所で紹介してもらうつもりでした。しかし旧市街に入ってみると道は混雑し、駐車場も列を作って入場待ちしていました。2回通り過ぎてみましたが、案内所に近づく事も困難。諦めました。

プチホテルの部屋から。シベニクは、旧市街の街並が世界遺産ですがこの日はくたびれて観光する元気もなくなり夕暮れの海を眺めて過ごしました。

巨大なショッピングセンター併設のレストランへ。ザグレブ風カツレツ。ザグレブ風のパン付き。

パンの余りをもらって帰り、スーパーで買ったアヒルのパテ、チーズとサンドイッチにして夜食に。

9月24日朝。プチホテルの外観。宿泊したのは2階の真ん中の部屋でした。

アドリア海沿いをドライブしてスプリト Split へ。まずは車をパーキングロットに。

手前の青い箱が発券機です。周りの車はどれもチケットを掲示しておらず真面目にチケット買うのも損かと思いましたが。携帯電話での電子チケット制度を利用している可能性も否定できないので、購入しておきました。

Living in Croatia　クロアチアで車を運転する時の注意事項
http://livingincroatia.web.fc2.com/car.htm

昼食の頃合。繁華街で魚介類料理のお店を見つけました。

タコのサラダ。材料自体は日本の家庭料理でも揃いそうですがドレッシングがプロの腕前を感じさせました。タコも軟らかかったです。

海老のリゾット。米がフヤケ気味でしたが、そんな物なんでしょう。

徒歩で、世界遺産のディオクレティアヌス宮殿へ。

宮殿周囲は、↑の写真の箇所を除いてすべて土産物屋で埋め尽くされています。

中庭と呼ばれる部屋。ここも土産物屋が。

地上の宮殿内部。ブティックやレストランが立ち並んでいます。この宮殿は古代ローマの皇帝が住居に使用した後は城塞都市として、1000年以上市民が住み、スプリトの街の元となりました。その意味で、宮殿内外を埋め尽くす店舗や露天商の姿は、スプリトの成り立ちを今に伝えるものです。こうした現状が世界遺産に選ばれた理由にもなってるようです。しかし。名称から古代ローマ建築を期待してしまいます。私にとっては旅行で一番の「ガッカリ観光地」でした。

海から見渡す宮殿の全景。行ったことある人でなければどれが宮殿か区別できないと思います。旅行案内に宮殿の全景を写した写真がない（建築時の復元イラストが載っていたりする）のが不思議でしたが、こういう事なのでしょう。

スプリトはクロアチア第2の都市。そして国鉄幹線の終着駅の町でもあります。写真はそのスプリト駅の正面入口です。…何がなんだか分かりません。商店？屋台？が駅の正面を埋め尽くしています。

駅構内から見たスプリト駅の正面入口。ヨーロッパなので、改札口はありません。誰でも無料で出入りできます。正面はアドリア海の島々に行くフェリーの波止場です。この写真でも本当は正面に船が写っています。

スプリト駅構内。プラットフォーム。閑散としています。構内踏切が線路を横切っています。

島へ渡るフェリー。徒歩の人もゾロゾロと乗船しています。フヴァル島 Hvar、ブラーチ島 Brac といったリゾートの島へのフェリーはここから発着しています。

日本では見かけない、冷房を後付けしたバス。

高速道路をモスタルへ向けて南下。スプリト〜ドブロブニク近郊までの間に
立派なサービスエリアが2つありました。設備は整っています。写真は子供用滑り台です。

サービスエリアの海側は、深い谷を挟んで立派な山脈がそびえ立っていました。山岳公園ビオコヴォ Biokovo の裏側です。静かな夕方。谷底の村から牛の鳴き声が聞こえてきます。

この谷はポリエかな？と思って覗いてみると…。ゆるく弧を描く谷底。左側の側面がフラットに削られた山頂。氷食地形、カールのようです。

高速道路は山の中で突然終点に。まだまだ建設中です。山を東側に下るとボスニア・ヘルツェゴビナとの国境に。このプロログ Prolog の入管施設では「ここでは通す事はできない。4km先に大きな入管へ行ってくれ」と追い返されてしまいました。

おそらく地元民の通勤・お買物用の入管なのでしょう。交番に毛の生えたような建物です。パスポートをチェックするスキャナみたいな道具がないのかも知れません。対応は丁寧でした。
ここから先は旅行記その3へ続きます。
http://4travel.jp/traveler/ivan_toby/album/10609359/