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サンクトペテルブルクからフランクフルト(ヴィースバーデン)経由でバンガロールに到着した。これらの国際的観光都市と比較してなんといってもこの町は見劣りする。道路などインフラが未整備で、町はごみだらけでこれといった見所は少ないことはすでにご紹介した。しかしじっとしている訳にはいかないので、週末にバンガロールから隣町の古都マイソールへ列車で日帰りの旅に出た。マイソールを訪れるのは2回目になるが、今回はインド国鉄の誇るシャターブディ・エクスプレスに一度は乗車してみようと思った。<br /><br />インド国鉄は広い国土を網羅しており、62,000kmの線路網を持つ。これは米、露、カナダ、中に次ぐ第5位であるという。主要幹線の軌道は1.676mの広軌を採用している。車両の幅も当然標準軌よりも広い。普通車両には以前にムンバイなどで乗車したが、ビニール張りのきれいとは言いがたい車両で、鉄道ファンの私でも再び乗ろうとは思わないが、今回乗車した1等車両は日本人にとっても許容範囲にある。<br /><br />インド国鉄の誇る豪華車両はニューデリーとコルカタを結ぶラージダーニ・エクスプレスなどが知られているが、これらは例外であって、主要都市間を結ぶのはシャターブディ・エクスプレスである。バンガロールとはチェンナイとマイソールとの間に1往復運行している。今回乗車したのはバンガロールとマイソールの間、139kmをちょうど2時間で走っている。つまり平均時速は約70km、最高速度は80km程度である。中国で300kmの設計速度を380kmまで上げ、重大事故を起こしたことを思えば、インドは身の程を知っている、と言えるかもしれない。<br /><br />バンガロール中央駅は600万人の大都市の中央駅であるが、ヨーロッパ式のターミナル駅ではなく通過型の駅、同じくマイソール駅も通過型の駅であった。バンガロールとマイソールの1等指定席の料金は片道595ルピー(約1200円)、軽食がついてくることを思えば極めて安い。広い車両に2+2列の座席が並びゆったりしている。2等車はこれが2+3列となるが、それでも日本の新幹線よりはゆったりしている。時間については行きも帰りも定刻に出発、ぴったり2時間で到着した。ノンストップであるが、途中の単線区間の行き違いのため10分ほど停止した。線路はすべてコンクリートのPC枕木に置き換えられており、よく整備されていた。複線化工事が全線で進行中であった。<br /><br />同区間で15人ほどの日本人の男性ばかりの団体旅行者が乗車していた。やたらと写真を撮っていた所をみると、鉄道ファンのグループ旅行のようである。鉄道ファンならずとも一度は乗ってみてばちは当たらないかもしれない。なおチケットは前々日に駅の窓口で購入したが、インド人特有の秩序のない行列のため30分ほどかかった。体を押しつけてくる厚かましい人々のために非常に不愉快になるので、行列に並びたくない方はパソコンか旅行社での予約をお勧めする。<br /><br />マイソールと言う町は17〜18世紀に強大な勢力を誇ったマイソール王国の首都であった。町の中央部にあるマハラージャ宮殿がマイソール藩主の宮殿で、イスラムとヒンドゥー様式が融合したインド・サラセン様式の実に不思議な宮殿である。他ではまずお目にかかることのない独特な建築様式で、好みは分かれることであろう。内装も豪華で、油彩の肖像画が飾られているなどヨーロッパの影響が見られる。

マイソール日帰りの旅:バンガロールからシャターブディ急行で行くマイソール(改訂版)

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2011/08/07 - 2011/08/07

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ハンク

ハンクさん

サンクトペテルブルクからフランクフルト(ヴィースバーデン)経由でバンガロールに到着した。これらの国際的観光都市と比較してなんといってもこの町は見劣りする。道路などインフラが未整備で、町はごみだらけでこれといった見所は少ないことはすでにご紹介した。しかしじっとしている訳にはいかないので、週末にバンガロールから隣町の古都マイソールへ列車で日帰りの旅に出た。マイソールを訪れるのは2回目になるが、今回はインド国鉄の誇るシャターブディ・エクスプレスに一度は乗車してみようと思った。

インド国鉄は広い国土を網羅しており、62,000kmの線路網を持つ。これは米、露、カナダ、中に次ぐ第5位であるという。主要幹線の軌道は1.676mの広軌を採用している。車両の幅も当然標準軌よりも広い。普通車両には以前にムンバイなどで乗車したが、ビニール張りのきれいとは言いがたい車両で、鉄道ファンの私でも再び乗ろうとは思わないが、今回乗車した1等車両は日本人にとっても許容範囲にある。

インド国鉄の誇る豪華車両はニューデリーとコルカタを結ぶラージダーニ・エクスプレスなどが知られているが、これらは例外であって、主要都市間を結ぶのはシャターブディ・エクスプレスである。バンガロールとはチェンナイとマイソールとの間に1往復運行している。今回乗車したのはバンガロールとマイソールの間、139kmをちょうど2時間で走っている。つまり平均時速は約70km、最高速度は80km程度である。中国で300kmの設計速度を380kmまで上げ、重大事故を起こしたことを思えば、インドは身の程を知っている、と言えるかもしれない。

バンガロール中央駅は600万人の大都市の中央駅であるが、ヨーロッパ式のターミナル駅ではなく通過型の駅、同じくマイソール駅も通過型の駅であった。バンガロールとマイソールの1等指定席の料金は片道595ルピー(約1200円)、軽食がついてくることを思えば極めて安い。広い車両に2+2列の座席が並びゆったりしている。2等車はこれが2+3列となるが、それでも日本の新幹線よりはゆったりしている。時間については行きも帰りも定刻に出発、ぴったり2時間で到着した。ノンストップであるが、途中の単線区間の行き違いのため10分ほど停止した。線路はすべてコンクリートのPC枕木に置き換えられており、よく整備されていた。複線化工事が全線で進行中であった。

同区間で15人ほどの日本人の男性ばかりの団体旅行者が乗車していた。やたらと写真を撮っていた所をみると、鉄道ファンのグループ旅行のようである。鉄道ファンならずとも一度は乗ってみてばちは当たらないかもしれない。なおチケットは前々日に駅の窓口で購入したが、インド人特有の秩序のない行列のため30分ほどかかった。体を押しつけてくる厚かましい人々のために非常に不愉快になるので、行列に並びたくない方はパソコンか旅行社での予約をお勧めする。

マイソールと言う町は17〜18世紀に強大な勢力を誇ったマイソール王国の首都であった。町の中央部にあるマハラージャ宮殿がマイソール藩主の宮殿で、イスラムとヒンドゥー様式が融合したインド・サラセン様式の実に不思議な宮殿である。他ではまずお目にかかることのない独特な建築様式で、好みは分かれることであろう。内装も豪華で、油彩の肖像画が飾られているなどヨーロッパの影響が見られる。

旅行の満足度
3.0
観光
3.0
ホテル
2.5
グルメ
2.5
ショッピング
2.5
交通
3.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
25万円 - 30万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
航空会社
ルフトハンザドイツ航空 シンガポール航空
旅行の手配内容
個別手配

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  • バンガロール中央駅、600万人の大都市の中央駅であるが、ヨーロッパ式のターミナル駅ではなく通過型の駅

    バンガロール中央駅、600万人の大都市の中央駅であるが、ヨーロッパ式のターミナル駅ではなく通過型の駅

  • バンガロール駅前の蒸気機関車

    バンガロール駅前の蒸気機関車

  • バンガロール駅のホール

    バンガロール駅のホール

  • 巨大なバンガロール駅に停車する列車

    巨大なバンガロール駅に停車する列車

  • バンガロール駅で機関車の切り離し

    バンガロール駅で機関車の切り離し

  • マイソール行シャターブディ急行を牽引するディーゼル機関車

    マイソール行シャターブディ急行を牽引するディーゼル機関車

  • マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)

    マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)

  • マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の内部

    マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の内部

  • マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の座席

    マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の座席

  • マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)に出たトマトスープ

    マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)に出たトマトスープ

  • マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の軽食

    マイソール行きシャターブディ急行の1等車(エグゼクティブ席)の軽食

  • マイソール行きシャターブディ急行の2等車は2+3列の座席

    マイソール行きシャターブディ急行の2等車は2+3列の座席

  • すれ違ったバンガロール行きの急行

    すれ違ったバンガロール行きの急行

  • マイソール駅に到着

    マイソール駅に到着

  • マイソール駅のファサード

    マイソール駅のファサード

  • マイソール駅前の鉄道会社ビル

    マイソール駅前の鉄道会社ビル

  • マイソール駅前の当地出身の副首相の銅像

    マイソール駅前の当地出身の副首相の銅像

  • マイソール宮殿の入り口

    マイソール宮殿の入り口

  • マイソール宮殿のヒンドゥー寺院のコープラム

    マイソール宮殿のヒンドゥー寺院のコープラム

  • マイソール宮殿のファサード

    イチオシ

    マイソール宮殿のファサード

  • マイソール宮殿を横から眺める

    マイソール宮殿を横から眺める

  • マイソール宮殿内部

    マイソール宮殿内部

  • マイソール市内のメトロポールホテルのファサード、レストランは昼食に最適

    マイソール市内のメトロポールホテルのファサード、レストランは昼食に最適

  • チャーマラージェーンドラ博物館のファサード

    チャーマラージェーンドラ博物館のファサード

  • 建設中の鉄道橋の橋桁

    建設中の鉄道橋の橋桁

  • バンガロール駅に停車中の機関車

    バンガロール駅に停車中の機関車

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