2005/12/20 - 2005/12/31
158位(同エリア710件中)
ハンクさん
アメリカ、サンアントニオ駐在中だった2005年のクリスマス、家族でイタリアを巡った。かれこれひと昔前のことになる。当時は旅行記を書く、という習慣がなかったので、情けないほど使える写真が少ない。当時の数少ない写真を整理して、記憶をたどりながら懸案だったイタリア旅行記を書き始めた。どうしても訪れたかったスポットであるピサの斜塔と、ルネッサンスの花が咲いた街フィレンツェについて書き留めておこうと思う。技術屋の好奇心で少々堅い話になるが、読み飛ばしていただきたい。
ピサの斜塔といえば、ガリレオが斜塔の上から重さの異なる二つの金属球を同時に落下させ、重いものも軽いものも同時に落下することを実証した実験が思い出される。斜塔であるからもっともらしい話であるが、どうも事実ではないらしい。「ピサの斜塔」はピサ大聖堂の鐘楼であり、高さは地上55m、階段は297段、重量は14,453t、地盤にかかる平均応力は50.7tf/m2となる。現在の傾斜角は約5.5度で、その後の改修工事により傾斜の進行は止まっているそうである。
傾斜の原因は、地盤の土質が不均質であったためである。南側の土質が北側に比べ軟らかく年月が経つうちに傾き始め、塔の南側が大きく沈下することなったという。1173年の着工時には鉛直であったが、工事中には既に塔が傾きはじめ、その傾斜を修正しつつ建設が再開された。しかしその傾きはなおも止まらず傾斜が修正できなかったため、最上階層のみ鉛直に建てられた。当初計画よりも高さを下げて鐘楼は完成、そして「ピサの斜塔」として世界に知られることになった。
1990年に安全上の問題により公開を休止、傾きを是正するために改修工事が行われた。当初は沈み込んだ側と反対の北側におもりを載せることでバランスをとろうとしたが、根本的な解決には至らなかった。その後、改修工法には日本を含め世界各国の建設会社から様々な提案がなされたが、最終的に北側の地盤を掘削するという工法が採られた。他にも、薬液を注入して地盤改良を行うなどの案もあったが、透水性の低い粘土層への注入は難しく不採用となった。
そして2001年、10年間にわたる作業が終了し公開は再開された。我々が訪れたのはその4年後、家族で塔に登ったが、階段や床面の傾きは想像以上で、子供たちは手摺りに捕まってはしゃぎながら登ったものだ。その後の2008年、監視担当の地質学者ミケレ・ジャミオルコウスキ教授により、少なくともあと300年は倒れる危険がないとの見解が報告されたという。
一方のフィレンツェは人口約36万人、建築、絵画、彫刻におけるルネサンス芸術は、15世紀をとおして大きく開花し、メディチ家の統治の下、ボッティチェッリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどの巨匠が活躍するルネサンス文化の中心地となって学問・芸術の大輪の花が開いた。そしてこの街は、ルネッサンスの巨匠たちの美術の宝庫、メディチ家の宝物を所蔵するウフィッツィ美術館を擁する。1591年より部分的に公開されており、近代的な美術館としてヨーロッパ最古、またイタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最大のものである。しかし写真撮影が許されていないこともあり、全く写真が残っていない。今思えば、何とも寂しい事である。
その後、フィレンツェのシンボル、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂を訪れた。フィレンツェの大司教座聖堂であり、ドゥオーモ、サン・ジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼の三つの建築物で構成される。巨大なドームが特徴の大聖堂は、イタリアにおける晩期ゴシック建築および初期ルネサンス建築を代表するものである。第二次世界大戦中、フィレンツェの記念建築物の大部分は被害をまぬがれたが、ヴェッキオ橋を除く橋のすべてが1944年に破壊された。また、1966年の大洪水でたくさんの芸術財産が被害をうけたが、その多くは精巧な修復技術で数年をかけて復元された。
翌日フィレンツェを発ってミラノに向かう。南のナポリやソレントは暖かかったが、フィレンツェで雪が降り始め、ミラノでは雪景色に遭遇することになった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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