2008/04/21 - 2008/04/21
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frau.himmelさん
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ヴェルニゲローデを後にして、ゴスラーに向かいました。
ゴスラーでは、皇帝居城の前で待っていたガイドさんと一緒に市内見学をすることになっています。お城、ジーメンスハウス、水車小屋など見学して、私たち一行はマルクト広場にやって来ました。
ここで6時まで自由時間。マルクト広場では6時にグロッケンシュピールの演奏があり、その後皆でラーツケラーで夕食をとることになっています。
自由時間…。???
ここでいつもと様子が違うことに気がつきました。
自由時間になると、どこからともなく相部屋仲間のOさんが現れ、「ネー、これからどこに行くのー?」とか、「あそこに可愛いお店があったから、一緒についてきてー。」とか言ってくるのがいつものパターンなのですが、彼女がいないのです。
気になった私はすぐ添乗員さんに連絡しました。添乗員さんも動転したんでしょうが、信じられない言葉が返ってきました。
「え、himmelさん、一緒だったんでしょう?どうしてもっと早く言ってくれないんですかっ!?」って…。
「えっ、それってどういうこと?女子中学生のトイレではあるまいし、皆で団体行動している時までべたーっとくっついて歩かないわよ!」
と言いたかったけど、今はそんなことよりOさんを捜さなければなりません。付近を皆で捜しましたがやっぱりいません。
添乗員さんは、後のことをガイドさんにお願いして今来た道を捜しに行きました。
どこに行ったの?Oさん!
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- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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ヴェルニゲローデから1時間ほどでバスはゴスラーの皇帝居城に到着しました。
これから待っていたガイドさんと一緒に市内見学をいたします。
この城は、ドイツに現存する宮殿様式の建物の中では最大規模のものだそうです。
城の庭には2頭のライオンの像と、左右にヴィルヘルム1世とフリードリヒ1世の両騎馬像が居城を守っています。 -
左端に見える騎馬像はヴィルヘルム1世のほうです。
1050年、皇帝ハインリッヒ3世がロマネスク様式で城を築いた後、ゴスラーは神聖ローマ帝国の主要都市となり、城には皇帝や王が居留しました。
また、経済的にも、近くのハルツ山地で採れる金銀の採掘で街は発展を続け、13世紀にはすでにハンザ同盟に加盟していました。 -
お城の土手に咲いている黄色い水仙がとてもきれいです。
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皇帝居城を後に、私達はガイドさんの説明を聞きながら次に進みます。
学童たちの社会見学でしょうか、みんな手をつないで可愛いー! -
ゴスラーの典型的なうろこ壁の家です。
ヴェルニゲローデで色鮮やかな家を見てきたので、ずいぶん地味に見えます。 -
壁をよく見ると、スレートを1枚1枚同じ大きさに切って、このように組み立ててあります。
大変な作業でしょうね。 -
途中で見かけた建物、手前の壁はスレートになっていますが、道路に面している窓の下に彫られた飾りと文字の見事なこと…。
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この大きな建物はこの土地の豪商、ジーメンスの家です。
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外壁の黒の木組みとレンガ色のシックな彫刻、落ち着きますね。
ジーメンス社とはドイツ屈指の大企業です。
日本とも1861年徳川将軍家幕末のころから付き合いがあるそうです。 -
入口の紋章です。
この家はジーメンス社の創始者、ハンス・ジーメンスが1693年に建てたものです。 -
ドイツ人のガイドさんです。
ジーメンスと日本との関わりについて面白い話をしてくれました。
日本に富士電機という大きな会社がありますね。これは、古河電気とジーメンス社が合弁して設立された会社なんですって。
古河のフとジーメンスのジの頭文字をとって富士(フジ)電機工業になったのだそうです。
知らなかったー。個人的にはこの事実を知っただけでもゴスラーに来てよかったと思いました。 -
この写真ではよく見えませんが、屋根にも凝った細工があり、素晴らしいです。
あれ、ガイドさんはこの家には管理人のおじさん一人しかいないって言ってましたが、窓から女性の顔がのぞいています。 -
ジーメンスハウスからベルク通りに入ります。
左の大きな木組みの家は1523年に造られたそうです。 -
ゴーゼ川沿いに散策していると、ここでも小学生に会いました。
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Grossen Heiligen Kreuz 大聖十字架救貧院。
貧民救済施設として、1254年に建てられ1985年まで使われてたそうです。
同じような貧民救済施設が、北ドイツのリューベックにもありましたね。 -
ガイドさんを先頭に、みんな後に着いていきます。
団体行動のときは、イヤホンガイドを付けていますので、ガイドさんの説明もよく聞こえます。
各自写真を撮ったり景色を見たりしてますから、誰かさんと一緒にべたっとくっついて歩くと言うことはまずありません。 -
これもステキな木組みの家ですね。
ゴスラーの家は黒、白、グレーなど落ち着いた色が基調です。
◆◇
もちろん若いカップルなら一緒にくっついて歩くのでしょうが、個人で参加している私たちは原則、バスも別々の席ですし、団体行動の時も大体別です。
自由時間や食事時間には仲良くなった人と一緒のグループになりますが…。 -
ゴスラーのレアルシューレ(実科学校)。
ドイツの学校制度のひとつで大学ではなく、実技を身に着ける学校です。
そういえば、リンツのレアルシューレにヒトラーが進学したんでした(2010初夏 リンツ編参照) -
レアルシューレの先にはローミューレと呼ばれる水車小屋があります。
1510年に造られた水車小屋で、ゴーゼ川の水を利用して樹皮をつぶして皮のなめしに使うタンニンを抽出するのだとか…。 -
水車小屋の屋根も歴史を感じさせる古いものです。
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水車小屋の前のステキなレストラン。
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ゴスラー博物館。
ゴスラーやハルツの歴史が見られる博物間です。
ここも外から見るだけ。 -
入口に立派な鹿の彫り物(本物?)が飾ってある大きな家を発見しました。
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そして、その建物の壁にはこんな文字が…。
よかったー、ゲーテの足跡発見!
(ゲーテ街道という題名にしたけど、ゴスラーにゲーテの足跡があるかどうか心配でした)
彼がハルツを旅行する際にはたびたびこの家に滞在したそうです。 -
マルクト教会
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マルクト教会の向かいにはブルストトゥーフ(1521年造)。
現在はホテルになっていますが、昔の貴族の館だったところです。
壁の彫刻や出窓を支える人の顔などの彩色が見事だそうですが、工事中で良く見えませんでした。 -
そのお隣はパン職人組合会館(ベッカーギルデハウス)、1557年造。
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右側の壁には無冠の鷲とパンの紋章があります。
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マルクト広場の中央には、黄金に輝く帝国鷲の噴水があります。
マルクト広場の周りの家々はみんなゴスラー名物(?)灰色のスレート葺き。 -
そんな落ち着いた街並みの中に場違いな鮮やかな建物があります。
カイザーヴォルト。
1494年造のかっての仕立て屋ギルド会館だったところです。
現在はホテルになっています。
オレンジ色の壁には皇帝(カイザー)たちの等身大の像が立っています。 -
その中に面白いものを見つけました。
豊満な女神の像の下にぶら下がっている小男の不穏な動きは…。 -
なんとお尻から金貨を出しています。
ドゥーカーテンメンヒェンと呼ばれています。
ドゥーカーテンとは金貨のことで、当時のゴスラーの財力と繁栄を表しているのだそうです。 -
市庁舎も比較的落ち着いた感じの色合いです。
15世紀中ごろ建てられました。 -
紋章
◇◆
さて、これから自由時間というところで大変なことに…。
冒頭に述べたようにOさんがいないのです。
それを報告した私への添乗員さんの言葉にちょっと傷つきました。
そんな言い方ってないんじゃない、私だって今わかったのに…。 -
ラーツケラーの前にあった面白いモニュメント。
現代アート?それとも歴史のある芸術品?
◆◇
同じ相部屋仲間のFさんは、「先に行ったんじゃないの」て言ってましたが…。
でも一緒にその付近を探してもいないので心配そう…。 -
添乗員さんは、ガイドさんに後のことを頼んで、今来た道を引き返していきました。
添乗員さんも大変なお仕事ですね。
せめて団体行動では、添乗員さんに迷惑をかけないようにしなければと思います。
私たちもこれ以上動きまわると、ミイラ取りがミイラになってしまうので、Fさんと二人で街を散策することに…。 -
土産物屋さんの店先にいた魔女のおばさん。
ゴスラーも魔女の街です。
事実、中世の頃ゴスラーでは魔女の疑いをかけられて火あぶりの刑になった女性も多くいたのだそうです。
それが今では魔女が街のマスコットだなんて、皮肉ですね。
◆◇
Fさんと二人で街歩きをしていてもOさんのことが気になってちっとも楽しめません。歩きながらもOさんの姿を捜してキョロキョロしてしまいます。 -
6時になりましたので、マルクト広場に行きましょう。
市庁舎の向かいの建物、カイザーリンクハウスでグロッケンシュピールが始まります。
ゴスラー近郊のランメルスベルク鉱山の採掘の様子を人形が再現してくれます。
この鉱山は、ゴスラーの旧市街とともに世界遺産に登録されています。 -
グロッケンシュピールを見ていると、あれってOさんじゃない!?
Oさんが私たちに向かって手を振っています。
そして隣にいる人は…、ツアーバスの運転手さん。
◇◆
ランメルスベルク鉱山の歴史は、968年、騎士が馬の蹄で地面をたたき「ここを掘れ」と合図したことから始まります。
日本にも同じような童話がありますね。「ここ掘れ!ワンワン」ってのが…。 -
驚いて駆け寄りました。
「どうしたの!?」って聞いたら、バスの運転手さんが、両手を耳のところに持っていって眠っているポーズ。
まあ、でもOさんが見つかってよかったー!
そうこうしている内に添乗員さんも駆けつけました。
◇◆
皇帝ハインリッヒ3世の命により鉱山の開発が始まります。
鉱山の発展とともに、何世紀にもわたってゴスラーの街に富と繁栄をもたらします。
中世の頃の採掘の様子。 -
なんとOさんはバスの中で眠り込んでしまって、気がついたら周りには誰もいなかった…。
ビックリしたのは運転手さんも一緒でしょ?
誰もいないはずのバスの中から突然声が聞こえたのですから…。
◆◇
グロッケンシュピールの人形劇、窓が閉まり、もう終わったと思ったら…。
再び窓が開いて、現代の採掘の様子が再現されます。(下の写真)
ところが、1988年に資源の枯渇により、鉱山は閉山に追い込まれます。
今では、ゴスラーの旧市街と共に、ランメルスベルク鉱山は世界産業遺産に登録されました。 -
私たちを皇帝居城で降ろしてから、荷物を降ろすためにバスはホテルに向かったのだそうです。
その途中でOさんに気がついた…。
でも今更引き返しても一向はどこにいるかわからないし、バスをパーキングに停めて彼女を放り出すこともできない…。
そこで6時の食事時間にはバスで送ってあげるから、それまでホテルで待ちなさい、と…。
かいつまんでいうとそんなところでしょうか。
でも不思議なのは、運転手さんから添乗員さんに連絡することは出来なかったのかしら?
後でOさん曰く
「バスの乗り降りの際にはちゃんと人数を数えていれば問題はなかったのよ!」って。
迷惑をかけた本人が言うのも何だけど、確かに常に人数の確認をするのは添乗員さんの鉄則ですよね。
Oさんと一緒でなかったのが悪い、かの、私にとっては全く理不尽なことを言われて納得できなかった私も、この言葉には深くうなずきました。 -
今日は市庁舎地下のラーツケラーで夕食です。
ところで言葉の通じない国で迷子になったらどうしたらいいか?
私も時々考えますけどどうしたらいいんでしょうね。
個人旅行だったら予約したホテルに行けばいいんですけど…。
私もそうですが、ツアーでは今夜のホテルって知らないことが多いです。
それにツアーでの移動は長距離に及ぶので、次の地のホテルはかなり離れていますね。
少なくとも、旅行会社で発行してくれる「旅行のしおり」を必ず携帯するしかないのかな、と考えた私でした。 -
今夜は牛肉のワイン煮とシュペッツェレ。
好物のシュペッツェレがやっと出てきました。
ドイツ風の素朴なパスタです。美味しいんです。
ドイツ料理のことを何も知らない人は「何これ!」ってブーブー言っていましたが…。
確かに見た目はちょっと…、ですけどね。 -
食事を終えてホテルに着きました。
まだ外は明るいので仲間数人と、ガイドさんに教えてもらったスーパーに行くことに…。
途中、先にスーパーに行ったドイツ語を勉強しているSさんにあったら、「あのスーパーにフランケンワインが1.5ユーロで売っていたよ。今夜の晩酌用に買ってきたんだー」と。
それを聞いた仲間の一人、「えっ、そんなに安いの!お土産に買って帰ろう!」ですって。
「お家の方へのお土産ね?」って聞いたら「家では誰も飲まないから、ワイン好きのお友達に上げるの…」ですって。
ちょっと待ってよ、その安いワインをいただいたお友達、何だー、ドイツのワインって大して旨くないなと思うんじゃないかしら…。(心の声)
ドイツフアンの私としては、ドイツの評判が悪くなるのはとても気になるのです。
せっかく、スーツケースの貴重な隙間に、大事に梱包して持ち帰るのですから、もう少し美味しいワインにしたほうがいいと思うんだけどなー。
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この旅行記へのコメント (2)
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- norio2boさん 2021/08/15 12:13:31
- 旅行記拝見!
- frau.himmelさん
frau.himmelさんには似つかわしくないツアー参加の旅行記拝見拝読しました。
お遍路が同行二人(弘法大師と一緒のひとり旅)のように
旅の楽しみ、醍醐味は「ひとり旅」だと思っています。
お金を払っているんだから当たり前という「ツアー参加者」たち
添乗員が余りにも可哀想に思います。
帰国便で配られるアンケート調査も悪循環になっています。
時給1000円(同行時のみ)の厳しい給与にも問題があると思います。
僕の参加したツアーで良かったのはイスラエルの巡礼旅行です。司祭さんが団長でした。
特別な場所に入れたのも興味深いものがありました。
最後のワインのくだり
一口飲ませてもらっても良かっと思いました。
(ウィーンの日曜市で買った4本ユーロのワインはなかなかでした)
- frau.himmelさん からの返信 2021/08/15 23:21:26
- RE: 旅行記拝見!
- norio2boさんこんばんは。
いつもありがとうございます。
ここのところ、私の昔の旅行記に目を通してくださり、今日はコメントもありがとうございます。
すっかり忘れかけていた旅行記に「いいね」をしてくださると、どんな旅行記だったのか、恥ずかしい旅行記ではなかったかしらとか、心配して久しぶりに昔の旅行記をみてしまいました。
14,5年も前の夫婦で語学留学をしたときの旅行記、そしてツアーに参加した旅行記、懐かしいですね。あんな気持ちでいたのかと赤面したり。
私が一人参加したツアー旅行記では私のイヤな面が出ていて恥ずかしくなりました。
1本1.5ユーロのスーパーで売っているフランケンワイン、どんなお味だったのでしょうね。でもワイン好きの友人へのお土産はないかなと。
ウィーンの日曜市で買われたのは1本4ユーロ?それは美味しいと思います。
私もヴュルツブルクからフランケンワインを日本に発送しますが、1本4〜5ユーロのワインは家飲みワインとしておいしくいただいています。
norio2boさんのご旅行記は全て拝見しているものとばかり思っていましたら、まだ見ていないのがありましたね。
まさしく「宝」探しのように、それらを発掘して、読ませていただくのが楽しみです。
早くコロナが収まって外国旅行したいですね。
さすがに同行二人の一人旅はこの齢になると無理(?)、いえスケジュールを決めないで気ままな一人旅もいいかも、ですね。
himmel
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