2001/04/29 - 2001/05/01
228位(同エリア813件中)
哈桑湖さん
新潟を飛行機が出発して、佐渡島が見えてきます。そしてあっという間にウラジオストク空港に着陸です。わずか1時間15分のフライトです。
入国審査が、長い長い。ホテルに着いたときには、外は真っ暗でした。
まだ残っていたルーブル紙幣を持って、ホテルの売店に急ぎます。まだ閉まるまで1分はあると。
売店に着いて、晩御飯のパンを買おうとしたのですが、太ったロシアのおばちゃんは、「ザーフトラ(明日)ザーフトラ、ダスヴィダーニヤ(さようなら)」と言って、売ってくれないのです。
これだから、ソ連は崩壊したんだと腹をたてながら、廊下を歩いていると、新潟から一緒だった日本人旅行客のオジサンたちから、新潟から持ち込んだお握りをわけてやると言われ、彼らの部屋にいきました。まさに地獄に仏とは、このことです。
世間話をしていると、「君、ロシア語出来るみたいだねえ。これを頼むよ」と、小指を示しました。お握りをご馳走になっていて断られません。仕方なくフロントへ一緒にいきます。フロントの女性に1ドル渡し、「ヂェーヴァチカ(お嬢さん)。 マラダーヤ クラスィーヴァヤ(若くて美しい)ヂェーヴァチカ」と告げました、するとどこかへ電話をしだしたのです。
この間、ロレックスをはめた、オジサンたちは、「すごいねえ。ロシア語が出来るんだァ」と、私に対して尊敬の目を向けるのです。日本を出る直前に、隣のオバサンから「いい歳して結婚もしないで、猫に餌をやって」と叱られ、肩身の狭い思いをしているだけに、今回は張り切ってしまうのです
途中から、フロントの女性が私に代われと。年齢、背の高さは勿論、髪の色まであるのには、驚きました。でも私はこんなことをしていいのだろうかと、何かそんな感じがしてくるのです。これが哲人カントの言う、「内なる良心の声」なのかと。
このときあることが、思い浮かびました、東京を火の海にした、アメリカ空軍B29の爆撃手は、(爆弾投下の)スイッチを入れただけだと。私も、ただ通訳しているだけだと言いきかせたのです。
向こうが「ドヴィナッツァッチ(12)」というので、「ドヴァツァチ(20)だろう」と言うと、「ドヴィナッツァッチ」と言い返してくるのですが、これは内なる良心から「ニ・ナーダ(必要ない)ニ・ナーダ」でした。
10分もしないうちに、でっぷりとした凄みのあるロシアのオバサンが、強い香水をつけた、夜のお姫様を連れて登場です。ロレックスの日本人のオジサンたちは、指名していくのです。そのあと、各自の部屋にお持ち帰りします。
指名されなかったお姫様もいます。凄みのあるロシアのオバサンが、私にも選べと。私は「スピード オーチン アパースナ(エイズ とても 危険)」と言いいかえすと、オバサンはお姫様を連れて引き返すのです。のちに私は、この最後の言葉を、とても後悔するのです。
翌日、ロレックスのオジサンたちから、昨日のお礼にと、ホテルのレストラン夕食に誘われます。テーブルに着いてしばらくすると、昨日、オジサンに指名された、お姫さまがやって来たのです。彼女のお話の通訳を頼まれます。
このお姫様たちは、結婚して子どもがいたのですが、酒飲み亭主の暴力で、離婚していたのです。ウラジオストクでは職も無く、子どものため、病気の母親のために、こうして働いているのです。
それにしても、2泊あるいは3泊のうちに、このオジサンに翌日も、また翌日も指名してもらおうと、それはもう誠心誠意です。フロントや、売店のオバサンたちに、爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいです。
私は、このお姫様たちは、心の綺麗な人だと悟ったのです。いつも、薄気味悪い連中と思っていたのに。また昨日の最後の言葉を、恥じたのです。日本のようにロシアには、母子手当てはないのです。ああ、ソ連時代だったら、ゆりかごから墓場まで安心して過ごせたのに。
しばらくすると、富山からやって来た日本人オジサンたちが、ヂェーヴァチカ(ロシアのお嬢ちゃん)を連れてレストランに入ってきます。どうも、ナンパしたようです。このヂェーヴァチカたちが、レストランの音楽に合わせて、踊りだします。
騒然とした雰囲気に。ウェイトレスの目からは、軽蔑と敵意が。
フロントの方が、どうも騒がしいのです。どうやら、町でナンパしたヂェーヴァチカを、部屋に入れるのは、ニェットです。いつもやる気のないフロントのオバサンが、口から泡を飛ばして、怒っています。男の従業員も、ニェット、ニェットと。どうも、勝手にお持ち込みはできないのです。私は、自分の部屋に戻ります。
しばらくすると、部屋のドアをノックする音が。ドアをあけると、富山組のオジサンたちです。「頼むよ」と小指を差し出すのです。先ほどまで、激怒していたフロントのオバサンに、「ヂェーヴァチカ」と。10分もたたないうちに、昨日の凄みのあるロシアのオバサンが、お姫さまを連れて登場です。
オジサンたちは、指名していきます。一人のお姫様だけ、指名から外れたのです。凄みのあるロシアのオバサンは、私に催促します。このお姫さまは、悲しそうに私を見つめるのです。このお姫様は、カフカス系のようです。日本人オジサンは、小柄な肌の白いお姫様を選びます。(中国人は、背の高いスラッとした人を。恐らく、日本のオジサンには、白人コンプレクスが。中国人オジサンには、中華思想が。)
この少し浅黒い肌のお姫様は、いつも売れ残るのだろうかと。子どもが病気で、お金が必要なのだろうか。あるいは、年老いた母親が、病気なのだろうかと。そんな考えが頭に。
私は50USドルを、カフカス系のお姫様に渡したのです。
「私は、あなたと会えて、とても嬉しいです。
貴方は、とても美しいです。
でも私は、とても疲れています。
それに、おなかの傷が治っていません。
それで、これは、貴方に対する、ささやかな贈り物です」と言ってです。
事実私は、このとき、おへその下の、できものを切除して、10日くらい入浴はしていませんでしたが。
すると、凄みのあるロシアのオバサンが、私に早口で怒鳴ってきたのです。すごい剣幕です。私は、このオバサンに50ルーブル(日本円で200円くらい)紙幣を渡して、「こちらには、50ドル、貴方には50ルーブル。
フショー(これで落着)フショー」と。こちらの貫録勝ちです。
国と国との外交は、いかに相手を旨く騙すかだと言う人もいます。ヒトラーは、独・ソ不可侵条約を結んで、スターリンを安心させ、そののちソ連に完全なる奇襲攻撃をします。日・ソ中立条約もそうです。条約は、相手を騙し、都合のいいときに、破るものです。
ところが、今回の件は、外交辞令、社交辞令なしの、何ら包み隠すところのない、肌と肌の触れ合った、温もりのある交流なのです。そして、紛れも無く、助けたい人に渡るのです。そう考えると、これこそ真の国際交流かなあとも思えるのです。そして、あのカフカス系の人は、今は幸せな日々をすごしていたらいいなあと思うのです。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 徒歩
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この町は、暗いです
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市バスなんです。
日本の文字は、エキゾチックのようです。 -
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ウラジオストク駅
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劇場
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郷土資料館に。富山市とは姉妹都市
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1941年6月22日、バルバロッサ作戦始動。
ドイツ軍将兵にとって、ソ連への侵攻は、まさに晴天の霹靂だったようです。
ブーク川を越えるギリギリまで、ソ連との戦争にならないことを、祈っていたようです。 -
一番左下が、高岡大仏。
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病院船イルティシュ号。
カザフスタンにイルティシュ川があります。 -
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子どもたちです。
悪い男に騙されないと、いいですね。 -
ホテル・アムールです。
二つ星。
外国人は、泊まりません。
安いホテルです。
夜のお姫さまも来ないのでは。 -
ここは、屋上がフロントです。
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ここは、チーハヤ・ブーフタ(静かな湾)という地名。
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鎮魂・平和・友好
1945年、ソ連軍は満州に侵攻しました。
略奪、強姦、殺人と。特に北満州は、囚人部隊が先頭だったので、この世の地獄だったようです。
日本軍も南京に向かう途中で同じようなことが。(勿論、規模は分かりません。軍紀の保たれている部隊もありました。戦車部隊は、補給という面では、よそよりは恵まれていたので、このような戦争犯罪を見たことが無いという方もいらっしゃいますが)
人間、生きるか死ぬかとなれば、泥棒もやれば殺人もやる。水木しげるさんは、「戦争は人間を悪魔にする」と、おっしゃっています。
戦争がやりたいなら、国の指導者のみで金網デス・マッチをやればいいんですよ。大文豪のトルストイは「奴らこそ、砲弾弾雨の中に行け。俺たちは行かぬ」と。 -
振り返れると。
フルシチョフカ(フルシチョフの時代に、大量に作られた安普請のアパート) -
むこうに島と陸をつなぐ人工の半島が。
これを、「猫の尻尾」と言います。 -
猫のしっぽと背後の島。
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猫の尻尾と背後の島
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猫の尻尾を通って島に。
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ここは、ヒラメやカレイがよく釣れます。
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猫の尻尾の背後の島です。この島には、船でしかいけません。
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ハバロフスクと比べると、暗い街です。
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ロシアは超格差社会。
山の手には、セレブな人が。 -
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エレベーター。
今にも停まりそうです。 -
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今にも沈没しそうな船です。
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五星紅旗 中国です。
中国人はロシア入国に、ビザは要りません。
中国とロシアは、友好国です。
でもポン引きのおばちゃんが言うには、お客としては、日本人が一番いいと。金払いがよく、(中国や韓国と比べて)日本のオジサンは格段に、お行儀もいいようです。ニンニク・パワーの差ですよ。
トーリカ ヤポンスキー(オンリー ジャパニーズ)というお姫さまも、いるようです。
でもホテルの従業員の人は、日本のオジサンを、あまりいい目で見てくれないです。
昼間は観光もせずに、ホテルに閉じこもっている日本のオジサンもいます。
日本人の通称エンコー・オジサンは、モスクワにはいませんね。
10時間も飛行機に乗るのは、大変ですからね。 -
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カトリックとロシア正教とは、復活祭の日が違うんです。
翌日が、復活祭でした。
そうそう、私が人を許すごとく、私の罪を許したまえ、ですね。
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