2010/12/31 - 2010/12/31
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Yattokame!さん
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暗殺集団「アサシン教団」の伝説に彩られたムシャーフ城と、アラブの英雄サラディンをも退けた十字軍の名城クラック・デ・シュバリエ。ハマの有名宿「カイロ・ホテル」のツアーで、これらシリアの名城を見学してきました。
~シリア・ヨルダン旅行日程~
12月28日(火)エディハド航空・成田発
12月29日(水)アブダビ経由ダマスカス着。バスでアレッポへ移動。アレッポ観光・宿泊。
12月30日(木)アレッポ観光。午後タクシーでデッドシティを経由しながらハマへ移動。ハマ泊。
★12月31日(金)ハマ発クラック・デ・シュバリエ観光。夕方ホムスからパルミラへバスで移動・宿泊。
1月1日(土)パルミラ観光。夕方ダマスカスへ移動。ダマスカス泊。
1月2日(日)ダマスカス観光。ダマスカス泊。
1月3日(月)ダマスカス観光。夕方セルビスでアンマンへ移動。アンマン泊。
1月4日(火)死海観光。アンマン泊。
1月5日(水)朝バスでアンマンからペトラ(ワディ・ムーサ)へ移動。午後ペトラ観光。ワディ・ムーサ泊。
1月6日(木)ペトラ1日観光。ワディ・ムーサ泊。
1月7日(金)ワディ・ムーサからバスでワディ・ラムへ移動。ワディ・ラムで沙漠ツアー。沙漠のテントで宿泊。
1月8日(土)ワディ・ラムからアカバまでタクシーで移動。アカバからアンマンまでバスで移動。アンマン泊。
1月9日(日)午前中アンマンでだらだら過ごす。午後アンマンからアブダビ経由で成田へ。
1月10日(月)午後成田着。
~通貨単位~(2010年12月末現在)
シリア・ポンド(SP):1SP=約2円
ヨルダン・ディナール(JD):1JD=約120円
※旅行記では通貨価値を便宜上円換算しておりますが、シリア、ヨルダンでは一部を除いて銀行・両替所で日本円から現地通貨への両替はできません。今回の旅行ではドルを持って行きました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- タクシー
- 航空会社
- エティハド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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アレッポからタクシーで移動してシリア中部の都市ハマに到着。ハマにやってきたのは、シリア中部の様々なツアーを提供する有名な安宿「カイロ・ホテル」に泊まるため。
カイロ・ホテルの看板の横には、何故かムキムキマンの写真が…。どうも1階はボディ・ビルのジムがあるようです。 -
カイロ・ホテルで泊まった部屋。写真のようなな清潔なベッドと、さらにバスタブ付きのバス・トイレとテレビが付いて1泊900SP(約1800円)。ここはオーナー、従業員とも親切で、コストパフォーマンスは今回の旅行中最高でした。
さらに、着いた晩に明日のクラック・デ・シュバリエのツアーを申し込みました。私を含めて3名参加で、一人900SP(約1800円。入場料含まず)。これもお値打ち。
ちなみに、カイロ・ホテルと並んで有名なリアド・ホテルは、このホテルの隣にあります。 -
夕食のレストランを探しがてら、ハマの街を散策します。
おお、シリアでもキャッチコピーは"This is a pen."ですか!シリアでこんな看板を見かけるとは、ちょっと感激。 -
ハマの旧市街。アレッポに比べればはるかに小さい旧市街ですが、街灯の光が雨上がりのしっとりと濡れた路地に反射して、いい雰囲気です。
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ハマの名物・水車。ビザンツ帝国時代から灌漑用に利用されてきたものだとか。
冬の間は水車は止まっているようですが、それでも夜の川面に写る姿は美しい…。 -
夕食はさきほどの水車が見えるレストランLe Jardinで。
ケバブを注文したところ、羊の臭みが少々ありながらも肉の旨みがよく出ていました。今回の旅行中に食べたケバブの中では一番旨かったかな。ミネラル・ウォーターと合わせて500SP(約1000円)。 -
ハマのもう一つの名物は、スイーツ。ハマロールというお菓子が有名なのですが、すでにお腹いっぱいでお菓子までお腹に入る余裕がありません。とても気になりますが、まだ旅の日程がありますし無理をしないでおこう…。
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ハマの写真館で見つけた写真。ツボにはまった。
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ツアーは午前8時半に出発。1時間弱ほどのドライブで見えてきたのは、ムシャフ(Musyaf)城。伝説の暗殺集団「アサシン教団(The Assassins)」が籠ったアラブの城塞です。
入場料75SP(約150円)。 -
アサシン教団は、イスラム教シーア派の一派「イスマーイール派」のセクトで、十字軍の要人を狂信的に暗殺していったという伝説があり、ヨーロッパでは恐怖を伴ってその名が知られています。英語で暗殺者、殺し屋を意味する"assassin"も、この教団の名前から来ているくらいです。
ちなみに、彼らは大麻を使用したという伝説もあり、大麻の別名「ハッシッシ」もイスラム教スンニ派が彼らに対して用いた蔑称である"Hashishi"に由来します。 -
イチオシ
実際には、アサシン教団は暗殺という手段を使うことがありながらも、それ以上に勇猛果敢な集団として十字軍に恐れられ、ヨーロッパにその話が伝わる過程で話が膨らんで恐怖の暗殺教団という伝説ができ上って行ったようです。大麻を使用したというのも後の世に付け加えられた話で、麻薬を使用したという記録は残っていないようです。
この恐怖の記憶がヨーロッパ人の奥底にあるため、イスラームに関連してテロなどが起こると欧米人は「やっぱりあいつらは…」ということになるらしい…。 -
城は、小さな町のすぐ横に立っています。
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坂を駆け上る険しい階段。戦の時には、上から石や煮え立った油が降り注ぎ、ここを登ることは困難を極めたことでしょう。
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今は守る者も攻める者もなく、静かな時だけが流れています。
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ムシャフ城を出て、次にクラック・デ・シュバリエを目指し、車はシリアの高原地帯を走り抜けます。
写真は途中で休憩がてらに撮った風景。
そういえば、今日は12月31日。いよいよ年が明けます。しかし、ここはイスラームの国であり、西暦というのは人々にとって関係ないのかドライバーに聞いたところ、「ムスリムにとって明日は祝日ではないけど、今晩はキリスト教徒の友達がパーティを開くから遊びに出かけるよ」ということでした。
宗教揺籃の地では、宗教の違いに関係なく人々は共存しているようです。 -
喉が渇いてきたので、街道沿いの雑貨屋で7upを購入。シリアでは、7upはこうなります…。
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7upを買って出ようとすると、「わしの写真を撮らんのか〜」と店のおやじが必死に後を追ってきました。
会った人の写真を撮るのは、ほとんど挨拶感覚。 -
クラック・デ・シュバリエに着きました。中東を代表する城塞の見学です。
入場料150SP(約300円)。ちなみに、チケット売り場の横にバックパックがいくつか置かれていたので、移動の途中でここに寄って見学することもできそうです。 -
城の内壁。中世の城ですが、石の壁は驚くほどの綺麗さで残っていました。
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馬小屋の跡。
クラック・デ・シュバリエは、シリアからレバノンにかけて走る山脈が切れるところにあり、地中海と内陸の交通を抑える要衝に建てられた城塞です。
1031年にアレッポの領主によって建てられたのが、1099年に第1回十字軍によって落城し、後に聖ヨハネ騎士団(ホスピタル騎士団)によって大改修が行われ、アラブの英雄サラディンの包囲にも耐える堅牢な城塞と化しました。
十字軍の築いた城としては最もきれいに残っており、アラビアのロレンスはこの城を「世界で最も美しい城」と称賛しています。 -
今日は金曜日でムスリムの休日だからでしょうか、地元の人と思われる観光客も大勢いました。
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イチオシ
昨日デッドシティでは雨が降りゴーストタウンの荒涼とした景色に一層の趣が加わりましたが、この城には青空が似合います。
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サラディンを退けるほどの堅固さを誇った城も、1271年マムルーク朝のスルタン・バイバルスの調略によりあっさり落ちます。
落城後は、内装がイスラーム風に改められました。塔を支える大きな柱にもアラビア語のカリグラフィが加えられています。 -
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1000年近く前に築かれたとは思えないくらいの保存状態。
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堀に水をもたらしていた水道橋。これも崩れることなく残っていました。
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う〜ん、美しい。
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城から見た外の景色。気持ちがすかっとするような見晴らしの良さでした。
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城の遥か下に見える小さな村。気になりますが、そこに行っている時間は残念ながらありません。
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王妃の塔。大きく開いた口は通路ではなく、下は崖のようになっていますが、一緒にツアーに参加したフランス人の女の子たちはここから建物に入ろうと言います。おお、まじかっ!
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なんとかよじ登って建物の中に入りました。う〜む。
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広い空間に出ました。
ロンリープラネットによると「トイレだった場所。臭いから判断して最近まで使われていたようだ…」
ここがトイレって、デカっ!しかも、「臭いから判断して最近まで使われていたようだ」って…。ロンリープラネットは説明が細かいというので今回初めて使ってみましたが、ここまで細かいとは…。 -
城の中にはゴシックのチャペルもありました。さすが十字軍の築いた城ですね。バイバルスの手に落ちた後はモスクに改修されたので、イスラームの説教壇(ミンバル)が加えられています。
このチャペルに入った時、ちょうどヨーロッパからの団体客の人々がここで賛美歌を歌っていて、一瞬イタリアかフランスの教会に来たかのような感覚になりました。 -
城の中には、他にもヨーロッパの教会を思わせるようなアーチ天井のホールがあります。ここもイタリアの古い街に来たかのようです。
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イチオシ
ロマネスクの美しい交差ヴォールトと窓。
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大きなアーチ天井のホール。窓から光が差し込み、静寂な空間に神聖な雰囲気を感じます。
まあ、実際にはこれを撮るためにみんな並んで写真をパシャパシャ撮っていたんですが(笑) -
イチオシ
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かわいらしい花の形の窓もありました。
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城の下にある食糧貯蔵庫。とても巨大で、5年の籠城戦にも耐えられるだけの食料を貯められるほどだそうです。
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力強いアーチの柱。
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イチオシ
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城の見学後、城を眺められるレストランで昼食。はじめから出てくる料理は決まっているようで、飲み物以外何も注文しなくてもシリアらしい料理のお皿が次から次に並べられて、大きなテーブルに収まりきらないほどになりました。観光用だし味は適当かと思いましたが、これがうまい!しかも、食べきれないほどの食事の後に、ミカンやバナナなどのフルーツまで出てきました!
景色はいいし、味は良しで、気に入った。たくさんの食事、ミネラルウォーターと食後のデザート・紅茶で450SP(約900円)。 -
一緒にツアーに参加したフランス人の女の子たち。アルプス近くの街からやってきたそうです。ドライバーはガイドができないので、彼女たちとお互いのガイドブックを見せ合って、見所を確認し合いました。
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レストランから午後の陽に照らされた美しい城を見ることができ、フランス人の女の子たちと食事が終わったら外に出て写真を撮ろうと言っていたのですが、お昼を食べ終わる頃には曇り空に…。おお、付いていない…orz
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ツアーの後、一行はホムスのバスターミナルで降ろしてもらいました。フランス人の女の子はバスでダマスカスへ、私はパルミラへ向かいます。
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パルミラ行きのバスがあるカドムース社のオフィス。英語の表記がほとんどないので、どこでパルミラ行きのチケットが買えるのか人に聞かないとさっぱり分からん。
パルミラへは2時間強で、チケットは105SP(約210円)。 -
バスの出発まで時間があったので、バスターミナルの2階のカフェテリアで休憩。ホムスのバスターミナルには地方から人が大勢来ているせいか、休んでいる間中人々が珍しがって次々寄って来ました。動物園のパンダになった気分。
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この旅行記へのコメント (11)
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- East of Edenさん 2011/06/22 02:35:25
- Homs
- 最近Homsで治安部隊が発砲したときいて、Homsのことを思い出していました。ちょうカフェテリアの椅子に座ってバスを待ってこの景色をみていました。そのころはタバコの煙が充満して、ほこりっぽかったような気はしますが。
- Yattokame!さん からの返信 2011/06/22 03:10:33
- RE: Homs
- East of Edenさん
こんばんは。
ホムスのバスターミナルは交通の要衝だけに、シリア(あるいはヨルダンなどの外国)からいろいろな人が来ていて、まさにシリアの十字路という感じでした。この時は至って平穏、人々は親切でなんて旅行しやすいところだろうと思っていたのですが、今やホムスやハマでは弾圧が繰り返されていて、出会った人たちは無事かなと思っています。
Yattokame!
- East of Edenさん からの返信 2011/06/23 07:08:24
- RE: Homs
- だんだん旅行できるところが限られていくようで秘境トラベラーとしては残念です。まさYattokame!さんのサイトにそのうちゆっくりお邪魔します。
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- zzr-cさん 2011/04/10 09:34:51
- 恐ろしい
- Yattokame!さま おはようございます!!
アサシンの語源がアサシン教団と云う所から来ていたんですね!
初めて知りました。
ってか、中東とヨーロッパって古くは十字軍とかの頃から
ずーっと続いていたんですね。
そしてヨーロッパの人々からみると中東は無茶をやらかすやつら
というイメージになっているんですねぇ〜
そういう説明を聞くと納得しちゃいました。
城の水路、この時代にこんな技術があったとは驚きです。
水車?の水面が静かで良い感じの逆さま写真が撮れましたね^_^
じぃ〜
- Yattokame!さん からの返信 2011/04/11 01:39:43
- RE: 恐ろしい
- じぃ〜さま
こんばんは。
キリスト教徒のイスラムへの恐れは十字軍以来ずっとあって根深いですね。十字軍時代にめちゃくちゃやっているのは、どちらかというとキリスト教のほうですが(笑)
ハマの水車は、古代ローマの時代から連綿と使われている技術で、水車から取り入れた水を運ぶ水道橋はいまでも現役で使われています。すごいですね。
Yattokame!
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- ミマカロさん 2011/03/21 09:50:20
- すごくいい感じ
- 窓からの光がすごくいい感じです、この雰囲気が大好き。
- Yattokame!さん からの返信 2011/03/22 03:08:22
- RE: すごくいい感じ
- ミマカロさん
こんにちは。ご訪問ありがとうございます。
> 窓からの光がすごくいい感じです、この雰囲気が大好き。
気に入っていただき、うれしく思います。ここは旅行者が多くて、人のいな雰囲気のある写真を撮るのが難しく、人がいなくなった一瞬を突いて撮った一枚です。ミマカロさんのこれからの写真も楽しみにしておりますね。
Yattokame!
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- c.makotoさん 2011/01/22 22:41:13
- スゴイすね!クラック・デ・シュバリエの要塞
- こんばんわ、
クラック・デ・シュバリエの要塞スゴイですね
なんですか、あの保存状態にそしてあのビューポイント!!
こんなお城行ってみたいと思いましたよ
特にビューポイントに惹かれました。
ビューポイント好きなので、
それにしても安宿、グレード高い安宿ですね
1800円であんな良い感じの部屋に泊まれるのがあるとは
驚きです。
食べ物も安くて、美味しそうですね
ケバブの臭みが、いかほどか気になるところだけど
中東に行くときは、必ず行くことにします。
クラック・デ・シュバリエ!!
C.makoto
- Yattokame!さん からの返信 2011/01/23 02:11:15
- RE: スゴイすね!クラック・デ・シュバリエの要塞
- c.makotoさん
こんばんは。
クラック・デ・シュバリエは、見ごたえありますよ。何より大きくて、堅固な造りで塔や柱は巨大で・・・と、そのすごさにはふへ〜と素直に感心しますね。あと、あのお城を青空の下で見るのは最高ですよ。あと、周りから高いところにあるので、景色もいいですし。
> それにしても安宿、グレード高い安宿ですね
> 1800円であんな良い感じの部屋に泊まれるのがあるとは
> 驚きです。
カイロホテルは、本当に設備と比べたときの値段の安さは驚きでしたね。どのガイドブックも誉めていますが、もっともです。オーナーはなんでも知っているので、旅行についていろいろ質問できるし、いいですよ。
> 食べ物も安くて、美味しそうですね
> ケバブの臭みが、いかほどか気になるところだけど
ケバブは、臭いと言っても気になって食べられないという程度ではないですよ。個人的には嫌いな臭いでないので、いくらでも食べられます(^^ゞ
クラック・デ・シュバリエ、是非行ってみてください。
Yattokame!
-
- たらよろさん 2011/01/20 19:41:06
- 兵どもが夢のあと・・・
- こんばんは〜〜yattokame!様。
シリアヨルダンの旅、続きにお邪魔してます。
要塞、色がないから、
光と影が美しくて、正に陰影で物言う風景の数々ですね〜
素敵素敵。
これぞ、誤魔化しようのない正真正銘の歴史遺産だと思います。
何気にケバブが高くてビックリ!!
ミネラルウォーターが高いのか???
ZEBRAにも驚き!!!!
たらよろ
- Yattokame!さん からの返信 2011/01/20 21:37:13
- RE: 兵どもが夢のあと・・・
- たらよろ様
こんばんは!いつもありがとうございます。
シリアにある城は、ヨーロッパ以上にヨーロッパらしい立派な造りですごかったですよ。
確かにケバブ安くないですね。外で食事をするというのは、贅沢なのかなあ??
ゼブラのボールペンの看板は、他でも結構みました。あれは、国際的な商品なんですね。日本の文房具は優秀ですからね〜。
Yattokame!
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