2010/08/06 - 2010/08/06
10位(同エリア47件中)
ひらしまさん
今回訪れた広西チワン族自治区は、広西という名の通り広東省の西隣で、南はベトナムと国境を接します。チワン族自治区といっても人口の半分以上は漢族で、チワン族の独自性は薄れているそうです。しかし、山間部には多くの少数民族が独自の文化を維持して生活していて、旅人を惹きつけます。
私はガイドブックで見たトン族の風雨橋の美しさに魅せられて、彼らの村を訪ねることにしました。
この旅行記の目次
1 漓江でいかだに乗る 桂林・興坪
2 龍脊の竹筒飯 桂林・龍勝
3 風雨橋の村に泊まる 程陽(今回)
4 トン族の村の朝 程陽
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 飛行機
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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龍脊からさらに走ること2時間。車は程陽の村に到着しました。ここは、広西自治区の北辺にある三江トン族自治県の中心部から北に18km、湖南省との境に近い村です。
入村料を払って進むと見えてきました、風雨橋。風や雨を防ぐ屋根と壁のある橋のことで、木造建築に優れたトン族が建てた壮麗な建築物です。
ご覧の通り、三層の屋根の下に二層の裳階のついた楼閣が五棟も連なった豪華版です。しかも、五棟のうち両端の二棟は入母屋造りで、残りの三棟は宝形造りの上に塔を持ち、中央の棟は少し高くなっているという複雑な構造です。
こんな山の中の村には不似合いなほど華麗な橋だと思いませんか。 -
ガイドブックによれば、この程陽永済橋は全長78m、幅3.7m、楼閣の高さは10m。1912年につくられ、1983年に修復がおこなわれているようです。
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川岸から石段を登り「程陽橋」の額が掛かる入り口から進みます。
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内部は梁も屋根裏もすべてむき出しで、外観とは対照的に武骨なつくりです。釘を使わずに、すべて地元の杉材を組み合わせて建てられているそうです。
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両側にしつらえられた長いすは、農作業の合間の休憩に使われるのだそうです。この時は、女性たちが針仕事をしながら色鮮やかな布小物を売っていました。
でも、私に全然声が掛からなかったのは、彼女たちが控え目なのか、それとも私にお金がなさそうだったからなのか…。
ガイドの劉さんにうながされ、ひとまず宿へ入ることにします。 -
程陽での宿は侗(にんべん+同)家旅館といいます。トン族旅館といったところでしょうか、英語のウェブサイトを持っていて、そこではDong village hotel という名前になっています。
程陽でたぶん唯一の英語で予約でき、英語の通じる人のいる旅館です。ウェブサイトの清潔そうな部屋の写真を見せて、相棒から宿泊のOKをもらうことができました。
予約時に眺めのよい部屋をお願いしたら、最上階の風雨橋寄り角部屋を用意してくれました。角部分は広いバルコニーで、風雨橋や村の景色を眺めながらくつろぐことができます。 -
部屋の窓からはこんなふうに見えます。一番手前に見えるのは建築中の新しい風雨橋です。
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部屋はもちろん総杉張りです。
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天井を見上げるとこんな感じです。飾り気は何もないのですが、シンプルで清々しい感じのする部屋です。
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部屋に水洗トイレがついているのも、ここではすごいと思います。水の流れる溝の上で、ていう水洗じゃないですよ。シャワー、トイレ、洗面台が一緒でも十分すぎる広さがあります。
惜しまれるのが排水です。床に排水口が一つしかないので、シャワーの水は全部洗面台の方へ流れてくるし、洗面台の排水もなんと床に落ちてから排水口まで流れていくのです。サンダルは用意されてはいるのですが…。
せめてすのこでもあればと思うのですが、こちらの人はそんな必要は感じないんですね。 -
部屋から見下ろす川の対岸には、大小の水車が3基も回っていて、その向こうには田んぼが広がっています。
そんなのどかな風景を見ながらしばし休憩し、少し涼しくなった午後4時半に劉さんの案内で村歩きに出ました。 -
まずは程陽永済橋をもう一度拝観します。
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この永済橋を右に見ながら進んだところで通行止めになってしまいました。どうもテレビか何かの撮影をしているようです。なるほど時代劇のロケにはぴったりでしょう。
劉さんの案内で別の道から進みます。 -
風雨橋とともにトン族の木造建築を代表するのが鼓楼です。鼓楼は集落の集会所的な役割を持ち、何層もの屋根を持つ立派な建物です。
程陽に8つある集落のうち、一番手前の馬鞍寨の高台にある鼓楼の内部です。 -
鼓楼の名の通り太鼓が吊り下げられています。美しい外観は、後ほど翌朝の写真でご覧ください。
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田畑と民家の間の細い道を劉さんについて歩き、集落を抜けると田んぼの向こうに大きな建物が見えてきました。中学校だそうです。
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民家は大きなのもあれば小さなのもあり、かなり傷んだ家もあれば新築の家もあり。ここは建築中ですが、広々とした4階建ての立派な家です。
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合龍橋が見えてきました。この村で永済橋に次ぐ規模の風雨橋です。少しかしいでいますが、それがまわりの自然とは調和しているようにも見えます。
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その向こうの鼓楼と組み合わせても絵になります。
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中も永済橋よりは素朴な感じです。
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先ほど見えた鼓楼にやってきました。陽光に輝く岩寨鼓楼です。「防火運動実施中」でしょうか。
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15層もある堂々たる鼓楼です。正面の広場では籾米を広げて干す作業が行われています。
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風雨橋は古びていましたが、鼓楼は真新しいです。
木製の椅子がたくさんあって、十数人の男性が語らっていました。私たちも端を借りて、少し休ませていただきました。鼓楼の維持費の喜捨を募っているとのことでしたので、わずかばかりの寄付をいたしました。 -
集落の誇りの鼓楼。大事に守っていってください。
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岩寨鼓楼近くにあった門です。こういう名前の寨は地図にはないのですが、劉さんの説明は忘れてしまいました。旅行記は早く書かなくちゃいけません。
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村を歩いていると時々鶏がひょこひょこ歩いているのに出くわします。昼のスープの鶏もこんなふうに歩いていたのでしょうか。
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村人が藍染めの作業をしていました。
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子どもは川で水遊びです。
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小さな風雨橋がありました。小さいけれど均整のとれた橋です。
このあと私たちが渡ったのは、丸太を3本渡しただけの橋でした。村人はこともなげに渡っていますが、結構長いので緊張して渡りました。 -
平岩小学校です。平寨と岩寨が学区の小学校なんですね。
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合龍橋に戻ってきました。田んぼは脱穀作業でしょうか。こちらの米は二期作なのです。
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橋の左端の青いシートが下がっているところに、大きな太鼓が掛かっています。
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直径は大人の身長を超えるほどの立派な太鼓です。
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永済橋まで戻ってくると、さすがにここは観光客で少し賑わっています。劉さんの話では、外国人ではフランス人が多く、一週間くらい滞在するのだとか。
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さてこの日の夕食は、土地の料理の酸鴨をぜひ、と楽しみにしていたのですが、相棒が昼の竹筒飯を食べ過ぎたとかで、宿の部屋でレトルトお粥という仕儀に相成りました。残念。
窓からは照明に浮かぶ永済橋が見えます。
田んぼの蛙の大合唱を聞きながら眠りにつきました。
主な経費(すべて2人分 1元≒13円)
程陽入村料 120元
岩寨鼓楼寄付 10元
水 2元
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