2010/11/03 - 2010/11/03
61位(同エリア110件中)
哈桑湖さん
何年かぶりで、後輩に会いました。後輩は、「人生、疲れ切っているみたいですね。まだ大学で、ネズミの世話をしていた時の方が、明るかったですよ。目が生き生きとしてましたよ」と。もう一人の後輩は、「人生、生きているだけで、儲けものですよ。人生は、楽しむためにあるんですよ」と。
あの頃より、今のほうがねえ、歳をとったのかなあ。でも、人生は楽しむものなんだあ。
そういえば、カザフスタンで食べた、鯰の燻製は、美味しくなかったなあ。蒲焼なら、美味しいのかなあと。岐阜の羽島では、鯰の蒲焼を食べさせるお店があるので、行くことにしました。
お店の名前は、「魚勝」。老舗です。ここで、腹ごしらえをした後、羽島の寺巡りをしました。一般の民家に混じって、沢山の古いお寺があります。いい町だなあと。
あと、神社も沢山あります。神社には、お百度石が。一瞬、心臓が止まりそうでした。思い出したくない、思い出が。高校3年のときに、お百度石で、大学合格の、願掛けをしたという記憶が、蘇ってきたのです。しかし翌年は、名古屋の中村で、暗い浪人生活。
その他、今まですっかり忘れていたことが、次から次へと。
浪人時代、土曜日の夜だけは、思いきり遊ぶと決め、庄内川の土手の道路を、いつも自転車でこいでいました。
あと、18禁の町のそばだったので、私の住むボロ・アパートには、真夜中過ぎに帰ってきて、お昼まで寝ている方が、何人もいました。早起きの私は、その方たちが取り寄せている朝刊を、毎日タダで読ませてもらって、ポストに戻していました。恥も見栄もない毎日でした。
一番の思い出は、市場で買った、「かき揚げ」に、牡蠣(かき)が入っていないと、食べかけの「かき揚げ」を持って市場に戻り、文句を言って、恥をかいたことでしょうか。
大学時代に、ネズミの世話をしていたときも、浪人時代に、ネズミのような汚い格好をしていたときにも、暗いなりにも、何とかなるさという気持ちが、ありました。
ああ、今は、それすら無くなってしまったのかなあと。でも、人生は楽しむためにあるんですね。
羽島の町、古き良き日本を、凝縮した町みたいです。子どもの頃、祖母に連れられてお買い物をした、あの輝いていた昭和の香りがするんです。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
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田園地帯にある、老舗中の老舗、川魚料理の「魚勝」さんです。
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まず、食べる前に、お勘定を。
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入口です。
ノスタルジックな雰囲気が、いいですねえ。 -
鮒(ふな)の刺身も、あります。
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昔のガラスです。
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昔の旅館みたいです。
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お庭の鯉です。
ウズベキスタンのヌラタの神聖な泉みたいです。 -
日本庭園です。
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鮒(ふな)の刺身です。
見た感じは、鯉とよく似ています。
味もそっくりです。
でも、鯉より、身がコリコリしています。
どっちを選ぶかと言われたら、鮒の刺身です。
赤味噌をつけて、食べます。 -
鯰(なまず)の蒲焼です。
鰻(うなぎ)より、あっさりしています。
白身魚みたいです。
私の周りのお客さんは、みんな鰻丼です。 -
河が、ぱりっと焼けていて、香ばしいです。
一番おいしい部分は、骨のまわりです.
お食事が終わってから、知ったのですが、「鯰のお刺身」も、ありました。
鯰の刺身は、身に弾力があって、フグに勝るとも、劣らぬと言われていますが、フグ以上、フグ以上です。(昔、横浜の伊勢佐木町で、食べました)
次回は、鯰の刺身です。 -
羽島の大須に建つ、真福寺です。
名古屋に、大須観音がありますが、こちらが、本家本元です。 -
名古屋の大須観音は、この真福寺の一院の、宝生院が移転した寺院なんです。
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隣の東光寺です
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養老山脈です。
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永照寺です。
分かりにくい場所です。
細い路地裏に。
地元の人に尋ねて、たどり着きました。
今の世、町中で道を尋ねると、だいたい無視されます。
昭和の時代は、聞けば、親切に教えてくれたものですよ。 -
永照寺です
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浄栄寺です。
この寺の釣鐘は、名古屋の東照宮から、譲られたものです -
聞得寺です。
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聞得寺です
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千代菊酒造店。
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竹鼻別院
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竹鼻別院のフジです
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羽島歴史民俗資料館の中で、
今回は、岐阜大空襲が、テーマに。
B29爆撃機編隊の音が、聞けました。
ドイツのハンブルクを、火の海にした、アメリカ空軍のカーチス・ルメイ(日本の小学生は、鬼畜ルメイと、呼んでいました)が、日本の都市を、無差別爆撃するために、太平洋戦線に、やってきました。
戦前の日本は、小作人と、地主に分かれていました。名古屋の中村にも、食べていけない小作農家の娘が、売られて送りこまれてきた町がありました。(私は、この町のすぐそばで、浪人生活をしていましたが)
こういった社会矛盾に、義憤を感じたのが、2・26事件を起こした、青年将校たちでした。彼らは、農地改革を、訴えました。結局は、この決起は、失敗に終わります。
日本が戦争に負けて、アメリカの占領軍によって、農地改革がなされ、日本は、発展していきます。戦争で、大きな犠牲を払ったから、今の日本があるのです。
でも、戦争は二度と、ごめんです。 -
こんな写真も、
向かって右から、ルーズベルト、チャーチル、蒋介石です。
蒋介石総統は、日本が敗戦したときに、「怨みに報いるに、徳をもってなす」と、言ったようです。
また敬虔なクリスチャンだった蒋総統は、こんなことも。「広島、長崎への原爆投下は、戦争終結のための、キリストの恵みだ」とも言っていますが。 -
小学生の、竹やりの訓練です。
ドイツでは、小学生が、パンツァー・ファウスト(対戦車ロケット弾)で、ソ連軍戦車T34やアメリカ軍のシャーマン戦車に、向かわされたようです。 -
古い民家です
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こんな古い建物も
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本覚寺です
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本覚寺です
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本覚寺の絵天井「雲龍」です
県重要文化財です -
光照寺です
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本覚寺のとなりの、谷汲山の分院です。
お百度石が。
暗い浪人時代が、走馬灯のように、脳裏を。
お百度石祈願より、メンデレーエフの周期表です。
あのウズベキスタンのヌラタの、神聖な泉は、あれだけ沢山の魚がいても、お水が綺麗なのは、Br(臭素)が、多く含まれているからです。
ここの魚勝さんの、お庭の池も、大変綺麗です。ここは、どうかなあと。
あと、露語の先生が、おっしゃっていましたが、男性が臭素を服用すると、女性に興味がなくなるようです。それで、帝政ロシアの時代には、兵士たちに、臭素の錠剤を服用させ、占領地での婦女子への暴行を、やめさせようとしていたと。 -
本覚寺と、名鉄の羽島線です
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八剱神社前の池です
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八剱神社です
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竹鼻不動明王です
重軽石もあります
ここでも、浪人時代の思い出が。
石を持ち上げて、軽く感じれば合格、重く感じれば不合格と。
何回も何回も、繰り返しましたが、いつも分からずじまい。
そんなことより、メンデレーエフの周期表です。 -
途中で、愛知県の蟹江に
蟹江インターそばに、龍照院という、巴御前ゆかりのお寺があります。
見事なお寺ですが、もう夜です。
次回です。 -
最後に、浪人時代に住んでいた、名古屋の中村に寄りました。
私の通っていた予備校近くの、椿神社です。
奥の石碑は、東京裁判で、南京事件の責任をとらされた、松井石根大将の、「池に沈めた石碑」です
石碑の内容は、松井大将が、南京入城の際に作った、天皇陛下と皇軍兵士の勇ましさをたたえる詩です。
この石碑は、東京裁判の判決前に、松井大将と関わりとなるのを恐れた人々によって、中村公園近くの池に投げ込まれました。
その後、再び池から、石碑が引き上げられ、椿神社に祀られました。
松井大将は南京占領後、日本に戻り、昭和14年に日本軍、中国軍の戦った地の土でもって、熱海・伊豆山に興亜観音を建立しました。日本、敵国の中国、区別なしの「怨親平等」の理念に依り、戦死者を弔って供養したのです。松井大将は、日中双方の犠牲者が、東洋平和の礎となる事を祈願して、朝夕、読経の生活を送っていたようです。
松井大将ゆかりの椿神社ですが、名古屋の中村の一角にあることを、殆どの人は知らないのでは。見過ごしてしまいそうな、ひっそりとした神社です。
今の日本の発展は、あの戦争の尊い犠牲の上に成り立っているのです。
戦争は、あってはならないですね。
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この旅行記へのコメント (1)
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- さざえはりんきでさん 2010/11/28 09:37:00
- なまずの名所
- 浦潮斯徳さま さざえはりんきで と申します。
はじめまして(?) ご訪問いただきましたご縁でとても興味深い旅行記に出会うことができました。次々と開いて読ませて頂き「いやー面白い」。写真屋主導の同好会に珍しく記事も多く、中身の詰った旅行記をありがとうございます。
何でも口に入れたい小生 木曽川河口の鯰料理には憧れていますが,いまだ果たせず早稲田近くの鯰料理屋でお茶を濁しています。どちらかというと
鰻よりあっさりしていますが刺身・燻製・照り焼き・フライと何を食べても美味しいです。本場のものはもっと味が濃いのかもしれませんね。「魚勝」さんの写真を拝見してやはり何時か。
ソ連崩壊後のロシア,しかも辺鄙なところに度々行かれているご様子,それぞれ曰くがあってとても素晴らしい。
小生はあの8月クーデターの3日間の折にたまたまモスクワに滞在し前後の変わりようにびっくりいたしました。勿論まだレーニン像などは健在でしたが,その後暫くしてソ連の偉大さを象徴する巨大モニュメントは全て取り払われたと思っていたのですが地方にはしっかり残っているのですね。
記事の端々に大学で生物関係の研究をしておられたご様子,近年旅行記が増えておられるのは定年になられてはじけたのではと想像するのも楽しいかぎり。ますますのご活躍と一層の旅行とその楽しい報告を!!
いや 鯰に当たっての妄想 失礼
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