2010/09/25 - 2010/09/25
3771位(同エリア6003件中)
もろずみさん
閑静な高畑の住宅地と春日大社を結ぶ禰宜道のうち、下の禰宜道は「ささやきの小径」と呼ばれています。
観光客で賑やかな奈良公園界隈の中でも、ゆったりとした時間が流れる格好の散歩道。
志賀直哉が朝な夕なに散策を楽しんだということです。
奈良4日目は古都を愛した文人たちを偲んで、この道を中心にお寺巡りをしました。
本当は気ままにぶらぶらしただけですけど、これが本来の奈良の楽しみ方ではないだろうか。
『やまとぢの るりの みそらに たつくもは
いづれの てらの うへにかも あらむ』
さすがは会津八一先生。奈良から東京へ帰る気分にぴったりの歌です。
- 交通手段
- 徒歩
-
3泊4日なんてあっという間。
最終日は奈良らしい町歩きで締めようと思い高畑町へ。
正面に見えるのは高円山。 -
最初の目的地は百毫寺です。
開門は9:00ですが、少し早いけど入れていただきました。
そしたら先客のカメラマンがいたりします。 -
百毫寺は関西花の寺二十五ヶ寺の一つで萩の寺です。
飛鳥の彼岸花が空振りだったので萩ならどうでしょう? -
ちょっと早かったなぁ。
先客のカメラマンは県内の人で「今日は下見」と言ってました。
かなり羨ましいですが、毎週のように昭和記念公園に行ける方が贅沢かな。(^^; -
境内には万葉歌碑があります。
『高円の 野辺の秋萩 いたづらに 咲き散るらむ 見る人無しに』 (笠金村)
昔から萩で有名だったんですね。 -
萩とともに有名なのは「五色椿」。
こちらは春先に花をつけるのでその頃にも来たいものです。
椿は散り際の方が良いか。 -
元々は志貴皇子の山荘であった場所に、天智天皇が早世した皇子を偲んで寺を建てたをいうのが始まり。
建物は主に江戸期以降のものです。こちらは本堂。
御本尊の阿弥陀如来は宝蔵で見られました。 -
萩が空振りでも、境内から奈良市内を一望できるのがせめてもの慰め。
東大寺二月堂からの景色よりワイドビューです。 -
来た道を戻りながら次へと向かいます。
帰りは下り坂なので周りを見る余裕があります。 -
ほどなく新薬師寺の門前に到着。
だんだん天気も良くなってきました。 -
新薬師寺は天平19年(747)に光明皇后が聖武天皇の病気回復を願って建立しました。
当時は七堂伽藍・東西二塔を構える大寺でしたが、残っているのは正面の本堂のみ。
正真正銘の天平建築でもちろん国宝。 -
屋根のラインの優しさ大らかさが素晴らしいです。
まして青空をバックにすれば1300年前に帰っていくような気分。 -
百毫寺より萩が咲いていました。
標高差のせい?・・・そんなわけないか。 -
本堂内には御本尊の薬師如来を取り巻いて十二神将像がおわします。
迫力ある表情の十二神将は天平時代のスーパーヒーローです。
国宝でない穂作が一体だけありますが、言われなければわかりません。
堂内は撮影禁止なので外から。
一時は物議をかもしたステンドグラスですが、別に違和感はなかったです。 -
あとは香薬師如来があるのですが、こちらは予約しないと見られません。
もっとも香薬師は昭和18年に盗難に遭って今も行方不明。
見られるのはレプリカですが、本物を見た亀井勝一郎が絶賛しているほどの優美な白鳳仏です。 -
境内には会津八一の歌碑。
『ちかづきて あふぎみれども
みほとけの みそなはすとも あらぬさびしさ』
仰ぎ見ているのでこれは御本尊を指すのだろうけど、会津八一は香薬師を見たのだろうか? -
境内も落ち着いた雰囲気ですが、外の風情がまた良い。
こちらは東門の前の道。
ここを歩くだけでも新薬師寺を訪ねる価値があります。 -
新薬師寺のすぐ隣は「入江泰吉記念・奈良市写真美術館」です。
入江作品を多く所蔵していて、今は秋冬の大和路風景作品を展示しています。
入江泰吉の写真の載った本は何冊も持っていますが、ここで見れば一味も二味も違います。
風景写真はこう撮るのか、と勉強になるけど真似はできません。 -
美術館の建物は黒川紀章の設計。
古都奈良の雰囲気を意識した瓦葺き屋根はなかなか良いです。
写真も素晴らしいけど、入江さん愛用のライカやハッセルブラッドが展示されていて見入っちゃいました。 -
ここからは高畑の閑静な町並を味わいます。
バスや車で観光するとこの空気はわからないだろうなぁ。
土塀はなくとも奈良らしいというのは気のせい?
入江泰吉の写真を見た直後だからでしょう。 -
しばらく行くと志賀直哉旧居。
志賀直哉が昭和初期に10年余り住んだ家は公開されています。
ここには小林秀雄や亀井勝一郎、先ほどの入江泰吉たち文人が集まって「高畑サロン」と呼ばれていました。 -
10年かぁ・・・3日か4日奈良を訪ねるだけじゃ作品は書けないはずですね。
こんなレポートがせいぜい。(^^;
入江泰吉なんて奈良から一歩も出なかったんじゃないかと思うほど。
定点観測の写真家と云われる所以です。 -
高畑からまっすぐ森の中に入っていきます。
ここがタイトルにした「ささやきの小径」です。
タイトルにした割には写真はこの一枚だけですけど。(^^;
春には両側に馬酔木が咲きます。 -
春日大社の神職たちの通勤路だったので「下の禰宜道」というのが正式名。
「下」があれば「上」もありますが、そちらはまたいずれ。
小径の終点は春日大社の二の鳥居で、鹿がお出迎え。 -
重文の南門。春日大社の正面玄関です。
ここまで来ると観光客が大勢いて高畑の静けさとは対極的。
土曜日だし天気も良いし仕方ないか。 -
南門をくぐると神社は回廊で囲まれていて、幣殿・舞殿の前まで行けます。
幣殿から見えるのが中門で拝殿はその奥にありますが、ここから先は有料エリア。
神社で拝観料とはさすが世界遺産だ! -
拝観しなくても十分楽しめます。
というか、宝物殿や万葉植物園などを併せると春日大社だけで旅行記が書けるくらい高密度。
今回は入口だけで引き返します。植物園に花も少ないしね。 -
ここからは北参道を行きます。
途中でこんな茶店もあったりしてひと休みできます。 -
やはり締めは東大寺だろうな。
ということでいつもと違ったアプローチで若草山の山麓へ。
鹿と戯れるには絶好のスポットかも知れませんが、誰もいないな。 -
鹿も人がいる方に下りてきていますし。(^^;
-
おっ!今日は法華堂が開いています。早速中へ。
と言っても内陣には入れず礼堂だけで雰囲気は今一つでした。
御本尊の不空羂索観音はおられず、金剛力士像は奈良博で一昨日見たし。
まぁ、日光・月光菩薩を拝めただけで満足。 -
法華堂の薄暗い内陣は仏像好きの聖地でした。
2年後に御本尊が戻られてからもオールキャストではないらしいです。
でも、また見に行くでしょうね。
気を取り直して二月堂へ。 -
またここに来てしまいました。(^^;
しかも前回と同じベンチに座って、同じ風を感じて、同じ景色をカメラに収める。
奈良一番の絶景です。 -
そしてまたこの道を歩きました。
どうしても東大寺で半日を過ごさないと奈良に来た気がしないみたい。
このあと般若寺のコスモスを予定してましたが、咲いてなさそうなので東大寺でのんびりします。 -
前回は戒壇堂に回ったけど、今回は途中で左に折れます。
まず現れるのは大湯屋。
風呂で国の重文なのはここだけだろうな。 -
高台に上がった所に建つのは俊乗堂。
前回特別に開帳してたのに寄らずに惜しいことしました。
今回は固く扉は閉ざされて・・・。 -
目の前には国宝の大鐘楼。
梵鐘の大きさだけでも一見の価値があります。
大仏開眼の年に造られたものらしい。
大仏は補修されているので、梵鐘の方がオリジナル? -
この辺りは東大寺の中でも人があまり通らないエリア。
人ごみに疲れたらここでのんびりするのが良いです。
人も鹿も。 -
鐘楼越しに大仏殿を見る。
気分は入江泰吉で良いショットかと思いましたが、PCに落としてがっかり。(^^; -
大仏殿には入らずに覗くだけですが、何かいつもと違うぞ。
八角灯篭が撤去されています!
そう。東博の「東大寺展」に出張中でしばらく帰ってきません。
上野で見るからいいけど。 -
最後は南大門をくぐり、鹿と人をかき分けて駅に向かいます。
南大門の扁額の「大華厳寺」の文字に注目。
数年前に架けられたものですが、聖武天皇の写経から拾った文字だそうです。
この間テレビを観ていて知りました。 -
ということで今回の奈良歩きはここまで。
未だに入門編の域を出ないコース取りですが、まだまだ歩きたい所もたくさん残っています。
また来よう。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- コクリコさん 2010/10/29 22:49:04
- 二月堂
- こんばんは。
3泊4日も奈良にいらしたなんて珍しくありません?
もろずみさんもやっぱり二月堂の舞台に座って奈良の景色を見る派なのですね。
私も奈良に行くたびに必ずここに来ます。
入江泰吉写真美術館はまだ一度も行ったことがないのですよ。
結婚してから奈良へ一人旅したことがないので、なかなか行けません。
同行者は誰であろうと「奈良に来てわざわざ奈良の写真見るなんて。家に写真集だってあるのに」ですからね。
高畑あたりの風景は全然「もろずみマジック」がかかっていませんね。
そのまんまです(^^)v
- もろずみさん からの返信 2010/10/30 21:44:59
- RE: 二月堂
- コクリコさん、こんにちは。
> 3泊4日も奈良にいらしたなんて珍しくありません?
そこがツッコミどころですか?(笑)
以前も大阪出張とからめて3泊4日が標準だったんですよ。
確かに奈良3泊は珍しいかも。
> もろずみさんもやっぱり二月堂の舞台に座って奈良の景色を見る派なのですね。
> 私も奈良に行くたびに必ずここに来ます。
法華堂の内陣、二月堂の舞台、大仏殿裏参道が黄金コースですね。
こんなに落ち着くところは他にありませんから。
> 入江泰吉写真美術館はまだ一度も行ったことがないのですよ。
どうしてもという所じゃないけど、新薬師寺の隣ですのでついでに寄る感じでよいかも。
写真集と同じでも大きさが違えば別物です。
入江さんは、最初は仏像、次に風景、晩年は万葉植物と興味が移っていったそうです。
そんなことを学ぶ場所です。
> 高畑あたりの風景は全然「もろずみマジック」がかかっていませんね。
> そのまんまです(^^)v
うふふ、マジックは別に用意してますので乞うご期待。(^^)/
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