2010/10/04 - 2010/10/05
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ちびのぱぱさん
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雨が降ったらどうする?
そうね、そん時はひたすら湯に浸かるか。
そんな会話をしていたら、ほんとに雨になってしまった。
ニセコの道の駅に着いた時にはすっかり本降り。
ハバネロがおいてあったので、それを買ってニセコ温泉郷に向かいます。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
雨降りの、しかも月曜日にもかかわらず、道の駅は大勢の人が詰めかけていました。
観光というのは光を見ると書きますが、雨が降っても旅は旅。 -
カボチャというのは実に色々な種類があるのはご存じでしょうか。味も食感もそれぞれ異なります。
この道の駅には、10種類は置いてありました。それぞれ購入して、カボチャバイキングとかしたらどうだろう。
それが意外にも大当たりして、ちょっとした資産家になって……。
そんなことを考えていたら、買い物をしていた相方がほしいものの購入を済ませ、
「行くよー。」
というので、我に戻りました。 -
ニセコから、尻別川の紅葉深い渓谷を渡り、雨のしのふる山中に車を走らせるとやがて昆布温泉郷に至ります。
その温泉郷のとっ口の薄暗い山側に「鯉川温泉」の看板を見つけました。その脇を林道のようなじゃり道が雨にけぶる森の奥に続いています。
「どうする?」
と、相方と顔を見合わせます。
とにかく道を進むと、写真のような鯉の群れる池の畔に、意外に清楚な感じでたたずんでおります。
「意外に」と言ったのは、以前に温泉の写真を見て、相当鄙びた湯治宿を連想していたものですから。 -
入り口からはいると、意外に(またまた失礼)旅館な構えです。
-
大きな提灯が脇に下がっております。
文字が書いてあるので、そちら側から見ると…… -
日本秘湯を守る会、の文字が。
-
受付のシャイな男性にお金を払い、湯殿へと続く長い廊下を進む。
北海道の鄙びた古宿特有の香りがします。
なんの匂いだろう。
この宿に泊まったとして、夜中に目覚めて独り風呂に向かうとして、この廊下はかなりきますね。 -
廊下の両脇は、自然のままの景色。
-
浴室には、真ん中にど〜んと湯船があって、その周囲に、人がやっとすれ違える程度の空間(洗い場?)が設けられています。
強烈な鉄分の香り。
人の気配はありません。
高い位置にある窓からは、曇り空の、意外に強い白色の光が照らし、湯口から勢いよく注ぐ源泉が規則的に浴槽の湯に波紋を作っています。
静かに独り身を浸すと、「あ〜。」だの、「ふ〜。」だのといった意味不明のため息が思わず口から漏れ、エコーを伴って浴室に響き渡ります。
見上げると、天井には空気抜きの櫓が設けてあり、そこからゆっくりと外気を含んだ湯気が落ちてきます。 -
露天風呂に出てみると、先客が二人いらっしゃいました。
どちらも、雨の中じっと湯に浸かっています。
瞑想するかのように目を閉じ、すぐ脇に流れる滝の音と、雨の音、そして虫の音。
恵みの雨を吸い込んで、むせるような森の香りが肺の奥にまで染み込みます。
隣の男性に、
「雨の日も、悪くありませんね。」
と、声を掛けてみると、その人は瞳を開け、にこりと笑顔を作り、
「ええ。でも、やっぱり晴れが良いですね。」
と、おっしゃいました。30代くらいのビジネスマンふうの男性です。月曜の昼下がりにお見かけするとは、よほどの秘湯ファンか、と自分のことをさておき想像をたくましくします。
浴槽の縁に腰掛けて目をつぶる向かいの男性の脇に、筒から流れる湯口があって、その横にコップが置いてあります。
「飲めるんですねえ。」
と、声を掛けると、その男性は目を開けちょっと場所を空けてくれました。
コップを取って口に含んでみると、内湯のような鉄分の匂いは少なく、「炭酸」の味がしました。
昔、群馬県の伊香保温泉のはずれにあった無人の露天風呂で口に含んだ味を思い出しました。
ただ、浴槽に浸かっていても気泡が体に着くこともないので、気のせいなのか……。
「うまいですか。」
と、見守っていた男性が訊いてきました。うっすらとひげを蓄え、ちょっと登山者風の方です。
「嫌いな味ではありませんね。」
変な返事をしたものです。 -
ニセコのひらふスキー場辺りは、すっかり様変わりしています。
日本語表示より、英語の表記の方が幅を利かせ、街並みもまるで欧風、スイスみたいです。 -
おしゃれなレストランも多く、ちょっと寄ってみたいと思っていたのですが、余市のスーパーしがチェーンのお店の250円弁当が未だに効いて、満腹感が消えません。
雨足はさらに強くなって、それでも、不思議なことに羊蹄山がはっきりとその姿を現しています。
気まぐれなこの山は、周りがどれほど晴れていようと、自分だけ雲の衣をまとって人目を避けているかと思えば、こうして雨の日にその姿をさらしている。
打ち放しのコンクリートの壁のような薄いグレーの空のバックに、青い墨で描いたような見事な円錐形が浮かび上がって、その意外さに私たちはしばし車を停めて見とれていました。
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