1989/10/02 - 1989/10/02
70位(同エリア512件中)
がおちんさん
雲南各地を旅して、すっかり少数民族に魅了されてしまいました。
もっと色々な地域の少数民族を見に行きたいと思ったのですが、当時の雲南省は未開放地区が多かった上に、祭りや定期市の情報がほとんどありませんでした。
そんな私に願ってもない機会となったのが、「第4届雲南省少数民族伝統体育運動会」。
幸運にも全省から集った少数民族を同時に見ることができました。
これがツボにはまってしまい、翌年から雲南民族学院で学びながら少数民族の村へ行く日々が始まりました。
- 同行者
- 一人旅
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
1989年10月2日(月)
今日は「雲南省少数民族伝統体育運動会」が開催される日だ。
わくわくしながら、開場の1時間前に拓東体育場に行ってみる。
各地の少数民族代表団を乗せたバスが、次々と開場入りしていた。 -
チケットは早朝にダフ屋から仕入れていた。
この男、「チケット代は4.5元だ」とふっかけてきたが、他の中国人にも同じ金額を要求していたので、さほどボラレてはいまい。軍人や公安の制服を着た人には「不買!」と言って相手にしなかった。
粘った末に4元にまけさせたが、今度は「つり銭が無い」と言って両替のためいろんな売店につきあわされ、結局は昆明飯店の前まで来てしまった。
たった5角のために往復で1キロ近く歩いた俺も馬鹿だが、折れない心をダフ屋に思い知らせ、お釣りの5角は一杯の米線代とさせてもらった。
・・・まぬけな話だ。 -
解放トラックの荷台から軍人が下りて来た。
迷彩服を着ている人もいる。
なにやら物々しい雰囲気。 -
今度は大量の解放軍が来場。
彼らが少数民族運動会を見に来るのかなあ?
少々疑念を抱く。 -
大理のペー族が来ていた。
リングつきのスティックを手にしているので、踊りが見れそうだ。 -
後ろには運動会の手書き看板が立っている。
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貫頭衣を着た尋甸の彝族と楚雄の苗族。
初めて見る民族服だった。 -
紅河のハニ族もいた。
やっぱり目立つなー。
なお、左後ろを歩く男はハイヒール革靴。当時の雲南で流行していた。 -
こちらは明るくてノリが良い、保山のリス族。
手に笛を持っていたので、「吹いて下さい」と頼んでみた。 -
恥ずかしそうに笑ったが、笛を吹き始めた。
もう一人がそれに合わせる。 -
やがて踊りながらの演奏となった。
思いがけない展開に感激する。
彼女たちは何曲も披露してくれた。 -
路南のサニ族。美人ぞろいだったので、おそらく歌舞団の人達だ。
民族服もピンクでお揃い。 -
こちらは通海の蒙古族。
各地区によって参加者数がバラバラのようで、彼女らは2人だけ。 -
ニンランから来た人達。
さすが六詔の末裔は大柄だ。
後ろの苗族と比較するとよくわかる。 -
文山の少数民族もやって来た。
水族は一人だけの参加だという。 -
グループで踊りだしたのは双江のプーラン族。
まだ本番前なのだが、皆ノリノリだ。きっとお祭り感覚なんだろうな。
それにしても版納のプーラン族とは民族服が全く違う。肌の色も白いし、この人達も歌舞団かな。 -
進行が遅れているのか、少数民族の代表団は外で待たされていた。
私はこれ幸いと写真を撮る。 -
鮮やかな色の民族服を着たプミ族とリス族。
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いくら雲南とはいえ、祭りにでも出くわさない限り、これだけ多くの民族衣装を見ることはできない。
今日は本当に運が良かった。 -
可愛いのでカメラマンの注目の的になっていたプーラン族の女性。
何を質問されても、うつむいてしまい答えなかった。 -
笛を持った普米族の人とツーショット。
瀘沽湖にすむモソ人とよく似た民族衣装だ。
で、またもや笛を吹いてもらうよう、お願いしてみた。 -
すぐに演奏を始めてくれた。
日本の民謡にも通じるような旋律を奏でる。
他の少数民族の人たちも興味津々の様子。 -
翌年、瀘沽湖に行った帰りに寧浪で彼女と再会した。この時の写真を渡すと、とても喜んでくれた。
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彼女は麗江地区のリス族。
後日、雲南や台湾で出版された少数民族の写真集には、この日に撮られたものも多かった。 -
入場を待つ楚雄の苗族。蘆笙のチェックをしていた。
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いよいよ少数民族の入場となった。
私も急いで会場に移動する。 -
いよいよ少数民族による地区ごとのパレードが始まった。
まずは大理から。ほとんどがペー族だ。 -
スオナと太鼓による演奏曲は「迎賓曲」。
大理のテーマ曲のような曲だ。 -
臨滄からはダイ族やワ族、プーラン族などが参加。
なぜか動物のぬいぐるみも登場した。 -
プーラン族が踊る。
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東川地区の彝族。
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あとに続く苗族。
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紅河のハニ族。
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太鼓を叩くハニ族の男性。
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保山の代表団。先頭の女性は漢族ということかな?
後ろにはリス族が続く。
先ほど笛を吹いてくれた女性もいた。 -
蒙古族を先頭にした玉渓の代表。
太鼓を抱えているのは女性陣だ。 -
後ろから龍の舞いが続く。
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私もハマッた西双版納からは、ダイ族とジノー族が参加。
ハニ族やプーラン族、ラフ族の姿は無い。
ちょっと残念。 -
お、ジノー族まで孔雀踊りを披露している。
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大柄な少数民族は麗江の代表団だ。
プミ族を先頭に彝族のスオナが続く。 -
その気候と高度のゆえか、麗江地区の少数民族は重厚な衣装が多い。
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続いては、彝族を中心とした楚雄の代表。
ドラを鳴らしながら行進する。 -
彝族や苗族の民族衣装は、さまざまな村や県によってデザインが異なる。
なんだかファッションショーみたいだな。 -
昆明からの少数民族は彝族が参加。
先頭はサニ族。そして太鼓を鳴らしながら踊る彝族。 -
そして獅子舞いが続く。
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曲靖からは彝族の太鼓と踊りが。
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お姉さん達も楽しそうだ。
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徳宏からは大勢参加していた。
ダイ族を先頭にリス族などが見られたが、背広姿の人も多い。
前列の人は一生懸命踊っているのに、後ろの人はダラダラ歩くのみ。 -
その後ろに続くのはチンポー族。
こちらも歩いているだけだった。 -
フィルムを入れ替えている間にパレードが進んでしまった。
写真は怒江の代表団。怒族やリス族が見られた。 -
思茅からはワ族、ハニ族、ダイ族が参加。
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ワ族の人は肌の色が特に黒い。
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行進するハニ族の女性。
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同じく、西盟のワ族女性。
大理や昆明のように、踊りを見せる「いかにも歌舞団」のような代表団もあれば、歩くのみの代表団もある。
なんとなく地域の経済力や文化水準が反映されているような気がするなー。 -
苗族を先頭にした文山の代表団。
あれ、子供も混じっているぞ。 -
健気に蘆笙を吹く苗族の子供に、観客も声援を送る。
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ゲイラカイトのような民族衣装は麻栗坡の彝族。
ベトナムとの国境紛争が起きた場所であり、当時は外国人が旅行できる時代ではなかった。 -
迪慶(デチェン)からはチベット族が参加。
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今回、そのほとんどが未開放地区から参加した少数民族であるため、この光景をしっかり目蓋に焼きつけておいた。
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昭通からは苗族が参加していた。
蘆笙を吹く男性は、昭通式と呼ばれる民族衣装を身につけている。 -
苗族の衣装は刺繍が見事だ。
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異なる4種類の民族衣装は、みな苗族。
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少数民族のパレードが終わると、正面席に陣取った大量の解放軍が大声をあげはじめた。
さっきまで静かだったのに、いきなりのハイテンションぶり。 -
煙幕をはりながらパラシュートが降りて来た。
「あ、あれは何だ?」と観客は大騒ぎ。 -
革命歌が流れる中、上空を飛ぶ飛行機から、次々とパラシュート部隊が降りて来た。
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五星紅旗をはためかせながら降下。
ナショナリズムを煽る。
歓声を上げる人民。
共産主義好!
なんだか妙な展開になってきた。 -
おっと、危ない!
もう少しで絡まるところだった。
降下技術は低いようだ。 -
フィールドには降下地点のマークがあるが、ピンポイントで降りられた人はほとんどいない。
派手に尻餅をつく人や、もう少しで観客席につっこみそうになる者もいた。 -
なんと女性のパラシューターもいて、降下後にトラックを回りながら客席に花を投げこんでいた。髪型も化粧もばっちりだ。
ある意味、すごいな。 -
和やかな少数民族パレードの雰囲気は消え去り、いかにも共産国らしい雰囲気が漂いはじめた。
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気合と共に銃剣をブスッ!
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今度は「アイヤー」と二人ずつ跳び蹴り。
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蹴ったあとは最後の人が終わるまで寝たまま。
芝居がかっていて嫌味な感じがするが、これまた中国の現実だから仕方が無い。
結局、解放軍のデモは少数民族パレードの倍以上の時間を費やした。
その後、雲南対四川のサッカーが始まったが、私はそそくさと会場を出る。 -
体育場の外では、帰路に向かう少数民族に遭遇した。
これまた幸いとシャッターを切る。
パレードも終わり、リラックスムードのジノー族。 -
ダイ族とジノー族が仲良く歩く。
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銀細工をカシャカシャ鳴らしながら、チンポー族が帰っていく。
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同じく、紅河へ帰るハニ族。
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昭通の苗族も帰路に着く。
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西盟へ帰るワ族の女性。
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記念撮影するダイ族。
まあ、普段はこんな格好していないが。 -
大きな帽子のリス族。
バスに乗るときははずすのだろうか? -
笑顔で撮らせてくれた彝族の女性。
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あちこちから声がかかっていた苗族の二人。
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美人ぞろいだったペー族の代表団。
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少数民族の表情をアップで撮ってみた。
一度見たら忘れない、涼山彝族の横顔。 -
憂いが漂うサニ族の女性。
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野生のまなざしは南澗の苗族。
大きな被り物が目立つ。 -
そして背中の刺繍は、もっと迫力があった!
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同じく、少数民族らしい表情が魅力的だったリス族。
後に雲南の観光化や都市開発が進むにつれ、少数民族から野生の眼差しは消えていった。 -
最後は笑顔が素敵なハニ族の女性。
思わず目が行く民族衣装。このセンスはどこから出てくるのだろう。 -
過橋米線とバオズを食べながら少数民族のパレードを振り返る。
今日は沢山写真が撮れて大満足。ネガ・ポジ含めて4本以上もフィルムを使った。
でも、これがツボにはまったようで、ますます雲南に興味が湧いてしまった。
雲南の旅 1989 (20) 石林〜心優しいサニ族の人達に続く
http://4travel.jp/travelogue/10508984
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この旅行記へのコメント (2)
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- captainfutureさん 2010/10/08 21:21:48
- こんばんは。
- よくぞこれほどの各地の民族衣装の人々を一堂に集めたという感じですね!
がおちんさんの興奮の度合いが伝わってきました。
私も現場にいたら、生涯忘れられなくなりそうです。
- がおちんさん からの返信 2010/10/09 10:14:05
- RE: おはようございます
- captainfutureさん
雲南を旅して2ヵ月半、各地で少数民族の人たちを見て来たのですが、さすがにこの時は興奮しました。未開放地区の少数民族をこんなに沢山見れるとは思ってもいませんでしたからね。
これが雲南に留学する決め手にもなりました。農民姿でどこでも行くようになるのは翌年からです。
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