1989/09/13 - 1989/09/19
205位(同エリア611件中)
がおちんさん
世界最深の峡谷と称される虎跳峡でトレッキングが出来ると知って、麗江から大具にやって来ました。
広々とした景観が素晴らしい大具に4連泊し、大理で崩した体調も回復。
2人の同行者を得て、3人で虎跳峡へと向かいました。
「大したことはないだろう」と、たかをくくっていたのですが、連日の雨で滝が増水したため、正に命懸けのトレッキングとなってしまいました。
スリルある山道歩きの前編です。
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1989年9月13日(水)
麗江にて。後ろの山は玉龍雪山。
朝7時30分発の大具行きのバスは30分遅れで出発。乗客は少ない。
白沙を過ぎた辺りから霧がたちこめる。真っ白にかすんだお花畑の中をバスはゆっくりと走る。 -
大具に着くちょっと前、バス内で事件が起きた。
ある中国人の中年男は乗車中ずっと白酒を飲んでいたが、酒癖が悪くて、他の乗客にも飲むよう強制し始めた。
私の所にも来て「飲め」というので、ビンに口をつけて飲んだふりをしたが、アメリカ人3人組にも強要したら拒否され、ケンカになった。
この男、いきなり胸からナイフを出して振りかざしたので大騒ぎになり、結局、運転手の助手と周りの乗客が押さえ込んで事なきを得た。
やれやれ。 -
大具に到着。
金沙江を挟んだ対岸にドーンと大きな山肌がそそり立っている。
ここからは見えないが、あの谷間に虎跳峡があるはずだ。 -
大理で豚の生肉に中って体調が悪いため、静かなこの村でしばらく休むことにする。
カセットレコーダーで音楽を流し、のんびりと寛いだ。
この村で買った単3電池はカセット再生が20分しか持たない。中国製の電池は粗悪品ばかりだ。
それとも店主が少々使用したのかな。 -
1989年9月14日(木)〜15日(金)
ここの宿は古い廟を改造した旅社で、2階の部屋からの眺めは抜群だ。
夜になると中庭でビデオが上映されるため、村人が集って賑やかになる。
深夜まで「バシッ」、「ボゴッ」、「アイヤー」とカンフー映画の音がうるさい。
もっと参ったのが蚊とダニだ。夜中に攻められて痒くてたまらない。翌朝、足を見ると虫に噛まれて血が出ていた。 -
近くの小学校から子供の掛け声がしたので行ってみると、朝の体操をしていた。
裸足の子供が多い。先生の号令に合わせ、みんな気合を入れて運動していた。 -
あまりに風景が大きいので、遠近感がわかりにくいが、はるか遠くまで峡谷が続いている。
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大具から虎跳峡とは反対の方向に歩いていくときれいな川が流れていた。
ダニなどの虫に連日やられたので、気分的にもスッキリしたい。素っ裸になって水浴びする。
日差しが強いので、あっという間に体が乾いてしまった。
気持ちが良い。 -
薪を運ぶ、納西族のおばあさん。
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1989年9月16日(火)
大具にいても金沙江は見えない。
今日は虎跳峡の出口にあたるところを見に行くことにする。
トレッキングのルートからは見えないそうだ。 -
とにかく風景が広い。
大具から虎跳峡までは、歩いて2時間ほどだという。
対岸の崖に見える白い線は、トレイルかなあ? -
村人に教えてもらった道を歩いていく。
人と行き交うたびに、ルートを間違えていないか確認する。 -
ここから谷を下りていく。
手前に見える河は金沙江ではなく、その奥にある谷がそれだ。
遠くに見えるフラットな丘の上に村が見える。 -
ズームしてみた。
納西族の住む、ユィークゥ(雨顆)村だ。トレッキングの際に通る村である。 -
谷を下ってまた上る。
小さな村をひとつ過ぎた。
ここの川は清流だ。 -
ついに虎跳峡に着いた。
ゴーッと下から響くような音が聴こえて来る。
凄い迫力だ。こりゃ落ちたら絶対にアウトだな。
対岸に見える白い筋がトレイル。従ってトレッキング中にこの風景は見ることができない。
☆当時、虎跳峡の標高差は3900mと言われていたが、現在は3790mに修正されている。 -
写真だと峡谷の大きさが分かりにくいのが残念。
吹いてくる風と谷間の轟音に圧倒されっぱなし。 -
下流方面を眺める。
虎跳峡の激流はここで終わり、金沙江なだらかな流れになる。
崖の中腹に見えるのは道だろうか。 -
やっぱり道だ。
ゲッ、あんな所を歩くのか?
落石が当たったらどうするんだ! -
2年前の1987年、原付で日本一周中に黒部の欅平から阿曽原温泉に行ったことがある。何の情報も装備も無いまま「水平歩道」を歩いた時はかなりビビッたが、あの時と同じムズムズ感が襲ってきた。
まあ、こちらは登山道ではなく、地元民の生活の道だから平気だとは思うけど。
もし落ちたら、あの急流に吸い込まれてしまうんだろうな。
そう思うとブルブルが来た。 -
大具までは1時間半で帰り着く。体力もかなり回復した。
よーし、明日はトレッキングに出発だ! -
1989年9月17日(水) トレッキング初日。
あいにく朝から雨になり、天候が回復するまで宿で待機する。
小振りになって出発したところ、麗江発のバスから降りてきた日本人男性のNさんとスイス人女性のEさんと会い、一緒に虎跳峡に向かうことになった。
小雨の降る中、大具から50分歩いて船渡し場へ着く。かなり下方へ来た所なので、河の流れはゆるやかだ。 -
船渡し場から大声を出して、対岸にいた船頭を呼ぶ。
30分も待たされ、ようやく船頭がこちらに船をまわしてくれた。
渡し代は、外国人は20元だが、スイス人のEさんは流暢な中国語で船頭と会話をして5元になった。私は中国人と言って1元。Nさんは10元払い、後で3で割った。
(ひとり5.3元)
Eさんはスイスの鍼灸師で中国に留学しているそうだ。宿で「古代九鍼」のレプリカセットを見せてくれた。こういう西洋人もいるんだなー。
※現在、自分が同じ仕事に就いていると思うと、とても懐かしいです。 -
対岸では地元の中国人が、「こっちのエリアは未解放だ、外国人は捕まるぞ」と叫んでいる。
実際、トレッキングを終えて、麗江に戻る途中にある魯南の公安検査で捕まる外国人が多いという。虎跳峡が外国人旅行者に人気があると知った地元の公安が、小遣い稼ぎに検査をやっているのだろう。
せこい国だ、中国は! -
対岸に着くと、一気に丘まで登らなくてはならない。
それだけでけっこう疲れる。 -
丘まで登ったところで一休み。
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丘から金沙江の下流方面を望む。
自然の凄まじさを実感する眺めだ。 -
丘を登りきった所にある、ヨンクゥ(永殻)という村で泊まることにする。(3元)
漢族のほか、納西族・リス族・回族が住んでいるという。
夕飯の麺とご飯。そして自家製の白酒がとても旨かった。初めは無愛想だった宿主も、酒の味を褒められて朗らかになった。 -
1989年9月18日(月) トレッキング2日目
朝から雨が降っている。小雨になるのを待っていたら10時半になっていた。
今日は寒い。
だだっ広い草原地帯を歩く。たくさんの家畜が放牧されている。 -
納西族の人に出会った。
雨の中で、元気に話し込んでいた。 -
民族服を来たおばあさんと一緒に記念撮影。
未開放地区なので、中国の工作服を着て目立たないようにした。 -
このおばあさん、雨でもへいちゃらで濡れていた。
なぜか片足だけ靴をはいていた。 -
永殻から30分歩いて「雨顆村」に着いた。
一昨日、遠望した納西族の村である。この村、岩盤の上に建っているようで、小道が雨で滑って歩きにくい。
水車小屋がゴトゴト音を立てて回っていた。
対岸の崖が迫って見える。いよいよ虎跳峡に入っていくわけだ。 -
先日、対岸から見えた崖の上のトレイルを歩いていく。
なるほど、こちら側からは虎跳峡の眺めは見ることができない。
左側に見える崖をたどっていったピークが、玉龍雪山ということになる。 -
雨顆村から3時間歩いて核桃園に着く。対岸の崖が大きく迫った場所で、谷からゴーッと音が聴こえて来る。
時間はまだ早いが、私と日本人男性のNさんはここで泊まることにする。石を積んだだけの粗末な旅社だ。(2元)
スイス人女性のEさんは「もっと先まで歩く」言い、ビールを飲んで出発して行った。
夕飯を頼むと、宿主が「おかずはタマゴしか無い」というので焼いてもらうが、これがヒドイ味で食えたものじゃない。腐っていたとしか思えないので、持参した缶詰を開けて二人で分ける。
夕食を終えた頃、Eさんがずぶ濡れになって戻ってきた。大きな滝があって通れないとのことだ。 -
1989年9月19日(火) トレッキング3日目
昨夜1時頃、顔に冷たいものを感じて目が覚めると、雨漏りだった。結構ひどく漏り、布団も濡れて寒い思いをする。
Eさんは大具に帰ると言う。「一緒に行けば大丈夫だよ」と励ますが、「あの滝は絶対に越えられない」と、早朝に大具に戻って行った。
私とNさんはゆっくりと眺めを楽しんでから、10時50分頃に出発する。
対岸の崖があまりに大きくて、遠近感がつかめないのだ。 -
崖下の金沙江が見えた。
上から見ても流れは相当に激しい。
地形が険しい場所では道幅が50センチ位になるが、山側にへばりつけば問題ない。雨で滑らなければ楽勝だ。 -
行く先に滝が見えてきた。
風景がでかすぎて、近くまで行かないと滝の大きさがよく分からない。
よく見ると、木の橋がかかっているようだ。 -
ゲーッ、凄い滝。橋から落ちたら一瞬でお陀仏だ。
丸太を組んだ粗末な橋は不安だが、地元民が颯爽と渡っていくのを見て、我々も先を進むことにする。
実は、ここからが難関の始まりで、9つの滝を越えなくてはならなかった。
知ってたら行かなかったのにー。
雲南の旅 1989 (16) 麗江〜命懸けの虎跳峡トレッキング:後編 に続く
http://4travel.jp/travelogue/10503369
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