東チベット・アムド周遊(２) 【夏河から同仁へ／熱貢六月会】

2010/08/01 - 2010/08/02

３日目。

　夏河（サンチュ）から同仁（レゴン）へ。同仁（レゴン）ではゴンパ巡りなどで２泊の予定でしたが、「熱貢六月会」と言う祭りも見学できました。

　　黄南チベット自治州の同仁（レゴン）は、「熱貢(レゴン)芸術」として有名な所。タンカ（チベット仏教の仏画）の製作や仏像などの造形美術に優れ、その作品群は、広くチベット文化圏の各地に供されているらしい。

　　また、同仁（レゴン）では毎年旧暦6月17日〜25日に開催される「熱貢六月会」と言う独特の祭りがある。
　　丁度日程が、このチベット族の祭りと合ったため、霍日加村、保安村へ。翌日は郭麻日村へ見学に行きました。
「熱貢六月会」は400年以上の歴史があり、戦いや、宗教や民族の風習を色濃く残す伝統的盛大な行事でした。

　　この伝統祭りは、同仁（レゴン）付近1〜20ｋｍに点在する各村々で行なわれています。霍日加村、保安村、郭麻日の他、ガ沙日村、年都乎､吾屯､加査マ､ガ隊､鉄吾､石哈龍､哈拉巴図､蘇乎日､四合吉村などの村々。
　　殆ど下調べもなく、初めての見学でしたが、盛大でインパクトのある祭りでした。この祭りの見学のためだけに同仁を訪れてもいい位です。近い将来に再訪したいと思います。オススメの伝統行事です。

----【日程】---------------------------------
D1　7/31 関空-北京(CA162)、北京-蘭州(CA1221)
D2　8/01 蘭州南站-夏河(BUS)【ﾗﾌﾞﾗﾝ･ｺﾞﾝﾊﾟ(拉卜楞寺)】
D3　8/02 夏河-同仁(BUS)【熱貢6月会=霍日加村､保安村】
D4　8/03 【ﾛﾝｳｫ･ｺﾞﾝﾊﾟ(隆務寺)､吾屯上寺､吾屯下寺､
　　　---　郭麻日村､ｺﾞﾏﾙ･ｺﾞﾝﾊﾟ(郭麻日寺)】
D5　8/04 同仁-澤庫(乗合白ﾀｸ)､澤庫-和日郷(乗合白ﾀｸ)
　　　---　【ﾎﾙ･ｺﾞﾝﾊﾟ(和日寺)】和日-巴灘岔路口(ﾊﾞｲﾀｸ)-
　　　---　-黄沙頭岔路口(ﾋｯﾁ)-貴南(ﾋｯﾁ)【ﾙﾂｧﾝ･ｺﾞﾝﾊﾟ(魯倉寺)】
D6　8/05 貴南-黄河大橋(BUS)【黄河ｷｬﾆｵﾝ<羊曲>】羊曲-鉄蓋(ﾋｯﾁ)
　　　---　鉄蓋-興海(BUS)
D7　8/06 興海-曲什安(乗合白ﾀｸ)【黄河ｷｬﾆｵﾝ<曲什安>】
　　　---　曲什安-同徳(乗合白ﾀｸ)【同徳市容】
D8　8/07 同徳-巴灘岔路口(BUS)-河北(ﾋｯﾁ)-拉加寺(BUS)
　　　---　【ﾗﾌﾟｷﾞｬ･ｺﾞﾝﾊﾟ(拉加寺)】-瑪沁(ﾋｯﾁ)【瑪沁市容】
D9　8/08 瑪沁-白玉寺(BUS)【ﾀﾙﾀﾝ・ｺﾞﾝﾊﾟ(白玉寺)】
D10 8/09 白玉-班馬(乗合軽四)【ｼﾞｬﾝﾘﾀﾝ･ｺﾞﾝﾊﾟ(江日堂寺)､天葬】
D11 8/10 班瑪-色達(乗合軽四)【ﾗﾙﾝｶﾞﾙ･ｺﾞﾝﾊﾟ(五明佛学院)】
D12 8/11 【ﾗﾙﾝｶﾞﾙ･ｺﾞﾝﾊﾟ(五明佛学院)】
D13 8/12 【香根活佛寺､休暇村､市容】色達-金川(BUS)
D14 8/13 金川-成都(BUS)
D15 8/14 成都-関空(CA151)

エリア 中国

• 旅行の満足度: 4.0

• 交通手段: 高速・路線バス

３日目、朝。

今日は、夏河サンチュからバスで同仁レゴンへ移動します。

ＹＨから夏河汽車站まで歩いて行く。
町のメイン通りでは、古い建物が壊されて再開発がされようとしていた。

最近の中国では、よく見る光景だが、少数民族の暮らす所でも同様の光景を幾度と無く見てきた。。

夏河汽車站

＊時刻表は下記URLご参照下さい。
　http://4travel.jp/traveler/tsuchi/pict/19915248/

夏河から同仁へ出発

青海省との境近くにある「甘加村」を通過中。

この後、青海省に入ります。

夏河から峠を越えて青海省に入ると、一気に大草原が広がっていた。
峠を下って行く途中からの景色は、大パノラマ映像。

残念ながら、バスの座席は真ん中の通路側。
写真は殆ど諦めて、風景を眼で楽しんでいました。

一路「同仁」へ

同仁の近く、大きな岩山が前方に現れた。

黄南(同仁)汽車站に到着

夏河サンチュ0730-同仁レゴン1050(120km,3.5H,R25)

同仁の海抜は2500ｍ。

青海省同仁の宿「黄南賓館」

青海省同仁の宿「黄南賓館」

【価格】ツイン, バス･トイレ付き100元。（トイレ共同, バス無しは80元。）
【設備】TV。ホットシャワー,トイレ(和式) 。
【場所】場所は旅行人ノート参照。
【評価】★★★★
コメント：
・三xin賓館、郵政賓館共に一応外国人宿泊不可。
・三xin賓館前の通りに安宿（旅社等）は20軒ほどある。

宿で伺うと、熱貢6月会は、今日は「保安」と言う村で行なうらしい。
ただ、開始時間が「昼頃」とか「多分1時」とか「2時かなあ」とか、人によりバラバラ。ただ村までは、汽車站から乗合軽四4元で行けるらしい。

取りあえず「保安村」へ。
仏国人と一緒だったので、目の前のタクシーをシェアして保安村へ。
（同仁のタクシーは値段表を持っていて、保安村は23元。）

保安村に着いたら、誰も居ない、何も無い。。。
村人に聞くと「開始は3時頃からだよ〜」と。
タクシーで来る時に、同仁から程近い村でも祭りらしきものをやっていたので、乗合軽四で祭りらしき場所へすぐ引き返した。
写真は軽四での車中で。姉妹と丸解り！

霍日加村の「熱貢6月会」

保安村から祭りらしき場所に到着。
祭りだった、、、「熱貢6月会」だった。
ここの村の名前は「霍日加村」と言うそう。

＊さっきの保安村は、同仁から遠く、13-14ｋｍ位だが、
　霍日加村は同仁の町から2ｋｍ位と近い。

霍日加村の「熱貢6月会」

一枚皮の太鼓を叩いてる。丁度、天理教の太鼓みたい。

霍日加村の「熱貢6月会」

霍日加村の「熱貢6月会」

霍日加村の「熱貢6月会」

場所は、寺の境内で行なわれてるが、何とも雰囲気がいい！
若者は楽しく踊り、老人は酒・ビールを飲みながら眺めてる。

格式ばってなくて、自由な雰囲気が境内全体を包んでる感じ。

霍日加村の「熱貢6月会」

霍日加村の「熱貢6月会」

酒・ビールを飲む人たち。

「おお、日本人か！飲め飲め。」

霍日加村の「熱貢6月会」

いくらでもビールがある。酒も。

ここの祭りは、午前中からやってたそうで、どうやらそろそろ終盤らしい。

霍日加村と先にある吾屯村とが、一緒に行なってるそう。
今日はここで、明日は吾屯村で行なわれ、霍日加村の人々も明日は吾屯村へ行くらしい。

＊吾屯村では、朝から始まり、昼間休憩1130-1500頃。15時頃からまた再開するらしい。





■参考URL･･･旧暦（農暦）⇔新暦（西暦）が、日にち入れると一発で変換される、優れもののサイトです。
　http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/kyuureki.htm

＊同仁の「熱貢六月会」は、毎年旧暦6月17日〜25日に開催。
　来年2011年だと、7月17日〜7月25日になります。

霍日加村の「熱貢6月会」

正装した女性。

女性陣は、結構正装してる人が居た

霍日加村の「熱貢6月会」

後ろ姿。

保安村の「熱貢6月会」

霍日加村の祭り見学を終え、乗合軽四で再びやってきました(4元)

＊保安村は同仁の町から13-14ｋｍ位。

保安村の「熱貢6月会」

こちらは、丁度祭りの開始時間でした。

各村から、続々と村人の隊列がやってきた。

保安村の「熱貢6月会」

先ずは、デカ〜イ焼香の炉へ向って行く。

保安村の「熱貢6月会」

そして、お寺へ中へ

保安村の「熱貢6月会」

みんなチベット族の祭り衣装を着ている。

保安村の「熱貢6月会」

チベット族の子供。

頭にはタオルを載せている。

保安村の「熱貢6月会」

全員が横の広場へ。

保安村の「熱貢6月会」

再度、寺の中へ。

保安村の「熱貢6月会」

この後、寺の中から「法師」と呼ばれる、祭りを取り仕切る人が飛び出してきた。

保安村の「熱貢6月会」

またまた横の広場で踊る。。

保安村の「熱貢6月会」

その後、寺の前にある林の広場へ。

保安村の「熱貢6月会」

ここで、各村毎に、延々と踊りが行なわれ。

保安村の「熱貢6月会」

鉄針が両ほおを突き刺し貫通してる。。。

これも「熱貢6月会」で行なわれる行事の一種。

＊別に、何本もの鉄針で背中串刺したり、頭部を刀で切って、その鮮血を大地に奉げることも行なわれるそう。

他にも、数々の神事的な行事があるそうで、昔からの古い宗教や共同生活から生まれた物など、奥の深いお祭りの様子です。

保安村の「熱貢6月会」

保安村の「熱貢6月会」

保安村の「熱貢6月会」

保安村の「熱貢6月会」

祭りを見守ってる女性たち。

そう、「熱貢6月会」に参加するのは男たち。
女性達は、特に既婚の女性は、ご法度で見学のみだそう。
未婚の女性は、小学生から参加してる。

ただ、神聖な祭りだからか？　殆どの女性は正装している。

保安村の「熱貢6月会」

祭りは、まだまだ続きそうですが、
もう数時間もみたので宿に帰ります。

何の予備知識も持たないでの「熱貢6月会」だったけど、
それぞれの踊りや振る舞いには、長〜い歴史や謂われがあるんだろうと、簡単に想像できる。
もっと下調べをしてから、この祭りを見れば、更に満喫できると思う。

ただ、それでも「初めてのチベット族の祭り」を観て、他の民族とは全く異なる内容で、特に老若男女が全員一緒に参加・見学している一体感は、部外者から見てもスゴイものだった。

＊今日は半パンでもよかった位暑かった。
　同仁に着いた途端に(18時過ぎ)、夕立があった。

同仁レゴンの簡易地図を作成しました。

■交通
　・吾屯上寺､吾屯下寺へは汽車站前から乗合軽四が
　　頻発している。吾屯迄は2元。10km先の保安は4元、
　　便数はやや少ない。
　・澤庫は河南行きバスで途中下車。0800発。
　　但し満席発車。20元。1230-1300頃にも便がある。
　・乗合白タクは朝7時過ぎから何台もありそう。
　　澤庫まで所要2時間、30元。

■ホテル
　・黄南賓館を利用。ツイン, バス･トイレ付き100元。
　　＊トイレ共同, バス無しは80元。
　・三xin賓館、財政賓館は一応外国人宿泊不可。
　・三xin賓館前の通りに安宿(旅社等)は20軒ほどある。

この旅行記へのコメント （4）

• 飛行船さん 2014/10/08 14:12:56

  村祭り

  素晴らしい　体が震える
  景色・装束：仕草・明るい表情の老若男女
  すべてに圧倒されました。

  ツッチーさん からの返信 2014/10/08 17:01:06

  有難うございます♪

  飛行船さん、ご来訪とコメント有難うございます♪
  
  祭りはいいですね！
  特に、チベット族や中国でも少数民族では歴史ある祭りを見れるのでいいです。
  
  近年は、尖閣の問題で気分的に足が遠のいていますが、
  多分再来年には、チベットのカム、アムド地域をまた訪ねたいと思っています。
  貴州省や雲南省の祭りにもまた行きたいですが。
  
  今後ともどうぞよろしくお願いいたします♪
  ツッチー

• kodeyanさん 2010/10/10 10:47:01

  簡易地図！行く人には涙モノです

  ツッチーさん　こんにちは
  
  少しづつ見させていただいております。
  ムラの集落の団結を再確認するというか
  よりいっそう強くするというか、
  「熱貢6月会」を見てそういう目的も秘めているのかなという
  気がしました。
  
  400年以上の歴史のあるお祭りが、こうして今も行われているというのは
  素晴らしいことですね。
  トカラに行って思ったのですが人口激減してしまうと
  お祭りもできなくなってしまいますから。
  
  今回のルートを地図にチェックしてみたのですが
  金川から丹巴と南下して人美、康定、天金、成都とまわると
  まだ壮大な旅になりそうですね（笑）
  
  ではでは☆彡
  
  

  ツッチーさん からの返信 2010/10/10 22:44:06

  メモ、メモ、メモ

  kodeyanさん　こんばんわ♪
  
  持って生まれた才能＜無し＞で、
  とても師匠のようなうっとり旅記にならず。
  殆ど完璧にメモです。
  だからレゴンの良さを伝えられないのが少し残念です。
  
  ルート
  めぐってみると、
  その周辺の旅日程なら直ぐに組めてしまいますよね。
  そんなところへの自由に行ってみたい気持ちは強いです。
  僕の旅の源かな。
  
  当面は師匠のおっかけに没頭してまいります♪