1996/02/09 - 1996/02/13
237位(同エリア340件中)
北風さん
タイのカオサンでミャンマー情報を集めていた時の事だった。
右腕に「喫茶店」と刺青したドイツ人のマイクから、
「インレー湖に『AS YOU LIKE(あなたのお気の召すまま)』という食堂があるぜ」
と、謎めいた話を聞いた。
奴の右腕を見る限り、それほど高い知能指数は持っていない事はわかるが、こういう刺青屋のカタログでピンと来ただけで、後先考えずに行動する人間は、口先ではなく『足』で情報を知る。
つまり、奴の情報は高いクレディビリティを持っていた。
バガンから7時間、謎のインレー湖へバスは走る!
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
-
<インレー湖へ>
パガンを出発して7時間、バスはくねくねと曲がる山道を登り続けている。
目的地が湖なのに登り続けるという事は、インレー湖はカルデラ湖?
夕陽がそろそろ地平線へのダイビング準備を完了する頃、見事な水田の向こうに村が見えてきた。 -
村は、まるでイタリアのベニスの様に、水路が張り巡らされていた。
まぁ、ベニスとはいろんな面で異なるが、一番の相違点は、村のど真ん中にそびえる金ピカのバゴダではないだろうか? -
水路には1日中船が行き交う。
どうやら、ここでは、船が交通の手段として重宝されているらしい。 -
旅日記
『運河を行き交う物』
US$6で泊まる事になった安宿の名前は、「ゴールデン・ダック(黄金のアヒル)」。
なかなか洒落た名前のこの安宿は、運河のまん前に建っていた。
ゴールデンダックの窓から見える運河は、この村のメインストリートにあたるらしく、朝から晩までひっきりなしに船が行き交っていた。
静かに静かに日常が流れていく。
ある時、行き交う船の間を縫うように、夕陽で真っ赤の染まった川面を立派な角が流れていた。
あれは、解体された水牛の頭部だろうか?
次の瞬間、頭部から勢い良く水しぶきが上がる。
そして、ゴホ、ゴホ、ゴホと咳き込む音が響いた。
・・・これは、鼻から水が入った時、俺が良くやるリアクションだった。
つまり、この水牛は生きているらしい。 -
目を凝らすと、水面下の胴体が見え隠れしている。
俺は今、牛が泳いでいるのを目撃しているのだろうか?
「水牛」確かにその名の通り、水には縁がある牛だとは知っていたが、泥水の中で転げまわる所から名づけられたのではなかったのだろうか?
1996年2月10日、牛の新しい可能性を教えられた。 -
雄大で無音の世界
-
街に降りてきていた、山岳少数民族
「シャン族」の親子 -
旅日記
『 AS YOU LIKE(アズ・ユー・ライク)カフェ』
ゴールデンダックで知り合ったジョンと一緒に、夕食を食べに行く事になった。
さて何処に行くものか?
と考えている俺をしりめに、ジョンは一目散に水路沿いの薄暗い路地を急ぐ。
今にも消えそうな裸電球の街灯の下でジョンは足を止めた。
お化け屋敷のように照らし出された高床式の住居の中で、ツーリストが車座になって座っている。
ここは、食堂なのだろうか?
それとも、黒魔術の集会場?
家から出てきた地元の女性に案内されるままに、俺も車座に座らされる。
静まり返る食卓、縁側から聞こえてくる鈴虫の声、遠くでかすかに料理をしているような音が聞こえてくる。
30分待ってもメニューすら出てこなかったが、かわりに料理が出てきた。
つまり、ここでは、一品料理オンリーという事らしい。
とにかく、料理が出てきたという事で、やっと、食堂に来ている実感が湧いてきた。
皿には街の路地裏で天日に干されていた円盤状のミンチらしき物が、湯気を立てて積み重ねられていた。
意外と美味い!
ジョンがこの食堂に来た理由が明かされたのは、食後の支払いの時だった。
メニューさえ出されなかった俺達は、皆、この食事がいくらなのか知るはずもない。
一人の白人女性が口火を切って尋ねる。
「How much?」
食堂の女主人の口から出た言葉は、
「As you like(お好きなように)」
だった。
ミャンマーを旅する白人の間では、有名な「アズ・ユー・ライク・カフェ」
昔、白人旅行者に助けられた地元の一家が、始めたこの食堂では、貧乏旅行者を助ける為に値段を設定してなかった。
旅行者は自分の払える金額だけ支払えばいいと言う。 -
早朝、「水上マーケット」を観に、インレー湖へと水路を下る。
朝もやに煙る湖には、既にたくさんの船が浮かんでいた。 -
漁師が、小船の船尾に左足1本で立ち、オールに絡ませた右足を、蹴るようにして漕いでいる。
船足は速いが、船底が平らの為非常にバランスの悪いこの船で、まるでサーカスじみた芸当だ。
昔、「カラテ・キッド」だったんだろうか?
不思議な事に、これだけの船が浮かぶ中、魚が揚がっている船を見かけない。
そう言えば、市場でも魚を見なかった。
何故だろう? -
不思議な事に、これだけの船が浮かぶ中、魚が揚がっている船を見かけない。
そう言えば、市場でも魚を見なかった。
何故? -
旅日記
『ミャンマーの水上集落』
観光客を乗せた船は、細い水路を静かに滑っていく。
背の高い葦の茂みを通り過ぎると、そこは住宅街だった。
しかし、世界中探しても、こんな住宅街はなかなかお目にかかれないと思う。
水路に並ぶ家々の下に地面がなかったからだ。
水深40cmはあるだろう湿地帯に打ち込んだ柱の上に、家がのっかっている。
高床式になった1階には、自家用車ではなく、自家用船が浮かぶ。
隣に行くにも、船を使う生活らしい。
まだ、幼い子供が住宅の一つからトコトコと出てきた。
まだぎこちない、危なっかしい足取りで船に乗り、一心不乱に船首を目指している。
何事か?といぶかしむ俺たちの目の前で、子供はぺロッとお尻を出した。
・・どうやら、水路はトイレとしても使われているらしい。
ガイドの説明では、ここでは、畑を耕す為に、まず、土を運び込んで地面を作る事から始めるとの事。
ここでは土は貴重品として扱われるらしい。 -
まだ、幼い子供が住宅の一つからトコトコと出てきた。
まだぎこちない、危なっかしい足取りで船に乗り、一心不乱に船首を目指している。
何事か?といぶかしむ俺たちの目の前で、子供はぺロッとお尻を出した。
・・・どうやら、水路はトイレとしても使われているらしい。
ガイドの説明では、ここでは、畑を耕す為に、まず、土を運び込んで地面を作る事から始めるとの事。
ここでは土は貴重品として扱われるらしい。 -
狭い水路を進んでいくと、次第に行き交う船の数が増えてきた。
5日に一度開かれるという水上マーケットは、だいぶ繁盛しているみたいだ。 -
船の漕ぎ手は、大人から子供まで。
共通している事は、皆、非常に操船がうまい!
どうにかすると接触しそうな混雑の中を、巧みにオールを操り、船をコントロールしている。
ここでは、船が生活の一部に溶け込んでいた。 -
いつしか、俺たちの船の周りには、コバンザメのようにピタッと小船の群れが張り付いていた。
ほのぼのとした朝の穏やかさが一変で吹っ飛んだ瞬間だった。
まるで、タイの観光名物「水上マーケット」に紛れ込んだかのようだ。 -
船底にぎっしりとみやげ物を敷き詰めた物売りが、右から左から声をあげる。
中には、俺が日本人とわかると、旧日本軍がビルマで発行した紙幣まで売りつける奴もいる。
俺たちの船のまわりには、二重三重の船で取り囲まれている。
たちまちおこる大渋滞。
さて、どうしたものか?
続々と船が集まってきている。 -
旅日記
『ミャンマーのバス Part.2』
待ちに待ったバスが、田舎道をもうもうと土煙をあげて近づいてくる。
俺は夢を見ているんだろうか?
確か、ヤンゴンへ帰るバスを待っていたはずなのだが、バスのどてっ腹には、「大阪市立〜」と、日本語で書かれている。
ドライバーに「ヤンゴン行きか?」と聞いた所、力強く頷いた。
とにかく、一抹の不安と共に乗り込む事にした。
なにやらひどく懐かしい青いブザーが、窓際に張り付いている。
「後車時には押して下さい」と書いてある。
まぎれもなく、これは「大阪市営バス」の使いまわしだった!
こんなアジアの片隅で巡り合うとは・・・
ふと、考える。
これから始まるバス旅行は、12時間以上に及ぶ悪路が続くルートだ。
いくら日本製とはいえ、市営バスで長距離バスも真っ青のこの移動をこなせるものなのか?
それから、4時間後、トイレ休憩が終了した後、不安は的中する事になる。
エンジンがかからない。
地元の乗客が、当たり前の事の様にバスから降りていく。
俺を含めて男達が、バスの後方に集められた。
一体何事を始めるつもりなのかと首をかしげていると、ドライバーが叫んだ。
「プッシュ!」
・・・バスの押しがけをさせるつもりらしい。
ミャンマーのバスは、今夜も寝込む隙を与えてくれないつもりらしい。
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