1995/11/15 - 1995/11/17
22位(同エリア42件中)
北風さん
朝日を背にシナイ山を下り、おんぼろバスに身体を預けた。
疲労と睡眠不足であっという間に眠りに落ちたのもつかの間、ピーターの声が・・・
「ここからは、乗り合いトラックだ」
昨日からこのドイツ製ターミネーターに振り回されっ放しだが、既に心身ともにヘロヘロ状態で、ピーターのなすがままのドナドナ状態。果たして、今日の目的地のベドウィン村までたどり着けるのだろうか?
トラックの荷台に潮の香りが届き出した頃、ヤシの葉がおい茂る海辺の村が見えてきた。
隣のターバンを巻いたアラブ顔のアブラギッシュなおっちゃんがつぶやいた。
「ダハブだ!」
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス
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村は紅海に面した貧乏旅行者向けのリゾート地だった。昔のヒッピー時代に口コミで有名になり、現代でも大資本による観光開発から取り残された場所なのかもしれない。
村のメインストリートが1本だけ(しかも未舗装)だという所が俺には素敵に見えた。
こののんびり感が今日は特に欲しかった! -
海辺のカフェテラス(岸壁にござを敷いてやぐらを組んだだけだが)では、旅に疲れたツーリストが思い思いにのんびりとくつろいでいた。
背骨と筋肉が総ストライキを起こしている現在、この憩いの場所へフラフラと足が向かう。
・・・どうか俺も仲間に入れて下さい。
途端、背後からピーターが現実へ引き戻してくれた。
「じゃあ、宿探しを始めようか!」 -
旅日記
『1泊200円のストロー・ハウス』
ピーターのバックパックは大きい!
僅か1ヶ月の旅行とは思えないほど巨大だ。
以前、ここに来た事があるらしく、土地勘がある自信を持った歩き方で常に俺の前を先導してくれるのだが、俺から見たら、目の前を巨大なバックパックが一人歩きしている様にしか見えない。
そのバックパックがしゃべりだした。
「200円の宿でいいか?」
「・・・・?」
インドで確かに30円のホテルに泊まった経験があるが、この観光都市で可能な事なのか?
到着した200円の宿、それはわらぶき屋根でできていた。
中は4畳半もあるだろうか?
ここにピーターと2人で泊まるのか?
ピーターが先程、バッグから取り出したフリルつきの赤いシャツの事が妙に心にのしかかってきた。 -
< BLUE HOLE >
紅海の中でも有数のシュノーケリングポイントがここダハブにあるらしい。
その名も「BLUE HOLE」
村のピックアップトラックに、まるで家畜のごとく寿司詰めにされ、岩山の海岸沿いを揺られる事20分、目のさめるような海が見えてきた。 -
トラックが停車した先に、海中のある一帯の色が周辺とは全然違う場所があった。
どうやら、あそこが「BLUE HOLE」らしい。
「岸から10m程の所で、水深50cmがいきなり水深30mまで落ち込んでいる場所」とピーターが説明してくれた。
「この青い落とし穴は、イスラエルの海軍がダイブ訓練にも使用しているらしいぜ」と、ピーターが付け足す。
・・・ピーター、シナイ半島に妙に詳しいのは何故?本当はどんな仕事をしているんだ? -
海岸の岩山にはこの青い落とし穴で死んでしまった人々の慰霊碑が並んでいた。
-
世界中のダイパーがあこがれる、美しいサンゴとカラフルな魚に彩られた紅海は、フランスの海洋学者クストーが世界に紹介した海らしい。
紅海という名は、周囲の赤茶色の大地が由来しているとの事で、船上からでも20mくらいなら充分海中を見渡せるほど透明度が高い。
いやー本当に透き通っている!
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