1997/06/15 - 1997/06/16
45位(同エリア70件中)
北風さん
メキシコ・シティのテオティワカン遺跡でピラミッドは満喫したはずだったのだが・・・
このチアパス州には、さらにわんさかピラミッドが眠っているとの事。
特にパレンケ遺跡のピラミッドは、「マヤ文明の貴重な遺跡だけでなく、メキシコで最も美しいピラミッド」と紹介されていた。
こうなってくると、ただピラミッドが観たいならば、エジプトよりもメキシコの方がお得感がある様な気がする。
登山然り、国定公園然り、ピラミッド然り、周辺に点在している同種のものを制覇したい気持ちになるのは人間の性だろうか?
(家電量販店のポイント制度も同じ様な心理を計算した結果だろうか?)
とにかく、インスタント・ピラミッド・ハンターとしてデビューしたならば、とことんピラミッドに登ってやる。
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旅日記
『パレンケヘ』
一昨日ひいたはずの熱が、またぶり返してきた。
のどの奥で扁桃腺がぐりぐり存在を主張している。
サン・クリストバル・デ・ラ・カサスは、さすが標高2100mの高地にあるだけあって、今までのどのメキシコの国より寒かった。
夜は、寝袋の上に毛布まで羽織って震えるほどに!
(最も、発熱から来る悪寒のせいもあったが)
とりあえず、朝10:30発のパレンケ行きのバスを待つ間、栄養補給をする事にした。
発熱の原因は経験上予想がつく。
おそらく、熱射病と過度の疲労でダウンしかかった所に標高2100mからくる軽い高山病がとどめをさした結果だろう。
(こうして病名を挙げていくと、いつ死んでもおかしくない状態なのかもしれない)
下痢をしていないという事は、胃腸は正常に動いているらしい。
となれば、てっとりばやく高カロリーを補給するには肉だ!
ちょうどバス停の前の屋台で、おばちゃんが得体の知れない肉を、ジンギスカン風にジュージューいわせていた。
厚さ7mm、子供の手のひら大の肉は、「じじぃが食べると高血圧で一発だぜ!」と言わんばかりの油でテカテカしている。
これに、玉ねぎ、キャベツ、とうもろこしで作ったトルティージャ食べ放題で、8ペソ(110円)は安い!
ズキズキする頭で、バグバグ食って、デザートに強力アスピリン(解熱剤)をガリガリかじる。
コーヒーで締めくくる頃には、身体がどうにか動くようになった。 -
さてと、バス停に戻るとチケットオフィスのおじちゃんが「No Camino(バスは来ないぞ)」とのたまった。
「Por Que?」と言いたい所だが、その後に続くであろう未学習の単語の羅列を考えるとその先が言い出せない。
まぁ、いい、この街にバス会社は他に3つもある。
次のバス会社に行くと「10分前に出た」との事。
どうも、猫だか犬だかわからない肉をクチャクチャやっている間に運命の女神まで通り過ぎて行ったらしい。
が、そこはメキシカン、通り過ぎようとするバスを捕まえ「このバスでも行くぞ」と教えてくれる。
バスには確かに「パレンケ村」と書いてある。
それだけ確かめて、スプリングの飛び出したシートに腰かけた後、いくつもの疑問が心に浮かんできた。
「何故、アフリカン・バスさながらのおしゃれな亀裂が窓を飾っているんだろう?」
「どう見ても市内バスとしか思えないこのバスが、本当にツーリストバスでさえ5時間もかかるパレンケにたどり着けるんだろうか?」
「俺以外は、全て民族衣装に身を包んだ方々なのは、何故?」
水から這い出た犬が「ブルブルッ」と水を切る様に、バスが発車した。
今回の隣人は、白地に青と黄色の民族衣装に身を包んだ
おばあちゃんだ。
目が合うと、欠けた歯で「二カッ」と笑い赤くなった。
ばあちゃん、照れているらしい。 -
旅日記
『パレンケ村の人々』
こげ茶色ののっぺらとした顔にペタッとくっついている白い目玉がギョロリとにらむ。
ここの村人は明らかに他のメキシカンとは一線を画していた。
まず、人相が悪い!
男も女もにこりともせず、ただガンたれているばかり。メキシコ版ヤンキーがゴロゴロしている。
そして、ボル!
しまいには、釣銭までごまかす。
なんて村だ。インドかここは!
そしてもう一つ、なんて暑さだ!
メキシコの暑さにはだいぶ慣れたが、ここの暑さは、頭に「蒸し」がつく。
一歩外に出ると、身体中から驚くほど汗が噴出した。
昨日までいたサン・クリストバル・ラカサスじゃ、朝晩ジャケットを着込まなけりゃならないほど寒かったのに。
今まで旅して、一日でこれだけ気温と湿度が変化したのは、冬のニュージーランドから真夏のシンガポールへ移動した時ぐらいだった。
この耐熱耐寒テストは非常にこたえる。
日中、バス停からホテルまで歩いた時点で完全にグロッキー状態だった。
汗だくの身体を冷やそうとシャワーのタップをひねると、なんと熱湯が噴出してきた。
「水しか出ないよ」と言われた俺には、まさに「寝耳にお湯」だった。
つまり、水道水まで沸騰しているわけか?
もうもうと湯煙で霞むサウナルームになったシャワー室を後にベッドに倒れこんだ。
もぅ、どうでもいい。
夜を待とう。
待ちに待った夜は、7時を越えた頃にやってきた。
しかし、いくら待っても涼しさは訪れない。
原因はものすごく熱いこのホテルの壁のせいだろうか?
隣の部屋で、驚くべき体力でセックスに励んでいるカップルの、獣のような雄叫びに変化がないところを見ると火事ではないらしい。
このホテルが売春宿だとわかった所で、現在なんら意味がない。
熱さで朦朧としてくる頭に浮かぶ景色は、あの4月のインドの熱さだった。 -
旅日記
『パレンケ遺跡へ』
朝もやの中、人影もまばらな駐車場に降り立った。
ピラミッドを期待してきたのだが、目の前に広がるのは緑の海の熱帯ジャングル。
・・・これは、もしかして騙されたのだろうか?
とりあえず、入場券には「PALENQUE」と書いてある。
しかし、行けども行けども、ボルネオ島のジャングルそっくりの景色しか見当たらない。
からまる蔦、べとつく湿度、はりついてくる蚊の大群をかきわけて、赤ん坊がくるめるほどの水芭蕉の向こうに、ようやく遺跡らしき姿が見えてきた。
これが、白人ツーリスト人気度No.1の遺跡なのか? -
<宮殿>
遺跡の中でも一番立派な建造物らしかった。 -
<碑銘の神殿>
壁にマヤ文字がびっしりと刻まれている階段状のピラミッド。
パレンケでは、ピラミッドは王の墓だったらしい。 -
ピラミッド頂上へ続く階段は、ただでさえ急角度の上に、所々で崩壊している。
崩れた石段の下から覗く土を見る限り、このピラミッドも小高い丘の表面を石で覆った造りなのだろうか? -
ムッとするサウナ並みの湿度の中、地下へと続く階段を降りて行くと、そこには王の墓があった。
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王の石棺は重さ5トンもあるそうだ。
その表面には、びっしりとデブの顔が・・
これが、マヤ文字と言うものらしい。
一つ一つのデブの顔が俺の手の平よりもでかいのだが。 -
<十字架の神殿>
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<太陽の神殿>
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<葉の十字架の神殿>
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整地された広場を外れて山道に入ると、木々の埋もれた中に小さなピラミッドが埋もれていた。
どうやら、まだまだ発掘されていない物も多いらしい。
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