2009/06/07 - 2009/06/08
1200位(同エリア1445件中)
香桑さん
35th Anniversary 2009 CONFIDENCE 新潟県民会館
宿泊:ANAクラウンプラザホテル新潟
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- ANAグループ
-
7:10。
冬場ならともかく、この夏至に近い季節、とっくに夜明けは過ぎている。
タクシーを飛ばしてもらい、無事に伊丹行きの飛行機に乗り込んだ。
伊丹で二時間の乗換待ち。太陽の塔を探し忘れるほど、吉田修一『悪人』にのめり込んでいた。
彼からのメールに返事を打つ。昨夜は私が情緒不安定だったことを謝る。
三時間も寝ていないのに、過覚醒は続いている。自分を鈍らせないともたない気がする。
自分に言い訳しながら、ラウンジで芋焼酎を薄い水割りにして煽った。
新潟行きの飛行機も満席らしい。
最後の章を一気に読み終えると手持ち無沙汰になった。眠気は来ない。
機内販売のカタログと機内誌にも目を通す。後者が横浜特集で、意識が8月に飛ぶ。
エジプトのアレクサンドリアの海中考古学の特別展があるらしい。それは見に行かねば。
窓の外は雲海。
ウユニ塩湖の画像を思い出す。それがいつの間にか、十二国記に連想が移る。
佐渡島は見られなかったが、途中、雪を頂く山脈が雲を突く様は見ることができた。
厚い雲の下に降りると、さすが米どころ、田が広がる。
そして、到着。 -
新潟空港から街中までバスで25分。
バスの出発が近づいていたので、逆にお土産物を買えるかどうか先に空港内を探検することにした。
昼も近づいており、そのままふらふらと蕎麦屋さんに入ってしまった。
新潟名物は、布海苔入りのへぎそばだ。夏野菜の冷やしそばや郷土料理のおつまみも美味しそうだけど、ここはへぎそばで。
やや緑がかった麺は、つるんぬるんとした不思議な喉越し。
ついでに、地酒の飲み比べにも挑戦。久保田千寿、越乃寒梅別撰、〆張鶴の雪の中では、〆張鶴が好みかなぁ。
程よく酔っぱらった足で売店コーナーへ。
特に日本酒コーナーを念入りに見ていると、声をかけられた。
山古志村の酒蔵の酒を試飲しないかと言うのだ。
純米酒が好きだが、既に酒が入っているので、アミノ酸の甘味より酸味を感じる。香りがわからない。
同じ酒蔵の酒を三種、試飲させていただき、感じたままに感想を述べると、えらい酒飲みに思われた…。
友人を見習って先にお土産を買って送ればいいやーと考えを切り替え、先に買い出し。
荷物が増えたので、タクシーでホテルへ。 -
新潟の別称は柳都。柳と掘と芸者の町。堀は埋め立てられたが、街路樹は柳が多い。
北朝鮮との関わりも深く、友好のため、ポトナム通りと名付けられた道もあるそうだ。ポトナムは韓国語で柳の意である。
チェックインはまだできず、荷物だけ預けて観光に出かけた。 -
歴史博物館「みなとぴあ」で天地人展をしていたが、軽くスルーして建築物を楽しむ。
常設展だけ見たが、やはり謙信や兼次の書状があった。
福岡に比べれば近代の歴史が豊かだ。戊辰戦争の舞台になっていたことは知らなかった。
そう言えば、新潟から地図を見れば案外、会津は近い。上杉が移封されたのも然りである。
屋外では信濃川の支流に指を浸してみた。水が温い。初夏を思う。 -
みなとぴあ内の建物のひとつ。
-
これも同じ建物。
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蔵、だったかな。
これも、みなとぴあ内の展示物です。 -
天気が悪いのが今一つでしたが、バラがよく咲いていました。
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更に、湊稲荷神社、金毘羅宮へと歩き回る。
写真は、ぐるぐると回しながら願をかける狛犬さん。 -
こっちが金毘羅宮だったと思うが……。
-
港町の慣習なのか、稲荷の狐さんや神社の狛犬の前脚が縛られている
息苦しさを感じたくせに、縁結びの祈願にもなると説明を読み、思わず自分も結わえてしまった。
男女の仲でなくていい。ただ、私の大事な人たちとの縁を祈る。
酔いは覚めたが足が疲れた。
タクシーは見つからないし、バスは路線がわからない。
仕方がないので、更に歩く。
よその飼い猫と戯れて噛まれたりしながら、市場に入り込んだ。
日曜日なので、軒並みシャッターが降りている。
数少ない開いている店の中に菓子店を見つけ、名物の笹団子を購入。職場はこれでいいや。
地図を見て、時計を見て、自分の疲れを考えて、探検は終了。ホテルに戻ることにした。 -
ANAクラウンプラザホテル新潟の12階の部屋は、信濃川や海とは逆方向に窓があり、だだっ広く平らな景色が広がる。山が見えない景色はなんだか不思議だ。
16時に目覚ましをかけて、横になる。足がだるい。思いついて夜中にマッサージの予約をしておく。
軽くうとうとしたようだ。目を覚ましたときには空腹を感じた。
今の時間、ホテル内の郷土料理屋は開いていないが、寿司屋ならやっている。
化粧を直してから、階下の寿司屋で近海ものの魚ばかりを用いた盛り合わせを頼んだ。
南蛮エビ(甘エビ)が美味しい。うっとりする。
惜しむらくは、どれが何という魚か教えてもらえなかったこと。
ちょっと感じが悪いぞー。
腹ごしらえを済ませてから、白山神社までタクシーで移動。
この日の神社の中で一番大きく立派だが、由来がわからなかった。
ただここ、縁結びに御利益があるとのこと。職場を代表してなむなむ。
神社の外側をぐるりと回ると県民会館。
コンサートが終わるとすぐにホテルに戻り、カフェインレスのインスタントコーヒーを入れて、越後姫というイチゴを使ったショートケーキを食べた。誕生日だもの。
急いで風呂で汗を流すと、ちょうどマッサージの予約の時間。
オイルマッサージでたっぷり味わって、ようやく眠りについた。 -
10:30。チェックアウトを済ませて、ベルに荷物を預ける。
古町という繁華街・商店街方面に行くか、新潟駅周辺に行くか。
今日は洋食が食べたい気分。ガイドブックで見たフレンチが、地元の食材を使っていて美味しそうだ。
よし。古町方面に行くぞ。
ぽてぽてと歩いて萬代橋を渡り、本町という通りでうっかり曲がってしまった。
市場が私を呼んでいる!
うひゃー。楽しい♪
路上にも店を広がり、釜山やハノイを思い出す。
お野菜が美味しそう。果物も美味しそう。
持って帰るのに重たくなるぞ。帰りに苦労するのは自分だぞ。わかっちゃいるけど…。
八百屋の年配女性から手製の笹団子購入。
戦時中に父親の転勤先が福岡から新潟に変わったから新潟で生まれ育ったという年配男性からは、紫蘇の実の味噌漬けなどを購入。
更にほかの露天のおばさんからは茄子の漬け物購入。
ああ、なんて危険な通りだ…。
街中をうごうご歩くと、ようやく酒屋さんを見つけたり、面白げな乾物屋などもあり、財布の残り少なさが心細いブレーキとして働いた。
目当てのレストランの開店時間も過ぎて、よい頃合いに到着。一人目の客になったようだ。
最近、食が細くなったが、かなり空腹。しかも、レストランは6月は開店記念で割安設定。
調子に乗って、コースにワインをグラスで頼んだ。ボルドーの白で銘柄は忘れたが、甘みも酸味も軽快な飲み口のワインだ。
前菜は、ローストビーフのサラダ レフォール風味のドレッシング。無難。
スープは、南蛮エビのビスク。くーっ。伊勢エビなどに比べると繊細で優しい。高いトーンの風味があり、シナモンかアニスのような香りがすると言ったら、当たっていたらしい。ウォッカを匂い消しにしているそうだ。
魚料理は、カスベのムニエル シェリー風味のソース。カスベはエイヒレのこと。アンモニア臭はまったくない。コラーゲンたっぷりで、人気料理だそうだ、その日のラストワンと聞いて頼んだが正解。ソースが重たく、ここで腹一杯に感じる。
口直しは、甘夏のグラニタ。
次に肉料理がある。子羊のもも肉のグリエ。羊が好きだから頼んだが、付け合わせのジャガイモは残した。インゲンやカブの火の通りは絶妙だったが、お肉は私にはしょっぱかった。やや減点。
デザートは、イチゴのムースとライムのソルベにコーヒー。これは美味。果物の香りが高く、甘みも程よく、さっぱりとしている。
満足満足。
腹ごなしも兼ねて、また街をぷらぷら歩く。せっかくの昨日のマッサージの効果もなくなりそうだが。
行きがけに気になった落ち着いたたたずまいの和菓子屋ののれんをくぐると80歳代とおぼしき男性が応対してくださった。
お饅頭と、あんまり綺麗だったのでお干菓子もいただく。詰め合わせてもらう間、梅茶をいただき、後から来た客の地元の女子大生と話すのも楽しかった。
そんなところで金と時間の限界を迎えた。
タクシーに乗り、ホテル経由で荷物を引き取り空港へ。
帰りも大阪乗換えとなったわけであるが、新潟から大阪の便はまたもボンバルディア機。前日よりは雲量は少なかったが、佐渡島はやはり見ることができず残念。反対側の座席だったら、見られたのかな?
行きは陸地の上を飛び、飛騨山脈を左手に見たが、帰りは佐渡上空で旋回して日本海の上を飛ぶ。やはり左手に飛騨山脈が見え、能登半島の上空を掠める。そして、大阪の上を南下して伊丹に入るのだ。
ボンバルディアは比較的低空を飛ぶせいか、いつになく大きく太陽の塔を見ることができた。もりみー!と心の中で叫んでおく。ふと気づいて、ビルの谷間に目を凝らすと、意に相違なく大阪城を眺めることができた。マキメー!!
一時間ちょっと待ち、ようやく福岡行きに乗り込む。
そんなわけで、一人旅、割と楽しめたんだと思います。さあ、また頑張らなくちゃね。
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