2009/01 - 2009/01
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JIC旅行センターさん
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ストルブィを出発する前に、今更ですが、今回のヴェルホヤンスク旅行のメンバー紹介をしておきましょう。
サルダナさん:現地旅行会社のスタッフ。ヤクート人女性。(優秀)
アナトリーさん:現地ドライバー。ヤクート人男性。(頼もしい)
オオノさん:新聞記者。日本人男性。(敏腕)
オカモト:筆者。日本人男性。(若造)
おやと思われた読者の方はエライ!いつも熱心に読んでくださってありがとうございます。お一人、この連載では初登場の方、オオノさんがいます。実はオオノさんと私は、モスクワで合流しておりました。もちろん、ヤクーツクからもずっと一緒だったのですが、すみません、ご紹介がずいぶん遅れてしまいました。
さらに鋭いみなさまはお気づきでしょう。連載の第2回で筆者のカメラが壊れたはずなのに、その後の連載にもちゃんと写真が現れてくるのはどうしてなのか。そうです、オオノ記者のお許しを得て、貴重な写真の数々を分けていただいたのです!というわけで、この場ではっきりと申し上げておきます。本連載に登場する写真は一部を除き、すべてオオノ記者のご厚意によってこの紙面にあります。本当にありがとうございます。
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さあ、出発しましょう。ストルブィの先は、またそれまでのような車1台分の道幅の道路が続いています。道は時々、小さな川を渡ります。これらの川はヤーナ川の支流なので、進行方向右へと流下していきます。面白いのは、その渡り方です。川にはちゃんと橋が架かっているのですが、全然これを使いません。何と、わざわざ迂回して橋を避け、凍った川の上を直に渡るのです。
アナトリーさんのウアズ(ロシア製四輪駆動車)だけが気まぐれにそんな運転をしているのではないことは、道路の状態を一目見ればわかります。橋の方にはまっさらな雪が被っていて、先行車両の痕跡が全然ないのです。川に張った氷の上には、幾条もの轍があるのに。それどころか、通せんぼをしてあって、渡れないようにしてある橋まである始末です。なぜだと思いますか?
その理由を一言で言えば、「橋よりも氷の方が信頼性が高いから」です。川に架かっている橋は、決してちゃちなものには見えません。それでも性能には限度があります。ウアズが1台通ったところで、もちろんどうってことはないでしょうが、トラックが2台同時だと・・・どうでしょう。まあ、そういう微妙な強さなんです。
その点、凍結した川は丈夫です。氷はメンテナンスいらずで信頼性抜群の橋みたいなもので、しかもタダで毎年架け変わってくれるのですから、こちらが冬のメインルートになるのも当然の成り行きと言えるでしょう。 -
いつしか、連続上り勾配になりました。ここから、標高500m強の稜線へと続く峠越えの道になります。前回から載せている等高段彩入りの周辺地図は、1987年測量のソ連発行地形図を元に描き起こしたものですが、大雑把に水平距離15kmに対し、標高差400m程度と読み取れます。単純な計算では平均勾配は約2.6%、つまり100m進むごとに2.6m高度が上がることになります。
これは、道路勾配としては大した数値ではありません。実際、車窓から眺めていても、周囲の山はゆるゆると丸っこい形をしていて、穏やかな地形です。
山の形が険しくないのには、寒冷地に特有の理由があります。例えば、ソリフラクション(solifluction)という作用です。聞き慣れない言葉ですね。前回の連載で紹介した、活動層(active layer)のことを覚えていらっしゃるでしょうか。永久凍土地帯の地表面付近にある、夏の間に融ける層のことです。
もし、この活動層が傾斜地にあって、融けたり凍ったりを何年も繰り返すとどうなるでしょう。活動層は、自らの動きでぐちゃぐちゃにかき混ぜられながら、重力によって低い方へとゆっくりゆっくり移動していくのです。これがソリフラクションです。厳密に言えばジェリフラクション(gelifluction)とか、フロストクリープ(frost creep)とか、メカニズム上は区別できる複数の現象が入り混じっているのですが、細かく説明しているとマニアックな地形の世界の深みにはまる一方ですので、やめておきます。
要するに、山の表面がものすごくねばっこい液体でできていると考えてください。液体はどんどん平らになろうとするので、山の形は丸く、傾斜は緩くなっていくわけです。
こんなふうに、融けたり凍ったりを繰り返しながら形成される地形を総称して、周氷河地形といいます。この「融けたり凍ったり」という部分が重要で、南極や高山のように一年中凍ったままのところでは、全く違う地形(例えば氷河地形など)が発達することになります。
1万年ほど前まで、つまり地球が最終氷期にあった頃までは、日本列島にも、さまざまな種類の周氷河地形が形成されたと考えられています。しかし、現在はほぼ姿を消してしまいました。山岳地帯など、わずかに残っている箇所も、その多くはすでに発達をやめていて、化石周氷河地形などと呼ばれています。周氷河地形がその姿を保っているためには、融けたり凍ったりする周氷河作用が働くことだけでなく、より強い別の侵食作用を受けずにいることも条件となります。
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