キャンティ　再び　2010年4月16日

2010/04/16 - 2010/04/16

家族でキャンティに来たのは、何年振りなんだろう？
フルキャストでの最後は、いつだったろうか？
多分、狸穴のキャンティは、二番目の姉が結婚を決めて、
相手方ご家族との顔合わせをした時じゃないか？
観葉植物を背に先方家族、だったと思い出す。　それから
既に・・・その家の子供が大学生になっているのだから、
20年以上になるんだろう。
本当の意味で、家族だけで最後に来たのが、正確に何時
だったか、は思い出せない。　30年前かも知れない。

久し振りにキャンティ。　母、姉二人、そして僕。
僕が最初に来てから、多分40年以上が経っている筈。

雰囲気や調度品は若干の修正や補修があったであろう
他は、昔のままだ。

三代目ともお話をした。　38歳。　生まれた時には、
既にキャンティは12歳、そう、今年は50周年記念だ。

このままで有り続けて欲しい、と願うのは感傷かも知れ
ないが、本当の気持ちだ。

そこに染み付いた想い出、と言うのは、生きている限り、
そこに座ってみて空気を吸って、ソファを実感して思い
出すものだから。

エリア 麻布(東京)

• 同行者: 家族旅行
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: タクシー

キャンティ、と言うと狸穴、または飯倉片町の、と言う事になってしまう。　西麻布や自由が丘にも有るのだが。
今年が50周年になると言う。　僕は40数年前、物心つくかどうかの頃から中学、高校の頃迄、特に小学校の頃は毎週末、昼過ぎに必ず来ていた。
今日は父の23回忌の記念会食、として兄弟姉妹及び母が集って、想い出の場所を訪れた。
地階に降り、丁度真正面に見える場所が、家族でいつも来ていた、いわば「指定席」だった。
左右に振り分けられる地階の、右側の左奥５人掛け。

オトナになってからも、キャンティは昔のままそこに在り、自分で金を払う様になってから１５年程は敷居の高い存在だった。
座ると、いつもの景色。　タイムスリップして40年前に戻った様な気持ちになる。
母も80歳に近付き（今年の誕生日を迎えると80歳だ）キャンティと同じ年齢の姉を筆頭に、４名がこうして一堂に会する機会は滅多に無くなった。
それぞれに、その人生を歩み、僕はベトナム、またもう一人はロンドン。　東京や近場に他の二人は住むが同時に４人が揃う事はここ数年間で何時、有っただろうか、と考えるが思い出せない。

目を左にやると、観葉植物のガラスケース。　昔からこの風景。　テーブル、椅子の配置は多少変わった様に思える。　ガラスケース中央に、対面二人掛けの小さなテーブルが有った１９８６年春、僕が台湾に留学する前に父と二人だけでキャンティに来て、この席に座った。　確か、僕の髪の毛は後に手を回すと触れる事が出来る程の長髪で、父と「将来何がやりたいのか」的な話を若干し、僕の夢を聞きながら、椅子の背をコンコンと拳で叩き、足組をした父は、フゥン、と言ったきり、そして食事は終わった。　別に険悪な雰囲気でも無く、フゥン、そうか、と言う感じで。

この席に、家族５人で何度来た事だろうか？　次女は「私、今日は家に居る」とキャンティに行かず家に残る事も少なくなかったので、４人、と言う事もまま有ったが、僕はキャンティ、と声が掛かると毎週末、楽しみにして行った記憶が有る。　当時はファミレスも普通の本格的洋食屋も少なく、こうして毎週末外食をしていた家族もそう多くは無かったんじゃないか、と思う。

50周年だ、と言う。　半世紀が過ぎ、店主も三代目、孫の時代になった。　変わらず在り続けて欲しい、と思う。

デザート棚！
全てを出して、説明を受けて、ゆっくりと選び、そして我が儘に３種類の味を、1/3ずつね、とか楽しむ。
キャンティのデザートで、僕が好きなのはプリン。　生クリームをたっぷりかけて。

デザート棚右脇に有る洋酒置きとなったテーブル。　これも、そしてカウンターの有る側のテーブルも、想い出の品々だ。

僕は中学時代だったと思うが、家でムカついて、同じデザインのテーブルを真っ二つに切ってやろうとのこぎりで傷を付けた事をフト思い出した。
良い感じの飴色に変化し、懐かしさがこみ上げる。

タリアテッリとバジリコを半分ずつ、と言う我が儘をさせていただく。　共に僕の定番。　両方、昔から大好きで、今も変わらず、大好き。